Side:猫11
原案:クズハ 見守り:蒼風 雨静 文;碧 銀魚
「クロ、おはよう。」
リーンの声で目が覚めた。
「おはよう」
いつもの挨拶を返してやる。
「クロ、おまえも今の夢、見てたか?」
起き抜けに、リーンは大真面目に尋ねてきた。
「見てたけど?」
「見てたかわかならいけど、御船さんは俺のことをそういう風に見てるわけじゃないと思うぞ。」
「はぁ……」
急に何を言い出したんだ、こいつ。
「御船さんは、どちらかと言えば、クロのことが可愛いから、ここまでしてくれてるんだ。俺はおまけだよ、おまけ。」
「私がどうかしましたか?」
突然、ビアが声をかけてきて、リーンは飛び上がらんばかりに驚いた。
見れば、廊下への扉がわずかに開いており、ビアが覗き込んでいた。
「いや、別に何でもありません!」
リーンは大袈裟に首を横に振った。
その様が面白かったのか、ビアは少し悪戯っぽい笑みを浮かべた。
「……クロちゃんと、私の悪口でも言ってたんですか?」
「そんな!滅相もありません!なぁ、クロ!」
目を逸らしてやろう。
「あー、やっぱりよくないこと言ってましたね?」
「いやいやいや!クロ、そんな反応するなよ!それっぽくなるじゃないか!」
「クロちゃんは正直ですね~」
「いや、本当に悪口とか言ってませんからね!?」
それからしばらく、リーンは必死の弁明を続けることとなった。
へへへ、面白い。
前回もそうだったが、夢の内容は何となく覚えているものの、細かいところはあまり明確に覚えていない。
確か、この生活に手を貸してやる、的なことを言った気がするのだが……
何でそんなことを断言したのか、自分でもよく覚えていない。
第一、猫のこの体でどうするっていうんだ。
正真正銘の猫の手しかないぞ。




