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作戦会議2

「……どうした?」


姉さんが俺の反応に気付いて訊いてくる。答えても大丈夫と思った俺はそのまま言葉を口にした。


「『灰人間』は……俺を助けてくれた人だ」


「……そうなのか」


姉さんが悲しそうな顔をする。……先生は死んだというのを知っているのだろうか?それにしても……


「……雨翔先輩を助けた人が先生だったのか……」


「先生?」


『先生』という言葉が疑問だったのか、姉さんは首を傾げる。


「あぁ、異能都市で右も左も分からない俺を少しの間育ててくれたんだ。……殺されたが」


「は?病気で死んだんじゃ……」


……病気で死んだことになっているのか。まぁ、俺だけが真実を……いや、俺と京宮だけが真実を知っている


「……京宮に殺された」


「……本当か?」


姉さんが珍しく動揺していた。けれど真実だ。俺は念押しで姉さんに告げる


「あぁ。この目でしっかりと見た」


「理由は……」


「知らない、教えてくれなかった」


そこまで言うと、姉さんは空を仰いで小さく呟いた


「……新一が……」


知らなかったようだ。……確かに、姉さんは京宮と旧友だったらしいから……衝撃なのも当たり前か。そして俺はさっき姉さんが告げた本題に入ろうとする


「それで……雨翔先輩の多大なる勘違いってなんだよ」


「……忘れてくれ」


姉さんが唐突に言った。俺は訳が分からずに訊いてしまう


「なんでだ?」


「よくよく考えたら私の勘違いだった。すまないな、勿体ぶったような言い方になってしまって……」


「姉さん……?」


何か姉さんの様子が変になった気がする。……京宮が先生のことを殺したと言った時から、どこにぶつけることも出来ていないような感情を抱いている……気がするのだ


「……どうした?」


「嘘……吐いてるか?」


明らかに平常ではない姉さんに俺は疑いの目を向ける。しかし即答で……


「吐いてない」


と言われた。平常ではないのに……姉さんは至って冷静で、やはり違和感を覚える


「…………隠し事は……なしにしてほしい」


「どんな大事な人でも隠し事はするさ、傷付けない為には……」


そんなことを言う姉さんに、俺はさっきの様子が変わった瞬間を思い出す


「京宮が先生を殺したのに……何か関係があるのか?」


「ない」


即答だった。……これでは疑いようがなく、俺はため息を吐いた


「……姉さん」


「今日はもうやめにしないか?今は紗耶達を助けることが先決だろ?」


そう言われてしまって……頷くことしか出来ずに俺は腹の中に黒い澱のようなものを残しながら姉さんと一緒に部屋に戻るのだった。












「みんな!!」


みんなが夕飯を食べ終わって、姉さんと片付けをしていると、目に見えて分かるくらい目の下の隈がついているモンブランが、扉を思い切り開けて入ってくる。


「……大丈夫か?」


思わず心配すると、モンブランは限界を超えてしまっているのか、もはやとびきりの笑顔で対応してきた


「うん、3轍してたからね……ってそれよりも!!」


「寝ろよ」


言葉を遮ると、モンブランは急にとんでもないくらい怖い顔をして俺を睨んでくる


「黙れ、早く話を進めさせろ」


「はい、すみません」


俺は縮こまってモンブランに謝った。姉さんが続けてモンブランを宥め、話の続きを促す


「まぁまぁ、茶番はそれくらいにしとけ……で、何があったんだ?」


「紗耶さんと黒崎さんがいる場所が分かったんだ!それと……岩瀬もいる可能性が高い場所が!!」


モンブランがはっきりとうるさすぎるくらいの大声でそのように告げた。頭の中が一瞬真っ白になったが、すぐに正気を取り戻して、口角を上げる


そのタイミングで、お茶を買ってきていた比奈と雨翔先輩が廊下からリビングへの扉を開けて帰ってきた。


「本当ですか!?」


「凄い……あれからそこまで経っていないはずなのに……」


姉さんが袋に入っている2Lのお茶のペットボトルを二人から受け取って、冷蔵庫に入れる


「二人ともおかえり。ナイスタイミングだな」


「まぁ、みんなとりあえずこれ見て!」


モンブランがリビングの大きな机にドン……っと、大きな音を立てて、持っているノートパソコンを置いて……そして開いた。それには映像が映っていて、その場にいる全員が近づいて画面を注視する。


「……ここは」


その映像が映している場所は、異能都市に住んでいる者ならば誰しもが知っている場所だった。


「第一国立研究所……なんでこんな場所……」


まず一番最初にそれに気づいたのは雨翔先輩だった。映像がそこまで明るくない為、最初みんなは首を傾げていたのだが……雨翔先輩の言葉で全員納得した


「ここ、見てほしいんだ」


モンブランが画面右端に指を差した


「……紗耶と……黒崎……!?」


指を差した先には白髪の美少女と……黒いセーラー服を着た黒髪ロングの女が並んで歩いていた。久しぶりに……紗耶の姿を見た。少なくとも傷つけられている訳ではないようで少しホッとしたが……


「間違いないです……お姉ちゃんが……」


「紗耶も……間違いないな。はっきり顔も映っている」


比奈も姉さんも、それが本物である事に納得しているようだ。


「でも、これはただの一部。全部ハッキングするには……向こうのシステムに直接干渉しないと難しいかも」


モンブランが顔をしかめている。……どうやらここでハッキングするには限界があるらしい。比奈は顎に手を当てながら考え込んでいる


「……突入するにしても、とりあえずみんなを集めてから考えた方がいいかもしれないですね」


その言葉に姉さんは頷いて、指でメンバーを数える


「今ここにいる心、龍弥、比奈、モンブラン、私は確実に行くとして……」


「ゾンは?」


確かゾンは甲斐に圧倒されたと聞いたが……大丈夫なのだろうかと思って、俺は訊いた


「もうすぐ治るはずだから来られるはずだ」


凄いな医療技術。2日で治るのか。


「じゃあ後は……」


他に誰か連れて行くとして、誰が協力してくれるのだろうか……草薙は京宮に任せたが今はどうなっているか分からないし……


「お父さんも……呼ぶ……?」


雨翔先輩が恐る恐る手を挙げながら発言する。雨翔先輩のお父さん……鬼頭重喜さんか。雨翔先輩は言うには最強の傭兵……甲斐でも『怪物』と言っていたほどだが……


「……いいのか?重喜は確か引退してるはずだよな?」


姉さんが雨翔先輩に心配そうに訊いた。引退しているのに無理に協力させるのは流石に悪いことだからだろう。しかし雨翔先輩は笑顔で姉さんに言葉を返す


「うん……でもお願いしたらきっと協力してくれると思う……!」


「あ、京宮さんも呼ぼうよ。あの人もあの人で最強って称号持ってるじゃない」


モンブランが思い出したかのように言った。確かに京宮が入れば百人力だが……


「「…………」」


俺と姉さんは目を合わせて黙りこくってしまう。そんな最悪のタイミングで、来てしまった。


「やっほー遊びに来たぞ〜」


何故か男3人を抱えている問題のタネ(京宮新一)が……

読んで頂きありがとうございます

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