決闘
『決闘』
タイマンする時のシステムらしい
勝敗の決まり方は単純で、降参するか瀕死になるレベルの攻撃を喰らうかで負けとなる
決闘後は異能により傷が消え、全回復される
そして、勝った方にはポイントが付与される
そのポイントを沢山持っている者が、ランキングに入ることが出来るのだ
俺はランキングなどには興味がないが……
今回はムカついたこともあって、金髪の男と決闘することになった
「そういえば、名前を名乗ってなかったな……俺は草薙渡」
確かに、名前を聞いていなかった
まぁ正直どうでもいいが
「そうか、覚えといてやるよ」
一応覚えておいてやることにしよう
今は能力練習場とやらに向かっている最中だ
そこでは、他人が決闘している所も見れるらしい
今回の戦いも誰かに見られたりするのだろうか
それはかなり面倒なのだが……
と、言うこともあって俺は草薙に質問する
「なぁ、今回の決闘は観戦者ありなのか?」
「無しがいいなら、別にいいぜ。どうせお前が醜態を晒すことには変わらないからな」
……こいつ負けるフラグを余裕で立てるじゃないか
「……じゃあ無しにしてくれ」
そんなこんなで、能力練習場にたどり着いた
体育館に隣接しているかなり広い、白い場所である
さて、どうやって始めるんだろうか……
「……てっきり不意打ちとかしてくるのかと思ってたんだが、そんな心配は要らなかったなぁ!!」
「なっ……!?」
火の粉のようなモノが俺の周りに漂い……集まって……
「精々耐えろよ、雑魚が」
爆発した
「流石に半分くらい死んだんじゃねぇか?ハハハ!!」
「やったか……とか言わなかっただけマシだったな、草薙」
「ハハ……ハ……は!?なんで、お前……!」
驚くだろう、それもそうだだって……
爆発した筈の俺が無傷で立っているのだから
なんで無傷か……それは言わない
相手に情報を渡すなんてアホな真似はしない
それにしても……不意打ちとは驚いた
けどその行動に意味など存在しない
能力を開示しただけだ
そして生憎、草薙の能力は俺とは相性が悪いらしい
まぁ、一旦そんなことは置いといて……
「がっ……!!」
一瞬にして距離を詰めて草薙の顔面を殴る
俺に能力が効かなかったことに対して呆気に取られていたのか、俺の行動に反応出来ずに殴られた
殴られた草薙は真っ直ぐ吹き飛ばされ、受け身も取れずに倒れる
こいつの場合、受け身の取り方も知らなさそうだが
「立てよ、井の中のクソ蛙。お前に大海を教えてやる」
「おま……え……ぶっ殺す……」
さて、ここからどうするか……
こっちは一応手を出さずに立つのを待ってやっているんだが
「くっ……」
草薙が苦し紛れに手を俺に向ける
また、さっきと同じように火の粉が俺の周りに集まり……爆発した
その行動に意味はない
「これ、後何回やるんだ?」
そう聞いたのだが草薙は答えない
まぁいい、このまま殴って終わらせる
殴って離れた距離をすぐに0にして、また殴ろうとする
「それを待ってたんだよバカが!」
「……っ!?」
振りかぶった腕を掴まれた
……油断してしまっていたのだ
能力者は能力が通じなくなればすこぶる弱いと一瞬でも思ってしまった
……だが、この程度なんとでもなる
掴まれたくらいじゃ、倒されることはない
俺は能力を発動させる
〈波動〉を発動させる
「なっ……!?」
草薙が驚愕の声を上げた
なぜなら……俺のことが掴めないからだ
掴んでいた筈なのに、手から離れてしまう
いや、弾かれると言った方が正しいだろうか
兎に角、今起こった事実は……草薙の手が俺の腕から離れた
それだけだ
そしてさっきのようにもう一発、顔面に拳を入れる
「ぐっ……はっ……!?」
防ぐことも出来ずにそのまま俺の拳を喰らう
更に、追撃で思い切り腹に向かって蹴りを入れる
……草薙は3mほど吹き飛んで、立ち上がれなくなっている
「クソ……が……」
「マジか、タフな奴だな」
なんと草薙は立ち上がった
顔面に二発、腹に一発……結構重い攻撃だった筈だが……
まぁいい。次で終わらせれる筈だ
そう思って瞬時に草薙に対して距離を詰めようとして
「もういいだろ」
後ろの壁まで吹き飛ばされた
いや……蹴り飛ばされたのか
こんなこと出来る奴は……
「京宮……どうやって来たんだよ……」
京宮が俺を後ろまで蹴りでぶっ飛ばしていた
少なくとも……25m以上はあるはずなのだが
草薙に関しては呆気に取られている
「だから監視だって。君すぐ暴れるんだもん」
……その通りすぎて反論が出来ない
いや……まさか……
「まぁ、今回に関しては君のことを利用したんだけどね」
そこで俺は、疑問に思ったことを京宮にぶつける
「……水戸さんは?」
「協力して貰ってたよ、同意も取ってる」
同意を取ってるって……京宮に頼まれたら断れるやついないだろ……
結局、俺のやったことはタダ働きって訳か……
「で、草薙。君はもうランクで人を見ないって言えるかい?」
ボロボロになっている草薙に京宮は問う
草薙の答えは……
「はい、もう……しません」
だった、それに対しての京宮は
「そうか、ならよかったよ」
と笑いながら言った
だが俺には分かってしまった
それに感情なんて一ミリも籠ってないということが
こいつのこういう所が嫌いだ
興味の無い人間には、とことん興味がない所
そんなことを思っていたら、京宮がもう居なくなっていた
「……巻き込んですまなかったな」
草薙が申し訳なさそうにそう言ってきた
「ほんとだよ、面倒なことに巻き込みやがって」
「お前は普通に平常運転なんだな……」
ツッコまれてしまったが……
まぁ、色々済んだことだし帰るとするか
そう思って能力練習場から立ち去ろうとすると……
「星乃!」
「ん?」
草薙に呼び止められた
「次は俺が勝つからな!」
心なしか、草薙の目が明るくなっていた気がした
「あぁ、挑戦はいつでも受けてやるよ」
そう言って俺は、その場から立ち去った
この日は6月にしてはよく晴れていた日だった
どうも皆さん、わがまくです
読んで頂きありがとうございます
良ければ感想評価、ブックマークをお願いします




