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2回目の斎藤鈴子

「……ところで……」


俺はその現状に対してイライラというか、そわそわした気持ち悪い感じを抱えている為、息を吸って肺に息を溜める。ゾンは気になったのか俺の方を向く


「どうした?星乃」


「俺のことを挟むなぁっ!!あとこの時は鈴子でいい!」


俺を挟んで歩いている檜山とゾンの身体が、俺の大声で怯んで一瞬震える。檜山はそんな俺のことを笑顔で宥めようとする


「まぁまぁ、別に良いじゃない」


「よっ……よくねぇよ!俺がヒロインみたいじゃねぇか!?」


「安心しろ、この世界に主人公もヒロインも存在しない」


「え〜僕は主人公いると思うよ」


檜山が冷やかすようにゾンに言った。ゾンは檜山を軽く睨む


「……例えば?」


「困っている人を全員助けるヒーローみたいな」


即答だった。そんな奴いないだろ……と俺は思う。ゾンも同じことを思っていたらしく


「いないだろそんな奴。少なくともこんな腐った世界には」


「腐った世界だからこそ……そういう人が世界を変えたりするかもしれないじゃないか」


……一理ある気がする。もしもこの世界が変わったら……能力がない世界なんかに変わったら……ってちょっと待て。話がすごいズレてる


「と、とりあえず……俺を挟むのやめようか。目立ってしょうがないんだけど」


「じゃ、こうでいいか?」


ゾンが右端から左端へと移動する。そのまま話題がパタンと終わってみんな黙りながら王義学園に近づいていく……その途中で檜山は話題を思いついたようだ


「それにしても、その女装ってどうやってるの?女の子にしか見えないけど」


「アッシュがやってる……一応俺も教えてもらってるが、基本的にアッシュがやってるんだよ」


俺は呆れながら言った。でもマジでそこら辺の女子よりも可愛く見えてしまうのだから困ったものだ


「あの綺麗なお姉さんが、良い趣味してるね」


本当に大きく縦に頷こうとしたがゾンがまた睨んでくる


「俺の師匠を愚弄するなよ」


「褒めたんだよ全く……」


檜山がやれやれと言った感じで歩を進める……その瞬間だった


「おい、檜山」


背後から呼ばれる。呼ばれたのは俺じゃないが……反射で振り向いてしまった。ゾンも俺と同じように振り向いていた。


「んお?」


「誰だその二人は」


……こいつ……小野田か。異能都市7位の小野田輝樹。前と同じように黒髪でマスクをしている。雨翔先輩と戦った……


「彼女と友達」


「おいっ!!?」


小野田の問いに対してとんでもない言葉で返しやがったからつい反射で大声を出してしまう。小野田もびっくりした顔をしている……マスクでよく見えないが


「ってのは嘘で、二人とも友達」


良かった。訂正してくれた。しかし小野田は気になるようで俺に指を差す


「その女……見ない顔だが?」


「転校生なんだ、昨日たまたますれ違って、可愛かったから僕から話しかけた」


……なんでそっち方面に行くんだ……?てか俺が男なの分かってて言ってるよな檜山。だが、何故か小野田は納得したらしく指を差すのをやめる


「そっちの男は……何処かで見た気が……」


ゾンのことだろう。ゾンも理解したのか小野田に歩いて近づく


「……俺はゾン、異能都市最強だ。くれぐれもここにいることをバラすなよ。バラしたら殺す」


……怖っ。雨翔先輩とは違うがとんでもない威圧感だ。誰かに似てる……そういえば、あの赤髪の少年。結構前だが……京宮が学園でボコしてた奴がこんな感じの威圧感があった


「わっ……分かった……だが、なんであなたがここに……?」


小野田がビビってる……雨翔先輩のオーラではビビらなかったのに……


「知る必要はないだろう。異能都市7位」


「……怖いね、ゾンさん」


檜山も俺と同じことを思っていたようだ。俺もそれに反応する


「俺はあまりゾンと話したことないけど、あの感じは初めてだな」


俺がそこまで言うと、ゾンは俺たちを一瞥もせずにそのままの圧を俺たちに向ける


「聞こえてるぞ二人とも。ま、俺には関わるな。ろくなことがないぞ」


「は、はぁ……」


「行くぞ、二人とも」


ゾンはこちらに振り向いて……俺らより先に進んで行く。檜山と俺もゾンについていく為に走って行った。










「じゃ、この辺で。また放課。ほし……鈴子さん」


檜山が言い間違えそうになった瞬間殴りそうになったが、ちゃんと言い直してくれたようで何より。とりあえず檜山は行ったか……


「ゾンは?」


「俺も行く。多分すぐ終わるはずだ」


ゾンは俺に背を向ける。多分王義学園の学園長の所に行くんだろう。俺は手を振って送り出すことにする


「そうか、またな」


「あぁ。またな」


ゾンも手を振りかえしてくれた。が、ゾンが歩いて行って見えなくなった瞬間……自分の教室に行こうと歩き出そうとした瞬間だった


「おい、一年。見ない顔だな」


「あ?誰だお前ら」


しまった。つい反射で……と思ったが、かなり感じの悪い人達だな。どうするか。3人しかいないなら全員倒せるが……転校二日目で暴力沙汰はまずい


「オイオイオイオイオイオイオ、冗談キツいぜ。3年生だ。見て分からないか?」


あ、噛ませだ。真ん中の男から噛ませの匂いがする。あの時の……最初の草薙と同じ感じだ。


「3年生が俺になんの用だよ」


「オレっ子!良いねぇ唆るねぇ!」


右の男は変態だ!ナンパされる女の子ってこんな気分なのか!!どっどどどどうしよう


「なぁに、ちょっとついてくるだけでいいのさぁ」


俺はその3人目……左にいる男の言葉を聞いて、思い出す。……ありえないかもしれないが、一応確かめた方がいいかもしれない。


「……分かった。付いてく」


右の男がニヤニヤと笑ってこちらに顔を寄せる


「ほう、素直だな。もうちょっと嫌がってくれた方が唆るんだが……」


やっぱ断った方がいいかもー


「おい、俺のクラスメイトに何やってんだテメェら」


靴箱の方から誰かの声が聞こえてきた。あいつは……確か……

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