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同類

「星乃さんに……何してるんですか〜!!」


「えっ……比奈!?」


俺が巨大なサメの飲み込まれそうになった瞬間、比奈が能力練習場に思い切り入ってきた。思わぬ乱入に俺も檜山も驚いてしまう。


「鴉!星乃さんを!」


「危ねっ……」


30羽程の鴉が飛んで来て、飲み込まれるギリギリの所で俺は鴉に掴まれ『パシフィックパニック』を回避する。檜山は能力を全て一旦解除したのか、能力練習場から魚が消える


「……外から入れないはずだけど」


檜山が比奈のことを睨みながらそう言った。確かに、それにどうして比奈はここが分かったんだ?


「私は怪しい部屋にとりあえず鴉を待機させてますから!」


なるほど、鴉が開けたのか……ゾンがそう命令したのかは知らないが、比奈はここの生徒として侵入した訳じゃないだろうによく来れたものだ。と思っていたら……


「なるほど……最初から見られてたのか。まぁいいや『凸』」


檜山がまた能力を発動させ、螺旋状に魚を纏わせる。まずい、比奈じゃ檜山には勝てない。そう思って俺は〈波動〉を使って鴉を振り払い、檜山に向かって走り出す……その瞬間だった


「させないよ檜山君……」


「雨翔先輩!?」


雨翔先輩が檜山の右手首を掴んで抑えていた。潜入組勢揃いである。檜山はため息をついて諦めたのかまた能力を解除して言う。


「……流石にお手上げ。まぁ勝てそうだったけど……引き分けかな」


そんな檜山に対して俺は歩いて近づいて、そして訊いた。引き分けになったから答えてくれるかどうかは分からない。それでも訊かなければならないから訊いたのだ。


「お前が……王義学園の生徒を攫ってるのか?」


すると、檜山はあっさりと告げる


「いや、僕は違う。本当に噂話を知ってるだけ。だからそれについて知っている人を探してた」


「……本当か?」


流石にあっさりしすぎて怪しい気がしたから檜山に顔を近づけ、嘘をついていないか確かめる。だが、逆に檜山は俺に鼻先が触れるくらい顔を近づけ、詰め寄ってくる。


「逆に君たちこそ何者なの?雨翔さんは知ってるとして……鴉の女の子と、星乃って呼ばれてたよね。鈴子さん」


「……色々あったんだよ」


流石にそのまま顔を近づけたままでいると恥ずかしいので、俺はそう言ってそそくさと雨翔先輩の隣に移動した。やはり雨翔先輩の隣は安心する。先輩はそのまま苦笑いして、俺に対して言った。


「星乃君、とりあえずお互いに色々話した方が良いんじゃないかな……僕は檜山君が悪い人には見えないし……」


「……分かりました。放課後ついて来てくれないか?檜山さん」


雨翔先輩の言うことを了承して、そのように檜山に対して訊いた。断られたら少しまずいが……。檜山は少し考え込んでいるようだ。


「んあ〜……」


「私からもお願いします」


そんな中、入り口を見張っていたであろう比奈がこちらに来て、檜山に言う。檜山は比奈のことを知らないようで、首を傾げながら「君は……?」と訊いている


「黒崎佳奈の妹、黒崎比奈です」


比奈はなんの躊躇いもなく自己紹介をした。それを聞いた檜山は更に考え込んで悩んでいる様子だ。俺は一旦比奈に対して感謝を伝えておくことにする。


「比奈、さっきはありがとな」


「別に……星乃さんがいないと何も始まらないじゃないですか」


俺は目を合わせて言おうとしたのだが、目を逸らされてしまった。ツンデレな奴である。……俺のことが恋愛的に好きって訳ではないんだろうが。


「誰かいるのか?」


その瞬間、誰かに出入り口のドアが開けられた。まずい、雨翔先輩と比奈は王義学園に生徒として潜入していないからバレたらまずいことになってしまう。そんな時だった。


「おわっ……!?誰か!!侵入者だ!!」


「『凸』。非常口あるから、さっさとそこから学園出て行った方がいい。……放課後また話そう」


檜山が異能を使ってドアの前に大量の魚を向かわせた。入ってこようとした誰かは魚に押し戻されて行く。雨翔先輩と比奈は逃げる準備をして言った。


「ありがとう、檜山君……」


「一つ貸しです。星乃さんか鈴子さんかどっちで呼べば良いか分からないけど、君は教室に戻った方がいい。怪しまれるかも」


俺は檜山にそう言われて雨翔先輩、比奈、俺の三人で出入り口の反対側にある非常口から出ようとする。最後に非常口から出る時に檜山に対して言った


「ありがとな!」


檜山がグッと、親指を上に挙げるのを見届けて、俺は王義学園の自分の教室に戻るのだった。













「待ってた?」


放課後、学生用の門の前で待っていると背後からそのような声が聞こえる。そちらへと振り向くと檜山が立っていた。俺もついさっき来たばかりだから俺は次のように言う


「いや、別に」


「じゃ、行こっか。そういえば、君の本当の名前は?」


そういえば、星乃か鈴子か分からないって言ってたな。と俺は少し前のことを思い出しながら自分の名前を檜山に対して伝える。


「星乃龍弥」


「星乃さんはやっぱ男なの?」


「男だが……何か悪いか。あと星乃でいい」


俺だって好きで女装をしている訳ではない。全てあの変態アッシュが悪い。……それと、確か檜山は2年生だったはずだから呼び捨てで良いと言った。


「お、分かった。星乃は誰かの性癖捻じ曲げそうだな〜って思ってね」


「そんなの、俺が知るかよ」


誰かの性癖を捻じ曲げるくらい可愛い……とはまぁ俺も思うが。別にそんなことは俺に関係ないはずなので、そう言う


「じゃ、その話は置いといて……これから何処に行けば行くの?」


「……ゾンの家だ。詳しくは後で話す」


俺がそう質問を返すと檜山は妙に納得した様子で、また俺に対して質問を投げかける


「ふ〜ん、分かった。元々何処の学校にいたの?転校生なんだよね?」


その質問に俺はどう答えようか少し悩んだ。俺が今も一応通っていることになっている清院学園は……王義学園と実質ライバルみたいなものだ。だからそのまま伝えようか悩んだのだが……答えることにした


「……清院学園の生徒だよ。今も変わらずな」


「清院かぁ……あんまりそんな感じしないね」


「……どういうことだ?」


檜山にそんなことを言われ、俺に疑問が浮かぶ。『あんまりそんな感じしないね』って俺が持っていなくて清院の学生が持っているものがあるということだろうか。あるいは……逆?


「君は一般の考え方とは違う考え方をしてるってだけ。それも僕と一緒の考え方だ」


「そりゃ誰しもそんな側面はあるだろ。お前と同じかは知らないが」


すぐに説明が入った。どうやら後者……なのか?けどそんなことは誰しもありえる。そう思って俺は檜山の言葉に対して当たり前なことだと伝えるのだが……檜山はとんでもない言葉を放った


「0.01%だとしても分からない?」


「……そういうことかよ」


俺は納得して……これから大変なことになりそうな予感を覚えながら、檜山とゾンの家まで進んでいくのだった。

どうも皆さん、わがまくです

読んで頂きありがとうございます

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