日本で2番目のSランク
「……はぁ……」
まさか、異能都市4位……女の人がいるだなんて……。でも今はため息をついてる場合じゃない。私はカフェの窓際のカウンターで小さく呟く
「今はやることやらないと……」
私は1区の範囲内に鴉を飛ばして、さっき見た地図のバツ印の近くに鴉を留まらせて監視させる。私は目を瞑って一匹の鴉と視覚を共有する
「様子は……今のところ誰も居なさそうかな」
私は一旦そこで目を開いて、喉が渇いたのでカフェの店員さんに何か飲み物を頼むことにした
「……すみませ〜ん!」
「は〜い!お伺いします!」
茶髪の綺麗な女性店員さんが注文を取る機械を持って、私の近くへと寄ってくる。そんな店員さんに私は開いたメニュー表を指差して、笑顔で注文を頼む
「冷たい方のカフェオレをください」
「かしこまりました!」
店員さんが元気にそう言って去っていった後に、私はまた目を閉じて鴉と視覚を共有する。そして、鴉に命令をする。『インターホンを押して』と。一つ目の家は1区には珍しい住宅街の一軒家……インターホンを鴉が押してくれるが……
「……反応はない。居留守は……無さそう。二つ目は……」
次は小さく古いアパート……これも押してみるが……
「いない……あと3つ」
私はそのまま、マンション、そしてもう一つのアパートのインターホンを鳴らすように命令する。しかし……
「……マンションの方もない……アパートも……あと一つ」
どちらもなかった。難しいな……1区にいないとなると、2区とか7区とか1区の他に住みやすいような所なのだろうか。そんなことを考えながら最後の家に辿り着く
「このマンション……凄い高級なとこじゃ……」
1区の中でも一等地のマンションだ。確か家賃が……とんでもなく高かった気がする。
「いや、今は気にすることじゃない。私はこんな分かりやすいとこに異能都市1位がいると思わな……!?」
私は気を取り直して、しっかり鴉と視覚を共有する。その瞬間だった。
「人!入った!?黒髪の男!!」
私は驚いてしまい、思わずそのように叫んでしまう。すると、恐る恐るさっきの店員さんから注意をされてしまった。
「も、申し訳ありません……店内では騒がないで貰えると……」
「あっ、はっ、はい!すみません……」
私がそう謝ると、店員さんはにっこりと笑って私が頼んだ冷たいカフェオレを丁寧に私の目の前のテーブルへと置いてくれた。
「こちらカフェオレです」
「あ、ありがとうございます……」
それだけ伝えると、店員さん下がってレジを待っている人の方へと向かって行った。私は気を取り直してさっきのマンションに配置した鴉と視覚を共有しようとするのだが……
「……あれ?鴉の反応がない……」
視覚の共有ができなかった。いつもはこんなことはないはずなのに……
「もしかして……やられた……?」
私の身体に冷たい汗がじっとりと滲みる
「行かないと……!いやでも、星乃さん達を呼ばなきゃ……」
こんな時こそ冷静になって考えなければいけない……けど……
「……あ、連絡手段が……あの人なんでここに集合とか言ったの〜?」
現状何も出来ない状態に陥っていた
「いや、まだギリギリ鴉が届くかな……?」
星乃さんが行った5区とかならまだしも、2区ならギリギリ届くかもしれない。とはいえ……10km以上先だったか、あまり覚えていないが……
「とりあえずさっきの場所、もう一回鴉で……」
私は別の鴉と視覚を共有しようと目を閉じた瞬間
「お前か、俺を追っている人間は」
背後から、声がした。低い男の声が
「…………」
まさか……まさか……
「動くな、少し物騒なモノを持ってるだろお前」
……隠し持ってるナイフに気づかれてしまった。私はナイフをゆっくりとテーブルに置いて、震えた手でカップを掴んでカフェオレを飲む
「早すぎ……ですよね?」
一口飲んで置いて、私は小さくそう呟いた
「お前の鴉を支配して、そこから逆探知して走ってきただけだ。幸い、そこまで遠くはなかったが」
……逆に支配……?異能だろうか……けど、不可解な点が多すぎる
「あそこから2kmは離れているはずですけど……?」
通常、能力に身体能力が引っ張られて強化されるのはよくあるが……そんな芸当、Aランクの能力者でも難しいはずだ。京宮さんなら……出来るかもしれないけれど……
「……俺は日本で2番目のSランクだ。2kmを数十秒で走るなんて造作もない」
……聞き間違い……いや、はっきりと聞こえた
「日本で……2番目……!?」
「『こっちを向け』」
その男の言葉を聞くと、自然と身体が動いてしまっていた。私は座っている状態から立ち上がり、その男の方へと向く。……この人が……Sランク、異能都市1位……こういう人ってなんで容姿が整ってるんだろう
「………」
「黒崎……比奈か」
私の顔をまじまじと見つめながら異能都市1位……ゾンは言った。なんで私なんかを知ってるのだろう。お姉ちゃんが知られているならまだしも……
「……なんで知ってるんですかね?」
私は口を開いて反射的にそう訊いていた。すると、驚くべき答えがゾンの口から出てくる
「お前も、研究所にいただろう。確か……『イブ』だったか」
「………」
……本当に何者なんだ。この人は……
「まぁ、今はそんなことどうでもいい。支配させてもらうぞ」
「……っ!?」
ゾンの右手が私の頭の上に乗せられた瞬間……私は意識はどこか遠いところへ行ってしまった
どうも皆さん、わがまくです
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