これから……
「さっ、災虎様!?」
少女の声が聞こえた瞬間、イリアスが視界から消えた。そしてイリアスがその少女の名前……かは分からないが、災虎様という名前を呼ぶ。その声が聞こえたのは……背後からだった
「……は?」
「やぁ、ゴッドチルドレン。それと……異能都市3位の妹」
その少女は30mくらいは離れているはずの階段の前にいた。片手に……拘束されたイリアスを抱えて。赤髪で小学生くらいの体格だが……こいつ……やべぇ奴だ
「いつの間に後ろに……ていうか、子ども……!?」
「あなたも子どもでしょう?えっと……比奈さんだっけ?」
「いや、そうなんだけど。でもあなた、小学生……」
いや、気にするとこそこなのか?まぁ、別に構わないが……正直、ここでこいつを相手にしたら確実に……比奈も俺も死ぬ。どうすれば……
「まぁ、いいのよそんなこと。消そうと思ってた証拠は無いみたいだし、ちゃっちゃと帰らせて貰うわ」
え、マジかよラッキー。ではないんだよな。このまま逃げられたら……いや、どうせこいつを捕らえるのは無理だ。だったら最後くらい有益な情報を手に入れたい
「おい待て、聞きたいことがある。岩瀬は何処にいるんだ?」
「さぁね。彼……研究所をあっちこっちしているし、元々私は関係してないし……知らないわ」
有益な情報なかった。……しょうがない、納得するしかない。だから俺は小さく「そうか」とだけ言った
「じゃあ、またね」
災虎と呼ばれているそいつは俺たちに手を振って……イリアスと共に消えた。それと同時に比奈に責められる。まぁ、そこまで重い責め方ではないが。
「ちょっと、逃してもいいの!?」
「勝てない」
俺はそれだけ言った。比奈はポカンとしているが、多分気づかなかったからしょうがないだろう。
「え……?」
「京宮新一、知ってるだろ?」
俺が大体答えが『はい』100%であろう質問をする。その質問を聞いた比奈は勿論頷いた
「ええ、そりゃあ……日本で一番最初のSランクだもの」
「あれと同じ感じだ。強すぎて勝てる気がしない」
「……嘘、あの子ども……京宮新一くらい強いって訳!?」
諦めた様な顔をした俺に明らかに驚愕しながら、比奈は俺に問いただし……それに対し小さく笑って言った。
「あぁ。まぁ流石にアイツを超えることはないだろうが……とんでもなく強いのは確かだ」
「今、京宮新一のことアイツ呼ばわりした……!?」
「それはどうでもいいだろ」
いや、一般人にとってはどうでも良くないのか?……気にしなくてもいいか。
「どうでもいいって……」
気にされてたが、無視でもいいか。それに訊いておかないといけないことがある
「お前これからどうするんだ?」
「私……は……」
比奈は考え込んでいて……悩んでいるのだろう。言葉を詰まらせていた。そんな比奈に俺は言った。
「人一人が死んでるんだ。お前が関わらなくても、お前の頼み通り……俺……とあと一人が連れ戻すが」
雨翔先輩もきっと手伝ってくれるだろう。優しいし。それに無理に責任を負ってほしくないのだ、だから俺はそう言ったのだが……
「……手伝います。これでも、情報収集は得意なので!」
比奈はやる気に満ちた明るい笑顔でそう言ってくれた。勿論、歓迎するしかないだろう。
「ははっ、オーケー分かった。だがとりあえず、俺にも目的がある」
「星乃紗耶……って人を見つければ良いんですよね?星乃さんの妹ですか?」
俺にそんな質問をしてくる彼女に対して、さっき「変態」とか言ってた彼女は何処にいったのかと考えてしまう……というか思わず口が滑ってしまった
「お前、急に人が変わったな……」
「……妹ですか?」
顔怖っ!圧力やばっ!とはいえ、俺は冷静に妹だと比奈に対して伝える
「あぁ、そうだ。世界一可愛いくて優しくて健気な「お姉ちゃんに似てますね。シスコンなとこ」
おいおい、せっかく妹の素晴らしいところを……ん?聞き間違いか今の?
「……え?黒崎がシスコン?」
「そうですよ?」
「…………嘘だろ」
「本当ですよ?」
マジかよ
「ま、まぁいい。とりあえず今は紗耶を見つける為に……異能都市1位、ゾンも探しているんだ」
「異能都市1位を……?」
比奈は怪訝そうな表情で俺を見ているが、これに関しては普通に説明出来る。
「あぁ、色んな研究所潰してるらしいから、もしかしたら『イブ』って研究所の話も聞けるかもしれない」
「なるほど……当てはあるんですか?」
多分場所のことを訊いているんだろう。俺はその言葉に頷いて……
「ある……が……腹が減ったから先ずは飯だな!」
と言った。うん。純粋にお腹が減ったのだ。朝ごはん食べてないし。そんな俺に比奈は呆れた表情で、やれやれといった感じで……俺に言う
「……呑気ですね」
それに対して俺は自信満々に笑顔で言葉を返した
「黒崎も紗耶もどうにかするさ。必ずな」
「どうにかって……まぁ良いですよ。信頼してあげます」
呆れたままだが、何処か安心しているかのような表情で比奈は微笑んだ。……大丈夫そうだな。俺はそう考えて神社に背を向けて、比奈に語りかけながら歩き出した。
「そうそう、そういえばここら辺に美味いうどん屋があったんだが……」
すると後ろから何か言われた気がした。俺は振り返って、比奈に訊く
「ん?どうかしたか?」
「いいえ、何にもありませんよ。ていうか私もついて行くんですか?」
あれ、来ないつもりだったのだろうか。まぁ、こういえば付いて来るだろう。そう考えて俺は比奈に告げる
「あぁ、奢ってやるからついてこい」
「……はぁ、しょうがないですね」
比奈はため息を吐きながらも俺の後ろに付いて来ることにしたようだ。そうして俺と比奈は……うどんを食べに行くのだった。
どうも皆さん、わがまくです
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