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俺の能力はBランクだ。平凡よりかは少し強いくらいの、しかし一番上に行くことは出来ない中途半端な人間だ。それでも、Bランクというだけである程度強力ではあるのだが……


だけれど、そもそも自分は一番上に行く気などない。やらなければいけないことをするだけだ。清院学園に来たのは、あの京宮とかいう地獄に行っても何も反省しなさそうなゴミに『学校くらい行け』と言われたからだ


ここへ来る気なんてそもそもなかった


……Bランクは、複数人の能力者を相手にしても全員倒すことが出来るレベル。これだけ聞けば、普通に十分に強いと思われるだろう。確かにその通りではある


一番下がF、無能力者


その次がE、無能力者ではないが、能力をそもそも上手く使えない者


そして、一番数が多いD、能力をある程度扱えるが大して強力でもない普通の能力者


ここから少し強くなってC、能力を使えて、その能力自体がある程度強力な能力者


俺が今属しているランクB、一般的には一番強い能力者で、Cランクの能力者を複数人でも相手に出来る


……A、軍隊を相手にしても勝てる可能性がある能力者、100万人以上の人口を誇る異能都市にも数人しかいない


それと……規格外の人外が集まるSランク。一人で世界を終わらせることが出来る


そんな奴らが世界に7人もいる。そこを「しか」と捉えるか「も」と捉えるかは個人によるが……


異能があってもこの世界は平和である


ただそれと同時に


この世界は腐っている






俺は学校によくあるような椅子に座り、机の上に乗っている黒い機械に手をかざしていると、黒い機械が淡くオレンジの色に光った。明るいライトを水の中に入れた時のような、そんな光だ


「能力ランクはBだね、中々見ないなぁ〜」


椅子に座っている試験官であろう女が言った。……元から自分のランクは知っていたので、正直どうでもいい


「これで終わりですか?」


俺は一応確認をする


「うん、これで終わり。改めて、清院学園へようこそ!」


俺は女の言葉を無視して立ち上がり、その部屋を去ろうとすると


「ちょちょ、何で無視するのさ!」


……流石に呼び止められてしまった。別に、早く帰って何かする訳でもないのだが……

それでもこんな所には居たくない


「もうちょっと、おねーさんとお話ししようよ。星乃龍弥君?」


「……早く帰らせてくださいよ」


俺は不愉快そうに言ったのだが、その女はお構いなしに言葉を放つ


「ねぇ、羽鳥真也って知ってる?」


その言葉を聞いた瞬間、俺はそいつに掴みかかった


「うわっ……ちょっ、そんな怒るくらいだったの……?」


そいつは明らかに狼狽え、驚いている。掴みかかられたのなら当然の反応だ。だが、こいつは俺の地雷を易々と踏みやがった


「次その名前を出したら……俺が味わった地獄を身を持って体験させてやるよ」


そう言って俺はその女から手を離し、落ち着く為にため息をつく。すると、彼女は観念したようで


「ははっ……すっごい力……分かった、もう言わないし詮索もしないよ」


と言った


「そうしてくれると助かる」


俺はそのまま、扉を開けてその部屋から出て行って……呼び止められることはなかった








廊下に出たら京宮が目の前に立っていた


「おいおい、そんな嫌そうな顔するなよ」


どうやら、顔に出てしまっていたようだ。出来れば無視したい所だが、どうせ呼び止められると思って俺は口を開く


「何の用だ……ですか?」


思わずタメ口を使ってしまい、慌てて直す。しかし特に京宮は気にしていないようで、俺の質問に答える


「タメ口でも僕は構わないんだけどな……まぁいい。質問に答えるとするならば、ただの監視だ。お前は隙あらば暴れる節があるからな」


多分俺があのまま、あの試験官に何かしようとしたら止めてきたんだろう。正直、あまり手を出す気はなかったが……京宮を相手にすると流石に厄介だ。手を出さなくて良かった、と心の底から思った


「……用はそれだけですか?」


俺が訊くと、京宮はポケットの中からカードのような何かを取り出し、俺に差し出してきた


「いや、これを渡そうと思ってな」


俺はそれを受け取り、そのカードに書いてある字を呟く


「学生証……」


「そうだ、学生証だ。異能都市の学生は全員持ってる。便利だから持ち歩いているといい」


俺の呟きに間髪入れずに京宮は学生証について説明する。ただ、少し違和感を覚える。カードにしては少し重量がある


「何か入ってるんですか、これ」


「確かになんか重いよな、それ」


……少し気になる程度だし、特に問題はないか。そのように結論を自分で出して、俺は再度確認する


「もう、用は済みましたか?」


「あぁ、もう済んださ。僕は職員室に戻ることにするよ」


京宮は俺に背を向けて、その場から去っていった。それと同時に後ろの扉が開く


「君、もしかして京宮さんと何か関係があるの!?」


さっきの試験官が俺に目をキラキラさせながら聞いてくる。……マジで早く帰らせてほしいのだが


「別に何も関係ないですよ」


こう言っても多分追求されるんだろうな。嫌な時の予想は大体当たる


「いやいや、絶対嘘!普通の人はあの人と話すことも出来ないんだよ!?」


案の定追求してきた……追求というか、考えの押し付けというか……。まぁどうでもいいのだが


「はぁ……俺は何を聞かれても答えませんよ」


ため息をつきながらその女に背を向けて、さっさとその場を離れようとする。しかし彼女は俺を呼び止めて


「じゃあ、一つだけ聞かせてよ!」


一つくらいならいいかと思い、俺は振り返って彼女に言う


「一つだけですよ、それも答えられる範囲でお願いします」


それを聞いた彼女はまた目を輝かせて


「あなたも、京宮さんのこと好きだよね?」


「大嫌いだ」


自分で言うのもなんだが、食い気味に即答した。俺は京宮新一という人間が大嫌いだ。多分異能都市にいる99.99%の人間があの男を好いているだろうが……。俺は0.01%だ。彼女は俺の言葉を聞いた瞬間唖然としていたが、当たり前だろう


そして彼女は聞いてきた


「なんで……?」


「それに返答する義務はないですよ。質問は一つだけですからね」


そして俺は今度こそ背を向けて、その場を去った。後ろから呼び止められようが、もう俺は前を向いて歩いている


帰る時には雨は止んでいたが、雲は空を覆っていた

どうも皆さん、わがまくです

読んで頂きありがとうございます

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