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鴉と猫と……猛獣?

「……『イブ』……研究所……」


黒崎比奈から言われた言葉を口に出して反芻していると、コツコツとこちらへ歩いてくる音が聞こえる。石畳の階段を歩く音だろうか。俺と比奈はそちらの方を向き……唖然とする


「あっれれ〜、証拠隠滅しに来たらなんかいるにゃ?」


「……誰だお前」


メイド服に猫耳の……いや手袋も猫か?肉球があるし……まぁ手袋ってよりかは……武器の様に見えるが。まぁそんな変な女が現れたのだが……圧倒的に神社に似合わない。とりあえず誰かと問いかけるのだが……


「私は世界一可愛いメイドの、イリアスちゃんだにゃ!」


まともに受け答え出来ない人かもしれない


「鴉!」


比奈がそうはっきりと言葉を放つと、辺りに飛んでいた50匹は下らないであろう鴉達が俺達とメイドの間を壁を隔てる


「んにゃ?見えないにゃ〜」


「……どうしますか?」


「倒して情報を聞き出す。証拠を隠滅とかなんとか言ってたからな……やるしかないだろ」


あの女からは敵意が感じられたし、なんらかの証拠が隠滅されるなら戦う他ないだろう。俺と比奈は臨戦態勢に入り、ぶりっ子メイドの出方を伺うことにする


「さっさと出てくる……」


その女は猫の様に姿勢を低くして……


「にゃ!!……ってあれ?いないにゃ」


鴉ごと切り裂こうと突撃してきた。しかし、鴉達はそれを回避して……俺たちもすでにそこには居なかった。俺はぶりっ子メイドの背後にまわり、固めた右拳を放つ


「おいぶりっ子、拳をくれてやる……よっ!」


「おっと……っ!?」


振り返ると同時に左手でその攻撃が受け止められる……だがこれでいい。


「……残念、罠に引っかかったな」


俺は瞬時に固めた右拳をパーにして、左腕を掴む。足元も疎かなので左足を相手の股下に入れ、内側から外側へと相手の右足を払う。転んで態勢を整える内に右腕を左手で掴んで押し倒せば……完成だ


「う、馬乗りだなんて……中々大胆にゃ」


「うるせぇ、さっさと観念しろ」


「むぅ〜……の、能力が使えないにゃ!?離せにゃ!!」


「鴉、突撃」


比奈の命令で、喚くぶりっ子メイドに鴉達が襲いかかる


「あたっ……いてて……やめるにゃ!……猫のしなやかさ……舐めるにゃ!!」


俺に掴まれながら鴉に突かれている筈なのだが……肩の関節を外して身体を回転させながら抜け出しやがった。めんどくせぇ……


「……ちっ、そこそこ手練れかよ」


俺は舌打ちしてそう呟くのだが、ぶりっ子メイドの狙いはどうやら俺ではない様で


「次はお前にゃ……」


「……っ!」


肩の関節をすぐに戻して、少し離れていた比奈に襲いかかる


「んにゃー!カラス邪魔にゃ!」


とはいえ、鴉の攻撃はまだ終わってはいない為、鴉を払い除けながら比奈に向かって突撃をしようとする


「鴉、下がって!」


鴉が叩き落とされるのを見て、無意識なのだろう……比奈はそう叫んだ。


「捉えたにゃ……優しさは時に身を滅ぼすのにゃ……!」


「2対1だぞ、これは」


まぁ、俺を忘れてもらっちゃ困るのだが


「ぐっ……!?」


ぶりっ子メイドの頭を右手で掴んで地面に叩きつけた。割と本気で


「鴉……!」


比奈が叩き落とされた鴉に寄り添うのを横目で見ながら叩きつけた頭を今度は左手で掴んで持ち上げる


「おい、ぶりっ子。一発殴るぞ。一回痛みを味わっていた方が屈服させやすいからな」


「にゃ……許してくださいにゃ……」


勿論許す訳がない。俺は空いている右手を握りしめて……


「許す訳……無いだろ!!」


そう叫んでぶりっ子メイドの顔面をぶん殴った





「うにゃ〜……」


とりあえずのびているぶりっ子メイドを両手両足をそこら辺の木のツタで拘束した……とはいえ、普通に引きちぎられたり関節を外して出られたりする可能性もあるが……まぁ俺がいれば抜け出したりすることは無いだろう


「で、なんでここに来たのか……答えないと殴る」


「にゃにゃ!は、話すにゃ!だから殴るのはやめてほしいにゃ!」


「星乃さん、こいつの語尾キモいんで一発殴りましょう。いや殴らせてください」


比奈がそう言った……超賛成である。と思っていたのだが、その雰囲気を感じとったのかイリアス……だったか?まぁなんでも良いが、ぶりっ子メイドと呼ぶのは疲れたのでイリアスと呼ぶことにしよう。そのイリアスは言う


「わ、分かりました。普通に話します!」


「演技かよキメェ」


「うるさいにゃ……って嘘嘘嘘嘘だから拳見せないでください!」


小さく呟いたことに苦言を呈しやがったので拳を振り上げると、思い切り首を振って謝る。……実に滑稽である。俺は拳を下げて、昨日のことを質問する


「質問したいことは山ほどあるが……とりあえず訊く。昨日の事件、誰が首謀者だ」


「岩瀬……様です」


「名前は」


「つかさ……だったかなぁ〜……?」


俺から目を逸らしながらそう答えるイリアスに、握った右拳を見せつけて脅す


「んな分かりやすい嘘ついても殴るぞ」


「つっ、努です!岩瀬努って人です!」


岩瀬努……何処かで聞いたことがあるような……。そうだ、思い出した。異能都市2位の岩瀬瑠美と何か関係がある人間か……?そんなことを考えていると、比奈がイリアスに対して質問をする


「お姉ちゃんが行方不明なのは?」


「……岩瀬様が……連れ去ったらしいんですけど、詳しくは……」


……嘘はついていないようだな


「岩瀬……努が……」


その事実を聞いた比奈は悔しそうに拳を握りしめて呟く。だが、まだまだ聞きたいことはあるので、俺は質問を続ける


「『イブ』っていう研究所は?」


「能力を人工的に作る研究所……とだけしか知らないです。詳しい場所も知らない……」


能力を人工的に……とんでもない研究所だな。まだ能力に関しては謎も多いはずなのだが……まぁいい。俺はどうしても聞きたいことを訊く


「ふむ……次も重要な質問だ。星乃紗耶っていう女の子を知っているか?」


「星乃……紗耶?」


「白髪の超絶美少女だ。歳は……比奈と同じくらいだと思う」


「え……え……?」


なんか比奈が困惑しているが、まぁ気にしなくても良いだろう


「ん〜……いるかも知れないですけど、殆どコードネームで呼びあっているので……」


「……ちっ、情報無しか」


やっぱり紗耶に関しては雨翔先輩と調べた方が良さそうだな。とはいえ、岩瀬と紗耶が無関係という気がしない……岩瀬が黒崎という強力な能力者を手に入れた状態なのだ。もしかしたら能力が強い紗耶も……


「イリアス、手こずりすぎだよ」


考え込んでいる時にそんな声が聞こえた。比奈よりも幼いような、少女の声が……

どうも皆さん、わがまくです

読んで頂きありがとうございます

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