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異能都市3位の妹

「……マジで開放されてるな」


俺は昨日言われた通りに10時ごろ、神社に来ていた。今回見に来たのは何かあった証拠を探す為なのだが……。


「ん?誰かいるな」


鳥居を潜り、石畳の階段をコツコツと上がって行って、上がりきったら……神社の本殿の前に人がいた。しかしカラスがその人の周りを飛んでいる為、姿をちゃんと確認するのは難しい


「なんでカラスが……」


「……うっ……うっ……」


少し近づいてみると、セーラー服を着ていることが分かる。黒崎のような黒いセーラー服ではなく、普通のセーラー服だが……一つ気になったことがあった


「泣いてる……のか?」


「っ!誰……!」


辺りにいたカラスが全て飛んで行って、その女の子は俺の方へと振り向いた


「いや、俺は……っ!?」


その姿を見た瞬間俺は息を呑んだ。雰囲気、顔立ち、体つき……所々違うところはあるにせよ、全部黒崎に似ているのだ。そして俺は直感でその女の子に訊いた


「まさか黒崎の……妹さん?」


「……そうですけど、あなたは?」


マジで合ってた。……だが、黒崎の妹は怪訝そうに俺のことを訊く。まぁ当たり前だろう。知らない奴が話しかけてきたら誰だってそうする。


「俺は黒崎の友達……だな」


「……星乃龍弥」


なんで知ってるの??まぁいい。とりあえずこちらも名前を訊くか。


「あぁ、そうだが……君の名前は……」


「黒崎比奈。殺人犯の妹ですよ」


何もかもを諦めたような顔でため息混じりに彼女は言った。……なんか大体起こったことが察せるな。だが、それを肯定する訳にはいかない


「……まだ、決まった訳じゃないだろ」


「…………」


「待て」


黙って俺の横を通りすぎて神社から去ろうとする黒崎比奈を、俺は肩に手を置いて止める。黒崎比奈は鬼のような形相でこちらを睨んで、俺に訊く


「……なんですか」


「君は……比奈さんはどう思ってるんだ?」


流石に姉を嫌っている訳ではないだろう。だから俺はそのように聞き返した……のだが


「……敬語下手くそ」


悪かったな敬語下手くそで!!年下に敬語使ったことないから分かんねぇんだよ!!という心の叫びを押し殺して、俺は念押しする


「俺の質問に答えろよ」


「……別にどうも思ってないですよ。あんな……」


俺はそこで思い出したことを言った


「嘘つけ、お前泣いてただろ」


「っ……変態」


顔面をぶっ叩かれたのだが。俺そんな何か悪いこと言ったか??


「いてて……アホか、泣き顔見ただけで変態呼ばわりはないだろ」


思わずそこに関して抗議してしまった。だが……泣いたのをほぼ認めたようなものだし、とりあえず何か思ってることはほぼ確実なのだろう。


「……なんなの……あなた」


「さぁな。俺はとりあえず現場を見に来たかっただけだ」


先程よりも表情が和らいだ……とは言ってもまだ睨まれてはいるが、俺はそう説明する。すると、急に比奈は顔を俯ける。


「……お姉ちゃんは……逃げたの?」


「なんで俺に訊くんだよ」


まぁ、あいつがこんなことをして逃げるとは思わないが……それはそれとして俺にそのことを訊くのはちょっと意味不明なので呆れながら比奈に向かって言った


「お姉ちゃんは……お姉ちゃんは……」


「黒崎はあんなことしねぇってのは、お前が一番信じてやれ。……家族なんだろ」


俯いたままのその女の子に俺は声を柔らかくして伝える。


「うっ……んっ……」


「泣くなよ……」


黒崎とは全然違うな……あいつは何があっても他人に涙は見せなさそうだし。と、そんなことを考えながら俺はそう言ったのだが……


「泣いて……ないっ……!」


「そうかよ。……ったく調子狂うぜ」


黒崎の妹ってだけでも調子が狂うのに……まぁいいか。とりあえず辺りを調べようと俺は傷がついている本殿の方へ歩き出すと、背後から質問が飛んでくる


「あなたは……お姉ちゃんが犯人だと思ってないの?」


「当たり前だ。あいつがよりにもよって親友を殺すなんて、それが事実だとしても何か裏があるはずっ……!?」


振り向かずにその質問に答えた……その瞬間だった。背中になんだか柔らかい感触が伝わり、身体中に冷や汗が滲み出てしまう


「……お願いします、お姉ちゃんを助けて……ください。……なんでもするから……」


「まっ、待てバカ!なんでほぼ何も知らない俺に頼む!?それにそんな軽々しく……はないだろうが何でもはダメだろ!!」


不謹慎かもしれないが黒崎にバレたら確実にぶっ殺される気がするので俺は無理矢理、比奈のホールドから抜け出して、早口で焦りながら言葉を紡ぐ。


「あ……え…………っ!?へっ……変態!!」


「変態は抱きしめてきたお前だろ!……はぁ……別に何もしないし、見返りなんかいらねぇよ」


俺に顔を赤らめながらそう言ってくる彼女に対して、俺はそのように反論して……言葉を続ける


「安心しろ、お前のお姉ちゃんは絶対助けてやる」


「…………ありがとう、ございます」


何故かは知らないが、俺に背を向けて感謝した。……ツンデレという奴だろうか。しかし、それよりも気になったことがある。


「だが、助けてくれってことは……黒崎はやっぱり何かあったんだな?」


「……はい、私の予想が合っていればお姉ちゃんは……」


黒崎比奈は俺に背を向けたまま、辺りに響くことはないくらい小さく、だがはっきりと俺に告げた。


「研究所『イブ』にいると思います」

どうも皆さん、わがまくです

読んで頂きありがとうございます

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