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異能力者の学園で

雨の中、傘を差しながらコツコツ……そう足音を鳴らしながら歩いていく。しかしその音は雨音で掻き消され、歩いている者でさえも聞こえなくなる。


……彼は雨音も、足音もただの雑音だと思っている為、そんなことを微塵も気にしていないのだが。そして彼は、ある場所で止まり……彼はその建物を見上げる。


それはどこからどう見ても、普通の学校であった。しかし中身は普通の学校ではない。『清院学園』そう呼ばれている高等学校だが……。


この学園は『異能を操る者だけ』が入学することが出来るのだ。そして彼はその学園に足を踏み入れる。僅かな期待と、途轍もない気怠さを感じながら……






俺はその部屋の前まで来ていた。扉の前には応接室という札が掛かっている。それを確認した後に、コンコンと二回適当にノックをする。すると中から、


「ここはトイレじゃないけど〜?」


と、呑気な声が聞こえた。面接は3回、トイレは2回とよく言われることだが……。俺はそんな言葉に耳も貸さずにドアノブを掴み、中の様子を伺いながらその部屋に入る。目の前には見知った顔の男が立っていた


黒髪だが、特徴的な赤色の目をしている。そして不愉快なことに、かなりのイケメンである。日本では中々見ることはないだろう


「おい、無視して入るな」


俺に指を差して少し不愉快そうにそいつは言う

そして続けて……


「まぁ、久しぶりだな。元気にしてたかよこのヤロー」


と、呆れながら親しげにそう言ってきた。……仮にも自分は転入生だというのに、前みたいに話しかけてきやがる。全くもって吐き気が止まらない。……少し言葉遣いが荒くなってしまいそうだ


兎にも角にも、俺はそいつ……

京宮新一(きょうみやしんいち)

と呼ばれる男と対峙をする


「……初めまして、京宮先生」


俺はそいつ……京宮と目を合わせないように、やや帰りた気にさっき入ってきたばかりのドアを見つめながらぎこちなくそう挨拶をする。京宮は俺の行動を見て、うんざりしたのかは知らないが俺にはっきり聞こえるようにため息を吐く


そして次の言葉を放った


「はいはい、そうだな。僕と君は……今は先生と生徒の関係だ。」


そんな京宮の態度にカチンと来たが耐えて平静を装う。装ってもバレるからその行動に意味などないが……。京宮は『気を取り直して』と言いながら奥に置いてあるソファに座る


「ようこそ、清院学園へ。とりあえず今日は、能力検査を受けてもらう」


「……能力検査……」


俺が『能力検査』という言葉に反応して呟くと、京宮はその能力検査とやらの説明を始める……訳ではなかった


「そ、とはいえ僕は君の能力を知ってるから、正直受けなくてもいいんだけどね。だけど一応受けてもらうことにする」


「能力ランクを測るためですか……」


俺がため息をつく。自分の能力は知っている、『Bランク』に分類される能力だ。ただ、転校という提を守る為には能力検査は必須なのだろう。そんな憂鬱そうな俺を見た京宮はニヤニヤ笑って


「”能力は”大して強くないもんな、君」


なんてことを抜かしやがった。こいつからかってんのか。強いからって言って良い事と悪い事があるだろう。というかそもそも、能力で大体の地位が決まるこの世界が腐っている。そんなことを考えていたらもう俺は口を滑らせていた


「うるせぇよ」


「おぉ、怖」


京宮はわざとらしく反応した。面倒なので、もうツッコむのはやめにする。さっさとこんな所からおさらばしたい俺は京宮に対して質問する


「で、どこに行けばいいんですか?」


まだこの学園に関することを全然知らないし、どこに何があるのかも分からないのだが……応接室に関しては入り口から近かったのですぐに分かったが


そんなくだらない事を考えていると次のような返答がきた


「ここの近くの階段を上がって、廊下を右に進んでくれ。そうしたら面白いものが見れるから」


「……いや何が「それは行ってからのお楽しみだ」


俺の言葉に被せながら言ってきた。……生憎まともに答えてくれなさそうなので、さっさとそこへ向かうことにする。こういう時大抵ろくな事が起こらないのだが


そして俺は応接室から出ようと扉を開けて……

京宮に呼び止められる


「なぁ…-お前はこれからどうするんだ?」


そんな言葉に対して俺は……


「……やらなきゃいけないことをするだけだ」


とだけ答え、足早に応接室から出ていった









「廊下を右……いや何もないけどな……」


ブツブツと呟きながら歩いていく。まるで面倒なおつかいを頼まれた気分だ。と、そんなことを思いながら更に道なりに進んでいくと……


「あなた、見ない顔ね」


後ろから突然、声を掛けられた。この学園の生徒か、そう思って振り向くと


「!?」


振り向いた先に人はいない。代わりに、また後ろ。真後ろから声を掛けられた


「あなたが転校生ね、異能都市の外から来たという割には……戦い慣れてそうだけど」


「そりゃ、どーも」


疑いの言葉に対して、適当に反応しておく。というか、さっさと能力検査を終わらせたいのだが


「もう能力は使わないから、振り返りなさい。転校生」


とりあえず、その言葉を聞いて俺が振り返ると……黒いセーラー服を着た黒髪ロングの女がいた


「……あなたが能力検査を受けに来た人かしら?」


俺の顔を見たその女は俺にそう問いかける


「あぁ、そうだ」


ただ端的にそう答えた。だがそいつは何かをする訳でもなく、また俺に質問をする


「随分綺麗な銀髪ね……染めてるの?」


「……地毛だ」


「ふーん……」


何でいちいち俺の髪について答えなきゃいけないんだとも思ったが、まぁいい。こっちとしてはさっさと能力検査なんて終わらせたいだけなのだから。そう思い、俺はそいつに質問をする


「で、能力検査はどこでやるんだよ」


「ここを曲がって真っ直ぐ進んで、そしたら分かるわ」


そいつが、突き当たりの角を指差して言った


それを聞いた俺はすぐに歩いて向かおうとするが……


「あなた、名前は」


俺の名前とか、京宮とかから聞いてないのかよ。そう思いながら振り返って、黒セーラーの女に逆に問うことにする


「……お前の名前を教えてくれたら、教えてやってもいい」


何故かは分からないが、目の前の女とはまた会いそうな気がする。同じ学校に会う時点でそれは避けられないって言われたらそれはそれまでなのだが。でも、そうじゃなくて……これから深く関わるような気がしたのだ


「仮にも私は先輩なんだけど……まぁいいわ。私は黒崎佳奈(くろさきかな)


「黒崎……」


何処かで聞いたことがある気がする名前だ。けど思い出すのは後でもいいだろう


……そして改めて聞かれる


「で、あなたの名前は?」


そう聞かれた俺は自分の名前を口にする


「俺の名前は……星乃龍弥(ほしのりゅうや)だ」


「そ、星乃龍弥ね。……また会いましょう」


それだけ言って、黒崎佳奈は瞬きの間に消えた

まるで最初からいなかったかのように

どうも皆さんこんにちは、わがまくです

まずは異能都市を読んでいただき、ありがとうございます

初投稿なので拙い部分もありますが、暖かい目で拝読していただければ幸いです

さて、この「異能都市」は、創作をされている方々の真似をさせていただいている所が多々あります

不快になられることもあるかもしれませんが、その際は遠慮なくご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します


ということで、ここで締めたいと思います

それでは皆さんまた会いましょう

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