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学園襲撃④

教室の中がどんどん暗くなる。入ってくる日の光がゆっくりと見えなくなる。そして最後には教室の中にある机……椅子……全てが影から這い出てくる闇に飲み込まれて……。完全に暗闇になる。光が通らない洞窟のように真っ暗になった


「こんなの聞いてない……」


暗闇とはいえ、声は聞こえるようだ。少女が空中から降りたのか、上からではなく真っ直ぐ目の前の方からそのような声が聞こえた


「初めて人に対して使ったのだけれど……そんなに暗闇が怖いかしら?」


いつのまにか、身体が軽くなっていた。『異能』は心が安定していないと使えないという絶対のルールがある。少女は暗闇に怖気ついたのか、能力を解除していた


「……っ!」


少女は私に対して能力を使うが、さっきよりも断然威力が弱まっている。少しだけ身体が重くなった程度で動きにはなんら支障はない


チェックメイトだ。この少女を……拷問する。なんで学園を襲撃したのか洗いざらい吐いてもらわなければいけない。……全部吐いたら殺す


そう考えて私は暗闇の中で怯えているその少女の目の前まで影と影をつたって瞬間移動をし、目の前にいると気づいていない少女の両腕を掴み、押し倒す


「ひっ……」


「誰の命令で学園を襲撃した」


私は声を低くして訊いた。返ってきた答えは……意外なものだった


「……パパが……やれって……」


パパ……?少女の父親が……首謀者……?いや、とりあえず少女の名前を聞いたほうが早いか


「あなたの名前は?」


「……………」


少女は無言を貫く。そんな少女に私は……

空中の暗闇から黒いナイフを精製して腕を刺す


「いっ!……ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」


少女は必死に私に向かって謝るが……それに意味はない。早く答えないと抉ろう。そう考えてもう一度、冷酷に問う


「名前は?嘘を吐いたらもっと痛い目に遭うわよ」


「……岩瀬……岩瀬瑠美……」


岩瀬……瑠美……異能都市2位!?なんで異能都市2位がここに……!?いや、訊けばいい……私が勝っているのだから。驚いたが、その表情は暗闇で見えないはずだ。隙は絶対に見せない。そして、もう一つ問うことにする


「……学園を襲撃した理由は?」


「……知らない……ごめんなさい……」


少女は今にも泣き出しそうな声で、小さくそう言った。嘘を吐いてるかもしれない、演技をしているかもしれない。そう思って言う


「嘘吐いてないでしょうね」


ナイフの刃を少し深く刺して、嘘かどうかを確かめる為に


「……本当に知らない……知らないんだってぇ……」


そこまですると、少女は泣き出してしまった。……少しやりすぎたかなんて考えていると、


次の瞬間だった


「ダメやな〜女の子を泣かせたら」


「!?」


虧月牢の外から声が聞こえた。男の声だ。更に、地震のような衝撃が地面を揺らす


「何が……!?」


初めて対人でこの技を使ったからどうなっているか分からない。今、一体何をされている……!?


「泣かせた奴は……懲らしめんとなぁ!」


考える暇もなくその声が聞こえて、もう一度衝撃が地面を揺らした時……部屋が少しずつ明るくなっていく。日の光が差し込んでくる。影の世界は……『虧月牢』は消えてしまった。教室も元通りになって、机も元に戻っている。一応異能都市2位の少女を押し倒している状況は変わらないのだが、影のナイフは少しずつ薄くなって消えてしまった


この技が外から壊されるなんて、予想していなかった。いや、頭の片隅から抜け落ちていた


「悪のヒーロー甲斐直人の参上や」


季節外れの赤いマフラーを首に巻いている男は、窓の縁から降りて教室の中へ入ってきて……おどけた口調でそのように言った。甲斐直人……聞いたことのない名前だけれど、何者なのだろうか


そんなことを思っていると、甲斐と名乗った男は瞬時に私の方へサバイバルナイフを持って突撃してくる。少女を押し倒している場合ではない。私はすぐに立ち上がる。立ち上がると同時に影の中に手を入れ、黒い太刀を瞬時に生成して、構える。しかし……構えた時にはもう……甲斐直人は目の前にはいなかった


「は……?」


影から生成した太刀は砕け散っていた。訳が分からない、何が起きた……?いつの間にか甲斐直人は、異能都市2位の少女を抱きかかえて窓の縁に立っている


「今日は時間がないから、これくらいにしといたるわ」


そう言って、甲斐直人は窓から飛び降りた。すぐに私は力が抜けて座り込んでしまう


「はぁ〜……疲れた……」


何本か骨も折れてるだろうし、早く能力練習場に行かないといけない。疲労が溜まっているが、私はすぐに立ち上がって反対方向の教室の扉を開けて能力練習場に向かうのだった














「雨翔先輩!」


俺は屋上の扉を開けて、柵から学園の様子を見ている先輩に声をかける。雨翔先輩はそれに気づいてこちらに振り向いた


「あれ……星乃君……みんなは……?」


俺が少し早く帰ってきたことに驚いたのか、俺にそのように訊いた。俺はその問いに対して次のように答えた


「みんな能力練習場に避難してます。あと……多分相手は全滅しました」


恐らく、大体京宮が潰したのだろう。アイツは化け物中の化け物だから、当たり前といえば当たり前なのだが。その答えに対して雨翔先輩は何故か俺から目を逸らして反応した


「そうなんだ……」


「どうか、したんですか?」


何か、素っ気ないような雰囲気を感じたので思わずそのように訊いてしまった


「……どうもしてないけど……僕、何か変だった……?」


「いや、なんか……気のせいですかね」


すぐに目が合ったので、特に気にする必要はないと考えて気のせいと誤魔化した


「ならいいや……帰っても大丈夫かな……?」


「一応、能力練習場に避難しますか?」


まだ何かある可能性は十分にある。だから俺はそのように訊いたのだが、それを聞いた雨翔先輩が困った顔をしていて、流石に考えなしだったと気づいた。今日の朝のことをすっかり忘れていた


「……すみません、雨翔先輩の気持ち考えれてなかったです」


すぐに俺は謝った。酷いことを言ってしまった。……それを酷いことと認識してしまう自分にも腹が立つ。何も出来ない自分に……腹が立つ


「気にしないで……君は悪くないよ……僕が悪いんだから……」


雨翔先輩は微笑みながら俺に言ったのだが……俺はそれを否定した


「それは違います。雨翔先輩は悪くないですよ。この腐った世界が全部悪いんですから」


俺がそのように言うと、雨翔先輩は俺に背を向けて空を眺めながら俺に質問をする


「星乃君は……この世界が嫌い……?」


俺はゆっくり息を吸って、そして吐きながら質問に対して答えた


「……ええ、大嫌いですよ」


「……あはっ、同じだね」


雨翔先輩は、笑っていた

どうも皆さん、わがまくです

読んで頂きありがとうございます

お気づきになられた方もいるかもしれませんが……星乃龍弥は一体何をしていたのでしょうか

想像してみるのも面白いかもしれません

まぁ……後々分かりますけどね

それでは、また会いましょう


異能都市小ネタ5

異能の相性が良ければ一ランク上の能力者にも勝てることがある

Sランクは例外

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