学園襲撃③
「星乃君のバカ……僕だって……」
屋上の柵から学園の周りを覗きながら呟やいていたら
「ダレかのタメにナレルかッテ?」
呟いただけなのに答えが返ってきた
外国人が日本語を喋るような、そんなカタコトの言葉なのだが……
思わずそちらを見てしまうほどには驚愕することだった
「……っ!?」
屋上の柵にもたれかかって黒いパーカーを来ていて、ポケットに手を突っ込んでいる人がいた
いや、人なのだろうか?目に見える情報では中性的な顔立ちをしている日本人……なのだけれど
黒髪黒目というところでしか日本人か判別できない
声も中性的で、決してどちらかと裏付ける理由などは見つからなかった
とても奇妙なことが起こっていると、そう思わざるを得ない……
「ヤァ……あ、あ、えっと?確か雨翔心だよねキミ」
先程よりも、発せられた言葉が流暢に聞こえた
そんなにもすぐに流暢に話せるのかとも思ったのだけれど、それはそれとして……
自分は目の前の人を全く知らないのだが、なんで目の前の人は僕の名前を知っているのだろうか
「そうだけど……あなたは……?」
自分が雨翔心という事には変わらないので、確認の言葉に肯定をする
そして、質問するのだが……少し言葉が足りなかった
「ワタシは敵でも味方でもない……今はネ」
自分が訊いたニュアンスとは違う風に答えられてしまった
敵でも味方でもないという言葉も気になるのだけれど、とりあえず名前を聞きたい
知っている人かもしれないから
「……名前は……?」
「ミカでいいヨ」
ミカ……知らない名前だけれど、名前からして女性の人なのだろうか……?
まだ分からないことが多いので、また質問する
勿論、横目で学園の様子を見ながらだけれど
「……ミカさんは何をしにここに……?今は学園が襲撃されてるんだけど……」
「キミに忠告しに来たんダ……まぁ、信じるか信じないかはアナタ次第だけド」
「忠告……」
なんだろう、学園が爆破されるから逃げろとかだろうか?
そんな予想を立てたりしたのだが、次の言葉で予想が出来なくなる
「星乃龍弥が離れタからキミに伝えようと思ってネ」
星乃君が……離れたから……ということは
星乃君がいたら言えないこと……?
それでも何を忠告されるのかは全く予想がつかない
……そしてミカさんが忠告を告げる
「早く星乃龍弥カラ離れた方がいい……情が湧く前ニ」
星乃君から離れる……?
「なに言って「さもないとキミは……死んでしまウ……絶対ダ」
なんで離れなければいけないのか問おうとしたのだが、それを遮るように言われた
『死んでしまう』と……
……なんで?訳が分からない
星乃君は初めて友達になってくれそうな人なのに、なんでそんな事を言われないといけないのだろうか
「じゃ、ワタシはこれデ」
「ちょっと……!」
まだ聞きたいことが沢山あるのにミカさんがそのように言う
止めようとするのだが、風が大きく吹いてくる
……反射で目を閉じてしまう
そして次に目を開けた時、ミカさんは消えていた
普通なら何も分からず恐怖するのだろうけど、自分は不思議とミカさんが消えたという事実に納得した
頭の中にはミカさんが言っていたことが脳裏に焼き付いていた
そこで自分は今まで疑問にも思ってなかったことを初めて疑問に思った
「……星乃君は……なんで僕に構ってくれるんだろ……」
「あははっ……早く楽しませてね?」
その少女は小悪魔のように笑う
笑って……私に言った
『楽しませて』……か
その為にはまず身体を動かさなければいけないのだが……
身体が重い、かなり重い
異能の効果なのだろうが……重力を操っているのか?
だが、対抗のしようはある
その効果を喰らうのは自分だけだ
『影』を使えば、この少女を倒せる
「……っ!……あはっ、流石だね」
私の異能で机の影から直径1mくらい程ある鋭利な円錐が這い出て、直接少女に刺そうとするが……
ふわりと浮かれて避けられてしまう
しかし少女は驚いている……なら数を増やせば倒せるか?
先程と同じように10本以上教室中の影から鋭利な円錐が這い出てくる
「やばっ……!」
「〈深淵〉……喰らいなさい」
私はそう言って、完全に少女を捉えた
影が少女を突き刺そうとする
……だが、今度は少女も攻撃を仕掛けてきた
「やられっぱなしは嫌だから、潰すね……どん」
「なっ……!?」
影が抑え込まれた
その事実に私は驚愕する……そして更に驚くべき事が起こる
……能力が強制解除された……!?
重力だけで……!?
「うっ……!?」
「もう疲れちゃったかな?……異能都市3位」
二人だけの教室に声が響く
重力攻撃によって膝をついた私と、空中に浮遊して私を見下す目の前の少女
私はなんとか少女を見上げて、睨む
「うっさい……」
少女の言葉に対してそのように返すのだが……否定は出来ない
思うように動けないし、異能も上手く使えない
まだ対峙してから2分程しか経過してないにも関わらず、身体は悲鳴をあげていて肩で息をしている状態だ
全部……私の身体にのしかかっている能力のせいだ
「まぁ、そろそろ終わらせてもいいかな〜?」
少女がゆっくりと教室の中に複数あるうちの一つの机に立つ
少女はニコニコと……至って純粋な笑みで笑っている
そして少女は私に対して指を指して……言った
「どーん」
「……っ!?」
身体が更に重くなる
膝で立つことも出来ないくらい重くなる
……もう手段にこだわっている場合ではないかもしれない
なんとか意識を保ちながら、思いっきり息を吸う
そして叫んだ
「『虧月牢』!!」
と……
どうも皆さん、わがまくです
読んで頂きありがとうございます
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