Dogs of war 1
シス警部とフリオが水球を破壊する直前。
「発破。」
その言葉と共にローク地下放水路に破裂音が鳴り響く。
「工兵としての腕も落ちてないみたいだね。」
「はは、恐縮ですアンナ。」
2人の老人が施設内に侵入した。
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入り口から数十メートル先の森の中。
「デニス、分かってるわね。」
女性の声が響く。
目の前には獣頭骨の異形が二体。
「分かってますよ、僕がカバー役で姉さんが大暴れ。
撃ち漏らしはーー」
「撃ち漏らさない。」
「……」
「撃ち漏らす気は一切ない、奴ら全員を土に還す。」
まさに怒髪天を衝く気を纏い、ベリーが其処に立っていた。
✳︎
ローク地下放水路、裏口。
「さて、久々ですね、鉄火場に立つのも。」
扉の前に侵入を塞ぐ様に立つ三体の異形。
その前に立つのは小太りの男が1人。
刺突剣を構え、ステップを刻むその姿。
「どれほどの戦力なのかは知りませんが、精々カロリーを消費させて下さいね。」
異形の舌がうねるのと同時に、しなる刃がその舌を三枚纏めて貫く。
異形の叫び声と共に、貫かれた舌をそのままに刺突剣は地面に突き刺さされた。
そのまま、柄まで地面に踏み込みしっかりと固定し、小太りの男が腰からもう一本の刺突剣を抜く。
「…どうやら、問題なく狩れそうですね。
身内を攫ってくれたんだから、覚悟はできてますよね。」
動きは一切淀みなく、自らと剣が一体となっている。
男は一つの凶弾となり、舌を縫いつけられた異形に飛び込んだ。
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「…!?」
同時に、三つ。
森に配置していたジャヴァウォッキーと裏口のジャヴァウォッキーの交戦。
そして、入り口からの侵入者。
侵入者が三人、それも同時に。
想定外の状況にアリアナは驚愕の表情を隠せずにいた。
全く同じタイミングで、三つ。
考えられる節は幾つかある。
アリアナの口から舌打ちの音が聞こえ、自身の異能で用意した水の椅子から立ち上がり椅子を自分の周囲に浮遊させ歩き始める。
一つはシガレットがアリアナの出鼻を挫くために煙で分裂なり何なりして三箇所同時に侵入してきた可能性。
が、その一つ目の想定をしている最中にその想定が違うことが分かった。
一瞬で、裏口の侵入者が三体いるはずのジャヴァウォッキーの一体を屠っていた。
その信号をアリアナは感じ取りながらシガレットの異能を急いで思い出すも、其処まで強力な異能があったとは思えない。
煙に巻いて、煙で拘束する程度しかできて居なかったはずだ。
そう思いながら隣の部屋に向かい暫く歩いた頃、裏口の二体目と森の一匹が破壊された。
何か、良く分からないがジャヴァウォッキーがヤバい化け物と相対しているのはアリアナにもすぐに分かった。
ジャヴァウォッキーは適度な命令を与えるだけで熊すら屠る。
これは何度か試したから間違いない。
傷はつけられどもジャヴァウォッキーは自然動物には負けない筈だ。
詰まるところ、それは自然動物以外の到来。
だが、重火器程度の攻撃であれば一応目視で避けられるように命令を下してある筈にも関わらず一体何が起こっている?
もう一度舌を打ちながら、隣部屋の扉を開け放ち、アリアナは大量に隠していたジャヴァウォッキーを操作し始めた。




