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その61 秘められた物たち

フィズン西山の調査を進める特務隊。

2日目の調査を行う中で、ヅェニワラが何かを見つけてしまう。それは…約200年前の“魔の侵攻”当時に秘匿された物たちで…。

 早朝のフィズンには、はらはらと雪が舞っている。




「今日は山の北側を調べようか」


 フィズン西山の調査を始めて2日目。

 引き続き調査を行っている特務隊とルゥイ小隊は、今日の調査を山の北側から開始している。これは漣次郎が、昨夜のヅェニワラの案を採用した結果だった。

「…ちなみにだけど、なんで北側なんだいレンジロウ?」

 しかしその辺の話をルゥイにはしていなかったので、彼は首を傾げている。

「ヅェニワラさんの勘だって。それを信じてみようかなと」

「ふーん?半魔族のオレは特に何も感じなかったが…ホンモノの魔族はやっぱり違うってのか?」

「うふふ、かもねぇ」

「テルルは何も感じないけど」

「えぇ、何じゃそりゃ…」

 漣次郎の案には説得力が無く、皆は怪訝そうだ。

 しかし…元々これは当てのない調査だ。

 どうせ満遍なく調査しないといけないのは決まっているので、また今日も2手に分かれての調査を開始する。


 そして今日は、早々に進展があった。








 それは、漣次郎の組とルゥイ組が分れたすぐ後の事だった。


「…なんかルゥイの奴が呼んでね?」

「テルルも聞こえた気がする」

 気が付いたのはワールとテルル。

 この2人に比べて感覚の劣る漣次郎とココロンには何も聞こえなかったが、魔族と半魔族が口を揃えているのだから、疑うまでもなかった。

「まさかヅェニワラさんが何かを見つけたのかな?」

「さあなぁ…とりあえずまだあいつらとそんなに離れちゃいねぇから、向かえばすぐだぜ」

「えへへ…もし何かあったとしたらスゴイですよ!?レンジロウさん、あたし達も行きましょー!」

「そうだね!」

 4人はテルルの鼻を頼りに、雪でうっすら白くなった山道を速足で進む。




 漣次郎達がルゥイを見つけたのは山の北側、海が見える開けた場所だった。

 切り立った岩壁の中腹に人が数人通れるくらいの幅の道があり、そこにルゥイ小隊の面々とヅェニワラが居た。胸を張ってしたり顔のヅェニワラと、岩壁を触って何かを探しているルゥイ…一見それは妙な光景だった。

「あれレンジロウ、俺が呼んだの聞こえたんだ?」

「僕には聞こえなかったけど…」

「オレにはちゃんと聞こえたぜルゥイ」

「あはは、流石ワールだね」

 漣次郎が来たことに気付いたルゥイは顔を上げ、その声は興奮気味に浮かれている。テルルもここへ来て何かを感じたらしく、岩壁を見てそわそわし出す。

「んー…」

「どうしたのテルルちゃん?」

「なんか変な感じ」

 そして皆の視線は、自然とヅェニワラに集まる。

 彼女は待っていましたとばかりに自慢げに告げる。

「レンジロウ、あの戦衣が箱庭にあった理由が自分にはわかったよ。きっと聖者マルゲオスは、この日を待っていたんだ」

 彼女は、この場所に隠された何かに気付いたようだった。


「“朧の箱庭”の入り口を隠している異能…それと同じものがここにもあったのよ。たぶんこの岩壁には元々洞窟か何かがあって、それがこの異能で隠されているんだ」


 ヅェニワラはとあるポイントで足を止め、岩壁に手をそっと添える。

「こういう“場所”や“物”に関わる異能は、その持ち主が死んでも残るんだ。それこそ強い魔法や異能の力をぶつけでもしない限り残り続けるのさ」

 それは驚くべき事実であったが、漣次郎はなんとなくそれを予感していた。

「つまり聖者マルゲオスが、かつて箱庭の魔族をこっそりフィズンまで連れてきて、ここに何かを隠した…って事ですよね?」

「自分はそうだと思うよ。そしてこの場を示す地図を細かく分割し、その一部を箱庭の魔族に託す…そうすれば次ここが見つかるのは、箱庭の魔族が人間と和解した時ってわけさ。もしかしたら聖者はそういう未来を望んでいたのかもね」

 しかし尚もルゥイは訝しげだ。

「っていうか、本当にここに何かあるのかい?」

「まあ確かに、見ない事には始まらないわよね」

 そうしてヅェニワラは、箱庭の入り口と同じ合言葉を口にする。

「“マルゲオスの慈悲、エルーナの愛、ローブルの加護”…」


 ヅェニワラが言い終わらないうちに、岩壁の景色が歪む。











「基地からいくつか灯具だけ借りてきたよ。あとマシェフ様にも報告したから、少し経てば増援も来ると思う」

「じゃあ俺達は先に中の調査をしようかレンジロウ!」




 何も無かった岩壁に、洞窟が現れていた。


 異能で一旦基地に戻った漣次郎は、調査の状況をマシェフに報告していた。そしてついでに基地のミューノを連れて山に戻って来たのだ。

「うわぁ…レンさん本当に見つけちゃったんですね、驚きです」

「ミューノは足大丈夫なの?」

「だってこれはきっと歴史に残る大発見ですよ?見逃したら悔いが残ります。無理にでも来ますよ」

 まだ足が癒えないミューノだが、杖を片手に漣次郎に付いて来ていた。ミューノにはそもそも報告だけで済ませようとしていた漣次郎だったが…“どうしてもココと一緒に見たい”というミューノの希望を汲んでこうなっていた。

「えへへ、ミューと一緒にこんな体験…嬉しいねぇ!」

「わたしもだよ、ココ」

 怪我で体勢が危ういミューノの脇をココロンが支える。

「え、これ…何かヤバい物とか出てこないよねぇ?」

「今更だぞルゥイ。あと、何が出ても他言無用だからな?マシェフ様との約束だぜ」

 ちょっとビビっているルゥイと、にやけるのを我慢するワール。

「楽しみだねレン」

「…そうだね」

 漣次郎の手を握りしめるテルル。


 そして先頭に立つヅェニワラが、灯具を高く掲げる。

「いいねぇいいねぇ!ワクワクするじゃないのさ!」

 彼女を先頭に…特務隊とルゥイ小隊は、岩壁に現れた洞窟に踏み入る。






 その洞窟は入り口こそやや狭かったが、中はかなり広かった。

 壁を見る限り、どうやら天然のものでは無さそうだ。

 そしてだだっ広い闇の中央に、異様なものが鎮座している。


 それは…剣の形をした、大きな大きな石碑だった。


 身長の高いルゥイよりもだいぶ大きな石碑。

 その形、漣次郎には何なのか分かってしまった。

「これは“逆臣の碑”…?」

「どう見てもそうですね、しかし何故罪人の墓が…」

 皆より一足早く、それにワールが歩み寄る。

 そして彼は、その碑に刻まれた名を…震える声で読み上げた。


「何だと…『アルヴァナ・カナン』…?」


 その言葉に皆驚き、石碑に急ぎ駆け寄る。

 碑に刻まれた“罪人”の名は…かつて魔族を討ち払い、シュレンディアを救ったという三英傑の1人。

 勇者と呼ばれた女戦士アルヴァナのものだった。




 ココロンが灯具を掲げ、呆然と石碑を見上げている。

「三英傑の七不思議の1つ…賢者と聖者は墓と石像が一緒の場所にあるのに、勇者は墓の場所が不明…でもアルヴァナの墓も、ちゃんと石像と一緒にあったんですね」

「そういうことになるね…」

「でもなんでアルヴァナのお墓がこんな…?」

 呆けるココロンだが…まだ調査は始まったばかりだ。

 彼女の事は一旦置き、他の皆で洞窟の調査を続行する。











 その夜、漣次郎はビスロの元に報告へと戻っていた。




 漣次郎の報告を受け、ビスロは満足そうだった。

「よくやったレンジロウ!やはりお前に任せてよかった」

「現場は今マシェフ様の直属部隊が見張っています。中にあったものについても報告はしていますが…」

「…まあ、いずれせよ本来の目的を遂行するぞ」

 あの山に隠されていたものは、シュレンディアを揺るがしかねない大変なものばかりだったのだ。


 特務隊が本来探していたものは、そこで一応見つかっていた。

「洞窟の壁に、5つの複雑な魔法陣が描かれていました。ただ魔法の専門家ではないのでどれが何なのかはわかりませんでしたが、明らかに超級術より複雑な紋様だったので…」

「伝説に語られた“秘伝術”、その魔方陣に違いないだろう」

「今はフィズン魔法院の人達が、その魔方陣を夜通しで解読しています。効果は使わないと不明らしいですけど、どの属性かはわかるみたいです」

「ふむ、その中に魔族に対抗し得るものがあると良いのだが…」

 フィズン西山の洞窟には、秘伝術と思われる魔法陣があったのだ。しかしそこには魔法陣が5つしか無く、6属性分の魔法陣は揃っていなかった。

 以前王都魔法院の誰かが語った“超級以上の火術が失伝している”という事と、ラージェが匂わした“魔族が秘伝火術を持っている”という点から、あれらは火術以外の秘伝術と思われた。


 そして…あの洞窟にはそれ以上に大変なものがあった。

「しかし、そこに勇者アルヴァナの墓まであったとはな。しかもそれが“逆臣の碑”…一体どういうことなのだ」

「わかりませんが…とても公表はできないですよね」

「当然だ、勇者アルヴァナは英雄なのだからな」

 シュレンディアにおける三英傑の人気は絶大で、その中でも勇者の威光はとてつもない。そんな勇者が罪人として葬られていたなどという事実は、とても公表できることではなかった。

 漣次郎も、あの石碑について考えていた。

(あの墓を造ったのは英雄王イリューザか聖者マルゲオスか、そのどっちかが勇者を貶めるためにわざと罪人として葬った…?いやでもそれなら隠す理由が無いし、隠されていたという事からして…本当にアルヴァナは何かをやらかしたって事なのか?)

 勇者の墓所は、表に出るべきものでは無かったのかもしれない。


 そして…もう1つ。

 あそこの最奥にあったもの。

「で、洞窟の一番奥に“英雄王イリューザ・アルデリアス”の像があった…と?」

「ええ、でも正確に言うと“王宮の庭園にある像”と近い形…って所ですね。同じ人物の像なのは確かでしょうけど…」

「王宮のあの像、ラージェはあれを“ローブル王”の像だと言ったらしいな」

「そうですね…」

 ビスロは頭を抱え、目を閉じて黙り込む。

 漣次郎も上手い言葉が出てこない。

(ラージェが言っていた…魔族はローブルという名のシュレンディア王に恩があると。それがフィズンにあったという事は、もしかしたら…)

 発見された秘伝術の魔法陣。

 謎とされてきた勇者の墓所まで見つかった。

 しかし…今回の調査はそれ以上の謎を掘り起こしてしまったのだ。




 漣次郎もビスロも口には出さなかったが、考えは同じだった。

 もう一度、ラージェに詳しい話を聞く必要がある…と。











 特務隊がフィズンで行った調査の結果は、表立って公表されなかった。


 しかし、フィズン西山を騎士団が頻繁に巡回するようになったため、様々な噂が生まれていた。

 元々あの山には勇者アルヴァナの像があり、彼女の墓を探し求める者達も大勢居た。なので民衆の間では“ついにアルヴァナの墓所が見つかったのではないか?”という噂が主流になっていた。

 実際の所それは当たっていたのだが…もっとマズいものまで見つかっているというのは流石に噂されておらず、さほど大きな騒動にはなっていなかった。


 しかしこの噂は、想像以上の速度で広まった。

 これに興味を持った者達がフィズンに集まっており、その中に真祖『月の民』が混じっているらしいというのが良くなかった。そのため急遽レーヴェット騎士団から応援も来ており、フィズンは今、妙に賑やかだった。






「魔術師たちの仕事は順調だよ、レンジロウ」


 調査の3日後、漣次郎はマシェフに執務室へと呼び出されていた。

 例の魔法陣をフィズンの魔法院が読み解いており、それを待って特務隊は引き続きフィズン基地に留まっていたのだ。そしてどうやら、その中で何かがわかったようだ。

「本当は王都魔法院の魔術師が来てくれると良かったんだけど、残念なことに彼等は今デルメーで起きた突然の流星群をまだ調査中なんだ」

(それの原因も僕なんですけどね…テルルの異能の事はビスロ様にしか言っていないけど、本当すみません)

 間接的に自分が邪魔をしてしまっているとは言えず、そこは漣次郎も沈黙しておく。確かに王都魔法院の魔術師はこの国で一番優秀なのだが、彼らの協力が得られないのは残念だった。


 マシェフの手元には、魔術師団の報告書があった。

 彼は興味深そうにそれを読み上げている。

「5つの魔法陣は、紋様からして5属性のものが1つずつみたいだよ。そして伝承の通り、火術の物はなさそうだって」

「“超級以上の火術は失伝した”…王都魔法院でもそう聞きましたけど、それは正しかったっぽいですかね?」

 マシェフは神妙に頷く。

「それらはどれも、超級術の魔法陣に比べて非常に複雑との事だね。魔術師団の報告によると…通常の魔法陣と同様に発動するのは困難みたいだよ。それにまだ発動にすら至っていないみたいだ」

「え、それはどういう事ですか?」

「どうやら魔法媒体もたくさん必要で、術者も1人じゃ利かないみたい。超級術ですら、錬度が高ければ術者1人の媒体1個で発動できるのにね」

「そんなに…」

 漣次郎はその内容に驚く。

(魔法陣は本来…魔法媒体にエーテルを注いで、それで魔法陣を描き出すことで発動できる。それが出来ないってことは、一体どんな規模なんだ?)

 まだ魔術師団も発動できていないという秘伝術。

 漣次郎にはその力を、自分の想像力で予想する…。




 不意にマシェフは報告書を机に置き、漣次郎に微笑みかける。

「でもレンジロウ」

「何ですかマシェフ様?」


「これで特務隊の使命は果たされたね」


 それは漣次郎も思っていた事。

 『秘伝術の発見』…それこそが特務隊の使命だったのだ。

 それが果たされたので、特務隊の今後は不明瞭だった。

「君とテルル君はともかく、ミューノ君とココロン君は騎士団に戻るのかな?君達は変わらずビスロ兄様の下に居るんだろうけど、今後はどうするんだい?」

「…」

 漣次郎は正直、こんなに早く秘伝術が見つかるなんて思っても居なかった。だけど特務隊の今後については、自分自身の希望があった。


「僕個人としては、特務隊を続けたいと思っています」


 これは漣次郎がぼんやりと考えていた事。

「まだ魔族の計画は終わっていません。彼等は秘伝火術を持っていて、大量の黒曜石をフェリアが確保してしまった…デルゲオ島の魔族がどれだけ居るかは知りませんけど、火術適正持ちを集めれれば、きっと秘伝火術を発動できますよね?」

「そうだね、そうなるね」

「そしてもうすぐ、冬の流星群の日が来ます。デルゲオ島がどれだけ遠いかは知りませんけど…流星群の日なら、島からフィズンまで秘伝火術が届いてしまうかもしれません」

 地上のエーテルを活性化させるという流星群…そんな環境下で規模の想定できない秘伝火術がフィズンを襲ったら、一体何が起こるか分からないのだ。

「魔族の計画発動に対して、僕にできることがあれば何でもやりたいです。可能ならミューノやココロンにも協力して欲しいけど、後はあの2人がどう考えているかですね」











「マシェフ様の呼び出しは何でしたか?」

「秘伝術に関するフィズン魔法院の解析は順調だって」

「内容はわかったんですかね?」

「それはまだだってさ」

「えへへ、一体どんな効果なんでしょーね?」


 その日の夜、兵舎に戻った漣次郎はマシェフの呼び出しについて特務隊の皆に伝えていた。“秘伝術魔法陣の解析終了までここに待機”とビスロに命じられている特務隊ではあるが、特に任務が無いので皆暇をしていた。

「テルルとヅェニワラさんは?」

「談話室で本を読んでいますよ。本当に熱心ですね」

 漣次郎を出迎えたミューノとココロンは夕飯の準備をしていたらしく、前掛けと三角巾を装備している。

「レンさんも来たので夕飯にしましょう。丁度良い時間です」

「本当?じゃあ、あたしテルルちゃん達を呼んで来るね!」

 ココロンが談話室へとパタパタと走り去る。

 残った漣次郎とミューノは、夕飯の準備を整える。




「いやー、これで自分も故郷へ帰れるよ!」


 夕食の後、漣次郎はマシェフから聞いた話を皆にも教えており、その後皆でそのままだらだらと話していた。

 どこから手に入れたのかは知らないが、ヅェニワラが何故か酒を飲んでいる。だいぶ上機嫌な彼女は、嬉しそうに漣次郎に絡んでいる。

「これでも自分、かなり心細かったんだよ?人間の街に行ってみたいとずっと思っていたとはいえ、いざ来てみると不安が凄くてさ。でも北から南からいろんな街に行かせてもらって、本当に楽しかったわ」

「…まあ“聖者の戦衣”が完成した時点で、シュレンディア的にはもう故郷に帰っても大丈夫みたいでしたけどね」

「そんな水臭い事を言わないの!それに自分だってワクワクしていたからね」

 楽しそうにヅェニワラは漣次郎の背中をバシバシ叩くが、漣次郎の表情は冴えない。

(…どう切り出すべきか)

 漣次郎は、悩んでいた。

 話したいことはあるが、それをどう伝えるべきか考え込んでいる。

 しかしそれを見ていたミューノは、わざとらしくため息を吐く。

「レンさん」

「な、何かな?」


「わたしも、特務隊を続けたいと思っていますよ?」


 ミューノの眼は…まっすぐだった。

 自分で言う前にミューノに切り出されてしまい、漣次郎は面食らう。

 しかしミューノは呆れ半分で、ココロンも悪戯っぽい笑顔だ。

「前にも言ったじゃないですか、わたしはレンさんと一緒に騎士をやりたいって。特務隊はちょっと違いますけど、まあ悪くないです」

「はいはーい、面白そうなのであたしもやりまーす!何をやるかは知りませんけど、ミューと一緒ならきっと楽しいから!」

 思わぬ2人の言葉に漣次郎は思わず言葉を失うが…無意識に笑みがこぼれる。

「…ありがとう2人とも。でも今後の特務隊は何をするか不透明だよ?」

「きっとフィズン防衛の末席とかじゃないですか?」

「あたし迎撃戦なら大歓迎でーす!」

「やる気満々じゃん、すごいね…」

 思わず好意的な2人が、漣次郎にはとても頼もしかった。




 そして不意に、椅子に座す漣次郎の背後からテルルが肩を掴む。

「レンー…テルルもずっと一緒だよー」

「ちょ、なんでテルルが酒臭いの?」

「自分が御馳走したのよ?」

「ヅェニワラさん、テルル子供なんですけど」

「14歳なんて、魔族じゃ立派な大人さ」

「そうは言っても…」

「テルル子供じゃないよー」

「ちょ、うわー!!」


 背後から来たテルルが体重を預けてきたせいで、漣次郎は椅子ごとひっくり返る。


いつも読んで下さる皆様に感謝を。

たぶんあとちょっとで終わる気がします。

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