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その45 決意

テルルと共に朧の箱庭から帰還した漣次郎は、彼女と共にワルハランに向かい騒動に備える決心をする。そしてミューノも、怪しい動きをするココロンに向き合う覚悟を決め…。


 晩秋のモードン公領。

 農地もすっかり収穫が終わり、山地も殆ど葉が落ちた景色。

 彩を失いただ冬を待つモードン領を、モードン公別邸の窓からフェリアが静かに眺めている。




「デルメーの件、困りましたわね…」

 フェリアの後ろ姿に、困り顔のマリィルが声を掛ける。

 フェリアがそれに応え振り返るが…彼女は少し楽しそうだ。

「ふふふ…“聖地・銀嶺山で謎の流星を観測”だってさ。ラージェが調査に行ってくれたけど、一体どういう事だろうね!」

「さぁ…箱庭の魔族の仕業でしょうか?」

「どうだろう…数年前にラージェがあそこに行ったけど、そんな魔族は居なかったらしいからね。まあ、あれから育った子達がそういう異能を発現した可能性はあるけどさ」

「ですが、凄まじい異能なのは確かですわ。ラジィが箱庭に行って確かめて来てくれるといいのですが…」

 マリィルは難しい表情だ。

 フェリアも遠い眼で、モードン領の景色に目を向ける。

「この様子じゃ、あっちの真祖『月の民』は苦労しているだろうね」


 そう話す2人の側…ラージェが長椅子で寝息を立てている。


 マリィルが心配そうに、ラージェの寝顔を覗き込む。

「ラジィ…大丈夫でしょうか?」

 フェリアが異能でデルメーに送り、上級黒術『シャドー・アヴァター』の分身を置き去りにして来たラージェは、ここで本体を休ませて分身の操作に集中していた。だから今の彼女はほぼ眠っており、呼んでもそれには応えない。

「ラージェを『アストラル』でデルメーに送った時僕も見たんだけど、あれは厳しそうかなぁ。計画は変更せざるを得ないかもね」

「あの流星群も正体不明ですし、困りましたわね…」

「本当ならラージェに箱庭の様子を伺って来て欲しいけれど、計画まであまり時間が無いね。こうなったらワルハランの計画を前倒しせざるを得ないかな?」

 しかしフェリアは楽しそうだ…。

 マリィルも珍しく、少しだけ呆れている。

「あらあら、フェリア様は相変わらずですわね♪」

「仕方無いよ、ラージェには悪いけど…だって楽しそうじゃないか」


 計画を狂わされている筈のフェリアは、実に楽しそうだった。
















「とんだ騒動になっているようだな」


 銀嶺の『朧の箱庭』からサルガン宅に帰って来た漣次郎とテルル。

 しかし銀嶺山山麓の町デルメーで何やら大騒ぎになっているようで、その情報がレーヴェット北部であるここまで届いているようだった。それを聞いたというサルガンが、いつも以上に難しい顔で2人を睨んでいた。

「ごめんなさい…」

「すみませんサルガンさん、こんな筈じゃなかったんですが…」

 平謝りする2人。

 2人が敢行した先日の銀嶺山登山は、想定外の状況を生んでいた。




 あの日『朧の箱庭』で異能を発動したテルル。

 翌日2人でサルガン宅に帰ってすぐに、漣次郎は異能でデルメーへと急行した。しかしそこには既に王都から来たという憲兵隊や神官、魔術師が大勢居り…季節外れで初観測の“謎の流星群”について大規模な調査を行っていたのだ。


 そもそもテルルの異能について何も知らなかったサルガンは、黙っていた2人に厳しい眼を向ける。

「年2回の“流星群の日”以外で流星群を観測したなど、シュレンディアの歴史では初だろう。従来、僅かな流星ですら魔法院やラミ教団の研究対象…今回の一件は、シュレンディアを揺るがすぞ」

「…でしょうね」

 テルルの異能が思わぬ騒動を起こしてしまい、その原因の一端である漣次郎は不本意ながら反省する。

「テルルの“流星群”のせいで、デルメーがヤバい事になっていました。“近々パマヤのナディル大司教が視察に来る”って噂もあって、レーヴェット騎士団も殺気立っていたので…指名手配の僕も変装とは言え危なかったのであまり動けませんでしたよ」

 サルガンはしかめっ面で髭を撫でる。

「…しかし結果的にだが、この状況はデルメーで騒動を起こそうとしている連中にとっても不都合だろうな。あれだけ王政の注意が向いてしまえば、計画は断念せざるを得まい」

「そうですね、それについては良かったですよ」

 恐らくだが…デルメーの真祖『月の民』はこの一件でしばらく大人しくせざるを得なくなるだろう。それだけは幸運と言えた。


 だが漣次郎には、懸念もあった。

「しかしそうなると…ワルハランの方が躍起になるかもしれませんね」

 今まで得た情報からすれば、フェリアと真祖『月の民』はデルメーとワルハランンで同時に騒動を起こす狙いだった筈。しかし今回の“王政による突発的なデルメー調査”によってデルメーの計画は潰れたも同然…ならばワルハランの方は、その分より力を入れてくるだろうと漣次郎は予想する。

「ふむ…その可能性はあるだろうし、そもそも既にあちらは特区と騎士団がいがみ合っている状態だ。一触即発と言って差し支え無かろう」

「ですよね…ならば僕も、準備を整え急ぎワルハランへと向かいましょう」

 状況が急転したとはいえ、漣次郎のやる事は変わらない。

 デルメーで待つミューノと協力し、フェリア達の企みを阻止するのだ。




 決意を固める漣次郎に、テルルがそっと寄り添う。

「テルルも行くね」

「大丈夫、分かってるよ」

 当然のように同行するつもりのテルルと、それを止めもしない漣次郎。

 2人のやり取りを聞き、サルガンは唸る…。

「…そうか、テルルを連れて行くのか」

「テルルの力はきっと役に立ちますし、それにワルハランはデルメーと違って既に情勢が荒れています。フェリア復職を訴え活動している半魔族と『月の民』、それを操る真祖…騒動に乗じて来た野次馬や無法者も多いです」

「ほう」

「テルルが全身隠していたとしても…それぐらいの怪しさなら、今のワルハランではそこまで目立ちません。ワルハランの“裏道”にも当てがあるので大丈夫ですよ!」

「だがな…」

 サルガンは鋭い眼光で、漣次郎を睨む。


「今までであれば、テルルが捕まった場合は尋問の末処分…だが今のその娘の異能を知られてしまえば、王政に利用されるだけ利用されるだろうな。薬物で自我を奪われ、指示通りに異能を使うだけの道具に成り下がる…そういう可能性もある」


「テルルは大丈夫」

 サルガンの脅しに、テルルは迷い無く即答する。

「ぜったいレンに迷惑かけない、上手くやる。それに、ラージェ様も何とか説得して見せるから」

「それが生半可な覚悟なら、止めろと言いたい所だが…」

「テルルは曲げないよ。だってこれはテルルの望みだから」

 テルルの深紅の瞳に、迷いは無い。

 サルガンもその瞳をじっと見据え、諦めたかのような溜息を漏らす。

「…ふん、言っても聞かんようだな。しかしお前の異能はレンのもの以上に危険なのだ、それをちゃんと理解しろ」

「大丈夫、テルルの異能…『スターダスト』は、レンの為だけに使うから」

「異能に名を付けたのか」

「レンが付けてくれたんだよ。ね、レン?」

 テルルの柔らかな笑み。

 漣次郎は、彼女の頭をそっと撫でる。


 魔族の異能は、名付けることでより強固になるという。

 今まで名の無かったテルルの異能は、“流星を呼ぶ”という曖昧なものだった。しかしテルルが流星群を意識してこの名を望んだ為…テルルの異能は明確に“流星群を呼ぶ”力になったのだ。


 テルルを危険な道に巻き込んでいる…漣次郎には後悔もあった。

 しかし…テルルが共に危険な道を歩んでくれるというのが、漣次郎にとってはかなり心強かった。
















 夜間、ワルハランのとある路地。

 明かりも無い深い闇の中に、ミューノが佇んでいる。

 黒い外套を包む彼女は、物陰で、気配も発さずに潜んでいる…。


(デルメーの状況、レンさんの話、孤児院からの情報…『月の民』はもう動き出す直前だと言って良いと思う。それに、ココがどこかに行く頻度も上がっている)

 ワルハランにはパルサレジアの仲間が数人潜入しており、その皆で情報を共有していた。銀嶺山の流星群に関する噂もここまで広がっており、それらを総合して“ワルハランで大規模な騒動がもうすぐ起きる”というのがパルサレジアの見立てだった。

(パルサレジア公は“騒動が起きた上で鎮圧し、反逆者を炙り出す”ってお考えだ。わたしはそれでもいいけど、それまでにココをどうにかしないと…!)

 『月の民』に協力しているらしいココロンは…彼等の計画が成功しようが失敗しようが、このままではシュレンディアにおける立場が拙い事になってしまう。最悪の場合、反逆者として追われる身になるだろう。

(でも、まだココを説得する方法が思いつかないよ。だけど時間が無い、何とかするしかないんだ…!)


 こんな暗い路地にミューノが潜む理由。

 それは…『月の民』に会うためにココロンがここを通る筈だからだ。騎士団の眼のある所で騒ぎにしたくないミューノは、ここで彼女を説得するつもりだった。






 路地の向こうから、足音。

 間隔と響きから、ココロンだとミューノには分かった。

 ミューノは物陰から、彼女の進路へと躍り出る。


「ココ、待って」

「ふぇ!?だ、誰!?」

 見るからに怪しい仮装のココロンは驚いて声まで出ているが、すぐに目の前に居るのがミューノだと気付いたようだ。

 ココロンの声が、硬く重くなる。

「え…どうしてミューがここに居るの?」

「だってココ、最近夜中に出掛けてばかりだったから」

「ええっ!?だってあたし、いつもミューが寝たのを確認してから出てたのに!」

「…わたしはパルサレジアだよ?元々諜報を専門にやる訓練を受けて来たからね、ココが誰と会っていたかも知ってるの」

「そんな…!」

 ココロンは焦った声を上げるが、縋るようにミューノに訴える。

「あのねミュー、実はあたし今フェリア隊長の為に『月の民』と協力してるの!あの人達は半魔族の味方で、フェリア隊長を救世主として崇めてるんだって!だから大丈夫!!」

「そうなの…?」

「そうそう!だけど『月の民』は少数で、今ワルハランにはあたし達“王都騎士団”が駐屯してるじゃん?半魔族も動きにくいから、騎士団と正面切ってやり合うのは流石に無理なんだって!だからあたしが騎士団内から協力しなきゃなの、隊長のためにも!」

「…危険だよ?やめようココ」

「でも…!」

 ココロンは半べそで、胸の前で両の拳を握りしめている。そして声を潜めながらも…胸の底から吐き出した。


「隊長はあたしの憧れで、その隊長があたしを頼ってくれたの…!“魔の再来”で助けてくれた隊長を、今度はあたしが助けるんだ!やっと恩返しができる時が来たんだから、あたしは絶対譲れないよ…!」


「…」

 予想していたとはいえ、ココロンの硬い意志を目前にしてミューノは唇を噛み締める。ココロンは純粋だが頑固でもあるので、押し問答では埒が明かないとミューノも重々承知していた。

 そして諦めたかのように、肩の力を抜く。

「…どうしても、やるんだ?」

「そうだよ!」

 ココロンの眼は強く真直ぐだが、ミューノへの負い目もあるようだ。

 彼女は弱々しい声で、ミューノに囁く。

「あたし…ホントはミューにも手伝って欲しいけど…でもミューはパルサレジアの人だから、無理は言えないよね」

 そっぽを向くココロンに対し、ミューノは何かを決意したかのように頭を振り払う。そしてミューノはココロンに一歩、歩み寄る。


「わたしはココが心配だけど、ココの望みなら叶えてあげたいと思ってるよ」


 ミューノの言葉に、ココロンがぱっと顔を上げる。

「ホント!?」

「ココうるさい、ここ裏路地で今は夜中」

「あ、ごめんね…」

「もう…」

 呆れながらも、ミューノはココロンの手を取る。

「ココ、これから『月の民』に会いに行くんでしょ?わたしも付いて行くよ。ココがやりたい事をできる範囲で補佐するから」

「いいのミュー!?」

「フェリア隊長に恩を返したい…そうでしょ?」

「そうなの!」

 ミューノの思わぬ好意が嬉しくて仕方が無いという様子のココロンは、足取り軽く暗闇の路地を進んでいく。

 しかしミューノは少し厳しい口調で、ココロンに釘を刺す。


「だけど…もし『月の民』がココを危険に晒すつもりだったら、わたしは黙っていないから。わたしはフェリア隊長よりココが大事…それだけは分かって」


 真剣なミューノの眼差しに、ココロンは言葉を詰まらせる。

 そして、軽く噴き出して笑った。

「えへへ、あたしはミューに大事にされているんだね…。こんなに想って貰えていたなんて、なんか嬉しいかな?」

「…そう?」

 ココロンの純粋な謝意に、ミューノはちょっと照れる。

 そして、内心で強い決意を固めた。

(ココを守る、『月の民』の思い通りにもさせない…どっちも完璧にやってやる!わたしにできる限り、何でもやるから)


 そしてココロンと共に、ミューノは『月の民』と対峙する。











 夜も更けた帰り道、ココロンとミューノは静かに暗い路地を歩む。

「…あんな危ない事、やらせないからね?」

 先程『月の民』と会って計画の再確認をしてきたココロンだが、それを全部一緒に聞いてきたミューノは渋い表情だった。


 『月の民』がココロンに依頼していた事…それは、現在ミューノ達王都騎士団中隊が仮使用している兵舎で、計画の当日に小火騒ぎを起こす事だったのだ。


「当日、手始めに『月の民』が港付近で暴動を起こして騎士団を引き付ける…そしてココが兵舎で小火騒ぎを起こして待機している騎士団を混乱させる…そしてその隙に、特区の半魔族が特区大門を占拠し閉門、同時に特区付近の運河の一部を封鎖する…だよね?」

「そうそう。でも流石の『月の民』も王都騎士団内には協力者が居ないから、そこであたしの出番って訳!」

「させないよ」

 気合バッチリなココロンに対し、ミューノの言葉は厳しかった。

「騎士団施設に火を付けるとか、バレたらもうココ騎士団に居られないよ?そもそも騎士団が造反者に厳しいのだって、ココも知っている筈だよね?」

「だけど、そうなったら復職したフェリア隊長が何とかしてくれるって!」

「…」

 フェリアに対して完全な信頼を寄せているココロン。

 しかし漣次郎経由でフェリアの企みを知っているミューノとしては、それを放っておくことはとてもできなかった。そしてミューノは覚悟を決め、ココロンにそれを話す決心をした。




「ココ…今からわたしが言う事、信じても信じなくてもいいからね」

「え、どうしたのミュー?」

「ココが秘密を打ち明けてくれた…それなのにわたしが秘密を抱えたままなんて公平じゃないからね。わたしはココに対して真摯で居たいから」

「…?」

 そうして深呼吸し、言葉を上手く選びながら語り出す。

「これはパルサレジア孤児院からの情報なんだけど…フェリア隊長には大変な秘密が有るらしいの。それをココにも知っておいて欲しいんだ」


 そうしてミューノは、ココロンに伝えた。

 フェリアがデルゲオ島から来た存在らしいという事。

 ラージェが全てを欺いて諜報活動に勤しんでいるという噂。

 “魔の再来”が、全てフェリア達の計画だった可能性が高い事までも。


 ココロンは、終始黙って聞いていた。

 ミューノの言葉をどう理解していいか悩んでいる。

「…そんな、そんな事があるっていうの?」

「ココ…今のは全て、パルサレジア孤児院の持っている情報。だけどその全てが裏付けのない噂止まりの物、そう理解してくれれば良いよ」

 流石に漣次郎の事まで話せないミューノは、情報の出所をパルサレジア孤児院という事にしてそれっぽく騙って見せた。しかしココロンはそれに納得が行かないようで、ミューノの言葉も半信半疑だった。

「あたし、信じないから。隊長がシュレンディアの敵だなんて、マリィさんが月神の狂信者だなんて、ラジィさんが大嘘吐きだなんて…」

「それでも良いよ、わたしは聞いてくれれば満足だから」

 不信なココロンにも、ミューノはあくまで平常だった。彼女は最初から、ココロンが納得するなんて思ってもいなかったのだ。

「ココはあくまで、ココの思うようにやって。フェリア隊長の力になる…ココの願いはそれでしょ?」

「うん…わかった」

「だけど“小火騒ぎ”は無し。それだけは絶対にダメ。わたしが他の良い方法を考えるからね」

「えー…でも騎士の皆の注意を引く方法、何か他にある?」

「パルサレジアの諜報員が良く使う“音爆弾”にしよう。小型の奴にすれば何も壊れないし、周りの人を驚かせる程度で済むからね。時限式にもできるから、上手くやればバレない筈だよ」

「へぇー、すごいよミュー!やっぱミューは頼りになるなぁ!」

「そ、そう…?」

 両肩を掴んで満面の笑みを向けて来るココロンを直視できず、ミューノは恥ずかし気に視線を逸らしている。


 しかしとりあえず…ココロンを支え助けることが出来る立場になれたのが、ミューノはただ嬉しかった。






 2人は怪しまれないように大通りへ出て、帰路を急ぐ。

 仮兵舎までの帰路を往くココロンは、ミューノが見た事ないような表情だった。俯きがちに、口角を僅かに上げている。


「さっきも言ったけど…あたし、こんなにミューに大事に想って貰えていたなんて知らなかったよ」

 不意のココロンの言葉に、ミューノは胸を高鳴らせる。

「…だって、ココはわたしにとって騎士団学校以来の親友だからね。それにココが友達になってくれなかったら、わたし騎士団学校でずっと孤立したままだったんだよ?」

「え、そうなの?」

 驚いた表情で、ミューノの顔を覗き込むココロン。

 ミューノの方も多少高揚していたこともあり、いつもより口が軽くなる。

「ほら、騎士団学校の入学希望者の女子って半分近くが貴族とか良家の娘だったよね?だからパルサレジアの名でわたしが“どういう奴”なのか気付く人も多かったの」

「そうだったんだ…あたし全く知らなかったよ」

「それにわたし、入学時点でもう武術も魔法も首席級だったよね?まあ“フェリア小隊に入る為”に予め孤児院で訓練してきたから当然ではあったんだけど、あれで同級生の大半にドン引きされちゃったんだ」

「ふーん、あたしはあまり気にならなかったけどね?」

「…それだよ」

 ミューノは熱のこもる視線で、ココロンの横顔を盗み見る。


「孤児院の任務を持つわたしにとって、騎士団学校で浮くのは予定通りだった…だけどココだけがわたしと普通に接してくれたの。それにココは皆から人気があったから、そのお陰でわたしもココの友達と仲良くなれた。本当に感謝してる」


 熱弁するミューノに、流石のココロンも照れてしまう。

「あ、あはは…そこまで言われるとあたしも照れちゃうよ」

「ココにとってフェリア隊長が大事なように、わたしにとってもココが大事。わたし絶対にココの助けになるからね」

 そうしている内に、2人は仮兵舎の前に辿り着く。

 そして衛兵に敬礼し、中へとゆっくり入っていく。


読んで下さる皆様に感謝を。

シュレンディアもちょうど寒くなって参りました。

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