その31 急転
流星群の日に、怪我を負い倒れた漣次郎。
彼が目を覚ますと、そこは見覚えの無い場所で…。
漣次郎は夢を見ている。
それは不思議な夜だった。
荒れた薄暗い街道が、豪雨に晒されている。
それなのに空の一部は雲が無く、満月が見える。
その街道に…フェリアとマリィル、ラージェが立っている。
(この夢は確か…僕が最初に見た“フェリアの記憶”だ)
『やっぱりアタシは反対だよ姉様…いくらなんでも危険過ぎる。今ならまだ引き返せるんだから、考え直そうよ…』
『いいかいラージェ?こういうのは勢いと度胸でぶつかってみるものさ。案外すんなりいくと思うよ?』
『だけど…』
険しい表情で俯くラージェと、笑顔のマリィル。
『私はフェリア様を信じていますから♪』
『そう、2人とも…僕を信じて。大丈夫だから』
『姉様…』
雨の街道、3人は歩き出す。
(…この時点で気付くべきだったんだろうな、ラージェの様子がおかしいって事に。チャンスは何度もあったのになぁ…)
漣次郎は…自分の甘さをただ後悔している。
荒れる谷川沿いの、とある場所。
そこには…真新しい土砂崩れの痕跡が。
その傍で、フェリアがマリィルの手を取る。
『…<ムーンフォース>』
雲間から漏れる満月の光を受け、マリィルに魔力が漲る。
マリィルのその魔力が…全てフェリアに流れ込む。
雲の狭間から見える星空には、数多の流星が降り注ぐ。
そして…フェリアは黒曜石の小刀を強く握り締める。
『行くよ…『ディメンション・ホール』!』
“流星群”と“マリィルの異能の”加護を受け、フェリアは漲るエーテルを黒曜石の小刀に集中し…魔法陣を発動する。
フェリアの前に…円形の不思議な空間が展開された。
(火術…!?何だあれ、上級以下のどれでもないぞ…!?)
フェリアが展開したその歪な空間に…漣次郎が見知った光景が。
流星群の降る、雨夜の住宅街。
交差点で血を流し倒れる神無月漣次郎の姿が…そこにあった。
『ラージェ…頼む…!』
魔法を維持するのがやっとらしいフェリアは、苦しそうな声でラージェに指示を出す。ラージェは渋い表情だが…仕方ないとばかりに手を翳す。
『姉様…約束だ。必ず帰って来てくれ』
『大丈夫…僕を信じて』
目を閉じるラージェ。
彼女は深く息を吸う。
『…<ソウルスワップ>』
そして夢は、そこで途切れる。
鈍い痛みを覚えながら、漣次郎は目を覚ます。
そこは…漣次郎の知らない場所だった。
石造りの建物だという事は、仰向けに寝ている今の姿勢でもわかった。しかしフィズンの町のような潮の香りは無く、夏季だというのにここの気温は涼しかった。今は木製のベッドの上に居り、周囲には誰も居なさそうだ。
「うぐ…」
漣次郎は、ゆっくりと上体を起こす。
漣次郎は上半身裸で、その腹には包帯が幾重にも巻かれていた。その包帯から不思議な匂いがするので、恐らく何かしらの薬か何かが塗られているのだと予想する。
「う…いててて」
漣次郎は、その包帯を摩る。
漣次郎の記憶が正しければ…この傷はあの流星群の夜、ラージェの斬撃で負ったものだ。あの時漣次郎は咄嗟に後ろへと飛んだので、幸い致命傷は避けられたようだ。しかしあの時漣次郎は確かに『アストラル』を発動した筈だが…?
(僕は生きている…イチかバチかではあったけど、フェリアの異能が僕にも使えて助かったよ。しかしここは、どこだろう…?フィズンでも、ましてや元の世界でも無いけど…そもそもどこへ飛ぼうとしたかも思い出せない…)
今漣次郎が居るこの病院は…彼には見覚えが無い場所だった。
その時、漣次郎の病室に医師らしき禿頭の男が入って来た。
そして彼は、起き上がった漣次郎を見て嬉しそうに大口を開いた。
「おお、眼が覚めたか!どうじゃ具合は?あんた丸一日ずーっと意識が無かったんじゃよ?!どこか痛まんか?」
「…腹が痛いです、傷で」
「そうかそうか、しかし薬草を塗ったのでじきに良くなるじゃろうて」
そうして医師は踵を返し、部屋から出て良く。
「サルガンさん、サルガンさーん!例の男の人が目を覚ましたぞ!」
その言葉で漣次郎は…今の状態を察する。
(ラージェに襲われたあの時、夢中で『アストラル』を使ったけれど…どうやら僕は無意識にここをワープ先に選んだらしいね)
ここは恐らく…レーヴェット地方北部に位置するカシナ村。
漣次郎がまだ“フェリア”だった時に訪れようとした、山間部の村だった。
漣次郎の意識が戻った事に気付いた医師が、ある老人を連れて病室に戻って来た。そして彼は漣次郎に、その老人の紹介をする。
「やあ、この方が倒れていたあんたを見つけてこの病院にまで運んでくれたんじゃよ。いやー山の中で倒れていたのをこの方が見つけてくれなんだら、今頃どうなっていたか…」
漣次郎は、静かにその老人へ謝意を示す。
「…どうも、ありがとうございます」
「気にするな。見つけたのが儂でなくとも、誰でもこうしただろう」
その老人はやはり漣次郎がよく知るサルガン・ユドで…彼は相変わらずな不愛想で、にこりともせずに漣次郎を見つめていた…。
「いやはやしかし…あんたなぜあんな場所に居たんじゃ?それにあんたが倒れていた一昨日の夜は“流星群の日”…騎士以外の外出は禁じられている筈じゃぞ?」
「いやー…それが全く思い出せなくて」
「ふむ、ではあの怪我の事も?」
「すみません、全く覚えていないんです」
(サルガンさんには会えたけど…今の僕にはどうしようもないぞ?)
どうやら漣次郎は、とりあえず一命を取り留めたらしい。
しかし結局の所、漣次郎には行く当てが無かった。
当然今の姿は異世界人の神無月漣次郎で…サルガンとは面識も無く、それに傷の事どころかシュレンディア人では無い事だってまともに説明すらできない。なので漣次郎は仕方なく、またもや“記憶喪失”という事にしてその場を誤魔化すことにした。
途方に暮れる漣次郎に、サルガンが訊ねた。
「お前さんの名は何というんだ?」
「…漣次郎です」
「レンジロウ…そうか」
そして少しばかり考え込んだサルガンだったが、彼は顎鬚を撫でながら漣次郎にこう提案した。
「そうだな…行く当てがないのならば、儂の所に来ても良いぞ。儂はもう歳だからな、畑仕事や山仕事を手伝うなら、当面の間はうちに置いてやろう」
「ほ、本当ですか!?僕としては願ったりです!」
「では決まりだな」
(やっぱりサルガンさんは優しいな…)
サルガンの厚意のお陰で、当面は何とかなりそうな漣次郎だった。
夏の山道を、漣次郎は登って行く。
“人間の体”で改めて歩くレーヴェットの山道は険しく…漣次郎の前方を進むサルガンの背中が、“フェリア”だった時より遠い。漣次郎はフェリアより明らかに身体能力が低く、彼は半魔族の高い資質について改めて実感するのだった。
そして…サルガンは終始無言だった。
(…しかし、もう何が何だかわからない。これからどうすればいいのかも…)
漣次郎も、無気力だった。
あの夜の出来事が信じられなかった。
信じたくも無かった。
(フェリアが流星群の夜に、異世界から帰って来る…そしてそれをラージェとマリィルは知っていたんだ、最初から。僕はずっと騙されていたって事か…)
だが漣次郎にはもう、サルガンを頼るくらいしか道が無かった。
漣次郎は足取り重く、山中のサルガン宅まで歩んでいく…。
(だけど…幸いフェリア小隊の面々は、僕が“フェリア”だった頃にレーヴェットへ度々訪れていた事を誰も知らない。ラージェは僕をマジで始末しに来ていたから…もうここに隠れているしかないのかな…?)
「お前さん、着いたぞ」
「…え?」
漣次郎が悶々としてるうちに、いつの間にか山中の丸太小屋に来ていた。サルガンは漣次郎に視線を向け、中に入るように促しているようだ。
そこで漣次郎に、疑問が浮かぶ。
(いや、サルガンさん?中にはテルルが居るじゃん!見ず知らずの男を…魔族に会わせちゃうのは拙くない!?いやもしかしたら地下室とかに隠れさせているのかもしれないけど!)
漣次郎は丸太小屋の玄関で、躊躇う。
そんな漣次郎をサルガンが訝しがる。
「どうした?入っていいぞ」
「…じゃ、じゃあ…お邪魔します」
そうして迷いながらも…漣次郎は小屋の中へと歩を進める。
そしてその瞬間、中から誰かが漣次郎に飛び掛かった。
「レン!レンおかえりー!」
「て、テルル!?え、だって…何で!?僕の事が分かるの!?」
「えへへー…レン!」
漣次郎がサルガン宅に踏み込むなり、テルルが漣次郎に飛び掛かって来たのだ。彼女は以前と全く姿が違うはずの漣次郎を、何故か“レン”だと認識している…。
その2人の様子を見たサルガンは、信じられないと言うように漣次郎をまじまじと観察している。
「お前…本当にレンなのか!?信じられん…」
「えへへ…テルルの言ったとおりでしょ」
「…姿どころか、性別まで違うではないか!?」
「それでもレンはレンだよ?」
「そ、そうか…」
驚く漣次郎とサルガンをよそに、テルルは尻尾を振りながら漣次郎に抱き着いて離れない。そしてそんなテルルを、漣次郎は強く抱き返した。
(もうこの世界に、僕の居場所は無いと覚悟していた…だけどこの娘は僕を分かってくれた。これだけでも、今の僕には救いになるよ…)
漣次郎は心が落ち着くまで…暫くそうしていた。
もう空は紅く染まっており、日没も間近となっていた。
今日漣次郎は…終始虚ろな気持ちで、丸太小屋の窓際からただ外の景色を眺めていた。しかしテルルは漣次郎がずっと居ることが嬉しいようで、べったりと漣次郎にくっついていた。なので今も漣次郎は無気力に、甘えるテルルを撫でてあげている。
「昨日の晩、流星群の時間にな…急にテルルが外へと飛び出したのだ。儂は慌てて追いかけたのだが…そうして追いつくとそこにお前さんが倒れていたのだ」
畑の仕事を終えたらしいサルガンが汗を拭きながら小屋に帰って来て、ボーっとしている漣次郎の背中にそう投げ掛けた。
「え、テルルが僕を…?」
「そうじゃ、しかもその娘はお前を“レン”だと言いおったのだ。儂にはとても信じられなかったが…一旦お前さんをカシナ村の医者の所へ運び込んだという訳だ。未だに納得は出来んが…お前さんがテルルの事を知っている以上、信じざるを得んな」
漣次郎は傍のテルルに視線を移す。
「…ねえテルル、何で僕がレンだと分かったの?」
「だって匂いも音も同じだから」
「…こんなに姿が違っても?そもそも前の僕は女だったのに?」
「テルルは助けてもらった時から、ずっとレンは男の人だと思ってたよ」
(初めて会った日、確かにテルルは僕を男だと勘違いしていたね。もしかしたら人間には分からない何かを感じる力が、魔族にはあるのかもしれない…)
魔族のテルルには…人間には感知できないモノを感じる力があるのだろう。不思議な特技を持つこの狼少女に、漣次郎はただ感謝するのみだった。
日も沈んだので、サルガンが夕食の準備を始めた。
サルガンは漣次郎に嫌な事を考えさせない為か、もしくは気持ちを転換させる為か…調理の準備を手伝わせていた。幸い漣次郎は元々1人暮らしで自炊もしていたので、言われた通りに手際良く野菜を切り分ける。
「できましたよサルガンさん」
「よし、じゃあそこの肉を細切れにして一緒に炒めろ」
「任せて下さい」
カシナ村は海から遠いので、フィズンや王都と違い海産物が手に入りにくかった。そしてサルガンは猟師のようなこともしていたので、今朝自分で狩ってきたという獣の肉を捌いて用意していた。
ナイフを持つ漣次郎の手元を、テルルが興味津々で見ている。
「レンすごい」
「それほどでも」
「わふー…」
そう言いながらも、テルルの視線は肉に釘付けだ。
「テルル、肉も好き」
「む、やっぱ種族的なものもあるのかなぁ?」
「んーん、わかんない」
「そっかぁ…」
狼の魔族だからか、テルルは肉が好きだったが…シュレンディアに漂流してくるまで、彼女は鳥以外の動物の肉を食べた事が無かったという。どうやらデルゲオ島には野生の動物が居ないらしい…。
細切れにした肉を野菜と一緒にして炒めながら、この地方特有という香味野菜ベースの調味料と岩塩を加え、初めて使う浅い片手鍋を上手に振るう漣次郎。
テルルは不思議そうにそれを見ている。
サルガンは大鍋にスープを作っており、干し茸と畑の根菜、そして貯蔵している芋をゴロゴロと入れて煮込んでいる。そこへ仕上げとばかりに何かの粉を溶かして混ぜ、味見をして満足気に頷く。
「うむ、今日もいい出来だ。レンの方はどうだ」
「まあまあ?な感じだと思います」
「ふむ、なら良いぞ」
そうしてサルガンは大くて硬いパンを切り分け、3人は夕食の卓に着く。
夜、漣次郎は静かな星空を仰いでいた。
テルルはもう眠っており…サルガンと漣次郎が、庭先にある木の椅子に腰掛けている。サルガンは果実酒を呷りながら、静かに漣次郎と語る。
「不思議なものだ…全く違う姿の人間が、同じ記憶を有しているとはな」
「そうですね…僕自身も驚きです」
「…改めて、お前の事を教えてくれるか?レン」
「良いですよ、あまり面白い話は無いですけどね」
そうして漣次郎は久しぶりに、自分の本当の名を名乗る。
「僕の名は、神無月漣次郎。僕の国ではシュレンディアと違って姓を先に名乗るので、神無月が姓で漣次郎が名前です。実家は酒造りを生業にしていましたけど、僕には兄が居たのでそちらが家督を継いで僕は家を出ました」
「ふむ…お前も酒が作れるのか?」
「いえいえ…そこまでは知識が無いですね」
「では、お前はどういう仕事をしていたのだ?」
「そうですねぇ…上手く言える気がしないです」
(SEの仕事なんて説明のしようが無いね)
漣次郎はそこの説明を諦める。
幸いサルガンもそこは深く問わず、顎鬚を撫でている。
「しかし…自分で言うのも何だが、お前さんは何故儂のような偏屈な爺に構う気になったのだ?シュレンディアでは老人を敬わん無礼な輩も多いが」
「うーん、僕の国ではなんか老人は大事にする的な雰囲気がありましたね。まあそれ以前に、元々僕が祖父に懐いていたっていうのが大きいですけれど」
「祖父…か」
「ええ。剣術指南をしていて、道場…っていう訓練所みたいなのをやっていました。僕も良く稽古をつけて貰ったんですけど、祖父が数年前に亡くなってからはあまり…」
「そうか…」
サルガンは目を閉じ、酒を一口呑む。
少しだけ、2人の間に沈黙が訪れる。
沈黙を破ったのは、漣次郎。
「ちなみに、僕の居た世界には魔法なんてありませんでしたよ」
「…何!?」
驚いたのはサルガン。
白髪頭を掻き、漣次郎を横目に見る。
「…儂には考えられん世界だ、不思議なものだな」
「ついでに言うと、魔族も居ないです」
「そ、そうか…それも驚きだ。しかしそれで良くテルルを受け入れたな」
漣次郎は深い呼吸の後、感慨深げに言った。
「魔族は居ませんでしたけれど…かわりに人間同士で争う世界でした。まあ僕の国は平和でしたけど、シュレンディアだって十分平和だと思いますけどね」
そう言いながら、漣次郎の脳裏に浮かぶ顔。
あの紅髪の女騎士の顔が…焼き付いている。
そして遂に、漣次郎はこの話を切り出す。
「…でも、もしかしたらシュレンディアの平和が乱されるかもしれない」
「それは、騎士フェリアの事か」
「ええ」
この件についてあえて問わなかったであろうサルガンが、“ようやく言ったか”と言いたげに深く何度も頷いている。
そして漣次郎は…この転生について知り得る限りを話した。
夜の森が、風に揺られながらさざめいている。
「…騎士フェリアが“冬の流星群の日”に、ここでは無い世界に住んでいたお前と精神だけ入れ替えた…と」
「ええ」
「そしてフェリアがこの前の“夏の流星群の日”に漣次郎の体で帰って来て、2人の体を元に戻し、用済みとばかりにお前を始末しに掛かって来た…という事だな?」
「そういう事です」
「…甘いな」
サルガンの言葉は厳しかった。
「そもそも、そのような異常事態を…レンは何故受け入れた。その状況を疑い、もっと周囲の連中を探っておくべきだったな…。ただ理由も無く、異世界の有力者に転生するなどという甘い話あるものか」
それは漣次郎には、耳が痛い言葉だった。
「返す言葉もありません」
「それともお前の世界では、そういう事が良くあったのか?」
「いえ、そういう訳では無いですけど…」
「それなのに受け入れたのか」
「う…」
「…まあ、これ以上お前さんを責めても仕方あるまい」
「…」
“フェリア”という地位を失った漣次郎は、今日それを改めて実感していた。そしてその中で…漣次郎には思う所があった。
漣次郎は、星空から視線を地面に落とす。
「転生前…僕は不慮の事故に遭って、正直もう死んだと思っていました。だから“フェリア”という姿になったのも…不運な僕に来た幸運だと思い込んでいたんです。それくらいの幸運があってもいいじゃないか…って」
「ふむ…」
「でもこうして“フェリア”という姿を失った今の僕には、もう何も無いんですよね。あの姿と力があったから納得できていましたけど…良く考えたら僕は仕事も、友人も、家族も失ってしまったんだっていうのが今更堪えます」
「ならば、どうしたい」
サルガンの、鋭い眼光。
漣次郎の答えは決まっていた。
「フェリアをこのままにはできません!あいつはきっと、何かシュレンディアにとってまずい事を企んでいる…そんな気がするんですよ!」
その答えに、サルガンが重ねて問う。
「それは、復讐か?」
「うーん…それもありますけど、それだけでも無いです」
「他に何がある?」
漣次郎は少し考え、それでも言葉を続けた。
「僕を利用した件について、必ずフェリアに代償を払わせますよ。だけどそれは、彼女達の言っていた“半魔族の解放”を否定するという意味でも無いんです。僕は僕の目でこの世界を見て、その上で決断したい」
サルガンは半ば呆れている。
「ヤレヤレ…フェリアは許さんが、フェリアの理念までは否定しないと?」
「その可能性もありますね、今の所は」
「ふん…お人好しだな。まあお前らしいと言えばお前らしいが…」
サルガンは呆れてはいるが…彼も漣次郎を否定はしなかった。
「いずれにせよ、僕はフェリアの真意を探りたい。理由はわかりませんが…僕にはフェリアの異能『アストラル』が残されているから、多少は無茶が出来ますよ!」
このまま、ただ黙ってなどいられない。
漣次郎は拳を握りしめ…フェリアへの反撃を誓う。
ここまで御付き合い頂けているどこかの誰かに感謝を。
あくまで主役は漣次郎なので、これからは漣次郎視点でお話が進みます。




