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プロローグ
近所の友達が誘ってくるのは、いつもかくれんぼでした。当時の記憶は楽しい思い出より、寂しさの方が強く印象に残っています。
日が暮れてくると、友達は一人また一人と家に帰っていくのです。家族が迎えに来てくれるような子もいたと記憶しています。
そんな中で自分だけ取り残され、ブランコに座ったり地面に落書きしたりして適当に時間を潰していました。そうしているうちにいつの間にか街灯が光るような時間になっていて、あちらこちらの物影から恐ろしい何かが覗いているような気さえしてきます。それが怖くて、ようやく家に帰るのです。
真っ暗な家というのも怖いものですが。