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第1話 アルターオンライン

 朝いつものように学校に向かう。俺は高2の男で名前を二宮(ニノミヤ)エイジという。学校の玄関で靴箱から上履きを取り出していると話しかけてくる男が一人。


「なあ、エイジ! 招待状送るからアルターオンラインやってくれよぉぉ」

 朝、一番に会うなり馴れ馴れしく話しかけてくるこの男、名前は加川(かがわ)タケシと言い、ゲーマーだ。多分朝までゲームをやっていたのだろう。目が血走ってる。


「ゲームだろ? あんまり興味ないな」

「頼む!! 頼むよ!! 一生のお願い! VRマシン持ってんのお前ぐらいなんだよ!」

 そうゲームに興味のない俺だが、何故かうちにはVRマシンというものがあった。親父がゴルフコンペの景品でもらってきたものだが……中々高価なものらしい。


「俺がそのゲームをやると何かいいことでもあんのか?」

「ふふふ、新規登録者を勧誘すると金の鳥馬の羽が手に入るのだ!」

「なんじゃそれ」

「それをゲーム内で使うと金の鳥馬っていう人が乗れる物が手に入るんだ! 新規だと1ヶ月無料で始められるし! だからお願いします!」

「しゃーねぇな分かったよ」

「じゃあ招待状送っとく」


 ピロリンとスマホが鳴る。

『タケシさんからアルターオンラインの招待状が届きました』とスマホの画面に表示される。

「それじゃエイジ頼むよ!」

 タケシはそう言うと別の教室に入っていく。


 アルターオンラインねぇ……スマホでちらっと検索をすると3ヶ月前に発売されたVRMMORPGというゲームでなかなか人気を博しているらしい。


 下校の時間になり、部活に入ってもいない俺はそのまま直帰。部屋でマンガを読んだりとダラダラと過ごしていると


 ピロピロとスマホが鳴る。


 スマホの画面にはタケシから着信と表示されている……


 あーあのゲームの催促かぁ……めんどくせぇぇなぁ

「もしもし」

「あーエイジ、オレオレ!」

「ゲームやれってやつだろ?」

「そうそう。早くやれって」

「わーったよ」


 ブチッ!


 そのまま電話を切り、1階のリビングの押入れに向かうと箱に入ったVRマシンがある。

「これだな……」

 VRマシンを部屋に持ち込む。箱を開けると端子のついたフルフェイスのヘルメットのようなものがあり、説明書を読むとスマホに端子を刺せなどと書かれている。


 はいはいめんどくせぇぇなと思いつつスマホに端子をぶっ刺し、そのヘルメット被りベッドに横なり目を閉じる。


 真っ白な部屋に目の前に『アルターオンラインのアカウントを作成する』という文字が現れると同時にYES/NOという選択肢が現れる。


 YESという部分を指でふれるとYESが選択されましたと表示される。そしてこのアカウントがアルターオンラインの中での俺の名前になるという説明書きが表示されキーボードのような物が現れる。


 これで入力しろってことね。


 エイジでいいか? エイジと入力するとその名前は既に登録されていますと表示される。


 めんくせぇぇぇ エイジ2525でいいやと適当にアカウントを作ると目の前にスキンヘッドのキャラクターが現れ、続いてはアバターの作成ですと表示される。


 アルターオンライン上のキャラクターってことね……まっどうせすぐにやめるから適当でいいや。


 そのまま表示されたスキンヘッドの中肉中背のなんの特徴もないキャラクターでそのままYESを選択する。


 数秒待つと綺麗な女の人が現れる。その美女は輝くような金色の髪をなびかせ、白い布をだけを纏っている。


 まるで女神。


 神話などにでてくる女神はこんな容姿をしているのだろう、そう思えるほど美しくそして幻想的だ。


 その女神の口が開く。


 すると同時に目の前に字幕が表示される。

「エイジ2525、アルターオンラインへようこそ。あなたはこれからサルザエアの大地に降り立ち輝かしい人生を過ごすことになるでしょう」


 女神の顔を凝視してみるがほんとに人間のようにしかみえない。


 最近のゲームってすげぇぇぇな……こりゃ人気になる理由もわからんでもないな……


 女神は話を続ける。

「それでは私からあなたがサルザエアの世界に降り立つお祝いとして一つのスキルを付与いたします」


 女神の手に光の球が現れ俺の身体に吸い込まれて行く。


 俺でもスキルの意味ぐらいは解る。

「あなたに付与されたスキルはこれです」


 スキル名【感染(インフェクション)


 感染? ふーんよく分かんないけどなんか字面的に強そうだ。


「それではサルザエアの世界へ」

 女神の話が終わると同時に、俺の目の前には現実とソックリな噴水のある広場が広がっており、人々が行き交いゴザを敷いて商品を並べている者もいる。


 視界の中央に文字が表示される。

「チュートリアルを開始しますか?」


 俺は躊躇なくYESを選んだ。

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