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Claire  作者: 園田 楓
3/7

Adam and Lev

今回は童話っぽく書きました。

とある国をイメージして書いています。

Adam Adamovich Avdeyev (アダム)

Iev lvovich Krasnov (レフ)


 北の国の森の中に小さな家がぽつんと建っていました。そこにはおばあさんとその孫のAdamが住んでいました。庭には何匹かの牛が飼われたりいくらかの作物が成っていました。Adamは街へ出て行ってはそれらを売り、そのお金でおばあさんに頼まれたお買い物をするのでした。Adamは街の住民には人気で荷台に色々なものを入れてくれたりしていました。

「Adam!」

街のいつも牛乳を買ってくれる女の人が今日は寒くなるだろうと呼び止め、マフラーや手袋を渡してくれました。

「ありがとう」

Adamはそういうと、その女の人はにっこりと笑って頭を撫でてくれました。それを大事に抱え、Adamは急いで小屋に帰りました。

「もうそろそろ冬が来るね~」

この国の冬は寒く、おばあさんは暖炉に大きな鍋をつるし、温かいスープを作るための準備を始めました。

「おばあちゃん、僕の手伝うことは?」

おばあさんはにっこりと笑い、Adamは小さな手でお手伝いをしました。出来上がった赤いスープはとてもおいしそうで、Adamは早く食べたいと木のお椀を持っておばあさんにおねだりをしました。


 そんなある日、牛乳や木の実を運ぶAdamの前に兵隊達の行進が通っていきました。

(危ない!)

そっと荷台を止め、Adamはうっとりとした表情で彼らを眺めました。

(かっこいいな、いつか僕もああなりたいな)

そこの行進の中にAdamと同じくらいの男の子がいました。

「凄いなぁ」

街へ行きながら、ウキウキした顔つきでその日の牛乳や木の実を売り、幸せそうにお家に帰りました。

 次の日、Adamが昨日憧れの兵隊さんたちが歩いていたところに行くと、一人の男の子が立っていました。その男の子の名前はLevでお父さんの勧めで入隊したといいました。

「毎日辛い訓練でね、嫌になっちゃうんだ」

とLevは言い、同じ年の子に会えたことを喜びながら日々の辛いことを話し始めました。AdamはそんなLevをかわいそうに思い、

「僕のお家に来る?」

と誘いました。

 二人が家に着くと、おばあさんは

「寒かっただろう」

と二人を暖炉の傍まで連れて行き、二人の小さな手に赤いスープの入った温かい木のお椀を渡しました。二人はお話をしながらそれを食べ、おばあさんが作ってくれたたくさんの具が入った揚げパンを食べました。

 Levは「もっと欲しい」とおねだりをするAdamの様子を見て、どんなに貧しくてもこんなに温かいものはないなと思いました。何かLevが思いつめた顔をしていると思ったAdamは

「辛いことがあったらいつでもおいでよ!辛く無くてもいつでも会いたいな。僕たち友達だもん!」

と言いました。その言葉を聞いてLevの顔はぱっと明るくなり

「うん!」

と喜びました。そんな元気な二人の様子をにこやかに見守り、おばあさんは木の実をパイを焼いてくれ、三人で楽しく食べました。


 それから数日後、いつものように買い出しに行くとLevがある家から飛び出してきました。

「Lev?」

どうしたんだろうと不思議に思って立ち止まりました。Levの顔は赤く、所々にあざができていました。

(どうしたんだろう)

ふとLevはAdamと目があいましたが、すぐに唇を噛んで走っていきました。

「まって!」

不思議とAdamは彼を追いかけました。探していると広い芝生のなか、Levは泣いていました。そっと近づくとLevは振り向かずに

「僕はダメな子なんだ。兄さんのようにかっこいい兵隊さんになれないよ…。こんな一生懸命頑張っているのに」

と言いました。

「いいな、僕もいつかなりたいんだ」

Adamはそう言うとLevの隣に座りました。彼はAdamのキラキラな目を見てLevは一緒にやらないかと誘いました。

 「いい考えだ」と喜んだ二人はAdamの家に帰りました。AdamはLevとお婆さんに頼み、初めは反対されましたが、二人の真剣な眼差しを見てようやくおばあさんは折れてくれました。


時が流れ1810年ある国がAdamたちの国に攻めてきました。その国はたったの一か月で退却していき、Adamたちの国は勝ちました。その中で、我が国を守る二人の若い兵士が勇敢に立ち向かっていた。

「やったな」

そうAdamが声をかけると

「お前のおかげだよ」と言って笑いました。

二人の友情はいつまでも続きました。

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