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猫と少女の見えるもの  作者: 鳩ノ木まぐれ
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三毛猫の視線

公園の草むらの影に乃倫子達、人間を覗く三毛猫が一匹。


ぎゅるぅぎゅるぅぎゅるぅーー。


「お腹空いた......」


いつも漁っているゴミ捨て場にはどうしてか、今日に限って人間がいる。


「はぁー、魚の小骨とかツナの残りとか食べたかったなー、俺、そのために腹を空かせて来たのに。これじゃあ今日もバッタかなー」


そう言いつつ偶然隣に跳ねて出て来たバッタを前足で押さえる。

バッタの体を爪で引っかけながら口の届く範囲まで引きずってくる。

押さえる前足を変え、バッタの足を食いちぎる。


こうしておくと、たとえバッタに逃げられてももう一度捕まえることができる。


次に腹に牙を立て、身を頂く。


味は......まあ、キャットフードよりは味がある位かな。


「あれ、味が薄いんだよなー。匂いはバッタよりましだけど......」


三毛猫はバッタで小腹を満たし、続けてゴミ捨て場を見張る。


よくみると向こうの草むらにも猫がいる。


彼らも俺と同じ野良猫で、最近は協力してネットなんかを剥がしている。


カラス達とも協力できればもっと楽なんだが、やつら自分達のことを上位種族だと思っているらしくまったく話し合いにならなかった。


カー、カー、カー、カーー。


とカラスの鳴き声が町中に響き、


カー、カー、カー、カーー。


とそれに応えるように鳴き声がもう一度響き、声のする方にカラス達が飛んでいくのが空に見える。


「4回か」


そして、一匹のカラスがこの公園横のゴミ捨て場に現れ、


カー、カー、カーー。


と、3回鳴く。


「そろそろ、諦めた方がいいかな」


そう言って、ゴミ捨て場にいる人間をいちべつしその場を離れようとした時、青色のスモッグを着た少女と目が合う。


えっ?! 隠れてるのバレた?!

咄嗟に逃げる体制を取るがすぐには逃げない。


もしかしたら、バレていないかもしれないからこのままやり過ごせるようにする。


たとえ、バレていたとしてもこの草むらの距離なら逃げ切れる。


しばらくすると少女は大人の一人に話かけその場を離れた。


「ふぅーー」


草むらから反対方向に離れて行ったので三毛猫は安堵に息をつく。

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