白龍の姫
私、あの方の側へ行かなきゃ!
私の名前はリジルザックス、ザッドの巨龍族の一族、誇り高き白龍族の一人であります。
父親は白龍族の族長でしたから、周りから私のことを白龍姫と呼んでいる事もなっていますけど、私には妹がいるので、時々どちらかを呼んでいるのは分別できませんでした。
偉大なる先代族長である父親は五百年前の大戦で命が落としてしまいましたから、族内の事情は私が決めていますけど、まだ族長ではありません。
族長に就任するには、何かの手柄が必要ですから。
それだけではありません、最高位生命体としての誇りのためにも、私はザッドを今の危機から救いたい。
「俺は自ら星を越え、その世界へ救援を求めたいけど、今の俺はこのザッドから離れる事は上策ではない」
「ではどうすれば良いのですか?」
「この剣にはカミトの方向を指すことができる、が、このザッドにはアースのような星間航行の能力を持ってない」
「どんなに苛烈な環境だとしても、この間の防御フィールド、今のエド様なら展開できると思います」
「光子の力を使えばそれは可能だが、それでも極めて危険な冒険になるはずだ。身体能力が十分強くないと耐えられるはずがない」
「それなら私が行きます。巨龍の私なら身体能力を心配する必要がありません」
「そ、それはそうだが…しかし白龍族の姫にそんな危険な任務を…」
「躊躇する暇はありません。エド様、私に任せてください」
多分これ以外の方法がない事を確認したから、エド様は嘆いた。
「わかった。ちゃんと光の方向へ真っ直ぐ行きな、どれくらい時間をかかるがこの俺でも予測できない。最悪の場合はこのザッドに戻れない可能性もある、それでも良いのか?」
「私にやらせてください」
私は迷わず頷いた。これは私がやるべきことだと感じたんですから。
それに…私もあの方ともう一度…!
「では始めようか」
「よろしくお願いします」
「月の裁き、その正体である至高光芒の剣『最終幻想』、どうかその力で、もう一人の神剣の担い手、赤城カミトの方向を導いてください!」
エド様は彼の剣を持つ、呪文と言うより祈りのようなものを唸った。そしてその剣から一つの光が射して、真っ直ぐ空の彼方まで出して行った。
「では、ご武運を」
それからエド様は私に何かの膜のようなものをかけてくれた。
「はい!必ずこの使命を!」
私は龍の姿になり、空へ飛び出した。
エド様のお陰で、本来は突破不可能の高度でも無難に越えられた。
その後には無限のような暗闇だけ。これはその「宇宙」なのか?エド様が言った極めて危険、これを見てようやく実感しました。
こんなに無限のような暗闇の中で一人ぼっちだとしたら、普通の人間は耐えられるわけがないだろ。
幸い巨龍族は群れを出来たとはいえ、強力な個体であるから、基本的には一人でなんとかできる。他の個体と交流が荒らして個体もいるけど、それは少数。何か言いたいと言うなら、それは私たち巨龍より孤独を耐えられる存在ザッドにはない事です。
エド様からの導く光はちゃんと見えるから、私はその光に従って、前へ進もう。
しかし、この宇宙での飛行はザッドでのは全く違う。翼は全く効きません。なんとかしないと…
あ、体での動きは少しずつ前へ進められましたけど、この速さだと、巨龍の寿命が長いとは言え、間に合わないようです。何か他の方法を…!
それなり大きさがある石を見た。それを利用して跳んだら…
少し速くなりましたけど、こんな石がよくあるわけがありません。
私はどうすれば…ここで魔法は使えない。それは星の範囲でないと、魔法が必要の素子が無いようです。まあ、私は試したから気付きました。
「お困りのようですね」
え?誰かが私に声を掛けてくれたの?こんな何もない宇宙で!?
答えは私の隣を通った巨大な金色個体。龍のような姿ですけど、その大きさは星よりも大きい。
「まさか生身で星を越えるを挑戦するなんて、無謀にもほどがあるのよ」
「で、でもザッドを救うには…」
「そうか、あなたはザッドのリジルザックスか」
「私の事はご存知で?」
「自己紹介はまだですね。私は星辰の女神、創世の女神の一人よ」
「これは失礼しました」
まさか宇宙の中には…
「ほら、私に乗れ」
「い、いいんですか?」
「そうやっていつまでもアースにたどり着けないのよ」
「私の目的地もご存知で?」
「他の奴はどう思うのは知ることではないけど、私は赤城カミトにはあなたが必要だと思う」
「え?」
「まあ、それも後でお二人で決める事だけど、私たちにはカミトはエドのように三人目がないとね」
私たち?三人目?なんの話でしょうか?
「あなたも彼との再会を期待しているんだろ」
さすが女神様、私の本心を騙す事はできないようです。
「そしてあなたにも使命がある。だからとりあえず私に乗れ」
「では、失礼しました」
私は頑張って女神に乗りました。女神様から高い温度を感じているけど、巨龍の身にはまた耐えられます。そして私と全然違う、女神様はこの宇宙の中でも自由に行進できています。速さも私より何万倍以上なのでしょう。
「私は女神だからだ。この何もない場所にはただ一つものが存在している、それは世界を構成する基本粒子、光子」
光子は今赤城様とエド様の力の源ですよね。
「そうだ。それを扱うに許されているのは私たち創世女神と、ギルガメッシュや今のエドとカミトだけ」
「ギルガメッシュ?」
初耳の名前ですが、その名前だけで強い力を感じられるとは一体…?
「ギルガメッシュは、始まりの世界『アルス』で世界の核から流れてきた悪意を食い止めている存在。私たち創世の女神から彼を『星の王者』として讃えている」
創世の女神様たちから讃えられる存在…それはどれほど偉大な方…
「もうすぐアースに接近する、後にはあなた自身で行かないとね」
さすが女神様、早すぎます。そして助かります。
「はい!ありがとうございました!」
「そしてカミトへの伝言をお願いしたい」
「はい、なんでしょうか?」
「この上なく重い責任をかけさせること、本当にすまないって」
「はい!必ず伝えます!」
「では」
私は女神様から離れて、目の前の青い星に突入。
さっきまで感じていた女神様の温度よりも高い熱を感じた、私は自分の能力を使わないと、エド様の保護があっても、きっと燃え尽きてしまいます。
そうです、私は霜白龍。冷凍系の最高位能力を持つ巨龍です。白龍族としてこの能力は寒氷龍ハイセイプライ様の加護が付いていると言われていますけど、この高温を耐えるには私が能力を全力全開しないと。
どれくらい時間を過ごしたの?ようやく空が青く見える時、私は疲れて巨龍の姿に保持出来なくなって、地面に落ちてしまいました。
さすがに無茶し過ぎるようでしたから、私は眠りになって、そのまま寝ました。
「なんてこんなところにドレスの女が…?」
「とりあえず上に報告しろ」
「もう報告したよ!でも藤原隊長と赤城総隊長は任務へ行ったから、今は不在。長門副総隊長からしばらく現場で彼女の周りを見張りを」
「やれやれ」
「でもこの女性、何という綺麗な…一体なんてこんなところに…」
「知る事か。彼女が目覚める前にちゃんと見張りをしないと。ここはガーディアンスの基地範囲だけど、他の野生動物がいるからな」
意識が戻っているから、少しずつ誰かの声が私の耳に入ってくる。
男二人のようです。しかし私は一体どんなところへ到着したの?赤城様と会わないと…
「それにしても赤城総隊長は本当に無茶苦茶だな。そんな狙撃までできたとは」
「ああ、藤原隊長を従えるのも当然だと思うようになったな。そして俺らも赤城総隊長の部隊に入られることを誇りを感じたぞ」
赤城?
「あ、あの!」
私がいきなり声をかけてしまったせいで、あの二人は慌てて手を持つものを私に向かれてくれた。確かにそれは銃というアースの遠距離攻撃兵器ですね。
「待ってください、私は攻撃する意図はありません。私は赤城カミト様を会うためにザッドからこのアースに来ました。名前はリジルザックスと申します」
私の話を聞いた二人は更に困るようになりました。
困っている二人が誰かとの通話が終わった後、二人は銃を収めました。
「リジルザックスさんだっけ?俺らについて来い。変な挙動はやめてもらいたい」
「しないと約束します。ところで、さっきあなたたちの話に出ていた赤城総隊長、それは赤城カミト様の事ですか?」
私の記憶によると、赤城様は兵科長のはず、つまりその赤城総隊長は他人なの?
「すみません、俺らから説明できない事です」
二人はただ静かに私をある建物に連れられただけ、そこの衛兵っぽい人と敬礼した後、私をその衛兵に引き渡させられました。
「ここからより、私が案内します。こちらへどうぞ、リジルザックス様」
え?敬称?どう言う事?
「長門副総隊長から失礼しないように指令がありまして」
長門?あ、もしかして赤城様の妻の長門さんの事ですか?確かにあの戦いでは指揮室で会いました。しかし彼女も兵科長のはずです。私の記憶が間違ったのでしょうか?
私が考える時、とある執務室に到着しました。
「長門副総隊長、リジルザックス様を連れてきました」
「ご苦労、彼女を入らせてください」
「はい!」
その衛兵が裏の返事を貰ったから、私に扉を開けてくれました。
「まさか本物のリジルザックスさんなの?てっきり何かの誤報だと思いました」
執務室の中で私を待っていたのは見覚えのある顔。間違っていない、彼女は赤城様の妻の長門さんです。
「一体どうやってザッドからアースに?それにどうしてこんなところまで?あ、お座ってください」
私は彼女の好意に従って座った後、説明を始めました。
「はい、今ザッドは新しい危機がありまして、エド様は赤城様に救援を求める方がいいと判断したけど、エド様は自ら星を越える事は上策ではないため、私にやらせていただきました」
「しかしリジルザックスさんは白龍族ですよね?どうしてエドはあなたに…」
「あの大戦の後、人類との交流を深めるために、私はレカーライヴズ王宮に居候の形でお邪魔していました」
「そうでしたか。今度の旅はきっと大変でしたよね」
確かにそうでしたけど。
「いいえ、途中で星辰の女神様に助けていただきました」
「そうでしたか。しかしカミトは任務で出張しているので、しばらく空いていますよ」
「でしたら大和総隊長様にも」
「それは残念ですが、今カミトと私は新しい部隊を成立したから、セラフィーブリンガースから独立しました。それに今凛はザッドを構える暇がないと思うよ」
「え?そうなの?」
「リジルザックスさんも知っているあの力の故ですから」
そう言う事ですか。確かに女神様も言った、女神様たち以外光子を扱うに許されているのはギルガメッシュとエド様、そして赤城様だけ。
それにしても、セラヴィーブリンガースから独立しましたの?だから赤城様の事を総隊長と呼んでいるのですか?そしてそれも長門さんの事を副総隊長を呼んでいるわけですね。
「まさか生身で星を越えられたとは。あ、まずはお詫びをしないとな、お待たせしまって悪かった」
長門さんの好意で、私は一週の間でこの基地を滞留しました後、赤城様はようやく任務を完成して帰還しました。
「いいえ、赤城様の方こそ、お疲れ様でした」
「初めまして、私はこの光神信使の小隊長の一人、藤原杏と申します」
「はい、白龍族のリジルザックスです。よろしくお願いします」
初対面女の子は私に自己紹介してくれましたから、私も自己紹介をしました。
「まさか本当にリジルザックスさんなんて、理江から報告を受けた時、てっきり何かの冗談だと思ってしまって」
「ご無沙汰しておりました、シン軍団長様」
月の聖女和歌奈聖女様の軍団長までここにいるのですか?
「とりあえず本題は始めようか」
赤城様が私から話すと示してくれたから、私は一から説明しました。
「つまり邪悪神ニンザスの封印は破れられそうになっている、俺の力でそれを建て直してもらいたいって事?」
私が十五分間をかかった説明した内容に、赤城様はもっとわかりやすいの言い方で私に確認してくれました。
「はい」
「でもニンザスと言えば、それはザッドの邪悪神ですよね。でしたらそれはザッド自身の問題のはずですよね、こうやって容易い他の星助けを求める事は大丈夫ですか?」
藤原さんからの質問は当然な問題ですから、エド様から答えを教えて頂きました。
しかし私が答える前に、赤城様が藤原さんに答えました。
「杏、それはな、あの時俺が織姫を救うために、ニンザスの封印を更に固めたからだ」
「えっと、それは極光神剣の力によってですか?」
「そう言う事。だから今こうやって俺を探しに来たのも不自然ではない」
「了解しました」
「しかしだな、一体どうやって星を越えられる、俺はそれを確認してもらいたい。ザッドにはそんな技術がないはず。素子がない宇宙にも魔法を使えないはずだ」
「はい、それは星辰の女神様に助けていただきました」
「そうか、ミヤビか」
「アリス、どう思う?」
「あり得る話ですね。最終幻想は極光神剣の方向を指す事ができるので、それを利用して、そして今エドの力を使えば可能になるだろ。しかしそれでも生身で星を越える事は極めて危険な事なはずです。そこで星辰の女神であるミヤビに助けてもらったら可能になるんでしょう。しかしミヤビでもこのアースに近くする事ができないはずだから、どうやってアースの大気圏を突入できたの?」
小さな人形がカミトさんの肩に座って話している。これも出発する前にエド様から教えていただいた、その人形は創世の女神の一人、聖魔の女神の分霊である事。
「はい、エド様が私にかけていただいた防御膜のお陰で、そして私は冷凍系の最上位能力を持っている霜白龍の能力と合わせて、それを突破できました」
「なるほど、納得できる説明です」
小さな人形は私の説明に頷いてくれた。
「確かにザッドの最高位生命体である巨龍族であれば、この間の危険を最低限を押さえられるは可能ですね。エドの加護と霜白龍だったら尚更ですね」
長門さんも納得できたようです。
「ではいきなりだが、光神信使はこれより総員出動の準備を入ろ!」
「え?」
「ちょうど最高機密部隊に入ったお前らに、真世界はどんなものを教える好機だからな」
「は、はい!」
「待って、その任務、私たちにも参加させていただきたいです、お父さん、じゃなくて、総隊長」
突然大勢な人が会議室に入って来た。私は扉の方向を見たら、そこには見知り人たちがいた。赤城様の娘の桜を始めとして、赤城様の弟子であるロックオンさん、長門さんの弟子の斎香さん、そして技工兵科のグレイトさん。
「ほう、ようやくできたのか?」
「はい!教官、ロックオンはただいま着任しました!」
「えりな教官、斎香もただいま着任しました」
「ご無事で何よりです。お疲れ様でした」
「まさかニ年間をかかってしまったとは」
ロックオンさんの顔から悔しさを見える。何かあったんだろ?
「ちょうど剣輝に成長する時期を与えてくれたからいいではないか?」
「それにあなたも悪いのよ。そんな言い訳が全く理解できない教え方、私と桜ちゃんがいないと、今のあなたはまたここに来られないかもしれんのよ」
ロックオンさんの愚痴に対して、斎香さんは責める言葉を言い出した。それを聞いたロックオンさんは更に落ち込んだと見える。
「大丈夫よ、リジルザックスさん。これは斎香ちゃんからロックオンの奴への愛情表現だよ」
桜さんは心配している私にこっそり説明してくれた。そうですか、あの二人はそう言う関係なのですか?
「そう言う事、だから心配する必要はないのよ」
「はい」
そうでしたか。そんな形の愛情もあるのよね。
「ではリジルザックス、悪いが我が隊はこれより編隊を調整するので、遠征の事はしばらくお預けだ」
「はい、わかりました」
新入りが来た現在、赤城様の話は全くもって当然な事だから、私は頷く事しかできませんでした。
お待たせしました




