戦う理由
「聖女さま、はじめまして、私はセラヴィーブリンガース総隊長、大和凛と申します。本日ここにいらしゃって、ありがとうございます」
シンは凛をみんなのところに連れて来た。
でも和歌奈お嬢様しか誰も笑っていない。
「話の前にみんなにこの映像をご覧になってください」
凛が自分のAIで先の戦いを放映している、それを見た聖女たちは口大きく開けるほど驚いた。
「これは一体…」
「少しでも私たちの実力を見せていただきたいつもりですから、ここの警備担当の綾崎シンとの共同計画だけど、意外に死体がゾンビ化してしっまたのです。聖女様たちとは初対面だから、少しでも信用させたい。なにせ、これからは世界の危機の話ですから、信頼関係はとても大切なことです。そしてついてにこの地にいる綾崎家の敵を全部殱滅できました。ゾンビ化は完全に予想外でしたが、私たちの実力は少しでも分かるになるはずですと思います」
「その映像を見たら、確かにあなたたちは強い、デゥカラガンからも先日のPAWSの戦いの録画を私たちに見せてもらった。むしろあなたたちは強すぎて、私たちの力は本当に必要なの?」
発言したのは眼鏡掛けている女の子。そして明らかに和歌奈以外誰でもそう思っている。
「確かに私たちは強いんですけど、それはこの星だけの話。ザッドに行ったら同じ強さは保証できません。そしてザッドでは聖女と神龍の力はとても強いと聞いています。さらに私たちとその世界の国と繋がれます。その敵と戦うには、全世界の力を合わせませんと、不可能だと断言できます」
「でもあなたたち自分でその敵を撃退できたではないか?」
「あれはあくまでほんの一部だけに過ぎません。私たちの敵は、深い暗闇から生まれた純粋な悪意」
「まずはザッドの状況を説明してもらえませんか?」
「聖女たちのご存知通り、沢山の小さな世界が合わせて大世界になった。つまり私たちがいるアースとあのザッドも同じ大世界の一部です。そして守護聖剣と貫雷魔剣のおかげて、私たちガーディアンスは聖女たちの光子からザッドを定位し観察することができました」
「ちょっと待って、光子って何?私たちが知っている光子じゃないよね」
「光子はこの大世界において全てを構成する基本粒子。つまり生命と意識を含めて、全ては光子から作りました。みんなと知っているフォトンとは違うもの、もっと基本的なものです」
「あなたの言葉によると、その光子を操作できたら、神になれるではないか」
「その通りです。昔、ある世界は光子を操作できる方法を見つけました。光子を使って攻撃できる兵器まで作り出しました」
「それで?」
「光子のエネルギーが溢れすぎて、異種に侵攻されました、しかもとても大量でした。その世界はその侵攻を耐えられませんでしたから、異種に滅びた。でも滅ぼす前に、彼らは光子兵器を射出した」
「すみません、先カミトが言った貫雷魔剣でここを浄化するって言った、つまりあの人形兵器は光子を使えるではないか!」
「そうです。貫雷魔剣と守護聖剣は彼らが作った光子兵器です。射出した後からこの世界に落ちてしまいました。それは今から六千五百万年前のことです」
「え、まさか恐竜が絶滅したの原因がそれか!」
「私たち初めて聞いた時も同じ反応でしたね」
「ではなぜそれは君達の手にあるの?」
「私たちガーディアンスは古くからこの星を守り続けてきた組織。それらが落ちた時、私たち上の人がそれを回収しました」
「ちょっと待って、あの時未だ人間がいないよね」
「そうですよ、神すら存在しなかった時代です」
「ならば誰が回収したの?」
「一言言えば、それは神の神です」
誰も信じられない顔をしている。それもそうだ、聖女たちは神の代行者、神の神なんて聞いた事すらなかった。
でも戸惑うがある。何せ、あの両機が持つ力は確かにこの世界を遥かに超えている。それにさっきの戦いを見たら、この人たちが嘘をつく必要がない。あの両機があれば、神龍すら倒せる。でもそれでも聖女の力が必要だ、それは一体どんな状況になっている?
「本題に戻りましょう。今の画面はザッドの空です」
本当にザッドの空だ…神龍たちが故郷の空を見たから騒がしている。それも無理もないことだ。
「そしてはっきり見えますよね、その裂隙を」
それはまるで空を分けるような大きな裂隙。
「なんてそんなものを…」
「今は未だわかりません。しかしその裂隙の中で、一つものがあることは確定しました」
「それは一体…」
丁度その画面が夜になった。そして神龍たち、特にデゥカラガンがすぐある事を気づいた。
「月が一つ消えた!?」
「本当だ。なぜか?」
「凛さん、まさかその裂隙の中にあるもの…」
「断言できません、けど一つの星体が確定できました」
「聖女様、お願いします」
全ての神龍が一緒に聖女たちに懇願している
僕は初めてデゥカラガンの泣きそうな顔を見た。