休憩時間
「お嬢様、体の様子は?」
僕たち三人と犬一匹が大聖殿艦に帰った時、デゥカラガン様から和歌奈お嬢様が医務室にいる事を伝われたので、エド様とカミトも一緒に見舞いに来た。
そしてハンガーまでカミトを迎えに来た凛とえりなも。
ちなみに今えりなは歩きながらしっかりカミトの腕と組んでいる。
「もう、本当に大変心配していたよ。まさか連絡一つもなく、いきなりそんな事をするなんて。」
「それはごめん、まさか全ての通信手段が遮断されてしまったとは予想しなかった。エドの通信魔法も効かなかった。」
「そして、何かあった?」
凛が全く気分を読めないようにカミトに事情の報告を聞きたい。
それは当然な事だけど、今カミトはそれを言う気分では無さそうだ。
「それは後で。」
その答えから見ると今のカミトにとって、えりな以上の事はない事を証明した。
「少し衝撃されただけ、デゥカラガンは回復魔法まで私に使われたから、大丈夫だと思います。」
和歌奈様の顔は大丈夫そうだが、疲れた事を感じられる。
「もう少し静養する方がいいですよ、みんなは裂隙を維持する為に大幅精神を消耗してしまったから。はい、水です、和歌奈様。」
レイコは和歌奈様に水を渡した、そして僕の考えを証明した。
それでよく見れば、他の聖女様もここに寝ている、他の支援兵科の子が世話をしている。
どうやらあの衝撃でみんなが倒れてしまったようだ。
「お帰りなさい、エド、そしてカミト。」
「お兄様、お帰りなさい。」
僕たちは格納庫から直接見舞いに来たから、レイコもカミトに挨拶した。
そして挨拶の同時にレイコはカミトを抱きしめた。
「私もすごく心配したよ。」
少し泣いたようだ声。
「心配させてすまない。」
カミトは優しくレイコの頭を撫でた。
この兄妹は本当に仲がいいな。
「和歌奈聖女様のお陰で、ただいま戻りました。」
エドは和歌奈様に敬礼した後、シックリスさんはさっきえりなのように少しエドに近づいた気がする。
「今はこの話をするのは不謹慎ですが、祝勝会は延期する方が良さそうですね。」
凛の発言で和歌奈様が少し不愉快になった、なんて?この場合で言うのは不謹慎だけど、間違いなく言葉だと思うけど。
「私たちのせいで祝勝会を延期するなんて、そんな必要がありません、今この世界の民たちにとってそれが一番必要です。」
「それは構わないが、できればこっちにも美食を持ってきれば?」
いつのまにか目覚めた玲様がオーダーした。
「では仰る通りで祝勝会を行います、確かにこの星の民たちには必要な事です」
なんてだろ?疑問があるので、僕はこっそり今医務室に入った剣成を見た。
「凛、裂隙は修復完了できた」
「ご苦労様。」
「カミト。」
カミトは剣成を見た同時に、右手を出した。
そして二人は全く同じ動作をした。
最後まで見た、なんだ、ハイタッチじゃないか。
でもなんてただのハイタッチなのに、その儀式感は一体?
「元々は四人でするの、このハイタッチは」
凛が少し泣いたような呟き、僕は理解した。
きっと剣成が言った、彼らだけのハイタッチ。
そうだとわかった。
うん、剣成はエドに対しては普通の握手だけ。
「凛、レカーライヴズのレッドとリズ女王は祝勝会の件で会議室で待っている、後でエドを連れて行って。」
そして剣成は極めてこっそり凛に報告した。
「わかった。すぐ行く。」
「俺らは心の準備ができたから大丈夫だけど、この星にはこの戦でなにも得なかった、損だらけのこの状況、祝勝会で忘れさせる必要がある。」
僕とシンの顔を見て、剣成がこっそり僕たちに説明された。
でも、世界の終わりを避けられるのに?
「一般人ではそのような事に実感がない、聖殿騎士団でも、下端には何の為に戦った、それを理解させるのも時間が必要だ。この祝勝会の間で、各国と各団体のリーダーは賞恤の事をこなせるはずだ。」
そう言う事か?
「私はもう少しお兄様と一緒にいたいですが、聖女たちには静養が必要なので、面会はこれで終わりにします。」
レイコは僕たち全員を医務室から出された。
「カミト、お腹すいたでしょ。」
えりなはそのままカミトを連れて行った。でも方向は食堂ではない、居住区のようだ。
多分手料理だな。
それを見た剣成は少し羨ましそうだ。
「時雨さん、大和総司令、シックリス様、シン様、おはようございます。そしてエド様、お帰りなさい」
僕たちの前に来たのは、銀白色の長い髪を持つ美しい女性。
シルベリアだ。
「もし良ければ、一緒にお昼しましょう。」
そう言いながら勝手に剣成の手と繋いだ。
ドストライクすぎて、剣成ですら反応しなかった、そのまま連れされて行った。
「では私たちは国王たちに相談しに」
凛とエドも離れた。
シックリスもエドと一緒に行ったので、いきなり僕とシン、そして今来たクロエが残された。
「では俺らも何かするか。」
自然に二人も手が繋いだ。
やるな、シン。
「よし、確定した。明日でここの大会議室であなた二人の受勲儀式を行う、そしてそのまま宴会に突入と決めた。」
のんびりした後、みんなが集まっていた食堂で、凛が発表した。
「受勲?面倒な事…」
カミトがとても面倒くさいの顔をした。
「ようやく休めるんだ!」
技工兵科長の奈美がカミトの話を中断された。そのビールを大口で飲むの若い顔、違和感を感じる。
まあ、一番大変忙しかったのは奈美だと聞いた。全ての機材の検修とメインテナンス、今からようやく座れる事は知った。
「どころで、カミト、受勲されたくないのはわかるが、織姫をお前に託したい」
「断る、俺はもう愛する妻がいるから。裂隙の中でお前も知ってたろう、俺の妻はえりなだけで十分だ」
エドの提議を聞いた瞬間、カミトの顔が険しくなった。
「それはそうだな。失礼した」
カミトの熱い告白、えりなの顔は赤くなった。
そう言えばあの件、また諦めないか?エドは。あと裂隙の中で一体何かあった?
「まさかと思うけど、織姫殿下がカミトに恋に落ちた可能性があるかもしれない」
クロエの推論、僕とシンは同時に頷いた。
その織姫殿下にとって、カミトは命の恩人にして英雄だからな。
「ごめんね、まだアースの料理を覚えてないから、ザッドのものしか作れなくて」
シンと僕もお腹減ったから、クロエは自ら料理を作ると言われたので、シンの部屋に帰った。
予備のペットフードがあるので、クロエが準備する時、シンは僕のものを準備できた。
「先に食ってもいいぞ。」
シンはそう言われたけど、僕は待つを決めた。
「できたよ。」
事前がクロエに僕の份を準備しなくていいって言ったら、クロエはシンと彼女自身の前に皿を置いた。
てっきりザッドの料理だから、見たことない物だと思ったが、これはどう見てもカツ丼だよね。肉は揚げるものではないけど。
「え?アースも似ている料理があるの?これはレカーライヴズの基本料理の『肉と米の盛り合わせとお汁』だよ」
シンがそのまま僕と同じ考えでクロエに聞いた。
レカーライヴズの農業程度が悪くないようだ。
「うん、アースとの差別はこのお汁の香りと肉は揚げるものだ。」
「そうなのか?食べたいな。」
シンの説明でクロエは微笑んで自然に無理な事を言った。
それを食べる為にアースに行くしかないじゃないか?
「食堂のシェフに聞いてみようか?」
あ、そうだね。
お待たせしました、ちょっと普通な段落です。




