信じるよ(突入第一日夜)
お待たせしました。
外に出たら、シックリスとリジルザックスは巨龍の姿になり、僕はシックリスの背中に乗っていた。
え?近いと思ったけど、そうじゃないのか?
それともそれは巨龍の姿で解決出来るの事でしょうか?
「しっかり掴まえろ。」
シックリスの声は人の姿より少し重くなっているが、それはシックリスの声に聞こえる。
リジルザックスの背中にはクロエが乗っている。
クロエはデゥカラガン様からシンの異様を教えてくれた、指揮室の外で僕たちを待っていたから、そのまま同行になった。
「私はシンのパートナーですから。」
およそ十分間の飛行、風の感覚はシンがバイクを運転するより柔らかいから、僕は大丈夫だ。
むしろあの時シンはいったいどれくらいの速度で運転したの?
無茶すぎるよ、あの人。
今度もきっと何かの原因で暴走してしまった。
「正直、驚いたわよ。」
シックリスの声。
「暴走してしまったとはいえ、アース人のくせに、神龍剣をそこまで使えるのは大しものだぞ。」
シックリスの言葉から賛美の意味を聞こえるのは勘違いじゃないよね。
僕たちが現場に到着した、そこで見たのはシンがサファリアンともう一人を圧倒したの戦い。
あの二人は完全に暴走したシンの相手になれない。
「リジルザックスさん!」
地面に落ちたら僕とクロエを下ろしたから人の姿になったシックリスとリジルザックスはそのまま戦局に加えた。
さすが巨龍と言うべきかな、シックリスとリジルザックスの身体能力はサファリアンより上だ、同時に魔法もよく使える、シンの方が圧倒された。
クロエは僕を抱いてシンを呼び覚ましたい。
「シン!」
「ワーッ!」
おそらく僕とクロエの声を聞いた、シンの視線は僕とクロエに向いた。
その目から狂気しか感じられない。
デゥカラガン様の代表色は紫だから、シンの目は同じ色の炎が燃えているようだ。
怖い。
「危ない!」
瞬間、シンはシックリスとリジルザックスを突破してしまって、僕とクロエの前に来た。
そして拳が高く上がった。
「シン!止めて!」
「ワーッ!」
シン!
僕の目が閉じた。もしこれは運命なら、せめて僕はいい思いがあった。本来では入るはずがない綾崎家に入った、そして今は異世界のザッドにいる。
ありがとう、シン。
でも全ては僕が考えすぎるのようだ、その最後の瞬間がくるようになかった。
そして僕の下顎が誰かに撫でられている。
「これは迷惑かけたな。」
シンの声。
僕は目を開いて見たのは、いつもと同じ黒の瞳。その不祥な炎は既に消えた。
「ワーッ!」
「良かった、シン。」
クロエはシンの頬を撫でた、これは夢じゃない事を確認した。
「申し訳ありませんでした。」
シンはシックリスとリジルザックスにも謝った。
「おまえ、強すぎない?」
サファリアンが来た、その様子から見ると、かなりの激戦だった。
「私も同感です。」
シンとサファリアンより少し年上の男も来た。
「失礼、まだ自己紹介してないんですね、私はカニンガン・ライオンと申します、氷の聖女軍団長を務めています。」
「シンだ。これは迷惑かけたな。」
シンは握手のつもりで右手を出した。
「よろしくお願いします。君の強さ、もう間違い所に使わないように。」
「はは、これって一本取られたな、シン。」
サファリアンはツッコミのつもりはずだったが、彼もその握手に参加した。
「同じ聖女軍団の長として、一緒に頑張ろ。」
そして格好いい話でこの騒乱を終わりにした。
シックリスとリジルザックスは巨龍の姿に変化した、でもこちらの人間たち誰も乗る気はなさそうだ。
「遠慮させていただきたいです。」
カニンガンが綺麗に断った。
「自分の足で帰ります。」
サファリアンは普通に断った。
「ヴィク、お散歩する?」
え?今から?
「ワーッ!」
もちろんする!




