雑談と紅龍
お待たせしました。
「そうか、お二人が言ったのか」
ちょうど飯が終わった頃、剣成が来た。聖殿巡りの途中のようだ。
「お父さん、それは僕が。」
「それはお二人の事から、君と桜が言いたいなら俺は止めさせない。その重過ぎる過去をどうやって背負うべきか、それはお二人が考うべきことが、多分カミトも同じ事言うだろう。何しろ、俺とカミトは君たちの上官にして父でもある」
「はい!」
剣心は剣成に礼をした。桜がしてないけど、その目は感謝の意思を感じられる。
「さて、お二人はそろそろ帰るぞ。明日は共同演習があるから、その下準備を」
「はい!」
剣心と桜が離れた、知らない人から見ると、あの二人が恋人に見えるかもしれない。
「時雨戦闘兵科長、その演習の情報は入ってませんよ」
そう言えば、斎香とロックオンはまたここにいる。そして斎香はその演習の事に疑問を聞いた。
「私は通信兵科ですから、そのような事があったら自然に知られるのも当然ですが、こちらは全くそのような情報はありませんよ」
「つまりこれから話すことはあの二人に教えられない事だな」
ロックオンは斎香の話を続いた、剣成は満足そうな顔で二人に頷いた。
「しかし、その推論は間違った。本当にそれだけの事だ」
「時雨兵科長、同じレッドとして、一言言わせてもらう」
ロックオンが少し止まったから、そして吼えるぐらいの音量で。
「そんなわけあるか!」
「まあ、確かにこれから言う事はあの二人に知らせたくないが、演習の事は本当だ、それはさっきカミトと決定した事だから、そろそろ連絡が来るはずだ」
「あ、本当です」
斎香が自分のAIを見て、そして何かを書いて返信した。
「さて、そのデザインチャイルドの事だが、完全に俺やカミトをコピーだけじゃない、母方からの因子もあるから、劣化は免じられない事だ」
そう言えばそうだな。
「カミトさんはえりなさんだね、では剣成さんは?」
和歌奈様が剣成に聞いた。
「それはわからない、俺は誰と付き合った事はないから、多分勝手に女性研究員の誰かかな」
誰も気づいていないか?剣成はその事を言う時は少し怒っている口調になってしまった。
一体どう言う事?まさかそれは二人に同意を得たからの研究じゃなかったの?
「あの二人を守る為に、セラフィーブリンガースに入ってさせたのか?」
シンは自然に聞いた。
「私情で採用したわけがない、実力には問題ないから採用した。劣化とはいえ、ロックオン程じゃなかったら負けるわけがない」
「時雨兵科長、ご訂正させていただきたいです。桜ちゃんならロックオンでも勝てますよ」
斎香が剣成に敬語でツッコミした。でも桜はレッドのロックオンに勝てる?凄いな。
「あの子は頑張ったから、限定範囲なら一ニでも争える実力がある」
「俺はその執念に負けたと言えるかもしれん。教官の娘とは言え、グリーンの一般兵がそれほどの実力を持っているのは珍しすぎで、かなりショックだった」
ロックオンは負けず嫌いの顔を出た、斎香は微笑みでロックオンを見守るだけ。
この二人一体?
「では私とロックオンはこれで」
演習の事を確認した斎香さんがロックオンを連れ帰った。剣成はまたここにいるけど。
また何か話したいのか?
「ところで、シックリスと言う名前、ご存知でしょうか?」
僕は知らない、シンも同じ顔だ。
「それは巨龍種の一人、確かに紅龍族に当たる、エドの奥さんの一人だ」
デゥカラガン様が剣成に答えた、つまりそれはザッドの生命、ではなんて剣成から?
「時雨殿、挨拶は妾が自ら行う約束がしたはずのですが」
女の声が外から響いた。そしてその女は入った。
髪は赤いおかっぱ、身長は和歌奈お嬢様の肩すら届かない、本当にこの小さい女の子は巨竜族でエドの奥さんなのか?
「お久しぶりです、和歌奈聖女聖上、偉大なデゥカラガン様。シックリスは御拝見させて頂けることに感謝して致します」
「久しぶりです、シックリスさん。エドは?」
「エド様と妾は聖殿巡りの途中で分別行動になったんです。ここのゲートで時雨殿と会ったので、一緒に参りまし。」
「ごめん、知らないから和歌奈様に確認したいので」
「それは仕方ないんですね、妾はあなたを許すとしよう」
なんてこの女はこんな目が高いの?
「あの方はレカーライヴズ国母と称えるの翔紅龍シックリス様ですよ」
クロエはこっそり僕たちに説明した。
旦那は王家導師にして死の騎士、奥さんは国母にして翔紅龍か?
無茶苦茶のも程があるでしょう。
さすが異世界だな。




