失敗作の印
お待たせしました。
「お帰り、シン兄」
カミトが機嫌が悪くなってそのまま帰ったから、シンも残った仕事を片付けた和歌奈様のところへ帰った。
「ただいま帰りました、お嬢様」
親近すぎる呼び方でシンを呼んでいる和歌奈お嬢様を見たクロエさんはまだ慣れてないようだ。
「こんばんはです、和歌奈様」
カミトの娘である桜はなぜここにいる?それはやっと休みを取った桜はカミトを探しに来たけど、カミトはもう帰ったから、シンは桜を招待したから。
同行しているのはあと二人がいる。
「ロックオン、スタウダマイヤーだ、クロエさんとは初対面だな」
「初めまして、私は通信兵科の斎香・イスカタルと申します」
「斎香ちゃんはお母さんの得意弟子よ」
あのえりなさんの?それにしても…ちゃん?
僕がその呼び方に困っている時、桜は既に言い続けた。
「斎香ちゃんは私学校時代の小隊メンバーで、いつも私のバックアップをしてますよ」
「桜ちゃんこそいい隊長です、お蔭て私たちB小隊はA小隊を勝ちました」
「とりあえず、中へどうぞ」
シンの一言で、みんなは食堂に移動した。
僕が一番後ろにして一番低い位置から、ロックオンと斎香がこっそり手が繋いでいる事をしっかり見えていた。
まさかこの二人の関係は…!
「随分、仲が良くなったようだな」
桜の表情から見ると、どうやら桜は知った上で言ったようだ。
「え、えど!」
斎香はすぐ手を離した。ロックオンは少し残念な顔をした。
分かりやすすぎる関係だな。
「みんな、お疲れ様でした」
和歌奈様の一言から、夕飯時間を始めた。祝勝会より簡単な食事だが、それは当然なことだと思う、平日は普通なものは当然だ。和歌奈様もそんな浪費な人ではない。
「もし口に合わないなら、ごめんなさいね」
和歌奈様は相変わらずここのシェフさんに信用してなさそうだ。
「それはご安心ください、狙撃兵科の十八番の一つはこれです!」
桜とロックオンはある物をポッケットから出した。白い粉だ。
まさか麻薬なのかって心配したが、匂いからただの塩だとわかった。
「分けてあげるから、心配しないで」
ロックオンが斎香にそう言ったけど、斎香は少しでも心配してなさそうだ。
「桜ちゃんに分けてもらいますから、あなたの要りません」
「はは、ロックオン、これは一本取られたな」
「ク…」
「お二人の共同作戦から見ると、決して仲が悪いはずがないと思うが」
シンは僕の疑問をそのまま言った。
「それは僕から説明しよう。」
一人の男子が来た。桜と同じ緑の軍服を着ている。その顔は何処かで…?
「お邪魔します、そして初めまして、僕は戦闘兵科の剣心・時雨と申します」
「時雨ってことは、あの剣成の?」
シンは少し考えたら言った。
そうだ!あの剣成とそっくりだ!息子だったか!
「はい、僕は時雨剣成の息子です。さっきの問題について、それはこの二人はライバルですから」
剣心はさっきの話を続けた。
「同じ狙撃兵科だから?」
「それもありますけど、基本的にはカミトおじさんのせいですから」
「カミトが何を?」
「桜はカミトの一人娘なのに、戦闘のやり方は全然教えませんでした。それに対して、ロックオンはカミトが自ら訓練を施した上で、レッドまで合格出来たから」
「つまりやきもちか?」
「違う!」
桜の声が大きいが、ロックオンと剣心がやれやれの表情を出している。
「ところで、訓練学校はAB小隊を分けるのはどう言う事?どうやって分類するか?」
シンはさっき桜が言ったことに興味ありそうで聞いた。
「両親がガーディアンスのメンバー、或いは再訓練を受ける人、それはA小隊に、選ばれた一般人はB小隊です」
斎香は説明した。でも何か変な気がする。
「ならば何故桜はB小隊に?彼女ならA小隊に編入するはずじゃないか?」
確かにそうなるはずだ。
「それは特例でした。私たちの同期には桜ちゃんと剣心ぐんがいるから、もしこの二人が一緒にA小隊に編入したら、アンバランスすぎて、B小隊にとって良くない事です。えりな教官はそうやって私に説明されました」
「そのアンバランスについて、例えば?」
「初めての演習訓練で、剣心ぐんは一人で私たちB小隊のPAWS三機を全て倒した、圧倒的な実力で。当時の私たちが貰った情報によると、剣心ぐんが平均評価Bの普通PAWSドライバーにすぎないから、気にしてなかった。最初から要注意対象として見ているのは桜ちゃんだけ。だから桜ちゃんは最初から技工兵科にいくつかの罠を作ってきた。桜ちゃんの戦術で他の三機を撃破したから、剣心ぐんが全力出した。作った罠を全部使ったらようやく剣心ぐんを止める事ができました」
「あの時僕はもっと早くマリヴィアに忠告すべきだと思いました」
また新しい名前が出てきた。
「そのマリヴィア今何処?」
桜は剣心に聞いた。
「えりなさんから頼まれた仕事はまだ終わってないから、今は絶賛残業中です」
「手伝ってあげなさいよ!彼女でしょ!」
え?剣心とそのマリヴィアとはそう言う関係?
「えりなさんから禁止されました」
えりなさん厳しいな。
「お母さんが?」
「通信兵科としての実力は斎香と比べたら遥かに不足しているからえりなさんが仕事をこなしながら教育させていると思います」
「そう言えば、どうしてカミトと剣成はお二人を教えなかったんですか?」
クロエは当然な疑問を聴いた。確かに一般的には、父親が教えるはずだ。
「お父さんたちの戦いを見ましたよね」
「はい。」
あれらの戦いを思い出した。シンとの初対面も。
「それは劣化才能しか持たない僕と桜は一生をかかっても辿りつかない領域です」
そうやって言った剣心の顔は桜と同じ暗くなった。
「そうか、つまりあなた二人は俺と同じ、失敗作という印を背負っている事か」
シンの突然な発言でここにいる誰も驚いた。なんと言ってもシンは実力で軍団長の座に就けたのだ、なのにそんな彼から自分が失敗作って言うのは誰も信じられないのも当然だと思う。
でもデゥカラガン様から聞いた覚えがある。
「俺は、人性を持たないべきだった」
そう、そう言う事だ。
「ど、どう言う事?」
和歌奈様も初耳のようだ。どうやらそれは当主様がこっそりデゥカラガンに言ったかな?
「俺は日本の経済に大きな貢献がある金持ちたちが護衛を訓練する為に成立した組織、「企業」に改造された人間である。そんな俺は兵器だけの戦闘力だけを持てば良い、人性はその戦闘力を落ちるだけから、俺は人性を捨てるべきだったが、最終テストで、俺は目標をとどめを刺せなかった」
「どうして?」
「その目標は、一人の女の子だ。丁度今のお嬢様と同じ歳ぐらいの女の子」
えええ?それは法律違反だよね。
「その企業の事、私たちガーディアンスも知っている。その女の子は殺人罪など重い罪をしたの罪人だと思います。もし普通の一般人だったら、ガーディアンスは既にその企業と言う組織を潰すはずだと思います」
「それもそうだな、俺と教官も良くそんな任務に出る事があった」
斎香とロックオンの言葉によると、少し納得できるようになったが。
「それをわかっても、俺は出来なかった。敵だったら俺は迷わず殺すが、そんな女の子に対して俺には何も出来なかった。それから俺は当主様と出会ったまで、失敗作の印を背負っていた」
「大丈夫だよ、シン兄。私はシン兄が失敗作なんて一度も思わないよ」
「それはわかっています、お嬢様」
和歌奈様は誰よりもシンの事を信頼している。それを確認出来て僕もシンと同じ嬉しい。
「シンさんが言ったなら、僕も言わなきゃ行けなさそうな」
剣心が桜を見て、そして桜が決心して頷いた。
「僕と桜は、時雨剣成と赤城カミトの遺伝子から作ったデザイナーチャイルドです。お父さんたちの才能が強すぎて、コピーすべき声が当然のように存在していた」
「ガーディアンスはそんな事もしたの?」
今までカミトと剣成からの感じは、ガーディアンスは守るために存在している組織が、剣心からそんな話を言ったから、少しそのイメージを崩れた。
「だから僕たちの存在を知ったお父さんとカミトおじさんがその研究部門を潰した」
そんな事までしたの?あの二人が?
「私は運がいいでお父さんとお母さんに育てられた、他に何千名兄弟はもう…」
桜が何か嫌な顔をしている。
でもそれは説明した、ガーディアンスでも悪い面が存在している。
まあ、カミトが暗殺任務に出た事があると聞いた時からそれを想像できる。
「すみません、そんな事を思いませうでした」
剣心と桜の痛いところを触ってしまったので、クロエがこの話をはじめたから、桜と剣心に謝った。
「ではこの話はここで終わりにする」
和歌奈様の一言で、現場の不味い気分が少し良くなった。
「あら、こんなに人が多いの?」
その声…玲様だ。
「こんばんはです」
クロエとガーディアンスのみんなは玲様を見たすぐ立った礼をした。
玲様も聖女だから予想できる事だ。
でもなぜシンは依然座っているの?
「シン、丁度いい、あなたに聞きたい事がある。いいよね」
玲様は和歌奈様に確認を取ったからシンに向いた。
「この様子から見ると、広一の事かな?広一の事が嫌いじゃなかったのか?」
「嫌いだけど、元主人として近況を聞きたいだけだ」
江戸広一はシンの同僚でアーチャーのコードネムを持つ男である。でもデゥカラガン様から聞いたより、その江戸広一も偽名のようだ。
ところで、シンの本名はなんだ?それは当主様も知らないようだ。
シンは玲様にその広一の状況を告げた。見間違いかな、玲様はその広一が無事で働いている事を聞いた時、少し安心した顔が出た。
カミトと剣成の才能は遺伝子に遺伝しにくいから、桜と剣心が劣化になってしまうのも無理ではない。ガーディアンスの科技もカミトと剣成の才能を追いつかない。




