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選抜戦とその先

お待たせしました。

「第一試合、開始!」


今シンは選抜戦で戦っている。でも第一試合の相手はなんなんだ!弓なんていいのかよ!


「アイシュヤ様も弓の女神として礼拝されているから、選抜戦には弓でも使えるのは伝統だ」


「だからこそ俺がここにいる。元々は軍団長本人でこの場の安全を確保するようにするはずだが、アルヴィス様は剣を持ってないから、俺が代わりにこの場の安全を担当する」


そうやってデゥカラガン様の話を続けたのはレカーライヴズ王家導師、エド様。今エド様はその剣を持っている。


「私の特性は重力、エドに渡した鱗から作った剣も同じ特性を持つ。ほら、見ろ」


シンが避けた矢が試合場の範囲から出てしまったが、すぐ床に落ちた、発射の時は凄い勢いなのに。


「つまり試合場の範囲から出るとすぐ重力が重くなったんですか?」


「その上で矢に限定している。それはその剣を使いこなしたエドだけできる事だ」


「それは良いですが、シンがどうやって勝てるのよ!必勝の勢いで選抜戦に出たのに、第一試合で負けたら、笑われちゃうよ!」


僕は思わず今の気持ちをデゥカラガン様に言ってしまった。


「それは大丈夫だ」


デゥカラガン様は優しい声で僕を慰めた。


「でも!」


「ほら、見るが良い」


* * *


俺はロウシン、月の聖女軍団で勤めている、今は丁度十年になった。


アルヴィス軍団長様が不明の原因で再臨した聖女様に軍団長を辞職したから、聖女様の前で軍団長選抜戦を開催した。


今俺の第一試合の相手は聖女様の下僕である奴。はっはっ。アイシュヤ様の下で行なっている選抜戦は武器一つすら持ってないとは、自分が聖女様の下僕だけで勝てるのは大間違いだ。


でも俺が射撃した矢は容易い避けられた。なんなだこいつ!


だが俺の射撃より相手に接近されないのも事実だ。


ならば二連射撃であいつ倒す!


承認しよう、お前はなかなかの実力者だ、この俺に連射を使わせるとはな。


第一発で相手の位置を誘導させ、第二発で勝つ!


相手は避けようにしなかった。自分が命中される事を予想して諦めたか?


そんな事を考え時、相手は俺の第一発矢を指二本で挟んで第二発の矢に投げた。


何!


あれは何!


何なの、あの技は!


驚きすぎて、俺に向かれた拳を反応出来なかった。


* * *


シンの神技でこの場にいる全ての人が驚いた、和歌奈お嬢様とエドすら例外しないようだ。


そうやって第二発の矢を撃ち落としたからシンは瞬間で相手に接近し、拳の攻撃態勢になった。拳の攻撃距離に入ったら、誰もシンの攻撃を止められない。予想通り相手はシンの拳に命中されて、試合場の外まで飛んでしまった、そのまま戦闘不能になった。


まあ、ゾンビのような爆破されない事だけで幸いだと思う。


「おめでとう、また三戦があるから、少し休んでね」


クロエさんがシンの状況を確認している、水も提供した。でもシンは命中されないから、体力もまた大丈夫なはずだ。


「さっきの相手は軍団の中でも有名な弓の使い手だ。そんな彼でも弓でシンを勝てなかった、これからシンの相手は弓を使わない方がいいに思わせたかもしれない」


「それは丁度いいじゃない」


エドの評論に話を出たのはサファリアン。


「それもそうだが、お前はここにいる大丈夫か?」


「今は休暇時間だ、それに同じアイシュヤ様に仕える軍団長として、この選抜戦を見に来るのも重要な仕事だ」


「玲様は大丈夫か?」


「連絡と俺の実力を増強するため、シアンシャズ様も俺に龍鱗の剣を渡された」


サファリアンは自分の新しい佩剣をエドに見させた。


「そうか、お前もやっと念願の真の軍団長になったのか」


「軍団長でもないのに神龍剣を持つお前に言われてなんか不快を感じるな」


「それは失礼だったな。おおと、シンの第二試合が始まったぞ」


「どれどれ?」


エド様の予想通りで第二試合の相手が剣でシンに接近戦を挑んだ。


それもまずいじゃない!


「聖女様のお爺様、つまりあの当主は剣道の達人、そしてそんな厳しい当主から信頼されているシンは空手で普通の剣使いに負けるわけがないだろ」


それ、初耳ですよ、デゥカラガン様。


「お爺様はシンにとても厳しい訓練をさせたよ。私の口から言うのはちょっとあれだけど、エドでもシンに勝てる確信はないよ」


和歌奈お嬢様の口からそんな話を聞こえる確かになんか変を感じる。でもそれも和歌奈お嬢様はどれほどシンを信じている事を証明した。


「それは俺の剣が容易い対応された原因なのか?」


そう言えば、確かにこの前にサファリアンはシンに敵わなかったな。


「ほら」


お嬢様の声で、僕たちはもう一度試合場に注目した。


シンは剣の斬撃を最低限で避けている。相手の重心が不穏になったその瞬間、シンの足がしっかり床に踏んだ。チャンスを見えるだろ、シンは腰の移動で拳を後ろに、そして重心が後ろから前に移動して、凄い勢い拳の攻撃が相手の腹に命中した。


相手は飛ばされただけでなく、鎧の腹の所が完全に壊された。


その鎧の外見から見るとかなり高価な物のようだ。


うん、相手が泣いてる。まあ、また生きられる事だけに喜ぶべきだ。


「どうやら準決勝に入ったな、特訓が効いたな」


「念のためもう少し情報を集めたが、必要がなさそうになったか」


カミトと剣成が来た、そのまま僕たちの所に座った。


近くにいる騎士たちは二人を止めようとしたが、和歌奈お嬢様は騎士に許可の意味で頷いたから、騎士たちは自分の所に帰った。


騎士たちの目はなんなだこの変な服を着る二人は!


多分そのような気持ちだな。


「ところで、これは初めて自己紹介になったな。俺はエド・リチャルソン、レカーライヴズ王家導師をやっている」


「サファリアン・グランドだ、音の聖女軍団長をやっている、お二人の事は既に玲様から聞いたぞ」


「アースの防衛隊セラフィーブリンガース所属、剣成(けんせい)時雨(しぐれ)だ」


あ、多分この世界の名前の順序に従ってだから、剣成は先に名を言った。


「同じ所属、カミト・赤城(あかぎ)


カミトも同じように言った。


「今度は助けに来て本当に感謝している」


「そんな話は本当にできたから言うべきだぞ」


カミトは無礼だが当然なことを言った。


「今の俺たちは未だあなたたちに感謝を言われる事が出来てないから、そんな話はカミトの言う通り、出来た時で」


「はい」


エドの身分から見ると、彼はそう簡単にカミトと剣成の話を受け入れるに想像し難いが、エドはカミトの話に従った。


パ!


何かが破れた声が僕たちの目を引いた。


試合場の中で、シンは一人だけ立っている。相手は?


シンの前から直線の果てを見ると、遠い場所があるガラスにその相手が居て、ダウンしている。


一体何かあった…


「カイロが相手を追撃すぎる、距離は近くすればするほど相手に有利って事、それを二回も見たのに......」


ふっと近くから不満の声が聞こえる、そいつらを噛みたいが、あいつらの対処は勝った後のシンに任せた。


とりあえずこれで決勝に。


「エド、決勝の相手はどんな奴だ?」


「シンには少し面倒な奴だそうだ」


サファリアンはシンの相手を見てエドに聞いた、が、答えたのは剣成。


「確かにあの人なら、シンには最大の強敵だと言える」


剣成とエドは一緒に高評価を出したら、十分まずいじゃない?


「大丈夫だ」


今は心配してないのはカミトだけのようだ。


「根拠は?」


「今は黙って見ればいい」


エドの質問には完全に答えなかった。でもカミトの話が無くても僕はシンが勝てることが確信している。


決勝試合が始まった瞬間、二人の距離が近くなったが、シンが攻撃しそうな時、相手が距離を取った。


それを見たシンは防御態勢に入った、この選抜戦で初めて防御態勢を取ったシンを見たけど。


相手は剣使い、そして斬撃の速さは僕の目が追えない程速い。


直斬り、横斬り、剣の動きが変化自在、凄い。速さもどんどん上がっている。


シンは避けているが、移動の速さは足りない。


そして避けられないの瞬間、相手の剣はシンの頭に斬って来た!


ワーッ!

キャン!


思わず吠えた。でも吠えた同時、何か折れたようだ気がする。


試合場を見ると、シンの頭は傷がなかった。


命中された前に、シンは白刃取りで相手の剣を折ったそうだ。


まさかそんな技もできたの?


僕もシンの動きに驚かせられた。


剣が折れただけでは試合が終わってないから、相手はまた前進態勢なので、己の勢いが止められなかった。自分の衝撃力とシンの拳の攻撃と合わせてしまったから、相手の頭がシンの拳を食わさせられた、そのまま床に倒れた。


首が折れないよね。


「勝者、シン!」


審判の宣言によって、シンの勝利は確定した。


その状況を見た和歌奈様が試合場に降りた、そしてシンは和歌奈様の前で片膝で跪いた。


「選抜戦の優勝、おめでとう」


「ありがとうございます、聖女様」


「その優勝によって、この月の聖女である私、和歌奈はあなたを月の聖女軍団長に任命することでここに宣言する」


「はい、全身全霊で勤めます」


「ではお立ちください」


「はい!」


シンは立ち上がった、睥睨の目でこの場にいる全ての人に見ていた。


それは文句があるならかかって来い!って挑戦的な目だ。


もちろん誰も行動しない。最強と言われる剣使いでさえもシンに敗れられたから、誰も挑戦の気を起こされなさそうだ。


「お見事だ」


和歌奈お嬢様の隣にいるデゥカラガン様はシンに賛美の言葉を送った、そしてあるものがシンの前で空に浮いている。


大きな紫色の鱗だ。


「触ってください」


シンは和歌奈様の言葉に従って、その鱗を触った。


鱗から強烈な光が放した。


光が消えた後、シンの前には綺麗な剣が浮いている。


「それは剣の授与儀式、その鱗は触った人の適性に合わせる剣になる。だから同じデゥカラガン様から授与された剣でも同じ性能じゃない。そしてその剣は使用者と共に成長できる


「つまりお前たちの剣も?」


「はい」


「実は俺は初耳だ。神龍剣を貰ったばっかりだから」


確定表情をしているエド、と疑問満々のサファリアンでした。


「シン・アヤサキ、その剣の名前は?」


「はい、月華美人ゲッカビジンです」


その名前は?シンのネイミングセンスは何か変じゃない?


「それは剣自ら取った名前だ、もし名前を言えない、或いは言い間違った、それは失敗だ。でも一般的にはそれがないはず、儀式は神龍がいるから、神龍が認めない相手に儀式を行うわけがない」


それもそうだ。それにしても-


「剣は意識があるのか?」


カミトは僕の疑問をエド様に聞いた。


「あるよ、神龍剣を使える条件は剣に認められる。それについて、サファリアンは?」


「ど、努力中」


どうやらサファリアンはまた頑張っている。


「クロエ・カガ」


「は、はい!」


和歌奈お嬢様がクロエさんを呼んだ、そしてクロエが驚いたようだ。


「この勝利によって、あなたを軍団長副官を任命にる。これからもしっかりシンを支えてください」


「はい!必ず!」


それを聞いたカミトはエド様に聞いた。


「副官と副団長の差は?」


「あなたたちアースの言葉で、大統領秘書長と副大統領の差だ」


「了解した」


アースの二人はエド様の確実な説明ですぐ理解した、さすが王家導師を務めている人。


「月の聖女の名を持って、この選抜戦が終わりとここで宣言します」


和歌奈様の閉幕宣言によって、この場にいる人が騒いだ。


「シン兄、おめでとう」


部屋に戻った、プライペートモードに帰った和歌奈様は改めてシンに祝言をあげた。


「ありがとうございます」


「最後の剣を折ったの技は?」


「確か、白刃取りって技だ」


サファリアン、エド、カミトと剣成も和歌奈様から誘った、ささやかな祝宴を開いた。


調味料不足の份は後で来た凛とえりなによって解決した。


凛とカミトたち実はアースからの援軍の高層メンバーだって事を知っていたクロエは本当に私もここにいていいの?って顔を出している。


「あなたとカミトたちに手を合わせて集めた情報は確実シンの勝利に大きな貢献した、シンの主として礼を言わせて頂きたい。」


「そ、そんな、聖女様に感謝されられる程の功績はありません!」


「それを受け入ればいい。」


シンの一言でクロエはようやく冷静になった。


「カミトと剣成もあなたの事を褒めていたよ、この二人が他人を褒める事滅多にないよ。」


凛の発言でクロエの頬は更に赤を染めさせた。


「とりあえず、当面の問題は、聖女軍団の整頓だ。それはできないなら、世界を救うのもただの夢だ」


エドは冷静に現状を整理した。


「シンは管理職を担当した経験があるから、多分難しくないはず、他の聖女軍団と各国の状況は?」


凛はシンに評価しながら情報を求めている、それもそうだ。


「難しい話はひとまず置いて、今は食事ですよ、どうぞ」


えりなはどこへ行ったと思った、厨房に手伝いか。


「ザッドの味は私たちには合わないから、アースの味で付けた」


まあ、この場にいるザッド人はエド、サファリアンとクロエ三人だけだけど。


「俺はその味を知っているから、お二人は?」


エドはアースに来た経験があるから、それは彼が知っている味。


「挑戦しないといけなさそうだ」


サファリアンの呟きと共に、クロエは決心した表情をした。


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