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クロエ

お待たせしました。


2021 0327 少し修正入りました

「カガさん」


「クロエでいいです。あなた様はデゥカラガン様も認めている方ですから」


「エドはそれも言ったか?」


「はい」


「ならば俺のこと様つかなくても大丈夫よ。同じお嬢様を仕える身分だから、上下はない」


「はい、分かりました」


「敬語も要らん」


「わかった。」


「よし」


「ワーッ!」


「そう言えば、お嬢様と面会したが?それとも俺も聖女様と呼ぶべきか?」


「いいえ、呼び方はシンの好きっていいと思う。そして私のような身分低い人には面会の許可を得られるわけがないから、未だ聖女様を拝見してない」


「ではこの場所の案内を頼む、それからあなたをお嬢様に引見する」


「それはいけません、ちゃんと許可を取らないと」


「許可はお嬢様の警備を担当している俺が出る、これでいいか?」


「いいの?」


「クロエが俺のパートナーになったじゃない?」


「パートナーって何?」


いきなり英語が出すから、クロエは理解できないのも当然な事。


「副手と相棒の意味だ」


「そ、それはそうだが」


「では案内よろしく」


「は、はい」


クロエの紹介より、この聖殿騎士団本部は神聖蒼穹が駐屯している中央広場に十二聖殿が包まれている、


順序は時計の一時から


雷の聖殿

地の聖殿

氷の聖殿

風の聖殿

命の聖殿

隙の聖殿

光の聖殿

水の聖殿

月の聖殿

音の聖殿

蝕の聖殿

火の聖殿


「その順序は地位に関係ない、でもある順序に従って排列したと」


「そうか、誕生月の順序か」


シンはすぐに閃いて答えた。


クロエが「え?」の顔をした、僕もだ。


「お嬢様のところを九の位置にすることは誕生月関係しか思いつかないから」


ああ、そうか、つまり和歌奈様の誕生月は九月にある意味だよな。


そしてその聖殿一つも綾崎の屋敷より大きい、一キロメートル長がある神聖蒼穹も駐屯できるから見ると、この場所はとても大きな。


「あれは?」


中央広場に一角で何かをしている人たちがいる。


「多分朝練をしていると思う、その服色から見ると、風の聖女軍団だな」


「意外に真面目だな、夏帆さんは」


「悪口になるかもしれないけど、それは夏帆様があまり聖殿に居ないから、自己訓練しなければならないからと思う」


「そうか」


十二の方向にも訓練しているそうな集団がいる。


「あれは赤、つまり火の聖女軍団か?優さんも?」


「はい、夏帆様はよく自己訓練でいない、優様はよく旅行に行って居ない。伝説と十数年前の事件もそうやって記録していた」


「でもサファリアンから今各国要人が来たと聞いたが、大丈夫か?」


「記録によると、優さまは神龍を乗ってこの大陸を回っているだけ、そして陽炎龍様が火の温度が一番高いだけでなく、飛行高度も一番高いから、多分大丈夫だと思うよ」


「そうか。では帰ろう、そろそろお嬢様の朝食時間だ」


「はい」


実は僕とシンも未だ朝食をしてない。


「クロエは朝食を済んだか?」


「いいえ、それは未だ」


「では一緒にしよう」


「和歌奈様もご一緒ですか?」


うん、クロエがお嬢様の事を言ったら敬語になった。


「それはもちろんだ、それに俺も正式にお嬢様にクロエを紹介したい」


「は、はい」


「お嬢様、おはようございます」


「ワーッ!」


「月の聖女様、重月龍デゥカラガン様、おはようございます」


「おはよう、シン、ヴィクちゃん。あら、この方は?」


「紹介します、この子はクロエ、エドの薦めで俺の副手になりました」


「は、はじめまして、月の聖女様、私はクロエ・カガと申し上げます、お目にかかれて光栄です」


「そんなに堅苦しくなくても構わないよ、私はそれはあまり好きじゃないから。それより、どうぞ座ってください」


「は、はい!」


シンは僕をデゥカラガン様の隣の席に置いたから、和歌奈お嬢様の対面で座った。クロエが少し考えたから、シンの隣に座った。


「客が揃った、皿を出していい」


「はい!」


和歌奈お嬢様は執事っぽい服を着ている人に命令した、さすが本物のお嬢様だ、その命令をするには少しでも迷いはない。


でも気のせいか?その執事っぽい人がクロエに見る目線はあまり友好ではない気がする。


「クロエさん、シンの事はよろしく」


「は、はい、必ず身をもってシン様にしっかり支援します!」


「だからそんなに堅苦しくなくてもいいのに」


シンは呟いてツッコミした。


「ワーッ!」


「うん、シンに勝利有りヴィクちゃんもいるがわかってるよ」


今は食事中だからお嬢様は僕を撫でられないがその気持ちは伝われた。


「ところで、これの味は薄いと思うが」


シンは自分の皿を見て言った。


犬の僕には丁度いいと思う。


和歌奈様は理解している顔をしているが、和歌奈様はこんな事を口に出ないタイプだから、文句を言わないだろう。


「すみません、ここは海から遠いんですから、塩の輸入が難しいです」


執事っぽい人が返事した。


「岩塩もないのか?」


それを聞いたのはシンではない、いつのまにかクロエの更に隣に座っているカミトと剣成だ。


「すみません、お邪魔しまして」


剣成は和歌奈様に礼をした。


「だ、誰ですかあなたたちは!あれ?シン様が二人で?」


うん、そう言えばクロエにとってこの二人とは初対面だな。だからカミトとシンがそっくりに驚いたのも自然なこと。


「紹介する、俺とそっくりのはカミト、隣のは剣成、二人は俺の世界の強い兵士、今度は聖女たちと一緒に救援しに来た」


「よ、よろしくお願いします、クロエ・カガです、エド様のお薦めでシン様の支援官になりました」


「カガ?」


「はい、それはどうしましたか?」


「カミト、確か高校の時お前の担任は加賀(かが)だな。」


「偶然は恐ろしな」


「ど、どう言う意味ですか?」


クロエがどんな反応すれば良いわからないので、少し混乱している。


「なんでもないよ、気にするな」


「お二人はもう朝食済みましたか?」


「それは未だです」


おそらくお嬢様が言いたいことを察知したから、剣成はカミトを抑えて先にお嬢様に答えた。


「ではご一緒にどう?」


「喜んでございます」


和歌奈様の誘いに頷いたカミトと剣成は僕たちと一緒に食事をするになった。


「確かに味が薄いな」


「塩は必要な分を取れられていい」


「よく酒を飲んでいるお前に言われたくねえよ」


「え?レッドにとって酒は禁物ではないか?」


お嬢様の話を同意。


「適量だから大丈夫」


「ところで何故お前二人がここに来た?」


「暇だから、凛から周りの状況の調査と挨拶しに行ってって命じられた」


「暇?兵科長のお前らか?」


「優秀な子がいるから」


「俺も後継者を探す方が良さそうだな」


カミトの話を聞いたから、シンは呟いた。


「暇だったら、俺の練習に手伝ってくれ」


シンは剣成の実力を認めているから、選抜戦を備えるために、それも当然な事。


「そう言えば明日だな。いいよ」


剣成は同意した、多分本当に暇だから。


「よろしくお願いします」


和歌奈お嬢様との食事が終わったから、僕らは聖殿から離れた。


「選抜戦の会場でのは一番いいと思うが」


「何かあったんですか?」


何かを考えている剣成にクロエが聞いた。


なるほど、剣成も気づいたようだ。


「ここは俺らの練習場を提供しよう、今は空いていると思う」


カミトは軽い口調で問題を解決した。


「あの…何故ですか?」


「気づかないのか?」


クロエの問題に剣成が答えた、それを聞いたシンが嘆いた。


「俺とカミトが集まった情報から見ると、あなたは月の聖女軍団の中には友達がいない、ずっと一人だけ」


「それは何か?」


「そんなあなたはいきなり和歌奈様に一番近いシンの支援官になった、エドの薦めが有っても、悪い噂が流れていた。」


「え?」


「さっき執事っぽいやつからもクロエさんに敵意を感じられた」


「どうして?私はシン様を支援して、和歌奈様と一緒にこの世界を救いたいだけ。そんな目に見られる理由がないはずだ」


「シンが選抜戦に勝たなくても、和歌奈様の近くに居られる事は変わらない、つまり月の聖女軍団の権力中枢だ。どれくらいの人がその位置を狙ってる、クロエさんあなたは心当たりがあるでしょう」


「どうして?聖殿騎士団は…」


「俺らの世界でも似た事があった、人が群れたらそれは必然な事、神に仕える者達も例外しない。いや、むしろ神の名で悪い事をする方が圧倒的に多いな」


「そんな…」


「多分それも俺が背負うべき仕事だ」


涙が出ていたクロエの頭を撫でるシンはその責任を自ら背負う言葉をクロエに言った。


「私、どうすればいいの?」


「シンをしっかり支えて、それが充分だ」


「だからうちの練習場所を提供する、今シンはその選抜戦に勝てなければならない理由が出来た。少し卑怯だが、今はシンの手の内を他の奴に見せない方がいい」


カミトと剣成は確実な提案を言った、シンの撫でと加えて、クロエはやっと自信の笑顔に戻った。


「よろしくお願いします!」


「では行こう」


「はい!」


「ワーッ!」


次回、選抜戦!

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