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赤色の凶狼

お待たせしました

 なんてエド様までアルスに……?


 みんなさん、こんにちは。僕は変な夢を見続いているポメラニアンのヴィクです。


 そしてそちらのエド様は僕の知るよりずっと危険そうな気分をしている。あの剣のせいかな?僕が知っているのはあくまでお嬢様に認められて、デゥカラガン様の鱗から変化した剣ー月の制裁を持つエド様だけ、その前のエド様は全く知らない。


 多分それは本当の「死の騎士エド=リチャルソン」だろ。


 「死の騎士だろうか、玉葱騎士だろうかどうでもいい、そんな不気味な奴まで送って来たなんて、奴らは一体なにを考えてるのかよ」


 そして前と同じ、王者の声が再び響いた。しかしその声、明らかに不満がありそうだ。


 「当然だろ?そんな奴はいきなり剣を味方を刺すのも可能だろ」


 昔のエド様は知らないけど、今のエド様なら大丈夫なはずだ。


 「ほう?きさまはそんな奴をそこまで信用しているのか?」


 ザッドを二度も救った人だからね。


 「ならきさまの面子で、俺様も少し信じてみようか」


 え?いいの?


 「それはこれから奴の表現にかかる事だ」


 それもそうだよね。


===========================


 「きさま、その目の炎はいつまで燃えるつもりのかよ?」


 「シンから君たちはこの世界に現れる怪異を殲滅する途中だと聞いたので、微力ながら手伝いさせてくれ」


 微力……⁉︎今でもこのエドと言う死の騎士からとても危険そうな雰囲気を感じられるのに、微力だと……⁉︎


 「今は人の身なので、死の騎士の力を使いすぎると、昔の俺に返ってしまうからな」


 「そう言う事か。まあ、邪魔をしない限り、断る理由もねぇからな」


 ジェナーダ様はあっさり死の騎士の申し出を同意した。本当にそれでいいの⁉︎


 「野放しするより、こいつを見える範囲内で監視する方がいい。もしこいつは見ないところなにをやりやがったら、王の叱るはただじゃ済まんぞ」


 それは確かに。そしてもし王に無能だと認定されたら、死刑にならないけど、免職は避けられない上、新しい雇い主もないだろ。誰も王の目を疑いをしないからね。そこまで来たら、死刑ではなくでも死刑に等しい。


 「では行くぞ」


 ジェナーダ様は再び伝送のゲートを展開した。


 「お見事だ。見た感じ、ロディヴァンの奴より魔力の消費が少ないな」


 「リチャルソンさんは魔力をお見えできますか?」


 「詳しくは分からんが、大体わかる」


 凄すぎるだろ⁉︎見るだけで魔法を見破れるのは、王だけだぞ!


 それを考えながら、俺たちは伝送のゲートを通った。


 キャン!


 ゲートから出た瞬間、エドは剣で何かを迎撃した。声から、相手も剣での攻撃か⁉︎


 「この速さ……!」


最初の斬撃を防いだけど、敵は次に連続の斬撃を放した。いつも王宮衛士たちの訓練と実戦を見ていた俺にはわかる、そいつの技量は衛士の誰も凌駕している。しかもおそらく亜沙様やヴィレッタ様よりも……!


 「あの刀は……!」


 え?シン?お前もか⁉︎


 「ゲッカビジンが響いている、つまりあの刀も神龍と関わっている……!


 おいおいおい!また神龍かよ⁉︎


 「待ってくれ!」


 シンは介入したいのようだが、さすがにその刀の斬撃は介入させられそうにない気迫があるから、シンも声を掛けてみただけ。


 「まさかお前らも……?」


 相手の動きが止まった。エドの息が乱れているから見ると、相手の剣はとても脅威だった。しかし相手の息は全く乱れてない、これは双方の実力差を証明した。


 そして俺はようやく相手の姿を見えた。さっきまで白い髪は灰色に変えている、目も赤色から普通の色に変化している。


 エドも相手の変化を気づいたから、攻撃の構えを解除した。さっきの激戦はこれで終了できたてよかった。もしそのまま戦い続いたら、エドは彼が言う「真の死の騎士」に戻ってしまうそうな気がした。


 「その顔……赤城の知り合いか?確かにあいつは言ってた、自分とそっくり奴がいるってな」


 相手は興味深い顔でシンをじっと見ている、そしてさっきまで溢れていた殺気が消えた、今はヴィレッタ様と同じ雰囲気がしている。


 どんな雰囲気って?平民から成り上がった貴族のような雰囲気だ。


 王はそう言う権利階層を嫌いから、政務には簡単に大臣と騎士二つの職位だけ。俺の所属は王宮衛隊の整備士だから、一応騎士になっているが、正式に騎士の名を乗れるのは王下騎士の七人だけだ。だから、この世界で貴族を言ったら、そいつらの事を指すのだ。


 今のヴィレッタ様は騎士の第二席だが、昔は妃殿下の世話役で、つまり平民だった。彼女は今の地位を手に入れたのは、王と共に前回の氾濫を阻止できて、王に認められたからだ。


 その時の事績も、ヴィレッタ様が暗影大地の刃に呼ばれる故である。


 「そっちはカミトの事を知っているのか?」


 エドとシンは不思議な顔で相手を見ている。そう言えば、そのカミトって、誰の事か?どうやらそいつがいたら、いろんな事は無事に済めそうだ。


 「ああ、今はもう治したが、あいつの威嚇射撃は確実に驚異なものだ。俺が移動しているにも関わらず、精密にかすり傷に控えられたなんて、俺の仲間である英雄騎士でもそれをできる奴がいない」


 「お前は何故カミトと戦ったのか?」


 シンの疑問も当然だ。しかしそのカミトの行動から考えれば、どうやら敵の可能性は……


 「それは凛さんは俺の実力を確認したいからだ」


 「凛とも会ったか?」


 「剣成が呼んで来たから」


 知らない名前が一気に増えたから、思考は少々追いつけない。


 「あ、つまり俺らの会議で話したエーカーって、お前の事か?」


 「どんな会議は知らんだが、まあ、多分俺の暴走や最悪な状況を備えるの会議だろ」


 シンは相手の推測を答えてないけど、その顔は既に事実を教えてくれた。


 もし本当にこいつは危険な存在なら、事前に対策を用意する方がずっといい。


 「カミトとは知り合いなら、敵対する理由もない。しかしなぜお前の得物から神龍の力を……?」


 「優さんと多惠子さんに認められて、神龍の力を貸してくれただけだ」


 「まさか聖女二人も認めていると言うのか⁉︎」


 一番驚いたのはエドだった。それはそれほど驚く事?あ、よく見たら、さっきまで赤だったの刃、今は蒼い色になっている。これ、どう言う仕組みだろ?


 「まさかエスレール様とギニンレード様の力が合わせたと言うのか⁉︎」


 「そのようだが、俺もよく知らんだが」


 「しかしその変身のような姿、まるでシェルフィーのような女武神(ヴァルキュリア)のようだ」


 「それについてはまた今度」


 えええええ⁉︎それは一番知りたいところだぞ!しかしエーカーの表情から、これ以上を聞かない方が良さそうだ。


 「まあ、あたしらがまだ信用されてないって事だけだ。知人の知り合いとは言え、信用できるかどうかとは別の話じゃ」


 「お前、じゃなく、貴君はここの長か?」


 「一応陛下にこの地を委ねられているんけど」


 「そうか」


 エーカーは一体何者⁉︎ジェナーダ様の魔力を感じられたら、そんな無理な言い方をしないはずだ!


 「タイマーよ、さっきお前もこいつの力を見たはずだ。こいつは地位なんかに動かねぇタイプだ。生憎だが、多分こいつの実力は今のあたしより上だそうだぞ」


 ええええええええええええ⁉︎ジェナーダ様は王に認められた王下七騎士の一人ですよね⁉︎そんなジェナーダ様より上⁉︎


 「こいつの顔から、貴君は相当な実力者だと理解できる。俺らのような得物を持てなさそうって事から、噂の魔法使いか?」


 「どんな噂のは知らんが、これでも陛下に任命された騎士の一人で、ジェナーダ=ザ=アフリカだよ!」


 「アフリカ……道理でやばいものが沢山いるわけか」


 シンの呟きに興味があるけど、聞かないことにしよう。


 「なるほど。ではそろそろ構えよう」


 え⁉︎


 エーカーだけではなく、シンとエドも剣を手にして構えている。


 「なるほど、素晴らしい索敵能力だな」


 ヴィレッタ様も魔力を展開して、迎撃態勢に入った。


 え?え?え⁉︎


 「なななな、なに⁉︎」


 いつのまにか不気味なものに包囲されてしまった。そのせいでシトリ様の悲鳴は上がってしまって、もっと多くの敵性を感じられるようになった。


 戦うことを決めた瞬間、エーカーの髪は再び白色になって、瞳の色も赤くなった。


 「各自、迎撃せよ!」


 敵はもうはっきり見える範囲内にやって来た。おいおい、なんなんだよ!この数は⁉︎


 「雷よ、我が刃になれ」


 エーカーの刀は青い電気に纏めて、超高速な斬撃を放った。その勢いは一瞬で数十以上の敵を二つにした。


 まじかよ⁉︎こんな事をできるのはーー


 「何かほっとすんじゃねよ!」


 「タイマーさん!」


 シトリ様の攻撃は弱いけど、依然攻撃し続いている。


 クソ!こうなるって知ったら、もっと攻撃手段を練るべきだった!


 「後悔は後でいくらしても構わない。今は目の前の事を専念するべきだ」


 わ、わかったわよ!


 エドも戦っているけど、彼の言葉は全く死の騎士だと思えないほど理性だった。


 「おい、余計なことを考えるな!死ぬぞ!」


 シンは俺を襲いかかって来た滲み出すものを斬った。感謝する!


 「きさま、攻撃手段が欠けるなら援護でもしろよ!王宮衛隊の整備士だろ!」


 ジェナーダ様が怒鳴ったから俺はようやく気づいた、俺ができる事は……!


 「シン!今からお前の拳を強化魔法を掛けるから、頼んだぞ!」


 こいつらの得物は俺から強化魔法を施す必要がない強力なものだから、すっかり忘れてた。それは強化魔法が自分より強いものにかけられない、そしてエドとエーカーはとても強い剣使いだから、俺からの支援は無用だ。


 しかしシンの真の力は彼の剣ではなく、拳だから、つまり俺の強化魔法が効けるのはずだ!


 「おお!これはありがたい!」


 シンの拳が魔法の光を閃くようになった。しかし俺の予想を遥か越えたのは、シンの拳は短距離の衝撃波を発生し、一度の攻撃で複数の敵を倒せた。


 おいおい、こいつも化け物かよ⁉︎俺の強化魔法はそれなり得意だけど、魔法を施させられた本人の倍以上の力を引き出せるわけがない、せいぜい1.5倍くらいだ。しかしそれだけでシンが目に見える化け物になったのは事実だ、これは一体……⁉︎


 「シトリ様!」


 滲み出すもの一体がシンたちを越えてしまって、シトリ様を襲いかかって来た。言葉より先に、俺はシトリ様を庇おうとした。


 「タイマーさん⁉︎」


 さっきシンに強化魔法を掛けた後、念のため俺も自身に掛けた。そのおかげで、無傷ではないけど、せめて命に危険がない。


 「クソ!一体どうなっているのかよ!」


 まるで無限に現れるように、シンたちが猟獣型と呼んでいる滲み出すものが見える範囲内どこでもいる。


 「エーカーとやら、奥の手があるだろ?」


 「お前もだろ?」


 え?エドとエーカーはなにを……?


 「おい、今は技を隠すじゃねぇだろ!」


 シンのツッコミ、うん、俺もそうツッコミしたい。


 「ジェナーダ、これからお前には防護魔法を専念したい」


 あの、エド?ジェナーダ様は騎士だから、せめて敬称をーー


 「わかった」


 えええええええ!?そんなにあっさり了承したの!?


 「現状を切り開けるには、奴らの奥の手を賭けるしかない。情けねぇの話だが、今の状況はあたしが対処できる範囲を超えてしまったからだ。ヴィレッタ様と亜沙様ならまたしも、あたしや雅には無理だよ」


 自分の情け無いを言いながら、ジェナーダ様は依然俺を遥か凌駕する攻撃魔法を放している。


 「エド、お前の氷でみんなを守ってくれ」


 「ああ」


 エーカーは一歩前へ、一人で滲み出すものと対峙するようになった。


 ギャアリャアAアア!


 エーカーの変な挙動を見た、奴らも生き物に聞こえない吠え声を上げた。


 「陽炎と書き、太陽の炎と呼ぶ。蘇ろ、赤色狂狼(ブラッドウルフ)!」


 エーカーの叫びと共に、エーカーの瞳の色は炎より、血の赤色に近くようになっているのは気のせいか?そして何より、エーカーの刀は青色から赤色に変化した。それだけでない、本来纏める電気も炎になっていた。そう言えば、最初エドと戦った時、その刀も赤だった。


 エドと戦った時ははっきり見えなかったから、今のエーカーを見て、死の騎士であるエドに劣れないヤバそうな気がする。


 「ーーーーー!」


 エーカーは言語をしてない、ただ行動を示すだけ。もしエドとジェナーダ様が全力で障壁魔法と氷の力を展開しなかったら、今の俺たちも滲み出すもののように燃え尽くしただろ。


 炎の斬撃だけではなく、この近くは煉獄で呼ぶに相応しい環境になってしまった。


 「さすが自然の権能を司る神龍の力と言うべきか。陽炎龍エスレールは太陽の化身だから、炎はあくまでその権能の一部に過ぎん」


 「おい、今は講義の余裕があるのかよ?そう言う事なら、きさまの剣も自然の権能を持つだろ」


 確かに、今エドの剣も氷の力を持っている。


 「それはどうだが、生憎、この剣についてちょっと事情があってな、真の力を発揮できん状態だ」


 「使えねぇ奴だな、きさまは」





 「炎よ、全てを燃え尽くすように舞い上がれ」





 ジェナーダ様とエドの話の間、エーカーの炎によって、敵は目に見えるほど大幅減っていた。それはありがたいのだが、シトリ様の顔を見たら。依然恐れているのようだ。


 それも仕方ない、何せ今俺たちの目の前には、エーカーが作った炎の地獄だから。


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