アルスの伝説
お待たせしました
かつて、この世界には神たちが存在した。
神たちは創世女神たちの指令に従い、自分とそっくりの生命を作って、発展させた。
しかし神たちは間違って、そのそっくりのところは外見だけではなく、能力もそっくりのように込めてしまった。
その作りものたちは神ではないけど、神たちと同等の戦闘力を持つのに、神のように善に近くではなかった。
一言言えば、それは混沌の時代だ。
彼らは弱肉強食を徹底して、本来はお互いの同胞になるはずだったけど、弱者は全てを失うのような悲惨な世界になった。
創世女神たちはもうそんな混乱を耐えられなかった。
神たちを通って、女神たちはその「作りもの」たちをバトルローヤルのような形式の決戦に誘導させた。
戦って、奪って、征服する。
最後に女神たちの前に立っているのは、紅髪金目の青年、名はギルガメッシュと言う。
彼は神たちが後で作った生命たちの王として世界を君臨し、世界の守護者になった。
「我の事を言ってるのか?」
「申し訳ありません、陛下。子供達はどうしても陛下の事を聞きたいので」
私は子供たちを庇おうとした。
「陛下、王妃殿下のせいではありません。私が王女殿下たちに私の先祖の事を教えたから」
今私を庇おうとしたのは、王下七騎士の筆頭、亜沙=ヒイドラゴン、ヨーロッパ地区の管領だから、亜沙=ザ=ヨーロッパも呼ばれている。そして彼女の先祖はなんと王と同じ初始の英雄の一人だ。
「ユーサーの事か?手強い敵だったな……おい、お前たちはなにを期待しているのか?」
「おそらく陛下から当時の事績を聞きたいかと」
「馬鹿馬鹿しい、何千年前死んだ奴らの話は言う価値がない」
「陛下、あなたはあの時の事言いたくない理由は、亜沙を傷つきたくないのですね」
寝室で、私はこっそり陛下に聞いてみた。
「さすが我が妃。どんな理由であっても、我がユーザーを殺したのは事実だ」
「陛下はお優しいですから。しかし、もし陛下の言う通り、そのユーザーを殺したら、どうして亜沙さんが存在しますの?」
「僅かだったが、我ら英雄の他に、普通の人間も存在していた。亜沙は我がユーザーを殺した前に、ユーザーが誰かと残した子の後代だろ。あの剣を使える事は何よりの証拠だ」
陛下が言った英雄と言うのは、その神たちが間違って作った原始の人間の事だ。
普通の武器は全く英雄たちの力を耐えられなかったから、英雄たちはほとんど自分自身のために自分で作った。それは今が聖武具と呼ばれる武装の事だ。
「陛下はそうしなかったんですか?」
「誰かと子作ることか?俺様をそいつらと一緒にするなよ」
ギルガメッシュは王妃の額にデコピンを放った。
「痛いです、陛下」
王妃は頬を膨らんでギルガメッシュに文句を言っている。それを見たギルガメッシュは、さっきデコピンした所を軽く撫でてながら、愛おしい目で王妃を注視している。
「それは悪かったな」
ギルガメッシュの微笑みを見た、王妃も微笑んだ。
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みんなさん、こんにちは。私は和奏と言います。和奏=クイン=レックスです。ちなみに、実家の旧姓は彩咲で、神社をやっています。
しかし最近では、和奏で私を呼び人は滅多にいなかった。
何故ならー
「王妃殿下」
私は王であるギルガメッシュのただ一人の伴侶ですから。それのせいでー
「王妃殿下、何か失礼な事でもお考えなさっていますか?」
私が小さい頃から今でも私の世話役を担当した人まで私に敬称ばっかりして……正直、少し寂しいです。
「昔のようにお嬢様でもいいのに……」
「それはいけません。今のあなた様はあのお方の伴侶、即ち英雄王妃である以上、そんな失礼な呼び方は不可能だと申し上げます」
本当にもー
「我が妃よ、それは必然な事だ。何せ、今の貴様はこの俺様の伴侶だからな」
普段はこの世界の代表で、王の意思はこの世界の意思に等しいから、我で自称している。
プライベートの場合だけ、王は自分自身に戻れる。しかしこんな時の自称は俺様って……それは仕方ありません。なんと言っても、王は英雄の最後の生き残りですから。
「俺様との婚姻を後悔したら、いつでも解消してもよいぞ」
そんな事をするわけがないだろ!あなたの側にこそ私の居場所、これはあなたの剣を受け入れた時から決めた事よ!
「それもそうだな」
ビーーーーーーーーーーー
え⁉︎この受信音のような音はーーー
『突然だが、少し時間を分けてくれ』
私が喋っているけど、それは私の意志ではない。
「本当にいきなりだな、おい!」
誰かが喋っているって、実は私は知っています。それは創世の女神の一人、開天の女神、アウプティニアース様の声です。
そう、つまりこれは神託だ。多分私の実家は神社ですから、なんだかんだで神託を受けやすいような体質になっているようです。
とは言え、今まで私が受けた神託もアウプティニアース様からのだけです。
『いきなりのは仕方ないのよ。世界の核にある悪意は予想以上の速さで増えているから、もうすぐ総勢を繰り出そうだ。仕方なく私はそれの警告を通達するため、急いであなたと連絡を取ったわけだよ』
「なんとかしろよ!神の神だろ?」
『善と悪は裏表のものなのよ。近くに遠い、遠くに近い』
「いつもこうやって我に面倒な事を……!」
女神様の訳がわからない言葉に、王は怒った。まあ、相手は創世の女神だとしても、許せない事だってあるのよね。
『安心しなさい。ちゃんと支援を用意したから』
「使える奴だといいな」
王は全く女神様を信用してない、それも当然であろ。何せ、これまでの支援は……全く王の目に入らないと言ったらお察ししますよね。
『とりあえず、頼んだぞ。我らの「星の王者」よ』
「だから俺様は神なんかに好感を持てないじゃねぇかよ」
王が文句は吐いているうちに、女神様は私から離れたと感じた。
あ、あの!
『なに?和奏ちゃん?』
私は女神様を呼び止めた。よかった、王以外にも私を和奏で呼ぶ人がいる。
『人ではない、これでも一応神だけど?』
それはそうだけど……
『まあ、和奏ちゃんは幸せそうで、こちらとしてもよかったのよ』
そ、それはもちろんです!
『って?わざわざ私を呼び止めさせられたの用件は?』
あ、はい!まずは王の無礼に謝らせてください!本当に申し訳ありません!
『いいのよ、それも私たちが彼に過剰な責任を押し付けたのせいだからね』
ご寛大なお心遣い、本当にありがとうございます!
『それって?』
はい!その支援者たちの事について、少し伺ってもよろしいでしょうか?
『今度こそ心配する必要がないわ。何せ、私たちはようやく二人目の神剣の担い手を見つけたからね』
ほ、本当ですか⁉︎
私は思わず心の中で声を上げた。
神剣、それは全ての世界の創造者である唯一主が許した相手だけが使える最強の武器。そしてその一人目は、我が王、ギルガメッシュだよ!
『もちろんその他に何人の強者を召喚する予定で、そこはお楽しみだ』
はい、わかりました。
『あなたは英雄王妃だから、彼らの面倒をちゃんと見てくださいね、和奏ちゃん』
はい!
私が答えた後、女神様の精神は私から去った。
「奴と何か内密な話でもしたのか?」
「いいえ、なんでもありません」
「そうかい?俺様は二人目の神剣の担い手とかを聞いた気がするけど?」
ば、バレたの⁉︎
「まあ、これも我が妃が俺様を心配してくれたからな、悪い気はしないさ」
王は再び私の頭を撫で撫でした。
「申し訳ありませんでした」
「和奏よ、俺様が永宮式だった頃の態度で俺様を接してもいいぞ」
さ、さすがにそんな畏れ多い事……
永宮式、それはかつて、私の高校クラスメイトの名であった。最初はあまり好感を持てなかったから、彼に対してあまりいい態度をしなかった。
その後いろんな事件があって、彼はこの星の王として私を守ってくれたから、私は真世界を接触した。してしまった。
でも後悔はしません。たとえこの先はどんなに辛くたとしても、王と共に参る事は私が決めた生き方ですから。
「それにしても……そうか、もう一人の神剣の担い手か……これは期待できそうじゃねぇか?」
寝る前に、王の独り言は聞かなかった事にしよう。
翌日、王は大臣たちを召集して、神託の内容をみんなに告げた。
「どうして世界の核からそんなものが……?」
「それは思考と意識を司る聖魔の女神、ナイダルカイシューレ様が全ての生命を善に近くにしたいから、最初から悪を抑えた。しかしそのやり方には限度がある故、私たちがいるこの『始まりの世界ーアルス』は一番最初にその溢れ出す悪意に侵攻されるってわけだ。そのために、偉大なる唯一主はその悪意を食い止める任務を私たちに任された」
「だから妃殿下は神託を受けさせられたわけか?」
一番若い騎士ジェナーダが発問したから、筆頭騎士の亜沙は説明した。
「やった事だから、何かをやるべきのは既に心得たはずだ。我に失望させられじゃねぇぞ」
「はっ!」
しかし王に返答したのは亜沙ともう一人黒い服の女性だけ。
「陛下、お言葉ですが、前回を参加したのは亜沙殿とヴィレッタ殿だけですから、王の作戦を伺ってもよろしいでしょうか?」
騎士ではない、魔法使いのような服を着ている老人が発言した。
「陛下、私も同意見です。私とヴィレッタはともかく、雅殿とジェナーダはつい最近ようやく騎士の試煉を乗り越えて、騎士になった故、どうかご説明を頂きたいです」
「簡単であろう。貴様らが黒いものを食い止め、我が神剣の力を解放して一気に殲滅するしかないだろ?」
ギルガメッシュの話を聞いた、亜沙を除く、誰もわけがわからないの顔になった。
「やれやれ……これは時間をかかりそうだな」
ギルガメッシュは嘆いて、詳しい作戦を臣下たちに説明した。
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え?何これ?僕は何を見ているの⁉︎これは……夢?にしてもリアリティが半端なくて、ちょっと怖い。
そうか、あの人は噂の星の王者ギルガメッシュか……確かに雰囲気だけで僕が圧倒されそうだ……
しかし悪意が溢れ出すって、もし本当に聖魔の女神が抑えられなかったら、アリスは何か知ってるはず……
「彼女はそう言う暇がねぇよ」
え?え⁉︎えええええええ⁉︎
僕は考えてる時、星の王者は僕の前に立っている。えっと、これは僕の夢だよね?
「もちろん貴様の夢だ。だがそれは覗くことを許せる理由じゃねぇぞ」
い、いや、僕が見たいってわけでもないし……
それより、なんて僕の夢に侵入できたの⁉︎
「俺様は星の王者だからな」
いや、それは説明になってないよ!それに僕はアースにいるはず……
「なるほど、アースか。確かに、滅んだサタンの遺産がそこに落ちたな」
え?守護聖剣と貫雷魔剣の事を知ってるの?
「……おいチビ、なぜ貴様らの世界にそんな名前が?」
もし僕はデゥカラガン様の加護がなかったら、きっとお漏らしてしまった。
「まあいい、もしサタンの遺産は確実貴様の世界に落ちたと言うなら、奴らが言った支援はきっとアース人がいるはず、しかもその遺産とかかっている奴だな」
つまりそれはカミトと剣成の事?
「そうか、奴らの名はカミトと剣成か」
僕は言葉にしてないのに、相手は既に僕の考えを見抜かれた。
「おいおい、顔を塞いでも無駄だぞ。お前は変な魔力に包まれているから、それを見るだけでお前の考えを読めるぞ」
……もしこれは悪夢なら、僕は早く目覚めたい。
僕はヴィク、星の王者に睨まれて、夢の中で気絶したポメラニアンです。




