シンの決心
2021 0903 いくつかのところを修正しました。
「なんてあなたが自ら聖女軍団長を担当していたか?」
「お前たちがアースで実行しているシステムを試したいから、しかし今更ゼロからそんな規模の部隊を建てるなんて不可能だから、この世界で最も強大な力を持つ武力組織の権力中央に居ればある程度な事ができるように成れる、私たちはそう思ってから聖女軍団に入った」
「つまり他の三人も?」
「ああ、メーリアとシャルクは他の聖女軍団で要職を担当している、ギルガレッシュは精霊族の王を担当している」
「そうだったのか」
「しかし今の状況を見ると、私はこのまま軍団長を担任し続かないの方が良さそうだな」
「確かに今はあなたたちザッドの超神の力も必要だ」
「では月の聖女よ」
「はい?」
いきなり呼ばれた和歌奈お嬢様は少し驚いたようだ。
「私、アルヴィス・クトンは今より月の聖女軍団長を辞職とする、後継者の事はあなたに頼んだ」
「はい、分かりました」
ちょっと無責任な話と思ったけど、超神は超神自身の役目があるから、それも仕方ない。
「ところで、マーヴェレヴェス」
「はい?」
「あの二人は一体……?」
「ああ、剣成とカミトの事か?」
「そうだ、あの二人はあなたが言うレッドだとしても、無茶苦茶すぎるではないか?まさか私のほんの少しの表情だけで私の正体を見破れたなんて」
「まあ、あの二人は聖剣と魔剣の使いだからのう」
「なに⁉︎聖剣と魔剣はその滅びたサタンのあれか!」
「そうだぞ」
「まさかあれを制御できる人間がいるなんて、未来を見える私ですら想像しなかったぞ。お前と同じ星の裁き者であるギルガレッシュに操縦できるかどうかについて聞いたけど、彼は無理だと答えた」
アルヴィス様の表情から、どうやら剣成とカミトは彼の想像を超えた存在のようだ。怖い、あの二人は!
「アルヴィス様、俺ら二人を舐めないでください」
パ!
アルヴィス様の話を聞いたからかな?カミトはアルヴィス様に無礼な態度をしたけど、すぐに剣成に頭を叩かれた。
「アルヴィス様、すみませんでした」
剣成はカミトの代わってアルヴィス様に謝って時、カミトはえりなと凛に説教された。
「マーヴェレヴェスよ、そいつは口だけじゃない者だよな」
「カミトはあの魔剣を操縦できるのただ一人だ、実力は保証できる」
「アルヴィス様、カミトさんの実力は私も保証できますので、どうかご信用させていただきたい」
和歌奈お嬢様はカミトの戦いを見た事があるから、カミトを信頼している。いいな、僕もいつかお嬢様からそんな信頼を……!
「月の聖女までそう言ったなら、私も彼を信じるよ」
「ありがとうございます」
超神に及ばないけど、聖女の身分もかなり高位のようだから、和歌奈お嬢様の話、アルヴィス様は頷いた。
そしてお嬢様とカミトは同じ目で世界を見ている同士だから、和歌奈様がカミト自身にもある程度の信頼がある。まあ、シンとデゥカラガンの程はないはずけど。
お嬢様の信頼を得るためには、僕はもっと頑張らないと。しかし僕ができることはデゥカラガン様やシンと比べたら極めて少ない。それは僕はただのポメラニアンだから。戦力としての信頼はガーディアンスのみんなより低い。
それでも僕ができることはきっとあるはず。
「おい、馬鹿犬、その軍団長はどうやって担任できる?」
馬鹿犬と言ったが、それは僕を呼ぶ事ではないと知っている。
そう言えば、シンがデゥカラガン様に対しての態度もかなり無礼だな。
でもなぜシンはそれを聞いてるの?まさかよね。
「伝統によると、選抜戦で勝ち抜けばいい」
「では俺は参加する。構わんよな」
「それは構わないが、あなたが必ず勝てる保証はないぞ、この世界の実力者はあなたに劣れない者が沢山いるぞ」
シンの実力は強い、でもこの未知の世界ではどこまで通用できるかどうかはわからない。
「その方がいい。お前が言ったその強者たちを勝てば、誰も俺が和歌奈様の護衛に疑わなくなるじゃないか?」
「それはそうだが、最終決定権は和歌奈様にある、ちゃんと和歌奈様に許可を得てからの話だ」
「わかったよ」
シンはやる気満々のようだ、でも周りの騎士たちを見たら、誰も剣を持ってる、シンの拳が強いが、剣に勝てるかどうか心配している。
その晩、和歌奈様はデゥカラガン様と僕の前でシンの参加を認めた。
あっさりすぎると思うが、事情を聞いたカミトが実力を示しに丁度いいと言ったから。
そして翌日、アルヴィス様が辞職した事と選抜戦を開催する事は和歌奈様の月の軍団内部に公表した。
できる限り早く次期軍団長を決めたいから、選抜戦は二日後で行う予定と決めた。
到着ばっかりだけど、敵は僕たちを待つわけがない、だからこれは仕方ない事だ。
朝になったから、僕はシンと一緒に走っている。
改造人間のシンにとって、鍛錬の意味が薄いので、ただのウオーミングアップになるが、僕はシンと出会ったから初めて思い切り走られた、シンが遅いの事はまた別の話。
楽しい。
和歌奈様はデゥカラガン様がついているから安全面は大丈夫なはず、それに和歌奈様もシンに全力で選抜戦の準備をするように命じさせてくれた。
「はじめまして、あなたは和歌奈様のお付きだね。俺はサファリアン・グランド、風の聖女軍団長を勤めている。玲様を見ましたか?」
一人が僕とシンの前に出てきた。そしてちゃんと自己紹介をした。その男はシンより若い青年と見える、身につくのは少し華麗な飾りがある鎧だ。
「いいえ、今日は未だ」
うん、僕も玲様の事を見てない。
「どころで、お前は月の聖女軍団長の選抜戦に出ると聞いたが」
選抜戦の情報が公開したから、同じ神に仕える軍団長は既に知っているのも怪しくない。
「そうだが、それは何か?」
「まずはここであなたの実力を試して貰いたい。俺はそう言いたいですが、あなたの武器は?」
「素手でも構わん。丁度俺もこのザッドの実力を体験したいと思っていた」
そう言えば、シンが得意してる武器なんて聞いてないから、気になる。
「ならば剣を使わせてもらう」
サファリアンが剣を抜いた同時に、シンは格闘の構えをできた。
双方が対峙している。
「ワーッ!」
双方に始めの信号が必要だと判断した僕が吠えた。
先に動いたのはサファリアンのロングソード、その攻撃の勢いは爆風のように展開している。
さすが軍団長を勤めている人だ。
シンは退けながらサファリアンの隙を見つけた、そのまま鎧に一撃!
拳で。
ゾンビはあまり固くないから一撃で壊れたのは理解できるけど、その鎧も同じ一撃で壊れたのはどう言う事?
「まさか軍団長の鎧を拳で破壊できるなんて」
サファリアンは自分の鎧を見て信じられないような顔で驚いた。
僕もだ。
「飾りすぎて実用性が低くなってしまったじゃないか?」
「それでも魔法で強化されたのによ」
シンがその鎧に評価を言ったが、サファリアンはあまり同意してないようだ。
「確かに普通の金属ではない手答えを感じた」
「それでもあなたに壊された。よし!選抜戦、俺はお前を買う!」
サファリアンはなんか面白そうな表情をしている。
「賭けるのか?神に仕える聖女軍団なのに?」
シンは僕の心にある疑問を質問した。
「賭けにハマるのは禁止されたが、普通の賭けは大丈夫だ」
「いいのか?」
「それにお前なら私と合う気がする。あなたは既に知ったはずだ、神龍のシアンシャズ様とデゥカラガン様は同じアイシュヤ様の分身であること」
「ああ」
「だから同じ神に仕える軍団長はお互い信用しなければならない。長年和歌奈様を仕えるお前なら、きっと大丈夫」
「そうか」
「あなたの拳の怖さ、その無能な参加者たちにしっかり教えなきゃな」
「無能?」
「聖女軍団長と言えば、かなりの権力がある同時に責任もあるが、権力だけ楽しんで責任を無視する人も少なくない」
「そう言う事か」
「まずはここまで、私はそろそろ玲様を探しに行かなきゃ」
「ところで、何か用事でも?」
「各国の要人が間も無く到着するって事だ」
「わかった、もし玲様と出会ったら伝えるよ」
「それは助かる、感謝する」
サファリアンはシンに礼をしたから離れた。
僕はシンの右手を見た、そこには少し傷がついている。
「ワーッ!ワーッ!」
「ああ、これが?大丈夫だ」
僕の視線を気づいたシンは僕を撫でた。
シンもあまり痛くないで見えるから、多分本当に大丈夫。
よく見たら、シンの右手のひらが大きな古傷がある。
「ワーッ!」
「ああ、これか?昔、和歌奈様を救う為にナイフに刺せられた」
「ワーッ!」
シンに傷つけられる、猛者だね!
でも和歌奈様を救う為に?ああ、デゥカラガン様が言った拉致事件だね。
ではそれは和歌奈様が相手の手にいるからシンが全力出せなかったから、傷がつけられた。剣成を除く、シンと対等に戦える人、アースにはないと思う。魔法で強化した鎧もワンパンで壊したぞ。
「よし、そろそろ帰ろう」
シンは帰る道に向いた、僕はしっかり付いている。もう思い切り走ったから、今はシンの事が重要だ。
「シン、ちょっといいか?」
シンと僕の部屋の前で僕たちを待つのは、死の騎士であるエド様と一人の女の子。
そう言えばエド様がアースに行ったことがあったな、だからシンとは知り合いのも怪しくない。
「何か?」
「和歌奈様からあなたが選抜戦に出ることを聞いた」
「ああ」
これは耳早いな、エド様も知ったのか?
「俺があなたの実力をよく知っているから、今度の選抜戦、もしあなたが出なかったら、俺自身が出ると考えた」
それはなぜだ?
僕もシンと同じ疑問がある。そしてエドがプライペートの時自称も俺を使うのか?
「レカーライヴズ王家導師を勤めているお前は何故月の聖女軍団長になりたいのか?」
「和歌奈様は俺に恩があることを知っているはずだ、できる限りあの方を守りたいだけだ」
「お前の気持ち、俺は決して無駄にしない。しかし和歌奈様を守ることは俺の仕事だから、あの馬鹿犬すら譲らないぞ。」
「それはあなたとデゥカラガン様の仲だとわかっているが、デゥカラガン様を神として礼拝している人たちには変な気持ちになるぞ」
どうやらシンがデゥカラガンに対して態度はこの世界の人に反感を起こすのようだ、これは気づかないと。
それは当然なことだけど、僕は意見を言わない。それはシンとデゥカラガン様はお互い信頼している事をよく知っているから。
「そうか」
「頼んだぞ。ああ、そうだ、今日が来たのは、お前に紹介したい人がいるからだ」
うん、ついに本題に入ったね、多分これはあの女の子のことだよね。
「入って」
エドの呼び声で、あの女の子が入った。
「紹介しよう、この子はクロエ、月の聖女軍団秘書官の一人だ」
「はじめまして、私はクロエ・カガと申します、あなた様のことは既にエド様から伺いました、よろしくお願い致します」
クロエさんはエド様とシンに綺麗な敬礼をした。
「どう言う事?」
そのクロエさんを見て、僕はシンと同じ疑問符が出ている。
「副手になる人が必要だ。選抜戦の時だけでなく、軍団長の仕事もだ」
「つまりこの子はお前のお薦めで俺の副手になって欲しい事か?」
「その通りだ」
「わかった、感謝するよ」
エドに適当に感謝したシンはクロエに向いた。
「シンだ、そしてこの子はヴィク、俺の相棒だ」
シンは僕を抱き上げた。
「はい、よろしくお願い致します」
クロエは僕に手を伸ばした。
「ワーッ!」
匂いから悪い人ではないと判断してから、僕は右手で握手した。
「よろしくお願い致します」
今度クロエはシンに手を伸ばした。
「よろしく。俺はこの世界の人ではないから、この世界の事を頼んだぞ」
「はい!和歌奈様の為に」
「お嬢様の為に」
「ワーッ!」
いよいよぼくとシンの冒険が始まるぞ!




