シェレニール
「そのエーカーと言う奴は本当にそんなに強いのか⁉︎」
ロックオンはカミトの話を聞いたら驚いた。実は彼だけではなく、他のみんなも同じ驚いた。
あ、みんなさん、こんにちは、久しぶりのヴィクです。
輝き風のライフが終わった時、姿が消えたカミトはやっと光神信使の本部に戻って来た。そしてすぐ緊急会議を召集したから、小隊長と兵科長たちはこの会議室に集まって来た。
そして僕たちがカミトから聞いたのは、信じられないほどの事実だ。
「生身と刀一本で巨拳型異種を倒したのはまだしも、まさかあの時雨先輩ですら接近戦で勝てないなんて……」
巨拳型異種を倒した事よりも、剣成が勝てないの方がシェルシンを驚かせたようだ。まあ、僕もそうだけど。
「えっと、そのエーカーは味方だと認定できますよね?」
斎香はとても心配しそうな顔でカミトを確認しに質問した。
「それよりも、総隊長の後ろに立っている精霊の方が気になるけど……」
桜は剣輝のためにこの会議に出席しなかったが、彼女はグレイドを委任したから、グレイドの前に置いているネムブレードは二つがある。
「はい、私はギルガレッシュ様の里の精霊、シェレニールと申します。今回はアルヴィス様の予言をエーカー様に伝うためにここに来ました」
グレイドが疑問の視線でシェレニールを睨んでいたから、シェレニールはカミトの同意を求めた後、説明した。
「予言?」
「はい、ナガト副総隊長」
シェレニールはえりなに一礼をした。
「その予言自体は大したものではない、今はこの録画を注目だ。アリス」
「はいはい〜」
アリスが放送した映像は、生身の人類が刀一本で巨拳型異種を倒した記録であだ。
「これは剣成のエラからもらった記録映像だ。神龍から得物をもらったとは言え、その力は流石に驚異すぎた」
確かに、そしてそのエーカーは苦戦もしなかった、あっさり解決した。r
「この映像記録によると、こいつがその刀を持てば、無敵と言えるだろ」
「何故かカミトとえりなを除く、みんなの視線はシェルシンに注目していたから、シェルシンは少し思考した後、感想を述べた。
「巨拳型か……機龍型ほどではないけど、その装甲もかなり厚いのはずだが……特殊弾頭でないとほとんど貫けないのにこんなあっさりと……」
国光も嘆いた。ちなみに、後で聞いた事によると、対装甲用特殊弾頭「ドリル弾」はそのために開発したものだけど、カミトのせいで無駄になった。なんとカミトの射撃で実用性が低い電磁加速式狙撃ライフルを実用化まで使いこなしたから、ドリル弾はあまり使われなかった。
あ、でもその電磁加速式狙撃ライフルもすぐに光子狙撃ライフルに取り代わったってロックオンが言い続いた。なんと電磁加速式狙撃ライフルは燃費が悪いの他に、専用弾でないと故障しやすいと言う最悪な整備性だから、それも仕方ないよね。
「その後、ドリル弾は小型化できたから、一般兵のライフル弾としてよく使っているぞ」
国光の説明によると、カミトとロックオンはそのドリル弾を使って、普通の装甲ユニットだけではなく、何機の猟獣型も仕留めたって。うん、やっぱりロックオンも口だけではないよね。
「斎香、あなたはどう考えるの?」
しばらくの沈黙の後、えりなは斎香を指名した。
「はい、では」
斎香は光神信使の通信兵科総長、つまり情報分析能力が期待されているって事だ。しかしえりなのほうが遥か上なのに、なんてわざわざ斎香を指名するの……?
「それはえりなさんは斎香の能力を確認したいって事だ」
斎香の婚約者、ロックオンが僕の考えを見破ったから、今の状況をこっそり教えてくれた。
「間違いなく極めて危険な人ですが、彼は時雨兵科長と良好な関係を築いたそうですから、今のところは問題ないと考えられます」
「ではもしエーカーはその神龍刀で攻撃を掛かって来たら、どうする?」
えりなの問題は続いた。えっと、そこまでやる必要があるの?
「仕方ない、斎香は今でもあの時のミスを悔しんでいるから、俺が慰めても効かなかった。ずっと落ち込んでいる斎香をそのままほっとけないから、俺はえりなさんと相談した」
あ、カミトのバックアップをしたあの件だよね!でもこれは本当に効けるの?
「さあ?今はえりなさんを信じる他ないさ」
ここまで自分に自信がないロックオンは初めて見た。
「はい、では仮定の状況で……」
しばらく目の前の資料を研究して、頭の中で整理できたから、斎香はゆっくり自分の考えを述べた。
「カミト、じゃなくて、総隊長、あなたはどう考えるの?」
えりなの目を見ればわかる、これはカミトの考えではなく、斎香に対する評価を質問しているんだ。
「確かに今まで、俺と剣成のコンビはどんなケースも片付けたが、エーカーにはそんなやり方が通用できない。あいつはシン以上のタフさを持つだけではなく、北上さんでも驚くほどの自己治癒能力が持っている。実は、俺の威嚇射撃で傷付いたはずの傷跡はあっという間に治った」
なにその化け物は⁉︎
「それは厄介だな」
シェルシンは少し困っているのような顔になった。
「あの、勝手な発言、申し訳ありません。エーカー様は味方のはずですなのに、どうしてみんなはエーカー様を敵として見られているのですか?」
シェレニールは怯えながら手を上げて疑問を口にした。
「それは万が一の為だ。彼本人の意思ではなく、邪神なんかに誘惑される可能性が存在する。だから俺たちはその可能性を備えなければならない」
シェレニールの疑問を答えたのはカミトではなく、さっき発言したのシェルシンだ。相変わらずの抜かりなしの心構えだ、実に見事だ。
「なるほど、確かにその必要があります。申し訳ありません、私は配慮が欠けてしまいました」
カミトたちの目的を理解したから、シェレニールはみんなにお詫びをした。
「理解してもらえればそれでいい」
シェルシンとロックオンたちは頷く、シェレニールのお詫びを受けた。
「総隊長、さっきの情報を含めていろんな状況を模擬した結果、マグナム弾を使えば、ある程度エーカーを抑えられると考えますが」
シェレニールとシェルシンが争論した時、斎香は新しい情報を含めて演算した結果をカミトに報告した。
「やっぱりマグナム弾か……」
「え?カミトの奴は片手でもそれを撃てるじゃない?なんてそんな顔?」
おそらくカミトにマグナム弾に頭を指された事があったから、シンは驚いた。
「いくら俺たち最高級戦闘兵でさえも、マグナム弾の衝撃力を完全に耐えられるのは不可能だ。普通な相手ならまだしも、あのエーカーとあらなら……」
ロックオンの顔から見ると、どうやら本当の事だろ。
つまりカミトでもマグナム弾を連続射撃の衝撃を耐えられないって事かな?まさか最強の二人でもここまで対処し難くとはな。
「まあ、最悪な状況でも、極光神剣を使えばなんとかなるだろ」
みんながいい方法を思いつかない事を見たから、カミトは切り札の極光神剣を言い出した。
「それは大丈夫なのですか?」
「もしエーカーの奴は脅威になったら、守るためには仕方ないさ」
シェレニールさんも極光神剣の力を知っているからだろ、怯えながら発言した。
「まあ、もしエーカーは本当に星の脅威までなってしまったら、マーヴェレヴェスたちも極光神剣の使用を禁止しないだろ」
カミトの考えを同意したのは、聖魔の女神の分霊であるアリスであった。つまりカミトが極光神剣を使う事は創世の女神に認められたって事だよね。これで安心できる……のはずだが、まさか生身の人類に極光神剣を使うなんて……
それに星の脅威って……さすがに大袈裟すぎない?
「ほとんど血狼に身体の細胞を取り替えられたとしても、依然ちゃんと自分を持たれる事から見れば、あいつがそのまま保持できるように祈ろう価値があるだろ」
珍しいカミトからこんな自信がない話を聞こえたなんて……
「ではシェルシン」
「はい?」
「シェレニールはお前の小隊に配属するから、面倒をちゃんと見ろよ」
「ちょ!赤城先輩!なんてそうなる⁉︎」
「桜はもっと面倒な事がある、そしてロックオンと国光も手を焼いているので暇がないさ」
カミトの話に、ロックオンと国光が苦笑いをした。他にシンのドウーイングレイヴェンがあるけど、今の杏はラエリエトの位置を補足するために奔走しているから、魔法を使えるとは言え、アースの軍事行動を全く知らないシェレニールさんを受け入れる暇がないだろ。
「いや、そうじゃなくて、まさかザッドの精霊を俺の部下にすると言うのか⁉︎」
「そう言ったはずだ」
「シェレニールと申します、どうかよろしくお願いします、ライカード隊長」
シェレニールがシェルシンに一礼をしたけど、シェルシンの顔を見たら、どうやらまた納得してないようだ。
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みんなさん、こんばんは、シェレニールです。
アルヴィス様からの任務が完了しましたから、私もようやく念願のアカギ様の部下になれます!
……しかし結局、なれませんでした。
「俺の部下になった事は、それなりの覚悟ができたって事だな」
えっと、なんてシェルシンさん、じゃなくて、シェルシン小隊長が怒っているように見えますの?
「面倒な事を……」
えっと、失礼ですが、私はアカギ様の部下になりたいと申し上げましたけど……
「赤城先輩は俺らの総隊長、なんの実績もない素人がいきなり直属部下になれるわけがねぇだろ!」
なんかシェルシン小隊長の性格は思ったより大違いません?あんな的確な分析ができるから、もっと冷静なと思いましたよ。
「そこは諦めろ、隊長は見た目より熱い奴だからな」
この基地の第三小隊専用会議室に到着したら、シェルシン小隊長より身長が少し高いかつ筋肉が付いている男が私に声をかけてくれました。
「唐澤、情報がもらったな、彼女の事は任せた」
「はいよ。シェレニールさんだよね。俺は隊長に選ばれてこの第三小隊の副隊長をやっている唐澤だ」
はい、カラサワさんですよね。こちらこそよろしくお願いします。
「まあまあ、そう堅苦しくなくてもいいぞ。確かにシェレニールさんはザッドの精霊だな。俺らの小隊はほとんど母艦から降りて無かったから、実際見たのは初めてだ」
カラサワさんの目線は手に持つものから私の耳に向いたら問いかけてくれた。
え?そうでしたの?
「とりあえず付いて来い。大将の妹さんからの健康診断は大丈夫だと書いてるから問題がないのはずだが、一応だ」
はい、わかりました。
「変な事をするじゃねぇぞ」
「俺も妻に殺されたくないぞ」
カラサワさんはシェルシンさんに肩を竦めて見せた後、シェルシン隊長は離れた。そうですか、カラサワさんも既婚者ですね。
「隊長はああだけど、部下の事は常に関心している、いい隊長だぞ」
シェルシン隊長が離れた後、カラサワさんはこっそり私に言ってくれました。はい、それは既に理解しております。
「やっぱり見た目の通り、エルフは少々力足りてねぇな」
カラサワさんが私に施させられたのは健康検査だけではなく、身体能力の測定まで行いました。そして私の力測定は小隊の平均よりやや低そうです。
それは仕方ありません。私たちエルフは種族的に力が強くないのですから。それを補足するために、魔法を頼んでいました。
「ほう?それは面白そうじゃねぇ?やってみよう」
え?それは大丈夫ですか?
「さっきの二倍でも大丈夫のはずだ、まずはそれぐらいからだ」
はい、ではやってみます。
私は自然に魔力を両手に纏めて、測定具を頑張って引いた。
「まさか本当に二倍ちょうどに控えたなんて、俺は魔法の事をよく知らんが、これは凄くねぇ?」
カラサワさんはさっきのちょうど二倍の数字を見て驚いたのようですが、私は少し恥ずかしくなりました。
「とりあえずこれからの測定は全てこの程度の魔力を使ってみてくれ」
え?え?え⁉︎
「なぁに、うちの奴らに見下げられたくないならこれぐらいやってもらわねぇとな」
なるほど、そう言う事ですか。ここまで配慮させて頂いて、シェルシンさんがカラサワさんを副隊長に選んだ理由を理解した気がします。
「最高級戦闘兵の個人能力が強すぎて、国光隊長のように自らで部下の面倒を見る方が稀有だからな」
それはよくわかっています。ロックオンさんと国光さんがルードさまとの激戦、私はこの目でしっかり見ました。正直、まさか怨霊騎士だったのルードさまを勝てたなんて、今でも信じられないほど驚いています。
「あの二人は若いが、今の地位は実力で勝ち取ったから、俺らの隊長も認めてるぞ」
えっと、私から言うのは変かもしれませんけど、カラサワさんはあの二人はアカギ様の贔屓で小隊長になったと思いません?
「えりなさんからもらったメモによって、お前はうちの大将に従いたいからここにやってきたってな。つまりお前はうちの大将にはある程度の事を理解したと言う。お前から見て、大将はそんな事をする奴か?」
するわけがありませんよね、アカギ様は。
「だろ。まあ、俺もお前を責める資格はないけどさ」
え?それはどう言う……?
「最初俺も彼らを舐めた。そんな若さってくだらない理由でな。しかしさすが最高級戦闘兵に相応しい実力がある。俺はすぐ己の無知を知っちまったな」
カラサワさんは苦笑いしましたが、私は理解できます。年の功もありますが、実は私もかなり生きてきました。あ、エルフは長生きの種族だから、種族的に私は若いの方ですよ。
「これは驚いた、まさかーー」
私は慌てて持っている資料から私の実年齢を言い出そうとしたカラサワさんを阻止した。なんと言っても私は女の子だから、年齢の事はデリカシーな事ですよ。
「それは悪かったな。とりあえず測定を続きたまえ。他の部隊は知らんが、せめてここでは実力主義だな」
はい。
「そう言えば格闘術はできるか?」
基本の測定が終わった後、カラサワさんは突然問いかけてくれました。えっと、エルフ流なものですが、最低限で身につけているのはずです。
「ではやろうか」
え?なんてカラサワさんは私に向いて構えを取っていますの⁉︎
「これも測定だ、早く構ろう」
……正直、カラサワさんの筋肉を見たら、獣人族のものだと勘違いしてしまうかもしれません。そんな相手と素手格闘をするなんて……
「大丈夫、さっきも言ったはずだ、これも測定だから、遠慮せずかかって来い!」
もしかして、この小隊はシェルシン隊長と似てる者ばっかりなのですか?
「何をぶつぶつ言いやがる!」
厚い筋肉の外見だから、私はカラサワさんの速度を舐めてしまいました。何故そんな重い体をしているのに、こんな速さをできますの?
とりあえず避けないと……!
「とらああああああ!」
私は体を横にカラサワさんの拳を避けられましたけど、カラサワさんの体は突然低くして、強烈な足払いを私にかけてくれた。
「おい、やりすぎるなよ」
私が床に倒れている時、アカギ様がやって来て、カラサワさんに声をかけた。
「あ、大将!」
「どう?立てるか?」
アカギ様は私に手を差し上げてくれました。
「あ、ありがとうございます」
うう……まさかアカギ様にこんなみっともない姿を見られてしまったなんて……
「それは大丈夫だ。この小隊はシェルシン以外の誰もこいつの足払いを食った経験があるからだ。な、元戦技指導教官さんよ」
「あははは」
え?カラサワさん元戦技指導教官でしたの⁉︎
「軍士訓練学校にいた時、戦技の成績が上の奴らに讃えられて、そのまま戦技教官として留用させられたな」
「ライラ教官もお前の事を褒めているぞ」
「しゅ、主任教官ですか⁉︎」
そのライラさんが褒めてくれた事を聞いたら、カラサワさんは感動して泣きそうになったのはなぜでしょうか?
「そ、それは、ライラさんは滅多に他人を褒める事がないから。まさかこの俺を……うわわ!」
えっと、それはそれほど泣くことですか?
「まあ、ほっといてあげよう。付いて来い、第三小隊のみんなにお前を紹介しよう」
え?アカギ様ですか⁉︎
「アリス、シェレニールの測定データを」
「はいよ」
アカギ様の肩に座っている人形が私の測定資料を空に映んでくれました。し、しかし数字は理解できますが、項目が使っている文字は全く理解できません。
「これは英語と言う、このアースで最も使っている言語だ。後で唐澤にお前の言語教育を手配してくれ」
……はい、わかりました。
もし本当にアカギ様の言う通り、この「エイゴ」と言う言葉はそれほど通用していたら、私は頑張って使えるようにならないと……!
「大将!まさかその子はうちの新隊員か?」
アカギ様に連れられて来た場所は既に何十人が集まっていました。そうですか、これは私の同僚になる人々ですね。
「ああ、そうだ。だがこう見ても、彼女は相当な人生経験が積むんでいるぞ」
……あの、アカギ様⁉︎そこはデリカシーなところなんですけど?
「とりあえず、新入りをいじめるじゃねぇぞ」
「サー、イエス、サー!」
アカギ様を答えた音量が凄すぎて、少し怖くなった程です……




