ザッドに
お待たせしました。
「そこの山はドンキンロース山、古い歴史がある少数部族の居場所です。」
「そしてその近くにある湖ばっかりの所はレカーライヴズ王国、湖の国でも言われている。私たちの協力者エド=リチャルソンはレカーライヴズ王家導師を担当している。」
「あの死の騎士が?」
シンが驚いた。
その王家導師は死の騎士なら、その反応も当然だろう。
「正確には、死の騎士だった。彼は命源龍の御守りのおかげて、生き返った」
……
今僕たちはザッドの空にいる。
その襲撃の後から何もない安全に到着した。それでも一か月をかかった、本当に遠いな。
そして今戦艦は隠しながら、ザッドの空を飛んでいる。
地理を解説するために、この部屋の床が地面を見えるようになっている、少し怖い。
実地を見ながら和歌奈様と地の聖女美雪様が授業している。この前も座学で同じことを教えたが、実地と合わせる方がいいって言ったから今の状況になった。
「見える範囲によって、この星はアースと比べたら随分小さいだな」
カミトの疑問、僕にもあった。
「大陸は一つだけのようだ。羅針盤と合わせて見ると、どうやら気候はアースとあまり変わってないようだ」
剣成も短時間で地理情報を把握できた。
えりなは和歌奈様と美雪様が言ったことしっかり再記録している。
「重要な参考資料だから」
「大陸の真ん中にあるのはへティインモクル帝国の首都、ヘル皇城と言う城だった」
「でも事件によって壊滅した。遺跡の上で建て直したのは私たちの騎士団、聖殿騎士団です」
「その帝国はどうなった?」
「三つの国に分けた。」
「領地を沢山保有しているカノン帝国、交易の要衝にいるエルア王国、そして寒冰境で生存していたクラナド皇国。ちなみに、そのエドはクラナド人です」
「クラナド人でありながら、レカーライヴズの王家導師をしている事か?」
和歌奈様はどこから説明すればいいかって顔で悩んでる。
「この辺は出来る限り詳しく説明してお願いします」
「だから座学の時に説明すればいいのに」
「それも仕方ないだろう」
この大聖殿艦に聖女たちの魔力波長を記録する為には多くの時間をかかったから、説明は最低限になってしまった。
「クラナドは寒氷境の化け物たちとずっと対抗しているから、そこの住民は生まれたから強かなければならない意識を持つ。だから僅か十三人だけの皇家騎士団けど、最強の騎士団と言われている。エドはその中の一人であった」
「その強さを説明すると、カノン帝国の帝国騎士団は二千人もいるけど、クラナイド皇家騎士と真正面に戦ったら、半分以上失う事になる」
「ではそのクラナイドはどうした?」
「滅びた、原因は死の騎士に化けたエドによって」
「正確的には、邪悪神ニンザスと対抗する為に、クラナイド皇国は寒氷軍団に化けた。任務完了の後、この世界のために、全員が自己消滅した。エドだけは危機を備える為に残した」
「ここも悲しい大戦が有ったな」
カミトは何か考えているようだ。
「そのエドは聖女たちの協力者になった経緯は?」
えりなが和歌奈様に聞いた。
僕も興味がある。僕が遭われた事と相関する気がする。
「元々消えたはずのエドは、邪悪神ニンザスが分身した二人の神龍がザッドに降臨する事を気づいたけど、私たちもわからない原因で私たちの世界には落ちた。厳しい言うと、私の家に落ち」
和歌奈様が説明を始めた。
「そこでザッドの危機を知った私たちはエドの導きによって、再びザッドに来た。その時エドにデゥカラガンの鱗から作った剣、『月の制裁』を渡した。今でも持っていると思う」
「つまりその剣を通って連絡できる事?」
カミトの発想は飛んでいるが、和歌奈様が頷いた。
「あなたたちの許可を得て次第、彼に連絡する」
「降下ポイントは聖女たちの騎士団の所になる予定ですから、まず連絡して準備させる方がいいと思う」
えりなは凛に進言して、凛もすぐ同意した。
「聖女様、彼との連絡をお願いします」
「はい。デゥカラガン、お願い」
「はい!」
しばらくの沈黙。
『和歌奈様、お久しぶりです。僭越ですが、今度の危機にまた聖女様の力を得られる本当にありがとうございます』
男の声だけど、寒さを感じられる。言い方ではなく、その声自体は冷くて。そうか、それは死の騎士エドの声だから?
「それは構わない。エド、今私たちは聖殿騎士団の聖殿に向かっている」
『たちってことは、他の聖女様たちもご一緒にいらっしゃっているんですね。分かりました、今すぐ行く、そして準備を取ります』
「中央広場はできる限り空にしてください」
『分かりました』
「あと今回は私たち聖女だけではない私の星からの協力者もいる。」
『はい、かしこまりました、私は軍団長たちに通達します』
「よろしくお願いします、到着する時は改めて連絡するよ」
『かしこまりました』
「軍団長は騎士団長なの?」
えりなが通信終了後和歌奈様に聞いた。
「いいえ、違います。聖殿騎士団は十二人の軍団長によって事情を決める。それは私たちの直属部隊の方がわかりやすいかもしれません」
「なるほど、では和歌奈様の軍団長はどのような方ですか?」
「あの時はホルモスと言う叡智な長者ですが、今は誰かわかりません」
和歌奈様の話によると、この前も来たのに、なんて確定できないの?
「こっちでも時間が流れているだろ」
カミトが聖女に確認する同時に、僕に答えた。
「はい、そう言う事です」
「具体的にはアースとどれくらい差がある?」
剣成は続きに聞いた。
「それは確定できないわ」
玲様が答えた。
「どう言う事ですか?」
僕がそう考えてる時、えりなが聞いた。
「確かに私たちは二回ザッドを救ったけど、その時間の流れは全然違うから、確定できないって言う事よ」
他の聖女様も分からないようだ。
「時間の流れは主観ですからな」
結局、僕たちはマーヴェレヴェス様に聞いた。
「どう言う事?」
「つまり自分がいる世界の時間といない世界の時間流れが違うって事。ザッドはこのシステムを採用したから、初めて別世界から生命を転移した星から、時間流れの速さはまだ安定してない」
「でも今の情報から見ると、いる方が遅いが確定できるよな。何せ、聖女たちはこの世界の五百年前も来ただろ」
カミトがマーヴェレヴェス様に聞いた。
「確かにそうなるだろ」
「とりあえず和歌奈様、そのエドに連絡してください、そっちが準備できた次第、私たちが降下します」
「はい、分かりました」
デゥカラガン様が連絡したからおよそ半日ぐらいかかった、そのエドから連絡が来た。
『和歌奈様、お待たせしました、聖殿騎士団の団長たちも本部で聖女様たちをお待ちしております』
「ありがとう、私たちは間もなく到着するわ」
「はい」
こんな礼儀正しい人が死の騎士に想像できない。
そして僕たちがその聖殿区の中央広場に降下した。
万が一の為、和歌奈様とデゥカラガン様が先頭として、聖女と神龍たちが戦艦から降りた。僕とシンは聖女の後ろに続いている、僕とシンの後ろは剣成とカミト、そしてマーヴェレヴェス様。
「聖女様、お帰りなさい」
僕たちの前には十三人が鎧をきっちり着ている騎士っぽい人が立っている、そして和歌奈様たちに敬礼している。
その中には一人だけ鎧の様式が他の人とは違う、推察すれば、多分その人がエドと言う死の騎士に違いない。
「お帰りなさい、聖女様」
そのエドが改めて聖女たちに挨拶した。
「それにしても、見たことない顔が何人もいるようだね」
玲さんが軍団長を見て言った。
「はい、ご紹介します」
「ホルモス様が年になったから、退役しましたので、彼に続いて月の聖女軍団長を務めるのは、アルヴィス・クトン様です」
エドの紹介により、一人が前に出た。
「和歌奈様、はじめまして、私はアルヴィス・クトンと申します」
「アルヴィス?」
後ろにいる誰かが驚いたようだ。
アルヴィスの視線が見たのは、マーヴェレヴェス様だ。
そしてアルヴィスも驚いたのようだ。
その驚いはまた終わってないのに、剣成とカミトはいきなりアルヴィスを包囲した、いつでも攻撃できる態勢で。
その二人の行動を見た騎士団長たちも攻撃態勢に入った。
「カミトさん、剣成さん、何を?」
和歌奈様が軍団長たちを止めているながらカミトたちに原因を聞いたが、怒ってないようだ。
あの二人は理由なくこんな事する人ではないから。
「マーヴェレヴェス様がお前のことを知っているようで、そしてお前もマーヴェレヴェス様の事を知っているようだ。」
「でもマーヴェレヴェス様は一般人が知られないはずの存在、異世界の人なら尚更だ」
剣成はカミトに続いて言った。
まさかちゃんとした理由でした。
でもその推理に従ったら、このアルヴィスは…
「まさかその瞬間の情報だけで気づいたとはな。さすがアースのレッド。久しぶりだな、マーヴェレヴェス、確か、例の星の報告会からだよな」
「久しぶりだな、アルヴィス。剣成、カミト、大丈夫だ」
「はい」
マーヴェレヴェス様の話によって、剣成とカミトは攻撃の構えを解除した。
「改めて自己紹介をさせてください。私はこの星の星の巡行者である、風のアルヴィスだ」
「やっばりマーヴェレヴェス様と同じ存在だ」
カミトが呟いた。
超神二人とレッド二人を除く、ここにいる誰も驚いた。
主人公たちやっと異世界に来た。




