帰途のいろいろ
「みんなさん、こんにちは。既に私の事はご存知たと思いますが、もう一度自己紹介させていただきます。私はエリナ=ナガト、この部隊、光神信使の副総隊長を務めています」
「ははっ!」
えりなの自己紹介を聞いたザッドのみんなはすっと立ち上がってえりなに各自の敬礼のやり方をした。
それも仕方ないわよね。だってえりなはさっき紹介した身分より、最もみんなが知っているのは、彼女は救世主カミトの妻である事だ。
あ、みんなさんこんにちは、ヴィクです。
今えりなは新しい移居者たちに説明会を開いている。興味があるから、僕はこっそり潜入した。
「次の件もご存知だと思いますが、こちらにもう一度言わせてもらいます。これからあなたたちは王族や貴族の地位など関係ない、みんなは平等です」
てっきり元貴族や騎士たちは異議ありと思ったが、誰も意見を言わなかった。
『それは当然であろ、彼女は救世主の妻、しかも姫さまの上に立っているからな』
え?この声は……デゥカラガン様⁉︎何で⁉︎
『言ってなかったか?お前は私の加護をもつ、そして私の鱗から変化した指輪を掛けている、ならば私はお前と通話できるのも当然だろ』
あ、確かにクロエとエド様もそう言った。
し、しかし、今僕たちの位置はアースにはまた遠いのはず……⁉︎
『おそらくそちらの光子濃度が高すぎるからだろ。私も突然お前の声を聞いた、見た景色を見たから』
え?ちょっと待って、光子濃度がそうなに高くなったら……!
『緊急警報、緊急警報、03:12位置で異種を発見、戦闘人員は直ちに戦闘位置へ』
僕の考えより早く、彩子のアナウンスは警報音と共に響いてきてしまった!
「えりなさん、私たちは?」
ライドはここにいるみんなを一回り見た後、えりなに質問した。
「斎香、敵の種類と数は?」
『はい、機龍型五機と翼獣型十機です。警戒待命のロックオンと隊員二人は既に迎撃位置に付いた』
「あとは?」
『はい、総隊長の命令によって、桜と国光も機体に乗って出動準備ができています。そして総隊長も貫雷魔剣に向きました」
「……できるわよね?」
『はい!やってみせます!』
斎香の自信に溢れる答えを聞いて、えりなは満足な微笑みをした。
どうやら戦闘兵たちのバックアップは斎香に任せたのようだ。ロックオンたちはともかく、カミトの支援は一向えりなだけできるの事のはずだ、何を考えるのでしょう?
「大丈夫です、みんな安心してくださいね」
そして説明会を続行するのようだ。
「ほん、本当に大丈夫ですか?」
「機龍って、手強い異種ですよね⁉︎」
「この旅は危険だと承知したけど、これほどとは……!」
えりなの話を聞いたとしても、心配しているような顔は誰でもしている。まあ、一気に機龍型五機なら僕でも心配しそうになってしまう。
でもそんな考えはただ一言で消した。
「大丈夫だ、俺が保証する」
勝手にこの会議室に入ったのは……シン⁉︎
「この空間での戦い方は俺には不向きだから、総隊長は俺に説明会を手伝ってくれって言われたからな」
多分なんて戦闘人員のシンがここにいるに疑問があるから、えりなの顔はなんてって書いているようになっている。それを見たからシンは説明した。
「おい、確かに彼は……!」
「月の聖女聖上に仕えるの……!」
「あの剣、間違いなく……!」
「月の聖女軍団長……!」
今この瞬間、僕は初めてシンが言った「神権は政権より上」の意味をはっきり理解した。シンの言葉に、ここにいるみんなはやっとほっとした顔になった。
「まあ、これは助かったわ。感謝するよ」
「はっ」
シンはえりなに頭を下げて敬礼した後、そのままえりなの右後ろに立とうとした。
え?なんて?
『シンの意思かどうかわからんが、外の戦闘や支援兵たちの仕事を役に立てんので、せめてここにいるは元ザッドの民を安定できるからだろ』
デゥカラガン様、説明ありがとうございます。
『これもお嬢様の威光のお陰だ』
そうですね。お嬢様に栄光あれ。
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「彩子、ロックオンのバックアップはお願いできるか?」
「……わかった」
国光の担当ではないと聞いた彩子は一瞬の間反抗したい顔をしたけど、すぐ斎香の考えを理解した。
「よし。みんな各自位置に付いたか?」
「はい!」
「はい!」
「はい?」
瑠美はまた身重だから、レイコに仕事を禁止された。
でもこれこそ支援兵科を統合した優勢である。誰かが欠席したらすぐ他の者が補填できる。今回は理江が国光のバックアップを担当になった。
「では迎撃範囲に入ったら、各自対応せよ!」
「あなたは?」
念のため、彩子は斎香に確認した。
「もちろん総隊長のバックアップをするのよ」
それこそえりなが確認したい事。えりなの代わりに、斎香はカミトのバックアップをできるかどうかって。
確かに普段なら、カミトのバックアップはえりなしかできないので、ずっとえりな専門の仕事だった。しかし今のようにえりなが他の事情のせいで、カミトのバックアップができなくなったら、万が一のため、予備の人選が必要だ。
ある意味、これは斎香の本当の卒業試験になる。
「総隊長、よろしくお願いします」
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『総隊長、よろしくお願いします』
「ああ」
えりなが説明会の担当だから、自分のバックアップに間に合わない事は予想した、カミトはあまり意外な顔をしなかった。
だからカミトはモニターを通って、斎香のそのちょっと緊張している顔を見たら、微笑みをした。
「リラックスしてよ、いつもお前がやっていた事と同じだろ」
『それはそうですが……』
他の人はともかく、カミト、そして剣成のバックアップをする難点は、この二人の異様な反応速度と有効攻撃範囲だ。
つまり情報を提供する速度はかなり要求されている。もし二人の速度に従えなかったら、二人の戦闘効率は一気に落ちてしまうから。
『迎撃予備ラインまで三、ニ、一!』
理江のカウントダウンで、カミトの貫雷魔剣が一番先にクーフーリンから飛び出した。
『敵の種類と位置は標記しました』
「上出来だ。これより敵を殲滅する!我らの母艦に近くさせるなよ!」
『『『『はい!』』』』
月光剣は光子の力でこの空間でも飛べるが、相手は機龍型五機もあるから、それは危険すぎる。
だから斎香はカミトがレカーライヴズでの演習作戦を参考し、カミトだけ前に出る作戦を提案した。
『でもこの作戦は本当に大丈夫?確かに総隊長はこの空間の作戦は経験済みのだが、さすが相手は……!」
もちろん一番カミトを心配しているのは、第一小隊長にしてカミトの娘である桜だ。ちなみに今は作戦中だから、桜は職務名を呼んでいる。
『斎香、教官の足を引っ張るなよ!』
自分の婚約者なのに、ロックオンの警告はあまりにも友好ではないようだ。
『翼獣型接近!理江さん!』
『はい!火器コントロール準備完了です!迎撃開始してください!』
『さすがシンさんの相棒!これは狙いやすい標記だ』
『ロックオンさん、あなたも迎撃開始してください!』
『了解!』
自分のバックアップはいつもの斎香ではない事は既に知っていたとは言え、さすがの不慣れにロックオンは少々驚いた。
(斎香、頑張れよ)
『私も初めていい?』
『はい!総隊長の攻撃から生き残った目標から狙ってください!』
『了解だ!』
ザッドでの戦いはシステムウイングを使ったが、今桜は大人しく銃神装備を使っている。
「では、俺も始めようか」
『はい、いつでも』
戦闘開始から今までカミトはまともな攻撃をしなかったが、今からは違う。
「では……全砲門展開!『空の境界』!」
最初の数機異種はわざと小隊長たちに譲ったのは、それは斎香の提案である。機龍型の装甲は貫き難いだが、翼獣型はそうではない。だからカミトの貫雷魔剣の火力をより集中すべきの目標に集中できる。
「前衛なしの戦いか」
『いいえ、今総隊長はその前衛です』
斎香のツッコミに、カミトは笑った。
「確かにそうだな!」
貫雷魔剣の光子砲を機龍型を牽制しつつ、光子剣で機龍型のコア位置に刺し入れて破壊した。
『次、三時方向に上!』
「応!」
戦闘兵が戦っている時、目の前の目標だけに集中しすぎて、他の目標を見えなくなる事はよくあるから、バックアップをする通信兵は常に冷静を保持しなければならない。通信兵科がいるからこそ、前で戦う戦闘兵たちは最大限に己の力を発揮できる。
『四時方向下に九時方向前、接近中!』
「本当に的確な位置指示だな」
カミトは貫雷魔剣の体を今の体勢の九時方向に向いた同時に、手持ちの光子ライフルと背中の光子砲をさっきの四時方向に狙った。
「食らえ!光子粉砕砲!」
光子粉砕砲は貫雷魔剣の胸位置に搭載する貫雷魔剣の最強兵装。強烈な光子エネルギーによるの砲撃、普通の機龍型はそれを耐えられるはずがない。
でもエネルギーもかなり消耗してしまうから、それを撃った後、ほんの少しの間は貫雷魔剣の出力が低下になってしまう。
『最後のは……直上です!急接近中!』
カミトの貫雷魔剣はとても奇妙な姿勢になっているから、斎香は相対位置の判断が遅れてしまった。
『接触までニ、一!』
『お父さん!』
『教官!』
『総隊長!』
『ああ!』
このミスのせいで、斎香は自分を責めたい。なんて遅れをとってしまうだろ。
「おい、斎香、目を閉じたのはどうするつもりか?」
この声を聞いたら、斎香はようやく目の前の現実を正視できた。
そして彼女が見たのは、左手が機龍型の上顎を押しながら、右手が握る光子剣を機龍の口から喉に刺し入れたの貫雷魔剣であった。
『……お父さん⁉︎』
『教官⁉︎』
『総隊長⁉︎』
『え⁉︎無事⁉︎』
「おいおい、勝手に俺を殺したじゃねえぞ」
今回は貫雷魔剣のウイングの砲火が機龍型の口にゼロ距離の射撃をした。
『すみません、私は遅れをとってしまって……』
「おい、さっきも言ったんだろ?また終わってねえって。そんな話は帰艦の後から聞くよ」
『……はい!』
(やれやれ)
残った翼獣型も片付けたを確認した後、カミトは深く嘆いた。
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「すみませんでした!」
みんなさん、こんにちは、或いはこんばんはかな?この空間にいると、時間ははっきりわからなくなった。まあ、僕はヴィクです。
警報が解除して、カミトたちが帰艦した後、僕はシンの肩に乗って、一緒に格納庫に来た。
そして僕たちがそこで見たのは、カミトに頭を深く低くして謝罪するの斎香であった。
「教官!」
ロックオンは斎香を庇うのために、カミトと斎香の間に立とうとした。
「まずは面を上げよう、ずっとそんな体勢だったら話し難いだろ?」
「はい」
斎香は顔を上げたけど、それはとても恐れていると見える。
「初陣としては、君はもう十分できているぞ」
そしてしばらくの沈黙、カミトの口から言い出すのは責めるの言葉ではなかった。
「え?」
多分カミトの厳しかったの表情からそんな話をしたなんて予想しなかったから、ロックオンは驚いたそうだ。
「これは君が初めてランクレッド=エクストラの一人である俺のバックアップを担当した、しかも最初からこんな空間での戦いを支援するなんてな」
あ、そうだよね。ここはアースやザッドと違って、方向感は曖昧になってしまうから、的確な指示を出すことは難しいよね。
「でも私は通信兵科総長、失敗は許されないのです!」
「その点はえりなとそっくりだな……ロックオン」
「はい?」
まさか自分が呼ばれるなんて考えしなかったんだろ、ロックオンは少々驚いた。
「お前の婚約者だろ?面倒をちゃんと見ろよ」
「あ、はい!」
多分カミトの考えを掴んだから、ロックオンは強引に斎香を連れて行った。
「お父さん、私は斎香ちゃんが充分仕事をできていると見えるが」
作戦終了だから、桜も呼び方を回復した。
「そうだな。俺もそう思うよ、赤城先輩」
万が一のため、格納庫で待命したシェルシンは桜の意見に同意した。
「俺もそう思います、総隊長」
一緒に出撃した国光も同じ頷いた。
「だから俺は責めないだろ?」
みんなの目に耐えられないから、カミトは苦笑いをした。
「いや、てっきりお父さんは後で斎香ちゃんを責めようとすると思ったね」
「言ったんだろ?こんな場所での初陣としては上出来だぞ」
「確かにあんな無茶苦茶な動作ができるのも赤城先輩と時雨先輩くらいだな」
「実に勉強になりました」
えっと、多分カミトのその動作は空間認識能力が優れるのおかげだろ。それなら国光がそんな羨ましいの目をするのも当然な事だよね。
「それより、えりな、まさか彼女をそこまで鍛えてきたとはな」
カミトの視線は僕とシンを越えて、僕たちの後ろを見ている。振り返すと、そこのはえりながいた。
「私の愛弟子だからね」
まさかえりなはドヤ顔をカミトに見せた。
「俺のバカ弟子は上手くフォローできたらいいのだが……」
「これは孫の顔は期待できそうじゃない?」
おおおおおい!それはいくらなんでも飛躍しすぎるのよね!
「……それを置いてといて、グレイド」
「はい?」
ここは格納庫だから、技工兵科総長のグレイドがここにいるのも当然だよね。
「国光と桜の月光剣の照準システムは何かの誤差がありそうな気がする、通信兵科と一緒に検査してくれ。ついてに他の機体も」
「え?でも記録によると問題はないのはず……」
「さっきの戦いであいつらの射撃を見た俺の勘だ、念のため検査してくれ」
「……はい!直ちに検査作業に入ります!」
もしそれは本当の事なら大問題になるから、グレイドは急いで部下の技工兵たちを呼んで、検査作業を始めた。
「彩子、技工兵科との作業協力は頼む」
『はい、今から格納庫に向かいます!』
斎香はあんな状況だから、えりなは代わって命令を出した。まあ、えりなは熾炎天使の元通信兵科長だから、そう言う仕事は誰よりも詳しいのよね。
「作業終了次第、報告書は俺宛てにくれ」
「はい!」
グレイドに命令した後、カミトはえりなと一緒に行った。
「ほう、まさか本当に隊長っぽく行動を取っているとはな」
カミトの後ろ姿を見て、シンが呟いた。
『その隊長さんをそんな言い方をしようとしたお前も大物だな』
え?デゥカラガン様?
「おい、バカ犬、なんてお前は俺と会話できるのかよ⁉︎」
『さっきもヴィクに言った、おそらくそっちの光子濃度が高すぎたからだ』
「道理で一気にそんなに多い異種が襲われて来たわけか」
『多分な』
「ところでバカ犬、お嬢様は?」
『言わずとわからねえのか?お前とお嬢様の絆はその程度のものか?』
あの、デゥカラガン様、言い方!
「お前も嫉妬はするのか?バカ犬」
おい!シン!
『喧嘩する気か?』
「お前から売ったじゃねえのか?」
あ、あの!お二人!
『デゥカラガン?誰かと会話してるの?』
え?この声は……!?
「お嬢様!」
シンが誰もいない空間に敬礼した事がたまたま通った技工兵に見られた、彼は少し変な表情になって急いで離れた。
……
『え?なんてシン兄の声を聞こえてるの?』
「はい、バカ犬の推測によると、こっちの光子濃度が高すぎでしたからだそうです」
『え?それならあなたたちは大丈夫?異種に襲われてない?』
お嬢様の声はとても心配しそうのように聞こえる。
「はい、襲われましたが、カミトたちが消滅しました。損傷はありません」
『それならいいわ』
「ご心配いただき、ありがとうございます」
シンはもう一度誰もいない空間に敬礼した。
『無事なら何よりだ。って事は、シン兄はもうすぐ帰るのよね?』
「はい、予定は未定ですが」
『気をつけてね』
「はっ!」
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「ところでお父さん、菫ちゃんとアリスちゃんの教育はどうする?」
「君と同じにさせたいが、ダメか?」
カミトたちが執務室に帰ったら、桜は質問した。
「無理でしょう、私はお父さんやお母さんの事を知らなかったから、一般人としていられたが、菫ちゃんとアリスちゃんはそうじゃないだろ?」
「確かにそうだが、なんて君が俺以上彼女たちの事に熱心してる?」
「菫ちゃんは私の妹だよ。それにアリスちゃんから何かを感じられそうな気がしているの」
「なるほど」
「それに剣輝の事もあってね」
「そう言えば、あの子について、君はどうするつもりか?」
「お父さんもわかっているだろ?あの子は剣成おじさんの熾紅の瞳を継承しているから、一人で普通の学校にいたら、きっといじめられるだろ」
「剣成は虐められなかったそうだぞ」
「あれは武おじさんのおかげだろ?お父さんが清英おじさんのお陰のように」
「よく知ってるよな」
「お母さんは一度全部話してくれたから」
「って、剣輝の事はどうする?」
「少し考えさせてください」
「ああ、俺もちゃんと菫の事を考えようとする」
「はい」




