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女神との再会

「って、今の状況は?」


安定軌道に乗ったから、カミトは貫雷魔剣(グラム)から指揮室に戻った。


「はい、順調です」


通信兵科総長の斎香が答えた。


「では奴らの自由活動を許可しよう」


カミトが言った奴ら、明らかにこの指揮室にいるメンバーが含めていない。


「でも本艦の光子信号は大きすぎるので、警備待命の隊員も必要かと」


斎香の建言は最もの事だから、カミトは無視したりをするわけがない。


「では小隊長たちに各自隊員二人を選んで、順番待機にしよう」


カミトは総隊長の席で斎香から提供した資料を瀏覧したから命令を出した。


「わかりました、小隊長たちに伝えます」


そして斎香は桜たちにカミトの命令を伝うために桜たちと連絡を取った。もちろんそれだけではなく、シフトをしっかり建てる事も彼女の仕事範囲だ。


「ここのメンバーもそろそろ交代しないと倒れてしまうぞ」


斎香が作った待機シフト表をカミトに送った後、えりなもカミトを注意した。


「小隊長たちが待機シフトに入ったら、こっちも休めていいぞ」


カミトの命令に、指揮室が歓声を上げた。


「待って、カミト、あなたとえりなはもう少し待って」


「え?」


「客が来たから」


「客!?」


こんな何もない場所に客が来たと聞いたら、警戒になるのも当然だろ。


「ああ、私は勝手に登艦の許可を出した」


「となると、異種の攻撃ではなさそうだな」


アリスの言葉で、警戒した斎香たちはほっとした。


「では解散する、ゆっくり休んでいい」


アリスの目を見て、カミトは解散の命令を出した。


「これでいい?」


「船を自動操作ができるとは言え、長時間のは無理だわ」


えりなが心配するのも当然なことだ。彼女はこの部隊の副総隊長、全隊の安全は彼女にとっては最も重要な事だ。


「ご心配なく、少しあなたたちと話をしたいだけ、そんなに時間をかからないはずよ」


突然伝えて来た言葉と共に、カミトとえりなの前に光の粒子が集中して、人の形になった。


「突然驚かせてすみませんね」


その人はカミトたちに声を掛けて来た。


「本当に突然だね、サイカ。それに本体はまた相当遠いな場所にいるはずでは?」


「ここのミヤビも元気そうでよかったね。それよりカミト君、リジルザックスを受け入れる事、君に感謝する」


星辰の女神はアリスの質問をスルーした。


「リジルはアースに来られたのは女神様に助けもらったと聞いたが、なぜ俺に感謝を?」


「あくまでその力を鎮まるためのだよ。あなたたちはもう知ってるでしょう?存在レベルが上がったからの凶暴性を」


「だから彼女の気持ちを利用しようとしたというのか?」


「彼女の君に対しての恋心は本物であることはおわかるでしょう?」


カミトの言葉に怒りを感じられた女神は微笑んで答えた。


「それはもちろんだが……」


「ならば問題ないでしょう」


そしてサイカはえりなに向かった。


「君にも感謝するわ」


「め、女神様!?」


「君が彼女の気持ちを認めて、そしてカミト君と一緒になれる事を許したから、今リジルザックスは幸せになれる。だから君にも感謝を」


「サイカは私たちの中で最もカミトの伴侶を増やすことを薦めていたからだよ」


えりなは完全さっぱりの顔をしているから、アリスは代わって説明した。


「いいえ、私はただ以前の過ちの二の舞をしたくないだけ、感謝されるほどではありません」


そしてえりなは自分の気持ちを言い出した。


「それだけでも感謝に値す、これからもカミト君を支えてくれ」


「それは言うまでもありませんよ、女神様」


「それは心強いな」


「って、あなたは一体何をしに来たの?間話をするだけではないだろ?」


「もう、ミヤビったら、私はずっとこのなにもない空間で巡行し回っているから、なかなかあなたたちと会えないのに、そんな冷たい態度は何よ」


「そんなにその仕事を嫌いだったらやめたら?」


「何を言う?私は日と夜、そして時間を司る星辰の女神だよ!仕事を放棄するなんてありえないだろ」


「確かにそうだね。あなたが辞めたら、日と夜の境界が無くなったり、時間の観念も崩壊してしまうよね」


「大変な仕事ですね」


「なんだか俺の方がよっぽど軽くと思って来た」


星辰の女神の仕事を聞いたら、えりなとカミトは小さい声で言葉を交わした。


「では飲み物を召し上がってどうでしょうか?」


えりなは疲れているの顔をするサイカにおもてなしすると決めた。


「ではコーヒーを頼む」


「種類は指定しますか?」


「濃いエスプレッソでお願いするわ」


「わかりました、少々お待ちくださいませ」


えりなは女神様の注文を用意するに指揮室から出て行った。


「悪いね、おもてなしまでさせられて」


「いや、客だから、おもてなしするのは当然だ。しかしまさか女神様はエスプレッソまでご存知とは」


カミトの好物はココアだが、コーヒーもよく飲んでいる。何せ、その目覚まし効果はカミトの仕事に大いに助かった。


だがそれでも、カミトにとって、エスプレッソをそのまま飲む事はさすがに厳しい。


「これも『創世』の成果だよ」


「それどう言う意味?」


わからないから、カミトは質問した。


「それほど難しい事ではないわ。世界を創造した後、その中で生まれた文明が作ったもの、あの方と私たちのところにも現れる、そして使えるようになる。そうでないと、私たちの生活はあまりにも退屈すぎるじゃない?」


少し止まった後、アリスは語る続いた。


「その中で私たちの想像を遥か越えていたのは、食の文明だよ。あの方と私たち女神は食事を取る必要がないんだが、趣味と休暇にするにはちょうどいいだよ」


「……つまり祭りや礼拝での献上とかはあなたたちにも届ける事か?」


「まあ、そう言う事だよ」


だったら誰かがエスプレッソを献上したのかよ!?カミトは心の中でそうツッコミした。


「お待たせしました」


カミトがくだらない事を考える時、えりなは女神様の注文を持って来た。


「うん、いい香りだね、豆は選んだそうだな」


「私も詳しく知りませんが、織姫ちゃんに作ってくれたものです」


「え?彼女はコーヒーまで詳しいのか?」


カミトは意外な顔になっている。


「ええ、何と料理の隠し味にも使えそうだよ」


カミトと違って、えりなは期待しそうな顔をしている。


「それは凄い。味わいたいと言いたいんだが、あまり長居できまいよ」


「それは残念ですね」


アリスは本当に残念そうな顔をしている星辰の女神に見せた。


「では私はそろそろ戻ろうとするよ。コーヒーはありがとう、美味しいよ」


「いってらっしゃいませ」


カミトは適当に頷いただけだから、えりなが代わりに星辰の女神に敬礼した。


「では」


来た時と同じ、女神様は光の粒子になって、消えた。


「星辰の女神は日と夜、そして時間を司る。そしてこの前、お前の本体である聖魔の女神は善と悪だけではなく、思考そのものを俺らに与えてくれたと言った」


「そうだが?なんて今更それを?」


カミトの呟きに、アリスの頭は傾いた。


「いや、開天闢地と比べたら大変だったなって」


「そうでもないよ。何もないこの空間の中、無から世界を作ることも大変だぞ。それに新しい世界を作る度に、その過程を繰り返すになる。それと比べたら、私の本体はただ既にあるものを新しい世界に送るだけ」


「なるほど」


えりなは興味深そうな顔をしている。


「とりあえず、これからは菫を育てる事を最優先にしたい。そう言いたかったが、今の立場は無理だろな」


「そしてリジルさんを一人にさせるのも良くない」


えりなはカミトの話を続いた。


「それに、俺は菫を普通の学校に入学したい」


「この部隊の制度であれば、それは可能だが」


えりなは少し考えた後、カミトに肯定の答えを出した。


「異種の事件でなければ、俺は前に言った裏仕事をしよう。適当に桜たちに独立行動の権限を与えば、ある程度動けるはずだ」


「そこはマーヴェレヴェスと相談するからだよ」


アリスは二人を注意した。


「わかったよ」


カミトは適当にアリスに返事した後、総隊長の位置に座った。


「……」


「どうかしたの?」


カミトは無言のままで資料を検索しているから、えりなは声をかけた。


「ライドたちを含めて、今回は二十人がアースに移居するとした。それと引き換え、この部隊がザッドに留まる事になったのはラエリエトだけか」


「そうだが?」


「さすがにアンバランス過ぎて、マーヴェレヴェス様に責められるかな?」


「でもそれは強要できないでしょう?本人が望まないと、移居させるなんて無理でしょう。文化やいろいろの影響もあるから」


「そう言えば、カーナに教えた医療相関の事は大丈夫?」


何かをカーナに教えた、一応レイコはカミトに報告したが、それについての影響はカミトの専門ではないから、カミトはえりなに確認する。


「レイコによって、殆ど科技が低いものばっかりだから大丈夫だってさ」


「なるほど、これで一安心だな」


「でもあの対魔法支援プログラム、あれはどうするつもりか?」


アリスから二人を質問した。


「どうって?」


アリスの意図は全くさっぱりだから、カミトはそのまま反問した。


「あのプログラムはザッド最強の魔法使いの二人が協力してもらった物、それはどれほど怖いものは想像できるだろ」


「……なるほど、あのプログラムが使える限り、俺たちはザッドより圧倒的な優勢を取れる」


「その通りだ」


「え⁉︎」


自分がどれほどのチート物を作ったを初めて意識したえりなは驚きの声を上げた。


「私は聖魔の女神の分霊に過ぎないが、一応あなたたちを注意しないと。これも世界のために」


「ご、ごめんなさい!まさか私がそんなものを……!」


「とりあえず、そのプログラムを悪用しないっていいの事だけさ」


カミトはえりなを慰めながら、えりなの頭を撫で撫でまでした。


「相変わらず夫婦の仲がいいだな」


「……!」


みんなの前にキスまでした事があるのに、今えりなはアリスの前に、頭が撫でられただけなのに、頬は赤くなった。


「えりなも言ったんでしょう?あなたは俺の公私問わずのパートナーだから、これくらいのフォローはさせてくれよ」


今のカミトはどれほど頼もしい、それを理解できたのはえりなだけであった。


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