朝帰りといろいろ
うん?誰かが僕を指で弄っでいる?
え?僕は寝たの?少し目を覚めたら、森の葉の間が溢れた太陽の光は暖かい。
違う!まさか外で一晩を経ったのか⁉︎シンはきっと心配しているのよね!
「……」
え、え?え⁉︎僕は誰かに抱き上げられて、何処かへ運んでいる⁉︎
「しー、騒ぐな、みんなはまた寝てるぞ」
極めて小さい声だが、僕は犬だから、ちゃんと聞こえた。そしてこの声の主も確認できた、カミトだ。よかった、昨晩お前が倒れたから、僕はどうしようもできないから緊張して慌てたぞ!
「いくら俺が滅多に酒を飲んでないとは言え、そんな程度で酔い倒れるわけがないだろ。剣成のしつこさを舐めんなよ」
いや、今僕にそんな情報を教えても……
「やっぱり酔った振りだけか?さすが最高級戦闘兵と言うわけか?これはロックオンとクニミツが例の候爵の招待会で使った技か?」
ふっと誰かが僕とカミトの前にいた。
「元々お前を騙せない事を想定したぜ、エド」
うん、エド様は表面の虚像を騙されるわけがないのよね。何せ、魂を見える死の騎士だからね!
「なるほど、これはお前が俺がここにいる事にあまり驚いてないってわけか、さすがだな」
「一言もなしに外で一晩を過ごしてしまった事、えりなはきっと俺を責められるだろ」
カミトは僕を抱いているから、右手だけでやれやれってエド様に示した。
「そうかもしれんが、この宴会の必要性について、お前の副手だけではない、人生の伴侶でもあるえりなもきっとわかるはずだ」
「他人の妻の事をそう言う『なんてもわかってる』顔をするじゃねえ」
「これは失礼したな」
「とりあえず、俺は今帰るから、邪魔するなよ」
「我が女王に一言を言ったからも良いだろ?彼女はお前が選んだ我らレカーライヴズの女王だぞ」
「いや、それはいい。来るべき未来が来る時また会おう」
「それは伝言でよいのか?」
「勝手にしろ」
そしてカミトは僕を抱きながら、あっという間に龍剣式を登って、コックピットに入った。
「待たせてすまん、アリス、今すぐ起動の準備を」
え?アリス!?
「ふわーおはよう」
女神様なんてこんなところに!?そしてその欠伸は大き過ぎない?
「確かに私は聖魔の女神の分霊であるが、その前に私はカミトの支援AIだからね。私がいないと、カミトはPAWSを操縦する事はできないわよ」
あ、確かにそうですね。
「アリス、準備ができたらすぐ緊急上昇だ!」
「せめて彼らにさよならを言ってからと思うよ」
アリスの指が指した方向に、エド様だけではなく、ファランディナ様、ロディヴァン様、そしてギルガレッシュ様とルードもこっちを見ている。
うん、PAWSの起動騒音を聞いたら、起きないわけがないよね!
「やっぱり『シノビ』でくるべきだったのか……」
シノビ?何あれ?
「調整中の機体を使うのも他の問題になるだろ?」
女神様はカミトに指摘したから、僕に向かった。
「『忍』は、剣聖型や銃神型装備と同じ、潜入作戦特化の月光剣用の追加装備だよ。でも今は熾炎天使に先行テストをするだけ、実戦にはまた時間がかかりそうだよ」
だとしたら、それは機密機体なんだよね、僕に教えるのは大丈夫か?
「お前はその機密を売るつもりはあるか?」
いや、それはないけど……
「なら大丈夫だ。それにお前の知り合いも殆どうちの奴だからな」
あ、確かにそうだよね。
適当な高度まで上昇したから、カミトは母艦クーフーリンの方向に龍剣式の動力を全開した。
瞬間、強大な圧力を感じた。
うわわわわ!
やっぱり早いね!龍剣式は!
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「行ってしまいましたね」
ファランディナは龍剣式の飛行機雲を見て呟いた。
「ああ、あっという間に見えなくなったとはな、あれは龍剣式の速度か」
ロディヴァンは実際見たの龍剣式の速度に少し雀躍しているようだ。
「あすかろん?」
ルードの頭は傾いてロディヴァンに質問した。
「あの鳥のような魔像の名前だ。戦闘能力は貫雷魔剣や雷光剣に劣れているけど、飛行速度は最高だと聞いた」
「なんてロディヴァンの小僧はそこまで詳しく知ってるのか?」
「俺とファランディナは我が国皇陛下の勅命によって、彼ら光神信使と深い交流があったからだ」
「なるほど」
「既にわかっていると思うが、一応ここでお前たちを注意しよう。彼らから習いだ科技、特に兵器相関の使用は極めて慎重したまえ」
「わかっています、ギルガレッシュ様」
ギルガレッシュの警告に、ファランディナは頭を深く低くした。
「俺も見ている、やり過ぎないようにさせるから」
「小僧、今言った言葉はちゃんと守るぞ」
「大丈夫さ、ルードの爺さん、俺もこいつらを監視するからだ」
「なるほど、エドの小僧がそう言ったら大丈夫だな」
「何この差別!?俺の事を信じれんと言うのか⁉︎」
ロディヴァンはルードの態度で頭にきたそうだ。
「お前も魔法使いだからな」
しかしルードは当たり前の顔でロディヴァンに答えた。
「確かに、初代血痕騎士もあの伝説の大魔法使いクロッド=パチラだったな。そう言えば、俺が使った氷の死息もあいつの傑作だったそうだな」
そしてエドの言葉はさらにロディヴァンに怒られた。
「おい、俺とあいつを比べるな、これでもちゃんと常識を持てるぞ!」
「だがお前の嫁はどうかな?」
ルードの視線はファランディナに向いて、疑いの目をしてロディヴァンに質問した。
「俺は頑張り見張りをするから、もう少し俺たちを信じてくれよ!」
どうやらロディヴァンもファランディナの事を心配しているようだ。
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レカーライヴズ王宮
「そうか、こっちに一言もなくて離れたか」
「私は彼に忠告をしましたが、申し訳ありません」
謁見室で、エドはリリズにカミトの事を報告している。
「否、これも彼なりの我々に対しての関心だと考えられる」
しばらく振り、今のリリズは女王の口調に慣れているようだ。
「それはどう言う事でしょうか?」
エドは恭しいの態度をしているが、リリズはわかっている、これは導師からの質問だ。
「彼は導師と同じこの世界の救世主にして、私の姉の夫でもある故、もし我が国にいらしゃったら、きっと王室が全力おもてなしをするだろ」
「それは当然だと考えますが」
「だから我々の仕事をこれ以上増やしたくないカミト兄さんは静かに離れようとした」
「確かに王家にかかったら大事件になりますが、彼は我がレカーライヴズの王弓騎士団の団長でもある故、これからの事について相談は必要だとは私の愚考です」
愚考?本気でその話をするのか?導師様。
「本気も何も、既に陛下もご存知だと思います、その来るべき未来と言う事を」
リリズは言葉を口にしてないのに、エドは答えた。
「もちろんだ。だからこそカミト兄さんを最大限に利用しないと」
「と言うと?」
「カミト兄さんが達成した試煉の内容を見た者たちには王弓の団長を務めるのか?」
「なるほど。ですがどうするおつもりですか?」
「レカーライヴズ女王の権限を持って、カミト=アカギを我がレカーライヴズ王弓騎士団永世団長にさせたい」
「陛下のお考え、伺ってもよろしいでしょうか?」
正直、今のリリズはまだエドの敬語を慣れなくて、エドの敬語を聞く度に、リリズは鳥肌が立ている。
しばらく前に、エドはリリズにとってはお爺様だけではない、このレカーライヴズ王家を導くの導師でもあるから、王家の子には常に厳しい態度を取っていた。
この国の未来を確保するために、王位を継承するのはリリズだと確定したから、エドは昔ライドに施した教育をリリズに短時間内で叩き込んだ。
(ライド兄様が家出したのはきっとあの魔族の姉さんだけではなく、導師様の教育も理由の一つだろ。やっぱり最初からライナーにこの位置を譲るべきだった)
「陛下、変なお考えをしてないんですよね」
普通の人間にとって、エドの一番厄介な事は、その魂を直接見える死の騎士の能力だ。その能力がある限り、エドにだますことは不可能に等しい。
「今のカミト兄さんは我が国の王弓騎士団団長だから、我が国の事務を指摘できる立場を持っている。ここで一旦離れたから解職したら、次にやった時はまた同じ事を繰り返すって面倒くさいから、ここで永世団長をさせたら、何百年後でも我が国も救世主の守護を貰えられる」
「しかし彼は普通の人間、そんなに長生きできないかと」
「導師様、嘘は良くないよ。今のカミト兄さんは導師と同じ、不老不死の存在になっているよね」
「陛下、その件について、私はまだ教えてないのはずですが……」
えっと、それは女王が知るべき事だよね?リリズは心の中でエドをツッコミをした。
「推論だよ。あんな凄い力を身に付いたカミト兄さんは一般人のままなわけがないでしょう」
「なるほど、さすがです」
あの日はほぼ全ての人があの光を見たから、それを使った者はどうやっても普通に考えられないだろ。
「ではこれから王命を出す。現王弓騎士団団長カミト=アカギを永世団長を命じる!」
リリズは文官を呼んできて、命令を出した。
「お前たちも意見がないだろ?」
「はい!陛下のご明断に感服していたします」
王弓の騎士たちはリリズに跪いて敬礼した。シンがカミトに追加した試煉内容は王弓騎士たちに超えられない壁を建てた、建ててしまった。
文官が書いた命令状をリリズに確認を取った後、すぐ国民を宣告しに行った。国民に宣告した事になったら、それは正式な命令になった。
「陛下、私も陛下のご決断に感服しています」
先代王弓騎士団長ドゥバンもリリズに跪いて敬礼した。王弓騎士団長を辞退したが、さすがにその経験を放置できないから、リリズはドゥバンを王室顧問に任命した。
「エド様がいるから、私は要らないと考えますが……」
リリズはエドは王室の親族でもあるからとドゥバンに説明したから、ようやく納得させられた。
「私も年を取ったのにな……」
そう言いしつつ、ドゥバンの顔色はとても元気になったと見える。
王族の住所
「何故陛下はそのようなお考えを考え付いたんですか?」
王族の私室に戻ったリリズに声を掛けてきたのは、リリズの双子の兄のライナーであった。
「ここでは敬語がメって言ったのに……まぁ、別にそれほど深い考えではないぞ、カノンのサンタルシア大公爵がした事を真似しただけよ」
「真似、ですか?」
「ほら、ファランディナ様は月の聖女軍団長のシンに男爵位を与えたじゃない?」
「確かに帝国の貴族は男爵位から世襲できると聞いてます」
「しかしカミト兄さんはオリヒメお姉様の夫である時点で、彼は我ら王族の一員になっている、故に爵位を与えられない」
王族が爵位を持てる国もあるが、少なくともこのレカーライヴズ王国にはそれを禁止されている。
「そしてちょうどカミトお兄様はあのような試煉を容易い乗り越えたので、今の王弓騎士たちは誰も騎士団長になりたいと言い出せない状態になっているこの状況、誰も陛下の決定を反対しないだろ」
ライナーの推論に、リリズは満足に頷いた。
「あの、もしかして、これも我が国はずっと救世主が守っているの意味も含めているのではないでしょうか?」
リリズとライナーにお茶を持って来たリゼシアは二人の話を続いた。
「あ、すみません、勝手な発言をしてしまいました」
「大丈夫よ、姉さん、せめてここで普通の家族のようにいてほしい」
「そうだぞ、リゼシア、私たちは家族だから」
「わかりました、あ、違った、わかった」
いつものように返事したリゼシアはリリズに睨まれたから急いで言い方を変えた。
「まあ、それより、お前たちもそろそろ子ができている時だろ?」
「リリズ!?」
リリズ突然の質問、ライナーは驚いた。
「当然でしょう?引退したお母様たちを除いたら、今この国にいる王族は私たち三人しかいないのよ」
全くもってリリズの言う通りだから、ライナーとリゼシアは恥ずかしく手で自分の顔を隠した。
「この様子だと……頑張ってくださいね」
「それより、王配の人選は?」
ライナーはリリズに反問した。
「そんな奴はねえよ。だからお前たちの子を期待しているのよ」
「それは良くねえぞ」
「とりあえずこれは女王命令だ!早く私の姪を作りなさい!」
「おいおい!家族にそんな命令を出す奴がいるのかよ!?」
「私も、子供は神からの贈り物だと思うから……」
「うるさい!リジルザックス様を見習いなさい!」
「いや、そんな奇跡のような事を俺に言われても……」
少し喧嘩になっているのようだが、これはリリズは女王の身分を少し放置できる大事な時間。
使用人たちは静かに三人の晩御飯を持って来たから、三人はさっきの話をやめて、姉に訓練された王宮料理人が作った料理を楽しんだ。




