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カミトの憂鬱

「……」


「教官、本当に申し訳ありません!」


「総隊長、本当に申し訳ありません」




みんなさん、こんにちは、ヴィクです。


今ロックオンと国光はカミトの執務室でカミトに今回の事を詳しく報告している。


この二人の後ろで心配しそうな目で見守っているのは、斎香と彩子だ。


ロサナさんとマドナさんもこの部屋に入りたかったが、さすがにここはカミトの執務室だから、カミトの許可なしで入る事はできない。


もちろん外で待機している彼女たちには監視役が付いているが、誰かのは知らない。


そしてロックオンと国光の報告を聞いたカミトは両手を頭を抱いている。


「レカーライヴズの姫と白龍族の姫を娶った俺はお前たちに文句を言う資格はない、あの二人の世話をちゃんとすれば、俺は言う事がない」


しばらくの沈黙の後、カミトはゆっくり語った。


おそらくロサナさんはカノン帝国の貴族で、マドナさんは人間ではない精霊(エルフ)だから、カミトは特別織姫の身分とリジルザックスさんの種族を強調している。


「「はい!」」


カミトの話もロサナさんとマドナさんに許可を出したと見られるから、ロックオンたち四人はほっとした。


「だが、まさかギルガレッシュ様の配下と衝突したとは……異種と大型走竜を撃滅したのはいい手柄が、俺の仕事をこれ以上増やせないてくれ」


カミトの机には大量の文書が散らしている。詳しい内容は知ってないけど、どうやら凛とマーヴェレヴェス様への報告書のようだ。


「とりあえず、俺はちょっと出掛けする」


「総、総隊長、何処へ?」


カミトの話とすぐ立ち上がった行動を見たから、国光は恐れながらカミトに伺った。まあ、衝突の張本人だからね。


「もちろんギルガレッシュ様のところだ」


「えええええ⁉︎」


ロックオンと国光はカミトの返事に驚きの声を上げた。


「えりな、しばらくの間、船は任せる」


「わかったわ。でもそろそろ離脱の準備ができているから、早く帰って来てね」


「わかったわよ」


そしてカミトはえりなの額を軽くキスした。あの、夫婦には普通の行為だが、今は職務中だよね!


僕のツッコミは誰も気づかず空に消えた。


「シン、ヴィクはちょっと貸してくれ」


えええええええ⁉︎


『どう言うつもりか』


「精神のリラックス」


『……ヴィク、悪いが、もう少しカミトと一緒にいてやれ』


うん、今カミトの顔を見れば、僕も心配になっている。


「今回は仕方ないからね」


久しぶりのトリーは僕を睨んだ。僕は何かを言い出す前に、カミトに抱き上がった。


シンの許可を貰ったから、僕はカミトに連れられて、龍剣式(アスカロン)のコクピットに入った。えっと、貫雷魔剣や月光剣を乗らないのは大丈夫か?


「こちらに非がある状況でさすがにそんな攻撃性ばっかりの機体で行くのは遠慮すべきだろ」


あ、それもそうだよね。


「それにあの両機はお前を乗らないぞ」


なるほど、おそらくこれは本当の理由だね。


さすが飛行機に変形できるPAWSだね。月光剣と貫雷魔剣も飛べるけど、飛行速度は龍剣式が圧倒的に上だ。


それにしても、ずっとダイヴ式の操縦をしていたから、てっきり伝統な操作はカミトに不向きだと思ったけど、そんなことはない、今のカミトはテレビで見たことがある特技飛行をしている。


つまり……


うわわわわわ!怖い!


コックピットの中にいるから、風を感じるはずがないのに、今強烈な機体運動は僕に少し吐きそうにさせられている。


「悪い悪い、少し気分転換のつもりだっただけ」


僕の悲鳴が聞こえたから、カミトは正常な飛行になった。だが速度は依然落ちていない。


『誰?侵入者か?』


そろそろ精霊の領地に到着するの時、誰かの声は直接僕の頭の中に入って来た。


そしてこの声は何処かで……


「お前はあのルード=ギアトか?俺は光神信使(ルーズブリュナーク)の総隊長、カミト=アカギだ。ギルガレッシュ様に降下の許可を求める」


『……⁉︎』


まさかカミトが自らやって来たとは思わなかっただろ?ルードは唖然の表情になっている気がする。


『カミトか。既に場所を空いた、降下するが良い』


あ、今回はギルガレッシュ様の声が頭に入って来た!


「了解、サンキュー」


あの、サンキューの意味、彼らが理解できる?


降下のために、カミトは速度を落ちた。そのまま地面を滑り込むと思ったら、まさかVTOLで垂直降下なんて……発進の時は普通の飛行機と同じ加速度をしたのに!


龍剣式(アスカロン)が征く目的地は常に通常降下できるはずがないだろ。そしてもちろん垂直上昇もできるが、カタパルトでの発進はより早く速度を得られるだろ」


そして龍剣式(アスカロン)にとって、発進速度は一番重要だよね!


「そう言う事だ」


僕の答えを聞いたカミトは満足の微笑んで僕を撫でてくれた。


「ギルガレッシュ様、予約なし勝手に来た事はお許しください」


カミトは僕を連れて龍剣式(アスカロン)から降りた時、当然のように精霊(エルフ)たちに包囲された。そして精霊たちの先頭には、ギルガレッシュ様とルード=ギアトが立っている。


「君がどうしてここに来た、私はなんとなく考え付いたが、まずは君の説明を聞かせてもらおう」


「はい。我が部隊の小隊長であるロックオン=スタウダマイヤと国光=龍宝寺はギルガレッシュ様の群に迷惑をかけてしまって、申し訳ありません」


カミトはギルガレッシュ様に向けて、頭を深く低くした。


「頭を上げよ、カミト君」


ギルガレッシュ様はカミトの肩を軽く叩いて、優しい口調で言った。


「ギルガレッシュ様……」


「君は一部隊の長だろ?こうやって容易い他人に頭を下げるのはいかんぞ」


「衝突の件の非はこっちにある、それに俺たちはもうすぐこのザッドから離れるから、来るべき未来の為に、俺の面子なんてはいらん」


「なるほど、さすが救世主と言うのか?てっきりお前は部下を庇おうのために来たと思ったが」


ギルガレッシュ様の隣で僕とカミトを監視してるルードは声を掛けてくれた。


「揉める事になりたくないからな」


カミトはやれやれで肩を竦めた。


精霊族(われわれ)の役目を代わって尽くしたそなたの謝りは受けよう。この世界はまた何かがあったら、どうか見捨てないようお願いする」


ギルガレッシュ様の代わりに、長老の一人がカミトの謝りを受けた、それを聞いた周りにいる精霊(エルフ)たちは歓声を上げた。


「では俺たちはこれで」


やるべきことはできたから、カミトは僕を抱き上げて離れそうとしたが、ルードに止められた。


「これもあの方の意思だ。せっかく救世主本人がいらっしゃるのに、おもてなしをしないのは無礼になるだろ」


「いや、そう大袈裟しなくても……」


「救世主様!」


「救世主様、こちらへどうぞ」


今回の事件とあまり関わっていないのに、カミトは想像以上歓迎されている。


「俺と同じこの世界の救世主だからな」


え?この声は……⁉︎


「その通りだ。俺も帝国まで招待したいが、どうやら時間が間に合ってないようだ」


えええええ⁉︎どうしてエド様とロディヴァン様はここに……⁉︎


「カーナさんからあなたたちは帰還の準備ができていると聞きましたから、急いでナガトさんと連絡を取って、アカギ殿が自らここにいらっしゃると聞きましたから、転移の魔法でやってきました」


「ギルガレッシュ様、我らが無断この領域を踏み入れる事、どうかお許しを」


ファランディナ様が僕たちに説明してくれた後、ギルガレッシュ様に頭を低くして謝った。


「よい、むしろそなたたちのお陰で、今のカミト君もしばらく帰られなくなったな」


そしてギルガレッシュ様は大笑いしながら、あっさりファランディナ様を許した。


「ギルガレッシュ様はそう仰ったから、お前はこっちに来いよ」


多分うちの母艦に長時間で滞在したから、ロディヴァン様はあまりカミトに遠慮してない、そのまま宴会の方向に連れて行った。


「ルードの爺さん、お久しぶりです」


「エドよ、今お前の名もこの世界に於いて、知らず奴はいない。まさかあの時の小僧はこの世界の救世主になったとはな。まあ、最初にニンザスに叛意を起こしたのはわしだったが」


「はい、ルードの爺さんのお陰で、俺もシンインとメインの事を思い出せた。女皇陛下をニンザスに売った事は依然後悔しているけど」


「あの時のお前は死化のせいで死の騎士になったばっかりだったから仕方ないだろ。わしとロディヴァンの小僧も誰かを犠牲したからようやくニンザスの信頼を貰えたからな」


「それは初耳だぞ、ルードの爺さん」


「別にそんな事をお前に教える義理はないだろ」


「確かにそうだったな」


えっと、ここはギルガレッシュ様の領地だから問題がないと思うけど、邪神ニンザスの三騎士がここに集まった事は不味くない?別にエド様を疑うつもりじゃないけど。


「大丈夫さ、ヴィク君。ニンザスは敗れた最大の原因はなんだと思う?」


おそらく僕の考えはギルガレッシュ様に気付かれたから、ギルガレッシュ様は僕に質問してくれた。


えっと、エド様が神剣を持っているから?


「それはあくまで表向きの原因に過ぎぬ。一番最大の原因は、ニンザスは人の心を見下げすぎた。だからエドたちが持つ『心』を見なかった、いや、あれは彼にとって眩しすぎる光だったこそ、彼は自分の目を塞いで、見ないようとした」


つまり今あの三人を心配する必要がないかと?


「そう言う事だ。ヴィク君、君のために用意した料理が運んで来たそうで、君も宴会を楽しもうがよい」


わいー!





精霊(エルフ)族の料理は人間には不向きと聞きましたが、これは美味しいではありませんか!そしてこの酒も、果物から作ったものなの?なんと言う飲みやすい!ほら、アカギ殿もほら!」


「おい、ロディヴァン、お前の妻は酒を飲んだら性格が変わる奴だったのか⁉︎」


「いや、ファランディナのこんな顔、俺も初めて見たぞ」


「ははは!ロディヴァンの小僧、お前の嫁だから、ちゃんと世話をするぞ!」


「それは言うまでもねえよ、ルードのおじさん!」


「って、お前がアースに帰還するの予定はいつ?」


既に飲み始めたルードとロディヴァン様と違って、エド様も精霊たちから酒を貰ったが、しっかりカミトに帰還の件を確認している。


「本来はギルガレッシュ様に謝って、揉める事になってないを確認できた後すぐこの星から離脱するつまりだったが……」


「さすがにそれは無情すぎるだろ、それにお前も我がレカーライヴズの王弓騎士団団長だから、リリズもきっとお前のために宴会を開催するだろ」


「そう言う場合は慣れないから俺は静かに離れるつもりだ」


「救世主アカギ殿〜我が国にもおもてなしさせてくれよ〜」


「えっと、何かを言いたいのはわかるから、そんな目で俺を見るな」


精霊たちの酒を飲んだらすぐ酔ったファランディナ様と違って、ロディヴァン様はまた大丈夫のようだ。


「ロディヴァンの小僧はよく飲むからだのう。血痕騎士だった時、有名な酒を集める事は好みだった、特に血の色のような酒をな」


ルード様、余計な情報ありがとう。


「ルードのおじさんもよく緑色の酒を飲んでいたじゃない!」


あの、こんな子供っぽい言い方はやめてほしい。そして緑色の酒は一体どうやって作ったの⁉︎


「全くその通りだ」


エド様、エド様、なんて他人事の顔をしている?これ以上飲まないように阻止しないと!


「死の騎士は一向他人と関わらないから」


今更そんな説明をするのも困るのよ!それにエド様、あなたの頬も赤くなっているようで、まさかエド様も酔ったの!?


「……」


カミト⁉︎カミト、おい!カミト!返事しろよ!まさか精霊族のみんなに酒を勧められ過ぎて倒れちゃったの⁉︎こんなところで僕を一人にしないてくれよ!





================


カミトとヴィクが出かける前



「すみません、桜さん。結局私までここに来ました」


「これからは同じ星の民だから、よろしくね」


カミトがロックオンと国光の報告を聞く時、執務室の外で待っているロサナとマドナの監視役は桜であった。


「ヴィクに頼んだが、まあ、元々期待できそうにないからね。それに斎香ちゃんも言ってくれた、ロックオンはお父さんの弟子って」


「私の事を受け入れくれて、ありがとうございます」


「ロックオンは私の兄と言える奴だから、これからは家族になるから、敬語を使わなくてもいいよ」


「はい……はい!」


多分最も自分を反対する可能性が有った桜までこうやって受け入れたから、今回ロサナの頬に流れた涙は喜ぶの涙であった。


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