涙の意味
「うう、うううう……」
「よしよし、辛いだよね。ここで思いっきり泣いていいよ」
マドナさんはこんなキャラだっけ?さすが年長者と言うべきか?
実は、これはさっき知ったことだ。まさかマドナさんはもう八十歳なんて……
「精霊は三百年以上生きられるから、八十歳はまだまだ若いの方だよ」
これはマドナさんの説明であった。
みんなさん、こんにちは、ヴィクです。
僕たちがロサナさんの部屋から出て来て、マドナさんに貸した部屋に到着した。
途中、目覚めた使用人たちと出会ったから、ロックオンは先に使用人たちに状況の説明と謝るをしに行った。どうやらロックオンや国光も使用人たちを目標から外れたから、傷者はいるが死者はない。だから使用人たちはロックオンに文句があるけど、怨みはない。仕えた領主はあんな悪い奴って事も使用人たちに相当なプレジャーを与えたから、今誰も解放された楽な顔になっている。
ロサナさんも罪深い父親の代わって使用人たちに謝った。使用人たちにこの屋敷を売ったら全ての金を使用人たちに分けて退職金になる保証をしたから、使用人たちもあっさりロサナさんを許した。
そして今ロサナさんはマドナさんの胸を借りて思いっきり泣いている。
「また泣いてるのか?まあ、使用人たちに説明して理解してもらった、後で簡単な料理と飲み物を運んでくるように頼んだから、それなら少しでも元気になるだろ」
いつのまにか帰ってきたロックオンはデリカシーがあるかどうかわからない発言をした。
「お前自ら用意するじゃないと意味がないだろ!」
そしてマドナさんはロックオンに責めるような言葉を送った。えっと、これは僕の理解を超えた。
「どう言う意味のかよ!」
さっぱり分からんの顔をして、ロックオンはマドナさんに反問した。
「そのままの意味だよ!この鈍感な奴!」
「え⁉︎」
いきなりそんな言葉に責められたら、誰でも困るだろ。
「ロサナさん、私です。入ってもよろしいでしょうか?」
軽くの扉が叩かれた音の後、女性の声が伝われて来た。そしてその声を聞いたロサナさんはすぐ立ち上がって、扉の方向に向かって、姿勢正しく立っている。
「これはどう言う事?」
いや、マドナさん、あなたが僕に聞かれても……
「あ、あの、はい!どうぞ」
扉はまだ開いていないのに、ロサナさんは依然頭を低くして敬礼をした。
「ロサナさん、私は今すぐあなたを慰めたいですが、それより重要な事を伝えなければなりません」
なるほど、ファランディナ様だったか。ファランディナ様なら、ロサナさんのそう言う態度も納得できる。今ファランディナ様は何か大事な事を伝えてくれそうだから、とても真剣な顔をしている。
「はい」
「あなたの父親と兄、ただいま処刑しました。貴族の面子とあなたの誇りを守るために、今回は私刑で解決します」
「はい……」
あんな事があったけど、それでも家族だったから、今ロサナさんの落ち込んだ顔、僕にはそうやって理解している。
「あなたは誰?」
おおおおい!マドナさん⁉︎
「これは失礼しました。私はファランディナ=サンタルシア、カノン帝国の大公爵です」
「し、失礼しました!」
ファランディナ様の自己紹介を聞いたマドナさん、ざっと頭を低くして敬礼した。
人間の社会と関わっていなかったとは言え、ファランディナ様もあの邪神ニンザスを倒した英雄の一人だから、それを無視できるわけがないよね。
「そこまで大人しくお前は初めて見たぞ」
そしてロックオンはマドナさんの行為をツッコミした。
「大丈夫ですよ。マドナさんはカノンの民ではありませんから、無理に私を敬拝する必要がありません」
「ところで大公爵様よ、何故こっちに来た?」
「ロックオン!」
どうやらロサナさんはロックオンの態度に不満がありそうだ。
「それほど大きな声が出せるようになった、どうやら心配は不要だったな」
「スタウダマイヤ殿、我が部下への心遣い、感謝します」
え⁉︎つまりさっきロックオンはわざと⁉︎
「そいつがそんな顔に似合わないだけだ」
桜、すみません、どうやら僕はロックオンを阻止できそうにないのようだ。
「ではスタウダマイヤ殿、ロサナをもらっていただけませんか?」
「ファ、ファランディナ様⁉︎」
ロサナさんだけではなく、僕もファランディナ様の話に驚かせられた。
「それはどう言う意味のかよ⁉︎」
さすがのロックオンもすぐ反応できないようだ。
「そのままの意味ですよ」
事情の発展は早すぎて、僕の理解はちょっと追いかけられない。
「ファランディナ様、それは一体……?」
「ロサナさん、原因はともあれ、領地貴族のブリギット家はただいま消滅しました。残っているのは、軍制貴族のブリギット家、つまりあなただけです」
「はい……」
ファランディナ様はゆっくりと説明をしている。
「それなら、あなたは結婚して、後代を生まれなければなりません」
「はい、心の準備はできています」
「しかし、民に公表する事はしませんが、他の貴族にこの件を知らせるつもりです」
ファランディナ様⁉︎
「はい、それは他の貴族への見せしめになります」
ロサナさんの顔は再び暗くなった。
「つまり軍制貴族のブリギット家と関わりたい貴族はいなくなります」
え?なんてそうなる?
「厄介者と思われるからだろ」
「その通りです」
ファランディナ様はロックオンに同意の言葉を送った。
「人間は本当にバカばっかりだよね、こんないい女を放置するなんて」
「長生きかつ調和の精霊から見れば、私たち人間は愚かな者ばっかりでしょう」
「大公爵様は謙遜だね。だからあなたはロサナっちをロックオンに送りたいだろ。せめて好きな相手と一緒にいられるってね」
ええええ⁉︎
マドナさんの話を聞いた瞬間、ロサナさんの顔は瞬間赤くなって来た。
「マ、マドナさん⁉︎」
「大公爵様も言っただろ?あたしたち精霊は調和の種族だから、他人の気持ちはある程度感じ取れるよ。言ってなかった?」
「言ってねえよ!」
今回はロックオンが大声でマドナさんにツッコミした。
「スタウダマイヤ殿、あなたが聞いた通り、ロサナを受け入れてもらえますか?」
「ファランディナ様はこっちの状況を知ってるくせに」
あ、そうだよね!そう言えば、この前国皇陛下がクーフーリンに行った時、ファランディナ様もいた。
「だからこそです」
「わけがわからん」
「では連れてくる方がいいですか?」
「え?」
ロックオンはまた反応できない時、ファランディナ様は既に姿が消えた。
それを見たロックオン今は頭を抱いている。まあ、そうなるよね。多分予想通りのあの人が来るから、ロックオンが困るのも当然だろ。
「お母様!え?いない?」
突然、ロティマス様が入って来た。あの、確かにロックオンがいるけど、ここも一応女の子がいる部屋だから、扉を叩く必要があると思う。
「え⁉︎先輩、ファランディナ様はクーフーリンへ行ったって⁉︎」
「ああ、そのようだ」
ロックオンの話を聞いた国光も頭を抱くになった。
「やっぱりまた何かをあたしたちに黙っているよね」
それを見たマドナさんは指でクニミツの頬を弄っている。
それを見た僕でもヤバく感じられる。
そして僕の予感が現実になった。
「他人の夫から手を引いてくれる?」
一人が国光をマドナさんから引き取られた。
「やっぱりこうなったよね」
そしてもう一人はやっぱりの顔でロックオンに声をかけた。
「ファランディナ、うちの子はすみませんね」
この三人目の声は……!
「謝るの方はこちらですよ、えりなさん」
まさかえりなまで連れて来たのか⁉︎
「ええええ⁉︎誰⁉︎」
なんとなく気付いているマドナさんと違ってが、ロサナさんは本気で驚いた。
「初めまして、光神信使の副総隊長を担当しているのエリナ=ナガトです。こちらのは私たちの隊員の斎香=フィール=イスカンダルと、彩子=龍宝寺です」
えりなは自己紹介だけではなく、他の二人も紹介した。
「なるほど、あの時はあなたと会話していたのか。それにしても、まさかクニミツは妻持ちか。まあ、あたしは気にしないから大丈夫だよ」
「私が気にしてるのよ!」
どうやら彩子とマドナの争いはすぐ終われるはずがなさそうだ。
「あなたはロサナさんですよね。私は斎香=フィール=イスカンダル、ロックオン=スタウダマイヤとは婚約者の関係です」
「はい、ロサナ=ブリギットです」
気分がちょっと緊張のようだ彩子とマドナに違って、こっちの斎香とロサナの気分はまた平和のように見えるけど、斎香の後ろとロサナさんの後ろは全く違うオーラが見えている気がする。
「え、えりなさん、総隊長は?」
「この件の権限は私にある。文句があるならささっと自分の気持ちを整理しなさい」
「はい……」
さすがのロックオンはえりなの前でも大人しくなっている。さすがです、えりな。
「私たちが持つAIは常時所有者の挙動を記録している機能があります。あなたの事について、私はもうロックオンのAIから知っています」
しばらくお互いを見た後、斎香はゆっくり説明を始めた。
「って事はあなたもあたしの事を知ってただろ?」
「ああ、そうよ!それより、さっさと国光から離れろよ!」
それを聞いたマドナさんは彩子に声を掛けたが、彩子は依然緩かないの態度をしている。
「……」
二人が争っているのに、国光はただトラコを抱いて、すっごく悩んでる顔をしている。うん、その顔僕は知っている。シンがクロエと理江が争う時もそんな顔をしてた。
「えりなさん、ご無沙汰しております」
「公子閣下も元気そうで何よりです」
「えっと、この状況はどう収めます?」
「本人たちが結論を出るまで、見守るしかないんですよ」
「それは気長い待つしか無さそうですな……」
「えりなさん、これは少々無責任ですが、私はまた他の要事がありますので、しばらくこの場を任せてもよろしいでしょうか?」
「元々うちの隊員の問題ですから、安心して私に任せて、そのために私が来たのですから」
「それはありがたいお言葉です。では私はお先に失礼します」
そしていつものように、ファランディナ様の姿が消えた。
「……結局、俺がお母様に相談したい事は言えなかった……」
「国策に関しては無理ですが、他の問題でしたら、私でよかったら聞いてあげましょうか?」
さすが桜を育てたと言うべきかな?今のえりなはとても母親の雰囲気が流れてきた。
「はい。実は、今まで俺がずっとお母様や親父からの試煉を通って来たけど、もし俺は大公爵に続いた時、俺の息子にもこうしなければならないのかって悩んでる。自慢ではないが、最強の魔法使いの二人の血を持つ俺ならともかく、俺の子供が同じ試煉を乗り越えられる事、正直想像できない」
「それはあなただから、ファランディナ様がこのような試煉を考えたのですよ」
「え?」
「私たちアースとある国、とある『至聖先師』と呼ばれている教育家が『因材施教』と言う言葉を残っています。それは、学生の能力に合わせて、相応の教育を施すの意味ですよ」
「と言うと?」
「公子閣下が大公爵に継承した時、自分のやり方でいいと思いますよ」
アースでは当然な話だが、このザッドには珍しい考えのようだ。ロティマス様はえりなの話に驚く、釈然した表情になった。
「ありがとう!えりなさん!」
「お役に立てれば幸いです」
おそらく今ロティマス様が一番尊敬するアース人はえりなだろ。
「ロックオン、私の事を除いて、あなたはいつも鈍感だから、今回は私があなたの代わって決定しよう」
「斎香……」
「ロサナさん、私に答えてください。この男に対して、あなたはどう思う」
斎香はロックオンを指して、ロサナさんに質問している。
「……これを見てください」
ロサナさんは自分の荷物から、とある物を持ち出して僕たちに見せてくれた。
「それは……!」
最初に声を上げたのはロックオンだ。それを聞いた斎香はロックオンを睨んだ。
そして僕たちが見たのは、熊のような生物のぬいぐるみ。へい〜ザッドでもこんな物があったのかって驚いた時、斎香は何かを察したのように嘆いた。
「ロックオン、あなたはまた格好付けたいやっちゃったのか?」
「……はい」
斎香の厳しい目線を耐えられず、ロックオンは思わず正座の姿をしている。
「ふふ」
え⁉︎これは笑う時なの⁉︎ロサナさん⁉︎
「すみません、いつも自信と強気な顔をしているロックオンはこんな顔もあるなんて、思わず笑ってしまった」
「なるほど。でもロサナさんは喜ぶと見えますよ」
「はい。斎香さんの考え通りに、この子はロックオンわざわざ私のためにとある遊戯を挑戦し、勝ち取ってくれた物です。これは私が初めて他人から贈り物をもらったから、それから私はお守りとしてずっと連れていました」
今ロサナさんの目から、深い愛恋を感じられる。
「ロックオン、あなたは今でも私の事を愛しているの?」
突然、斎香はロックオンに質問した。
「もちろんだ!」
ロックオンも考えずにすぐ答えた。その答えに対して、斎香は意味深いの微笑んで頷いた。
「私だけを愛してくれる?」
「……!」
今回ロックオンは少し迷ってすぐ答えられなかった。
「やっぱりね」
「斎香……!」
「わかってるよ。だってあなたはあの人の弟子、そして私はあの人の妻の弟子だから」
「斎香……」
「護りたい思いは奇跡を起こす、これは私たちが熾炎天使にいた時からずっと使っていた格言だから、守ってもらった側から見れば、あなたは紛れもなくの英雄だよ」
斎香はロサナさんを視線で撫でた。
「斎香さん、そんなことは……⁉︎」
ロサナさんは急いで弁解をしようとしたが、斎香の微笑みに中断された。
「大丈夫ですよ、だって私にとっても同じですから」
「え?」
「ロックオン、約束できる?」
「はい?」
「あなたはずっと私とロサナさんの英雄でいられるようにしてね」
「斎香さん……」
斎香⁉︎
「えりな教官、お見苦しいことを見せてしまって、ごめんなさい」
「私の方こそ謝るべきだよ。私が織姫とリジルザックスさんを受け入れたから、あなたに心苦しい決定をしてしまったのね」
「えりなさん!俺は決して斎香を泣かす事をさせないから!
ロックオンは強く宣言した。それを聞いたロサナさんは少し落ち込んだ。
「それは無理でしょう」
「えりなさん⁉︎」
ロックオンは疑いの目でえりなを見ている。もし他人だったら、ロックオンはきっとすぐ言葉を返しただろ。でも相手は彼の教官、カミトの妻だから、彼にとっては母親と同じだ。
「誰でも泣きたい時がある、悲しい時に限ってないよ」
えりなは優しい言葉をしながら、斎香とロサナさんの頭を撫でた。
「ロックオン、斎香とロサナさんはもう決めたそうで、あなたはどうする?」
「斎香、本当にお前はいいのか?」
「言ったでしょう?私はえりな教官と桜ちゃんのように、自分が自分の子供を育てたいから、もし家族が一人増えたら、それは助かりになるよ」
斎香の答えはロサナさんの想像を超えたそうで、ロサナさんは意外な顔になっている。
「もちろんそれだけではないよ、ロサナさん」
「え?」
「きっかけはともあれ、今あなたはロックオンと一緒にいたいでしょう?それぐらい私はわかってますよ」
「そ、それは……!」
斎香の優しい言葉、ロサナさんはもうこれ以上自分の心を隠せないようになった。ロサナさんの顔はさっきより赤くなった。
「斎香、俺は……!」
ロックオンはまた何かを言いたい時、斎香に指で唇を止められた。
「今のあなたはロサナさんを放置できるわけがないの、そうでしょう」
「それは……!」
「ロサナさん、ちゃんと自分の思いを伝えなさい」
斎香の命令は、今までなかったの強さがある。
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なるほど、これはロックオンが選んだ女ってわけか。
婚約までした者がいるのに、今日まで私に一言もなかったのはどうだろ?それを考えたら、少し切なくなった。だって、それは私に隠す事があるって事だよね。
そうか、これはやきもちと言う気持ちなのか?この世に生まれたから、初めてそう言う気持ちを理解した、理解してしまった。
元々違う世界に住む人だから、彼自身も彼の人生があるのも当然な事。だから恋人とか、婚約者がいる事も怪しくないのはずだ。
そんなはずだったのに……
なのに今私の頬を滑ったものはなに?
「ロサナさん、何か言いたいことがあるなら、今のうちに言ってね」
サイカさん……
これこそロックオンの正妻に相応しい人だね。私なら、きっと半分の時間は喧嘩ばっかりになるだろ。
しかしそれでも……!
「ロックオン、私を連れて行って」
「お前本気か⁉︎」
本気も何も、これは私精一杯の告白なのよ!
ロックオンは私の言葉を聞いたら、恐れながらサイカさんを見た。
そしてサイカさんは微笑んで頷いた。
「アースまで来るのか?」
「はい!」
私はロックオンの手を握った。
これからはまた喧嘩するだろ。しかし彼、いや、この二人と一緒なら、違う世界でも恐れない。
そうだろ?
思わず、私はロックオンと口づけをした。




