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未来のために

みんなさん、こんにちは、ヴィクです。


今僕はロックオンと一緒に、子爵の屋敷へ潜入作戦に向かっている。


最初から屋敷の中に留める方がいいじゃない?


「それなら、目標への監視は面倒になるだろ」


あ、そういう事か。確かに使用人ばっかりの屋敷にいたら、他人の視線を避ける難易度は一気に上昇するよね。


「そういう事だ」


僕の疑問が答えられた同時に、僕たちは衛兵たちに気づかれず、庭まで侵入できた。ロックオンは夜の色に溶けるような戦術服を着ているから、近距離にいる僕でも気付く難い。


でもここからは正念場だ。目の前にあるのは、あのレーザー警報魔法だ。これ、どうやって侵入するの?


「どんなきっかけでこんな魔法を作ったのは知らんが、原理が同じだったら、解除方法は簡単だ」


えっと、つまりどうするの?


「発生器を潰せばいい」


まさか僕がやろと言わないてよね⁉︎


「そんな必要はねえ」


ロックオンはスナイパーライフルを背中から手で持つようになった。


あ、まさか射撃でその発生器を破壊するの?騒音と光は大丈夫?


もし僕らが気づかれてしまったら、この行動は失敗になるよね!


「お前は俺をそんなバカに見えるのかよ?」


ロックオンはとある短い管状ものをスナイパーライフルの先端に組み込んだ。


それもまた映画で見たような気がする……


「これはサプレッサー、射撃の騒音と発射炎を抑える道具だ。射撃の精度に影響してしまうが、この距離なら俺にとっては問題になるわけがない」


ずっとカミトと桜を見ていたから、ロックオンもガーディアンスの中では有数な狙撃兵だって事をすっかり忘れてた。


「では準備ができたか?」


え?なんの事?


「警報システムが効かなくなった瞬間、少し時間が掛かったら奴らも気づかれてしまうになるだろが、それまでの時間は潜入の好機である。つまり俺がそれをやった瞬間、お前は俺と一緒に走らないとな」


なるほど、わかった。


僕は頷いた。


「では援護は頼む」


『了解』


国光の返事を得た瞬間、ロックオンは片膝で跪くの射撃姿に入った。


「GO!」


あの、三二一のカウントダウンは⁉︎


僕は聞きたいけど、ロックオンはお見事に一撃でその魔道具を仕留められた。


さすがだな。


「よし!ヴィク、ついて来い!D!あとはよろしく!」


あ、はい!


ロックオンは素早くスナイパーライフルを背負って走り出したから、僕も急いでついて行く。


「お、お前らは何処から……⁉︎」


ドアを開いた瞬間、そこにいる衛兵と遭遇してしまった。しかし彼が叫びたい同時に、顎から血がたくさん噴き出す、床に倒れた。


なるほど、国光の援護射撃か。どうやら国光もそのサプレッサーとやらを使ったから、銃の声と光は全くない。


「こっちだ」


ロックオンは先導して走り続いている。屋敷の中に入ったら、国光の援護は期待できなくなった。


「……」


前は使用人一人が僕たちに背を見せている。どうしようと思ったら、ロックオンは短刀の柄で気絶させた。よかった、皆殺しではない。


「もう少しだ!」


ああ!


ロティマス様が命じた検査によって、ロックオンたちはこの屋敷の状況を完全に把握している、もちろん僕も。


この廊下の先は、確かに……!


======================


「お前なんかは要らん!子供だけでいい!そしてその子にお前の爵位を継承する!これで俺は安泰だ!」


「兄さん……!やめて……!」


「うるさい!さっさとやらせろ!」


「しょ、正気ですか⁉︎兄さん!」


「ハーハハハハハハ!」


「兄さん!」


「た、助けて!」


「どう叫んでも誰も来ないぞ!お前の部屋は魔法で消音処理をしたからだ、ワハハハハ!」


まさかそこまでしたなんて、兄さんの狂気、私はもう理解できない。


それでも私は依然救援を求めに叫んでいる。でもそれは兄さんの言う通りで誰も返事してくれない。


まさか私の運命はここまでなのか?


そんな……


お願い、助けて、誰か……


お願い、ロック……




パン!


突然の騒音は私を現実に引き戻った。


「なに⁉︎」


兄さんも驚いたようだ。私は兄さんの視線の先に見た、そこにいるのは仮面を被って、黒い服を着ている人。


「よ、いい夢をしたか?まあ、これからお前に送るのは悪夢だけが」


ワン!


こ、この声は……!そしてその狼と似ている生物は……ヴィク⁉︎


「てめは誰か、この俺様の邪魔をしやがって!」


兄さんはあの人に質問したけど、あの人は返事するつもりがないようで、手に持つ物で兄さんを狙っている。それは……!


パン!


「うわ!」


兄さんの右肩から大量の血が吹き飛んできたから、私の寝台と床を赤色を染まってしまった。


そして体を支える力を失った兄さんはそのまま私に倒れそうになっている時。


ワーン!


ヴィクの吠えで兄さんを壁に撃ち飛ばした。


「大丈夫か?」


その人は私を接近して、仮面を取り下げた。


ロックオン⁉︎まさか私の願いは神様に聞かれたの……!


「ああ、俺だ。俺はそいつを締める時、服を直してな。ヴィク、ドアの警戒はよろしく」


ワン!


ヴィクはロックオンの指令を聞いた後、小さい吠えで部屋の扉を閉めてくれた。そしてそのまま扉を睨んで警戒の構えをしている。


ヴィクはシン様の友だと聞いたけど、なんてロックオンともこんなに連携が良さそうに見えるの?


私は自分の服を直せた同時に、ロックオンも兄さんを縄でしっかり締めてきた。


候爵の時も見たが、ロックオンの手際は実に凄いよね、さすが危険(レッド)の色と呼ばれている男。


「ウウ、ウ〜ウウウウウ!」


兄さんは何かを喋りたいのようだけど、今回は聞き取りの必要がなさそうだから、ロックオンは兄さんの口も確実に封じている。さっき弾丸で命中した場所は適当に応急処置をしたから見ると、おそらく審判を送るつもりだろ。


……!


なら私も被害者として出廷しないとじゃない⁉︎つまりこの事は公表するって事になるか⁉︎


ワン!


ヴィクは何かを気づいたようで小さい吠えで私たちに注意させてくれた。ロックオンも銃で扉を狙っている。


『DよりRへ、屋敷全体の鎮圧は完了しました』


「扉の外にいるのはお前か?」


『俺だけではなく、BとMも一緒だ。そしてこの事件の首謀者も』


「首謀者だと⁉︎」


そのビーとえむとは誰の事はわからないが、ロックオンも首謀者の事を驚いたようで、疑いの目で兄を見たから、右手で銃を持ちながら、慎重に扉を開いた。


その前に手で私とヴィクは隠せと命令された。少し慎重すぎると思ったが、兄さんを見たら、私もロックオンの考えを理解できた。


被保護者として、ここは大人しくロックオンの指揮に従おう。


「なるほど、こういう事か。道理で俺に教えられなかったってわけか」


ロ、ロティマス様⁉︎


私は急いでロティマス様に敬礼した。


ワーン!


ヴィクも出てきた。


「やほー、ロサナっちは無事のようでよかったね」


マドナ⁉︎


「さすがにあんな騒ぎで寝られるわけがないでしょう」


なんかすみません……


「いいよ、ロサナっちが無事なのは何よりだよ!」


さっきから気になるけど。っち?それどういう意味だ?


「何処かで習いだのはわからないが、アースでは仲良く同士がお互いそう呼んでいる。親密の証の一つだ」


クニミツは後ろの人を警戒しながら、私に説明してくれた。


そう言えば、さっき首謀者と言ったよね!


私はクニミツが警戒している人を見たら、驚くだけではなく、恐怖感も体に染み入る。


だってそこにいるのは……お父様⁉︎


「公子閣下、私は首謀者だなんて、きっと何か誤解がありまして、或いは誰かが私を計ったことであると申し上げます」


「その見苦しい弁解はもういいだろ」


「国光、説明してくれ」


ロックオンも警戒しながら、クニミツに質問した。


「ロサナ、あなたはまたここに住んだ時、こんな密室があったか?」


クニミツは説明しながら、私の寝台の隣の壁の何処かを触れたら、壁が変な挙動が発生した。


な、なんて私の部屋の壁は回して、中はどう見ても牢屋だよね⁉︎なんて⁉︎なんて⁉︎


「気持ち悪い」


マドナの感想は全くだ。私もそれを見たら吐くそうになった。


「いえ、これは……!」


弁解しようとしたお父様に、クニミツは邪険な微笑みを見せてくれた。


「TAMARA、録音を」


「まさかロサナが帰って来た。しかもサンタルシアの公子閣下を連れてきたなんて」


「お父様はどうするつもりですか?」


「これは君が望んでいた好機だ。お前はロサナを犯す、子ができたら、それを利用して、君は安泰だ」


「大丈夫か?雑種でもお父様の娘だろ?」


「いや、彼女は私の娘ではじゃない、ただの過ちだ!いいか!君ができた後、ロサナを例の密室に放り込めばいい、私は公子閣下を誤魔化すとする。なぁに、公子閣下にとっても、あんな奴一人二人ぐらいが消えてもきっと無関心だ!」


え⁉︎お父様⁉︎


「子爵殿、これはどういう事かね?」


クニミツが放送した声の記録を聞いたから、ロティマス様の機嫌が一気に下がった。


「誤解なんて言うじゃねえぞ。これは夕食の後、公子が休みたいと言って部屋に戻った後、お前二人の会話だ」


「なぜそれを……あ!」


今お父様の発言は、罪を承認したと同じだ。まさかお父様はずっとそうやって私を見ていたとは、知らなかった。くす、うく、うう……


「公子よ、あたしとロサナっちはお先にてね」


マドナは私を優しく抱っこしてくれて、ロティマス様に言った。


「良かろう。ヴィク、屋敷は既にクニミツに鎮圧されたとは言え、二人の護衛は頼みたい」


ワン!


「ならよろしく頼む」


ロティマス様はヴィクの頭を撫でた後、マドナと私、そしてヴィクが私の部屋から出て行った。


=====================


なるほど、こう言う事か。


おそらくお母様と親父は既にこの子爵を調査済みから、俺に教えられなかったってわけか。俺が先入観を持ったら、この場で公平な裁判をできないだろ。感情に任せて、この屋敷をまとめて消滅するかもしれん。


ロックオンとクニミツも候爵の件で、俺に不要な心配をさせられたくないって事だろ。


まあ、その気持ちも理解できないわけでもない。今の俺もこのまま子爵を処刑したいと言う気持ちだ。


「公子閣下!」


今子爵の顔は憎い、見るだけで気持ち悪くなった。


「ぼうず、この牢屋は血の痕跡があったぞ」


ロックオンはその隠し牢屋を検査したから、そうやって報告してくれた。


血の痕跡⁉︎


おそらくこれは俺が生まれたから初めてこれほどの怒りを感じた。


「ロックオン、クニミツ、お前たちのエーアイって、その景色を記録に取れるか?」


以前一度見たあの映像の能力を使えば……!


「景色?ああ、写真の事か」


クニミツはもう一度その牢屋に入って、そして閃光のような光が閃いたから出てきた。


「これでいい?」


クニミツのたまらから俺に見せたのは、その牢屋の絵だ、しかもとても真実感が溢れている。さすがだな。うん、これさえあれば証拠としては充分だ。


「ロックオン、ロサナの事をお願いしたい」


「お前はどうするつもりか?」


「お前は既に候爵を殺した事があったから、今回はやめてほしい」


「わかった。国光、そいつを楽にさせるなよ」


「もちろんだ」


ロックオンはそうやって言った後、この部屋から出て行った。えっと、その会話では、もう殺すは前提になったそうだ。


そう言えば、先鋒候爵の軍勢でも単独撃退できたクニミツだから、一人でこの屋敷を鎮圧できるのは当然であろ。


「って、どうする?」


クニミツは子爵親子を警戒しながら、俺に確認の声をかけてくれた。もちろん法的には審判に送るべきだが、なんだか後処理は面倒くさくなると思って、この件をここで終わらせたい。


どうすれば……とりあえず挑発してみようとするか。


「クニミツ、その牢屋の血痕はどんな状況で残した物か、推論できるか?」


俺にはさっぱりが、現場の偵察がうまい最高級戦闘兵かつ狙撃兵であるクニミツなら,何かを見つけ出せるかもしれない。


「そうだな。まずは何かの残酷な行為があった事は確定できる。そうでなければ、血の痕跡はこのように吹き飛ぶわけがない。そしてここにも硬い物の痕跡が残している、相当残忍なやり方だったのようだな」


「それも映像を撮れたか?」


「もちろんだ」


「子爵殿、お前の罪は明らかに我が帝国が許せるわけがない。そして証拠が充分集めた以上、お前は死罪に免じられないだろ。ここで大人しくしお前自身の命で贖罪するのも家族のためであるだろ」


「家族……?家族だと……⁉︎よくもそんな話を口にしやがって!」


本来はもう意志喪失に見える子爵は俺の話に反応した。しかも相当怒っている。えっと、確かに俺はこの結果を欲しかったけど、子爵が怒る理由は全くさっぱりだ。


「何か余裕の顔をしているのかよ⁉︎」


思考に夢中で、子爵が俺に攻撃をかかってきた事を気づかなかった。クニミツの声でなければ、俺はどうなるかは分からん。


或いは、クニミツがここにいるから、俺が油断したわけか。最強の戦闘兵の一人であるクニミツがいれば、きっと大丈夫だから気が許したそうだ。


「そこまで信用してくれるのはもちろん嬉しいが、お前はもうちょっと状況をわきまえてくれよ」


うん。今、クニミツは子爵を制圧している。両手両足が動ける事を許さない関節技だ。軍制貴族ならともかく、武技ができそうにない領地貴族ならこの技から逃げられるわけがない。


ちなみに、俺もクニミツとの訓練の時、クニミツにあの技で敗北を認めさせられた。


「グワアアアアアアアアア!」


相当な痛みだろ、わかってるよ。


子爵の悲鳴で、俺もあの時の痛みを思い出した。


「うう、うううう!」


おっと、どうやらこの息子さんは何か言いたいのようだな。


「公子閣下、私だけを責めてくれ!どうか私のお父様をお許しを!」


「無理だ。さっき俺を襲われた事だけで、死罪に値するぞ」


「公子閣下、どうかお願いします!これからはあの雑種、いえ、我が妹ロサナの事を一切関わらないに誓いますから、どうか……!」


……何故そこまで子爵の命を守りたいのか?俺は二人の目を観察して、何かの答えを見つけたいように試した。


「公子閣下……」


完璧な土下座だ、これで目を観察する事はできない、さすがだな。


どうしよう……


「グワアアアアアアアアア!」


子爵はまた悲鳴を上がった。クニミツは彼の手を折ってしまったのようだ。


「原因はともあれ、今お前たちは帝国の『敵』になった事は変わらない。そしてこれはファランディナ大公爵様からの伝言だ、『死ぬがよい』」


カラ


そしてクニミツは子爵の首を折った。ええええええ⁉︎


「大公爵様だと……⁉︎」


息子さんは信じられないそうな顔を出している。いや、俺も聞いてねえぞ!


「その通りです、ブリギットさん」


突然、一人が転移の魔法を使って現れた。その人の姿をはっきり見える時、俺は驚いた。


「お、お母様⁉︎」


間違いない、現れたのはこのカノン帝国ただ一人の大公爵である、ファランディナ=サンタルシアだ。俺が呼んだ通り、俺のお母様だ。


「大、大公爵様……!」


まさか大公爵は自らいらしたとは思わなかっただろ、息子さんは土下座のまま、頭は床を重く叩いた。


「リュウホウジ殿、お見事、大儀であります」


「畏れ多い言葉です」


クニミツは子爵の死体を放した、立ってお母様に敬礼した。その敬礼は我が帝国の仕様ではないが、最高級戦闘兵のクニミツがやったから、その儀式感は半端じゃないと感じられる。


「あの、お母様、これは一体どう言う事ですか?」


「もしよろしければ、説明は我々からいたしましょう。よろしいでしょうか、大公爵様」


えええええ⁉︎また誰かやってきたか⁉︎


「それはいいですね。あなたなら、私より状況の理解が詳しいでしょう」


そしてお母様はその人を許可した。


「お、お前はなにを⁉︎」


よく見たら、あの人はこの屋敷の使用人の服を着ている。何故彼女が⁉︎


おそらく俺の疑問を気づいただろ、彼女はゆっくり右手の手袋を除いて、その手甲にある紋章を俺に見せた。なるほど、親父の血族か。そう言えば候爵の時もこうだった、親父の血族はすぐやって来た。


まさかと思うが、全国の貴族たちの屋敷に一人ずつ送り込んだじゃないよな。


「では説明いたします」


彼女は使用人の服を着ているけど、さすが親父の血族だと言うべきかな?言動はとても優雅に見える。


「今から十五年前、我々はとある女性を保護しました。その女性は使用人のような服を着ていたけど、その服は既に破られていました。それだけではなく、彼女の体からも多くの傷を発見しましたので、治療を施しました」


「ま、まさか⁉︎」


息子さんはその話を聞いたら動揺している。


「我々は敵意がない事を理解した彼女は、我々にブリギット領地子爵の罪を告発した。もちろん彼女の証言だけで我々はなにもできそうにない故、お頭に伺った結果、潜入調査を決まりました」


そんな事までしたのか?親父は。


「そこでお前がこの屋敷の使用人になったわけか」


「その通りです、リュウホウジ殿。当時の血族の中には、私は一番貴族の礼儀を知ってますので」


「なるほど、道理であっさり採用されたわけか」


クニミツの言う通り、使用人として貴族に雇ってもらいたいと言うなら、相当な経験者と貴族の礼儀を知らないと不可能と言える。これも俺がアリスを使用人として受け入れなかったわけだ。


もちろんアリスを養子にする事も考えたが、俺はまだ子ができていないから、いきなり養子を取ったら、きっと面倒な事になるだろ。まあ、クニミツはきっといい親になるから、そこは心配不要だ。


「潜入調査をしたから確認できました。この屋敷の主人はカノン帝国の誇りある貴族でありますが、にもかかわらず、自分の欲望と邪心を思うままに他人に施した」


血族は説明を続いた。


「お前にも、か?」


クニミツの疑問で、俺は気づいた、彼女の顔に、大きな傷跡がある。


「そこはご心配なく、我々の身も心も全てはお頭に捧げましたから、他人から侵入される事は油断もしません」


「じゃ、その顔の傷跡はどうした?」


思わず、俺は質問した。


「やっとわかった、何故お父様は時々記憶が失ったような夜があった事を……!それは貴様がやった事か!」


息子さんの咆哮で子爵の罪を確定できた。息子さんの話から、どうやらその傷跡は仮装のようだ。


「お陰様で、我々は真相に辿り着けました。私も使用人の仕事を利用して、この密室を発見しました」


俺の考えを答えるように、血族はあの傷跡を剥げした。なんと言う精妙な道具だ!


「なるほど、渡された地図がこんなに詳しいわけか。密室まで描いているとはさすがだな」


「いいえ、リュウホウジ殿に及ぶ事はありませんよ。その録音魔法は音の聖殿の司祭でなければ使えません。しかし全てはあの機能のお陰で、子爵の秘話まで取れましたから、これ以上の証拠はありません」


お互い褒めるクニミツと親父の血族(女性)、なんだか見覚えのある光景だな。


「これで理解しました?この領地の領主は変更させてもらいます。あなたの処分は審判に任します」


「うわわわわ!」


その息子さんは自分が審判になる事を聞いたら、全身の力でお母様に襲うに来た。


「お母様!」


「我が子ロティマスよ、今ここでこの現行犯を処刑しなさい」


お母様とその息子さんの間に、見えない壁があったように、息子さんの突進を止まっている。やっぱりお母様を心配するのは不要だ。


「しかし、さっきお母様の仰る通り、彼を審判に送るべきでは?」


「我が子ロティマスよ、審判になる事は、つまり当事者は全て揃わなければならない事になります」


「それはそうですが」


何故お母様はここでそんな常識を……?


「そしてこの事件も公表しなければなりません。そうなったら、民は私たち貴族への信頼は落ちてしまいます。それだけではなく、ロサナさんにも二度傷害になるだろ」


つまりお母様もこの件を公表したくないって、俺の考えと一緒って事だな。


「ガワワワワワワ!」


お母様の壁魔法にさらに束縛されている息子さんの悲鳴はもはや人間の声に聞こえない。


「もしロティマスお前はやれないなら、俺が代わってやろうか?」


俺は動かないと見られるから、クニミツは声をかけてくれた。既に経験済みとは言え、他人の命を奪う事をそう簡単に言えるなんて、さすがに少し怖い。


「我々に任せてもいいですよ」


親父の血族まで……!


「我が子ロティマスよ、あなたは私から大公爵の位を継承する時、このように腐った奴らを片付けないといけない事は消えるはずがない。その時あなたは自ら自分の手を汚しても国を守る覚悟がありますか?」


やっとお母様の意図を理解した。これもまた俺への試練だ。この国の大公爵にふさわしいかどうかの試練だ。以前お母様もこのような試練を乗り越えられたかな?或いは親父の支えるがあるから?


「クニミツ」


「はい」


「確かお前とロックオンが言ったな、お前たちの典章を違反した者の処刑もしたって」


「ああ、そうだぞ」


「その時お前たちはどんな気持ちだった?」


お母様と親父の血族に聞く勇気がないから、俺はクニミツに声をかけてみた。


「別に特になかったぞ」


え⁉︎


「狙撃目標に確定したら、俺はあまり考えないぞ。それを考えるのは上司たちの仕事だ。が、それでも思考を止めるではないぞ。最高級戦闘兵(ランクレッド)である時点でそれなりの情報権限と現場裁量権をもらっているからだ」


「では目標の正確さを疑うことはないか?」


「もちろんあったよ。むしろ何回でも考えた事があった。しかし俺が行った任務の中では一度だけ、俺の疑うは確信になって、そして狙撃任務も取り消した」


クニミツが渋くになった顔から見ると、その件は深追いしない方が良さそうだな。だがこれで確定できる、いくらロックオンたちも自分を疑うことがあった。それを知ったから、俺も覚悟できた。これからは過ちをしないわけがない、重要なのは、それを全てを背負う身と心だ。この国の未来を担う未来の大公爵として、俺は決めた。


「お母様、魔法の壁を解除してください」


「もう心の準備と、覚悟ができたか?」


「はい。俺はロティマス、ロティマス=サンタルシア、帝国公子である。この国のために、俺は決めた」


「ならばよし」


「うわわわわわ!」


突然壁がなくなったから、その息子さんは前に倒れた。


「これからは国のために精一杯尽くしますから、どうかお許しを……!」


相変わらず見事な土下座だが、俺はもう覚悟した。


「雷撃」


俺は手から雷の魔法を放って、彼の命を終結した。


これは俺が初めて人間同士の命を奪う事になった。


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