緊急事態
「あの、これは一体どう言う事ですか?」
ロティマス様はギルガレッシュ様に伺っている。
正直、私はまた疑っているけど、ロックオンとクニミツ、そしてロティマス様まで疑いなく敬礼したから、信じざるをえなくなった
「お前たちは赤城カミトの配下なら、『異種』と言うものには詳しいだろ」
「我が主!こんな奴らにその件を頼むおつもりですか⁉︎」危険です!」
ルードはギルガレッシュ様に反対したけど、ギルガレッシュ様は彼を無視した。そう言えば、その「異種」の事、私も初耳のだが……
「詳しく説明していただけないでしょうか?ギルガレッシュ様」
え⁉︎ロックオン⁉︎あなたは敬語を使えるの⁉︎これは私だけじゃなく、アリスちゃんも驚きの顔になったよ!
そして私たちと違って、その「異種」を聞いたから、ロックオンとクニミツの目がとても真剣になった。
「語るより見るの方が早い、付いて来い。そしてルードよ、そろそろマドナを解放してくれ」
「はい」
「はい」
「はい」
「はい」
ギルガレッシュ様は歩き出した、ロックオンたちは言うまでもなく、私もアリスちゃんを連れて急いで追いかけて行く。
「ルード様は酷いよ!まさかあたしに沈黙をかけさせられたなんて……」
「そこは許してくれ、彼らはわしが専念しないと敗北する相手だ」
「あ〜あ〜しかしそれでもルード様が圧制されたよね、驚いたよ!まさか怨霊騎士だったのルード様を勝てたなんて思わなかったよ!」
「わしも驚いた、まさか音速を超える武器が存在するとはな」
そこは私やロティマス様も驚いた。それにまさか銃があんな小さく様式もあるなんて……
「つまり彼らは凄いって事だよね!」
「ああ、そこは認めよう」
私とロティマス様が銃に対しての認識は単発式、一発撃ったら、再装填の必要があるに止めている。まさかあんな小さなの銃が一度七発装填できるなんて……
「またまた、ルード様ったら、あなたも彼らを気に入ったくせに」
えっと、本当にこの人は私たちが探してたあのニンザスの三騎士の最後の一人、怨霊騎士のルード=ギアトなの⁉︎まさかあの子に指で頬を突くなんてさすがに想像とは程遠い。
「そう言えば、さっきから気になるけど、あんたもあの三人の仲間なの?」
突然、マドナは私に声を掛けてくれた。
「そうですが何か?」
「さっきの戦いって、あんたは全然何もしなかったじゃない?だから疑っているの」
えっと、確かにそうだけど……え?アリスちゃん、なになに?私はロサナさんに守ってもらったからこそ、ロティマス様たちは全力戦えましたよ!って……ありがとう、アリスちゃん。
「なになに?手で何かを話しているのかよ⁉︎他人の前に秘密話をするなんて失礼じゃない?」
えっと、それはこの子が喋れないから、手話でしか自分の意思を伝えないから。
「喋れない?どうして?」
私たちもまだわかってないので、答えられなくて……
「少しわしに見せてもよろしいでしょうか?」
ルード=ギアト……今はギルガレッシュ様の命令で敵意がないは知ってるけど、やっぱり怖い。
「まあ、さっきまで命を取ろそうとしたルード様を今すぐ信用するなんて難しいのよね!」
確かにそうだけど、あの星の制裁者であるギルガレッシュ様が信用しているなら……アリスちゃん、どう?大丈夫?
ああ、アリスちゃんも問題が無さそうだから、後でお願いします、今はロティマス様たちを追いかけないとー!
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「そうか、巨拳型に蜘蛛型、そして機龍型か」
こんにちは、国光だ。
ギルガレッシュ様に所属する精霊族の拠点で、ギルガレッシュ様が俺たちに見せてくれた魔法の映像で一眼でわかった、それは俺たちが何度も戦った異種と同じ種類だ。
「巨拳型と蜘蛛型はともかく、よくここだけの戦力で機龍型を止められたとはな」
先輩の口調は相変わらず少し無礼だが、正直、俺も先輩と同意見だ。彩子が俺の真実を知ったあの日で戦った機龍型の恐ろしさ、俺は今でもはっきり覚え出せる。
「ねえねえ、そんなもんの名を知ってることは、あんたたちもそれと戦った事があるの?」
マドナはロックオン先輩の話を聞いた後、とても興味があるような顔で俺を質問して来た。
「ああ」
「今あんたたちがここにいる事で、つまりあんたたちは勝ったの?どうやって⁉︎ねえねえ、教えて教えて!」
少しルードがこいつに沈黙魔法をかけた理由を理解できた。
「もちろん異種がここにあるを知ったら、それを無視するつもりはない。が、ギルガレッシュ様はうちの総隊長とは知り合いだと思う、それなら直接うちの本隊に助けをもらう方が早いかと」
ロックオン先輩が俺たちの代表として発言すること、ロティマスとロサナさんも反対しなかった。それもそうだな。異種と関わった今、もはや彼らが対処できない事態になってしまった。
「裂隙の事は相当な貸しを作ってしまったからな。さすがにマーヴェレヴェスにこれ以上の貸しを作りたくない。私はこれでもザッドの星の制裁者だから」
「なるほど、それは理解できなくもないが……」
ロックオン先輩はやれやれって肩を竦めだ。
「ねえ、ねえ、そのマーヴェレヴェスって、誰?」
さっきまでロックオン先輩とギルガレッシュ様の間に重くなった気分はマドナに消されてしまった。これは凄いな。
「俺たちの組織で一番偉い人で、ギルガレッシュ様と同じ『星の制裁者』である。って、近くすぎない⁉︎」
マドナは俺の背中を押して、顔は俺の顔の隣になるから、俺は慌てて彼女から離れた。
「これくらいはいいちゃん、ケチ」
いや、そう言う問題じゃない!
でも俺もはっきり彩子の事を言えない。この魔法が存在する世界には、名前を知るだけで、弱点になれるってファランディナ様から言われた事がある。だから先輩も斎香さんの事を隠している。
「しかし俺たちはあなた様の言う通り、あの赤城カミトの部下だ。俺たちにお願いされても、結果は同じ貸しを作ったではないが?」
「いや、ここにいるあなたたちには、その子のことで間に合う」
ギルガレッシュ様の目線がアリスに向いた瞬間、ロックオン先輩の殺気が溢れて来た。
「脅す気か⁉︎」
「我が主、どうかわしの後ろに」
ルードがギルガレッシュ様の前に構えた時、俺もいつでも先輩を援護できるように控えた。
「これはすまん、私の言い方が間違えた。脅すなんて私はそのような考えは毛頭もない、あくまである種の自己満足に過ぎない」
「つまり交換条件でチャラって事か?てっきりあなた様たちのような超神はそんな感情的なものを持ってないと思ったが、そうじゃないようだな」
ロックオン先輩は少し考えたら、興味深いの目でギルガレッシュ様を見ている。
「感情、あるいは思考と性格そのもの、それは聖魔の女神様から全ての生命への贈り物、自然に私たち超神も例外しない」
(聖魔の女神ってなに?ザッドの神はそんな神が存在いないのはず……)
ロサナさんの呟きは聞かないとしよう。
「ねえねえ、いま何の話?」
マドナ……お前には少し黙って聞いてほしいな。
「とりあえず、今その異種がどうなってるか?」
「わしの力量言語で行動を封じられた」
「……それ、いつの事か?」
ルードの答えを聞いた瞬間、先輩の顔が変わった。
これはまずい、TAMARA、まずは承認してくれ。
「はい、認可条項第0000条:星の脅威になる敵性存在を確認し、全ての制限は解除することは承認しました」
これなら何とかなるだろ。
「ねえねえーー」
「黙って」
「えーー」
「それは、貴様たちと交戦した前の事、今から三時間前くらい」
「まずいぞ!国光!」
「はい、既に承認をもらった!」
「ロックオンよりクーフーリンへ、PAWSを要請する!」
「追加装備はどうします?」
「もちろんそれも要請する!」
ロックオン先輩が自分のAIにそんな命令をした同時に、俺もTAMARAに同じ命令を下した。
『異種の存在を確認しました。これより、クーフーリンより月光剣と銃神装備一式の緊急発進準備に入ります』
彩子の声だ。半年も経ってないのに、なんか懐かしい。
『あなた、気を付けてね』
ああ!
「ねえねえ、さっきのは誰の声なの⁉︎まさか恋人なの⁉︎」
マドナに聞かれたか?まあ、俺はそれを答える義務がないから。
「ロックオン、さっきのはあなたのえあいの声ではないよね⁉︎それは誰⁉︎」
「うるさい、お前には関係ないだろ」
どうやら斎香さんの声もロサナさんに聞かれたそうだ。
「これはどう言う事?」
ルードは全く理解できない顔で俺たちに声を掛けてくれた。まあ、それも当然だろ。
「異種の特性の一つは、自身が脅威を感じた時、援軍を呼ぶとする」
「ま、まさか⁉︎まさかわしがやってしまったのか⁉︎」
先輩の説明で、ルードの表情が動揺している。
「そのまさかだ!お前の力量言語はあいつらにとって既に脅威になった、多分今頃……」
「ギルガレッシュ!」
見た目は人間の男性が現れた。俺は見たことがないけど、先輩が静かに彼に頷く敬礼したから、知り合いのようだ。
「アルヴィス⁉︎」
そしてギルガレッシュ様から彼の名を言った。そうか、彼はこのザッドの星の巡行者であるのアルヴィス様か!
「新手の異種が現れた!」
星の巡行者アルヴィス様に付いて行くと、すぐ異種を見える場所に到着した。
「機龍型は三機、巨拳型は五機、蜘蛛型は十機……」
これが悪夢だと言ってくれほしいな。
「ETA0200、予定座標は判明しました」
TAMARAの声で、俺は虎をロサナさんに任せた後、走り出した。
「ぼうず、ロサナとアリスは頼んだぞ!」
「わかった!」
先輩もAIから同じお知らせを聞いた後、機体の予定座標に走り出した。
「待ちなさいよ!どこへ行くつもりなの⁉︎まさか私たちを捨てて逃げるじゃないよね⁉︎」
ルードよ、もう一度マドナを沈黙魔法をかけてくれ。
「その前に、お前たちの行動を説明してくれ」
ルードがギルガレッシュ様に発言の許可を取った後、俺と先輩に質問した。
「なぁに、少しこの世界を助けに行くだけだ、邪魔をするな」
「しかし……」
ロサナさんはとても心配しそうな顔になっている。
「心配は不要だ、これからは俺たち最高級戦闘兵の仕事だ」
「誰かがあなたなんかのを心配するのよ!」
なるほど、ロサナさんはツンデレのタイプか。
ゲオオオオオオオオオオオオオ!!
おそらく俺と先輩、そして光子動力搭載機の存在を気づいただろ、機龍型の咆哮が空気と大地を動揺させた。




