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黒との接触



僕は虎、名がない虎。


ある日、母と一緒に獲物を探す途中、母は何者に殺された。


仇を取りたいけど、今の僕はまだ幼いかつ無力だから、逃げるだけで精一杯だった。


そしてあの男と出会った。


「さっきの吼え声はお前、じゃなさそうだな」


なに⁉︎僕は虎だぞ!猛獣だぞ!なのにこの男は僕を見たとしてもそうやって無防備のような態度で接近しようとしたのは一体何者だ!


「大丈夫だ、俺はお前を攻撃するつもりはない、せめて今でな」


それはつまりいつか殺すつもりだよね!僕は騙されねえぞ!まさかお前は……!


「まあ、恐れるから警戒するのも当然だな、だが、俺は保証できる、お前が害獣ではない限り、俺はお前を殺しはしない」


ふん、誰かお前如きを信用するかよ!


「こんな事をするのは不本意だが、仕方ない」


瞬間、僕は目の前のこの人間の男から今まで感じる事がない凄い殺気を感じた。え?え⁉︎


「これでわかるだろ、今俺がその意が有れば、お前はもう死んでいるぞ」


た、確かに……


「そう言えば、自己紹介はまだだな。俺は龍宝寺国光、あ、ここではクニミツ=リュウホウジの方が正しい」


りゅう?まさかお前は龍族なの⁉︎


「あはは、俺は人間だぞ、龍と全く関係がない……と言いたいけど、俺の実家は龍神を祀る寺で、それは俺の姓になっただけだ」


全く理解できない。


「まあ、そうであろ。この世界には、聖殿があるけど、一般の寺がないから、理解できないのも当然だ」


今さら気づいた。なぜお前は僕と会話できるの?魔法とかの感覚がないけど?


「今のお前には理解し難いかもしれんが、俺はお前の顔を観察してからある程度の対話ができただけだ」


本当にわけがわからない。仮にお前の言う事が本当だとしたら、そんな事をできたお前は一体何者?


「龍宝寺国光、ガーディアンスの光神信使(ルーズブリュナーク)に所属の最高級戦闘兵(ランクレッド)だ」


なにそれ?


「とりあえず、これからお前一人では生き難いだろ、だからここで提案しよう。俺と一緒に来てくれないか?」


罠か?


「お前はもう知ったはずと思うぞ」


確かに、この男はわけわからない謎ばっかりだけど、僕に悪意がなさそうだ。


それに彼の言う通り、また幼い非力な僕は単独でこの森という魔境を生活し難い事はわかっている。


わかった。でももし僕を騙されたら、承知しないぞ!


「はいはい、その時お前は俺の首を噛んでいいぞ」


そこまで言ったら、わかった。


クニミツに従ってから短い時間でわかった、彼は僕が今まで見た狩人たちより遥か凄い。しっかり目の前の状況を判断して、何度も敵意がある魔物を避けられた。


ふっと、誰かか僕を狙われていると感じた、やっぱり僕は騙されたか⁉︎


「待って待って、大丈夫だ、俺を信じよう」


そしてクニミツは僕を抱き上げて、草叢から出て行った。


「待って、撃つな!俺だ!」


僕が見たのは、二人の男が僕たちをいつでも攻撃できるの構えをしている。


「これはどういう事か?」


クニミツと同じ様式の弩を持つ男は殺気だらけの目線で僕を抱いているクニミツを見て問いだ。


「……わかった、面倒をちゃんと見ろよ」


「はい」


クニミツの説明を聞いた後、その男が頷いた。えっと、お前は彼を先輩と呼んだけど、そんなに凄いの?


「ああ、得意なところは別々だが、総合的から見ると、ロックオン先輩は凄いぞ」


「……ロックオン=スタウダマイヤだ、よろしく」


え?どういう事?


「国光はお前に言ったと思ってな、俺もその最高級戦闘兵(ランクレッド)の一員だから、お前くらいとの話し合うが問題ないと思う」


えっと……


僕は振り返ってクニミツを見た。


「まあまあ、そういう事だから、握手してあげて」


ガルルル!




クニミツの仲間たちと挨拶した後、僕の飯を用意するために、クニミツは僕を連れてもう一度森に入った。


確かにクニミツの言う通り予備食料が無くなったら困るよね。


僕たちの運が良いらしい、すぐ食べられる獲物と出会った。足が速いの種類だから、昔母が狩りをした時はかなり苦労だった。


てっきりクニミツも苦戦になると思ったのに、早計だった。どうやらクニミツも相手の速さをよく知っているから、遠距離の攻撃で仕留めた。


え?こんな距離で?嘘でしょ⁉︎いくらその弩の性能がどれほど凄いだとしても、この距離でも的確に狙えるなんて……


「俺の計算が間違ったのか……?予定着弾点からニミリ偏移してしまって……」


えっと、ミリはどう言うものは知らないけど、一撃で仕留められただけで充分凄かったぞ!


「また遠いな……総隊長とロックオン先輩は言うまでもなく、この程度は桜にも及ばない……」


ガルルル……


クニミツの独り言はあまりにも切なくて、僕は右前足を使って彼を慰めた。


グルルルル


「これは悪かったな。では早くこいつを解体して持ち帰りましょうか」


ガルルル!


腹の声が聞かれたのは少し恥ずかしいけど、せめてクニミツは目の前の事を専念させられたそれでいい。


「俺の後ろから出るなよ」


え?なんていきなり気分が変わったの⁉︎それにクニミツは解体用の刀を納めて、弩で迎撃態勢に入ったのよ⁉︎


「やっぱり侵入者だな。あの猛獣もお前の差し金か」


姿は全く見えないけど、空から誰かの声を聞こえる。


一体何処にいる……!え?クニミツ何を⁉︎


精霊(エルフ)とは森の種族だと聞いたが、こんな程度だけか?」


え⁉︎


相手からの返事はない。それもそうだろ、クニミツは本当に相手の位置を把握できたとはまだ決めてないからね。


「そう思うのか?」


クニミツは僕に声を掛けてくれた後、射撃した。


「あああああああ!!」


ドンカ!


何者の悲鳴の後、何物が高所から地面に落ちた声を聞こえた。


ええええええええええ⁉︎


「そうか、この黒い肌は偽装じゃないのか?道理でそんな甘い隠し方をしたわけか」


墜落地点で、一人人間の女性のような人がそこで倒れている。


「いや、その耳から見れば、精霊(エルフ)だな。しかしこんな黒い肌のは聞いた事がないよ」


「いい加減にしなさい!さっきから黒い黒いって、私だって自分がこうなりたいわけじゃないのに!」


うわ、泣いた。それに彼女はとても怒りの目でクニミツと僕を睨んでながら、目から涙の光が見える。


「お前は何者だ?」


あの、クニミツよ、質問はいいけど、短刀が彼女の首に当たる必要があるの?


「そ、それはこっちの台詞だよ!あんたこそ何者⁉︎なぜ猛獣の子と一緒なのよ!」


これは凄い勇気だね。クニミツがその意が有ったらいつでもお前の首を切り落とせるのに、よくお前がこんな状況でもクニミツを怒鳴れるよね。


「侵入者よ、我が同胞を解放しろ!」


ガルルル!


突然、他の方向からの声、僕はその方向に威嚇の声を吼えた。


「いやだと言ったら?」


この瞬間のクニミツは本当に悪人っぽいの顔をしている。多分本気すぎるだろ?初めて倒れている女性から恐れるの表情を見えた。


「貴様!侵入者の分際で!よくも我が同胞を!」


鎧を着てる人が出てきた。顔は兜のせいではっきり見えないけど、肌はそこの女性と同じの黒だと見える。


「質問するのは俺だ!次から許可なしの発言をしたら、俺はこいつの耳から切り落とすぞ!」


おい!クニミツ⁉︎お前は悪役だったのか⁉︎その顔と威嚇の台詞を聞いて、僕も彼らと一緒にお前を対抗したくなるぞ!


「クソ!……うわ!」


鎧を着てる人が悔しそうになるばっかりに、剣を持つ右手が矢に命中され、剣が地面に落ちた。え?え?


「おい、いつまで待たせる気かよ?さっさと解決しろ」


この声は……ロックオン=スタウダマイヤ⁉︎なぜお前がここに⁉︎


「クソ、新手なのか⁉︎出て来い!出て来い!」


鎧を着てる人も焦ってると見えた。彼の連呼で、たくさん同じ鎧を着る人が僕たちを包囲されてしまった。


「侵入者め、これで貴様らも終わりだ!」


「ちび、しっかり国光に従うぞ!」


「先輩?」


えっと、ちびって僕の事?


クニミツも疑問の目でロックオンを見たけど、ロックオンの邪笑いを見た後、諦めたような顔で嘆いた。


えええええええ⁉︎


「悪あがきもそろそろ諦めろ!まさかこの数量差を見てなかったのか⁉︎」


「しっかり俺に付いて来い、そして三秒後、目を閉じてね」


え?


クニミツが言った後、凄い閃光が閃いた。


三秒はまだだよね!


そうツッコミしたいけど、クニミツとロックオンが走り出したから、僕も急いで追いかけて行った。


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