朝から酔っ払い奴ら、シン編
お待たせしました
昼 クーフーリンのバーで
「やっとか」
「本当に待っていたぞ」
「おい、貴様らは知ってたのかよ⁉︎」
みんなさん、こんにちは、ヴィクです。今僕はシンと一緒に母艦クーフーリンに帰った。
しかしなぜだろ、今はまた昼のはずなのに、シンは広一と顕衛を呼んで、船の中に設立したバーで酒を飲み始めた。てっきりカミトだからこんな施設を用意しないはずだと思ったけど、まさかレイコから強く要求したとは……
「兄さんは大丈夫かもしれないけど、せめてのリラックス空間は必要なのよ!」
確かにレイコはそうやってカミトを説得できたそうだ。
そして、今そのバーには、広一、顕衛、そしてシンがいる。
「杏の方がバレバレだから当然だろ、俺らはお前のような鈍感じゃねえし」
「って、お前の返事は?」
広一は新しいビール一本を開けた。開けた時空気が漏らした音はちょっと大きくない?
おいおいおい!いくら久しぶりにここに戻ってきたとしても、朝からお酒を飲む事はさすがに……!
「いや、今でもさっぱりだ」
シンが持っている酒の瓶が書いている名ははっきり見えないけど、96の数字は見えた。
その96の意味はなんだろ……?
「クロエさんの時は知らんが、理江の時、お前ははっきり答えられたじゃない?」
こっちの顕衛は再びワインをグラスに注いだ。ワインの瓶からは高価の物のようだ。
「まあ、それより、和歌奈お嬢は大丈夫か?」
え?どうしてこんな時にお嬢様の名が出るの?
「俺って、そんなにわかりやすいのか?」
え?シン?その少し落ち込んだ顔ってなに?
シンがもう一口その96の酒を飲んだから、広一たちの説明を待つ。
「お前はバーサーカーだから、自分の感情を抑え隠し難いだろ」
広一の指摘に、シンは翻然大悟と言う表情になった。
「それにあの時、お前はこう言ったんだろ。『和歌奈お嬢様に汚い物を触れるのは欲しくないけど、俺なら構わん、だって俺はお嬢様の盾なり、お嬢様の剣なりだから』って」
え⁉︎シンがそんな話を言ったんだの⁉︎かっこいいよ!さすがはシン!
と言うより、あの時って、いつの事なのかって気になるよね。
「まあ、あの時はそのセリフを言った同時に、拳で目標の頭を潰した事もはっきり覚えているぞ」
かっこいいけど怖いよ!
「まあ、和歌奈お嬢の婚約者を殺したテロリストだからな」
「そう言えば、あの後に行ったレストランって、お前の給料をどれほど使ったか?」
「補佐官たち、子供達、そして指揮官とお妹さん、あと和歌奈お嬢を含めて、百万円くらいかな」
広一は一々計算してるが、何その高価は!そんなレストランがいるなんて聞いたことが無いぞ!
しかしお嬢様までそのレストランに行ったなら、ありえることかな。
しかし一番驚いたのは、お嬢様は婚約者がいた事。てっきり政略結婚を嫌いからお見合いを断り続いたと思ったが、そうじゃなかったか。
「俺のことより、顕衛、今更だけど、おめでとう」
「本当に今更だな」
「そんな事より、レイコのその手術、お前は受けると決めたきっかけは?」
そんな事って、シン、あなたはちゃんと祝ってくださいよ、めでたい事だから。
「それを聞くどうする?」
「いや、参考にしてもらいたいだけ、もちろん受けると決めた広一からも聞きたい」
「赤城総隊長、えりな副総隊長、そして織姫シェフ、あの時の会話は覚えているよな」
顕衛は少し考えたから、ゆっくり話した。
「確実な絆ってことか」
「そうだ。それを聞いたから、俺は考えた。瑠美は俺にとっては何者ってな」
少し止めて、もう一口酒を飲んだら、顕衛は話を続けた。
「考えば考えるほど、封印されたはずの感情は蘇ったと気がした。ロックオンの奴からもアドバイスをもらって、俺は瑠美に告白すると決めた」
ロックオンからアドバイス⁉︎これも驚いたよね。でもよく考えれば、ロックオンはランクレッドにして、あの斎香を落とした猛者であるから、彼からのアドバイスもきっとそれなりに確実な話だよね。
「まさか長年の思いが実現したとは思わなかったから、私はすぐ『はい』と答えたよ」
え?
「瑠美!あなたはまだこんな場所に来るのはダメだ!身重だから、もうちょっと注意しないと」
瑠美さんがやって来たことを見たら、顕衛は慌てて瑠美さんを椅子に座れた。
「大丈夫よ、それにこれは酒ではなく、ただのジュースだから」
瑠美さんの大きくなった腹は顕衛との絆を示してくれた。瑠美がやって来たことで慌てるになった顕衛、その顔は心配という二文字ばっかりと書いているように見えている。
「まあ、俺の方は凛……じゃなくて、レイから強くお願いされたからな。亜夜が孕んだ子は俺のじゃないけど、その子を俺の子として育つつもりだから、そこでレイが少し焦ったようで、この差を追い越したくなった」
どうやら広一もまだレイの名を慣れてないようだ。しかしこれはなんと言う心の広さだ!
「わかりやすい理由だな」
「まあ、顕衛が成功した、それにレイコさんも控えているから、お前には心配する事がないだろ」
うん、それは多分大丈夫だと思うけど、ほんの少し心配している。そしてさっきの話で、広一も相当レイコを信じてるようだな。
「クロエは知らないが、もし理江だったら、きっとお前を手術を受けるように要求するだろ」
「そう、なのか?」
これほど自分に不確かのシンは初めて見た。
「綺礼のくだらない謀で亡くなった美咲もきっとそう望むに違いない。まあ、一番大切なのは、お前の望みだ」
えっと、その企業って場所はそこまで教育をしたのか?さっき広一の話、それは教育されない人には決して言えない事だと思うよ。
「今、クロエから強くお願いされてる」
「まあ、それも当然であろ」
「そうか……」
「それより、杏への答えはできたか?」
「それに関して、一つ聞きたい」
「ほう?」
「杏は俺たちの上司、お前たちは大丈夫か?」
「いいぜ。むしろお前は杏を受け入れば、俺たちは楽になる」
え?顕衛?
「まだまだ若いが、交際相手としては最悪だな」
おい!広一!なにその悪口!
「どう言う事?」
シンがさっぱり分からんの顔を出した。
「若いの上に確かに有能、そして彼女の父である前司令官さんに意図的にいろんな武術を仕込んだから、俺らにとっては苦手の相手だ」
「そしてそんな彼女に勝てるのは、お前だけだぞ、シン」
いくらなんでも杏が凄すぎじゃない⁉︎戦闘兵科の歴史からでも有数な優秀って事は伊達じゃなさそうだ。
「そう……なのか……」
「だから安心したまえ、お前は杏と交際としても、俺と顕衛が嫉妬するなんてしねえからな」
「そうか、とりあえず感謝する」
「まあ、それより、和歌奈お嬢の事、お前はどうする?」
「どうって?」
「気づいたと思ったが、どうやらまた彷徨っているようだな。まあ、それはお前の女房に任せるから、今は飲もうじゃねえか」
広一はまたビール一本開けた。
「相談してくれて感謝する」
「別にいいよ。しかし本当にお前がそれを飲めるのかよ?96と言う高濃度の酒だぞ」
いよいよその96の謎を明けるようだから、僕はさらにそっちの会話に専念する。
「いや、多分バーサーカーが痛みを耐えられすぎるから、かなりの濃度でないと、普通の水と分別できなくなっている」
「それもお前が水だけ飲んでいた訳か」
「そう言う事、だからこれしか味がないんだ」
「まさにお前の生命の水だな、ははは」
生命の水って、大袈裟だと思うけど、どこかでその名前を……
「まあ、もしお前が例の手術を受けるなら、味覚の回復も頼んでみようか」
あ、それは名案だね。
「考えておく」
シンも何かを考えているように頷いた。




