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各自の思い

狙撃兵は狩人。


目標は獲物。


だから狙撃兵最初の課題は、自分が獲物にならない事。


そうだ!僕は狩人だ!星が違っても、それは変わらない!


ならばまずは拠点を新しい構築し直しないと。僕はこの森を甘く見たせいで、拠点も適当にした。


「確かに僕は総隊長やロックオン先輩たちに及ばないけど、それでも軍士訓練学校の主任教官、ライラさんから卒業証書を貰って、杏さんに選ばれて、この部隊に加えられたぞ!」


だから、ちゃんと僕の価値を示さないと……!


=========


「…………………」


リジルは陣痛を始まった。てっきり巨龍は卵生のイメージなのだが、どうやら人化したから、そこの生理も人類と同じようになった。


しかしだとすれば、生まれた子はどんな種族なんだろ?


色んな作品によくある龍の角や翼とか、或いは龍の尻尾とか、そんな特徴は人化したリジルから全く見えない。知らない人から見れば、おそらく誰もリジルが人類だと思うだろ。


「普通の人間ならそうなるだろ」


レイコとえりなが万全の準備をしたけど、巨龍の生態に詳しくないため、俺はエドとファランディナに救援を求めた。情け無いと言われてもいい、元々俺は弱い人間だから。


「私は魔力の流れを見えますから、普通の人間と巨龍族の魔力は全然違いますよ」


「魂の姿も全然違うから、見間違いわけがないだろ。まあ、それは俺にとってはな」


この世界最強の二人が俺のお願いに応えてくれた、実に心強い。


「カミト、お前の心配のも無理だではない、リズがライドを産まれた時、レッドと俺もかなり心配した」


「ロティヴァンもそうだった。私がロティマスを孕んだ時、ロティヴァンも何も心配してくれたよ」


「桜の誕生は……あれだったから、俺にとって、これは初めてになる」


「人間と巨龍が一緒になる事、お前は最初ではない、そして最後でもないだろ。しかしそれでもこのような事は滅多にないぞ」


「カミト殿とリジルザックス様のように万全の準備をしておいたのはおそらく史上最初です。元々、そんな混血の子供は種族両方どっちでも受け入れにくいから、このような祝福が待っているなんてありえませんよ」


「しかし半精霊や半獣人とかいたよね?」


獣人族はともかく、今まで出会ってないが、精霊族もかなりの数が存在していると聞いた。しかもその精霊族の族長はなんと超神の一人であるのギルガレッシュ様だ。だから精霊と人間が通婚したのも変じゃない。


「精霊、獣人、人間、これは全て汎人種族ですよ」


「あ」


ファランディナの解説で分かった。つまり広義から言うと、精霊と獣人も人類になっている。巨龍族のリジルザックスとは根本から違っている。


「そう言えば、リジルの妹であるリヴィルザックスから反対されたな、俺とリジルの事」


「それは普通であろう」


エドは当然だろの顔で俺に答えてくれた。


「ならシックリスの経緯は?」


そして俺は思い出した、エドの伴侶の一人のも巨龍である事を。


「ザッドを救ったご褒美としてと俺の攻性凶暴を鎮圧するために、陽炎龍様は俺につきたい紅龍から一人を選んだ。まあ、最初は部下だったけど、今は大事な伴侶の一人だ」


「しかしエド様の体質だから、子供ができる可能性はもう存在しないはずです」


「ファランディナの言う通りだ。まあ、『死の騎士エド=リチャルソン』の子という重い肩書きを背負うのはレッド一人だけで十分だ」


確かにな。レッドも大変だったらしい。それはレッドの苗字はリチャルソンではなく、母であるメインのギルヘットからお察しだろ。


「あの、本当に俺も入ってはいけないのか?」


うん、数時間前から、リジルは既に産室に入った。もちろんレイコと支援兵科のみんなも。アースならば、夫の俺も入ってリジルを支えるべきだが、今シェルシンが扉の前に立って、守衛のポジションを取っている。


「すみません、総隊長、これは長門さんとお妹さんからの命令で、『決して総隊長を入らないように』って」


えりなとレイコがそう判断したなら、俺は無理矢理入るような真似はしない。しかしシェルシンまで呼び出されたとは……まあ、それも当然であろう。シンの奴が不在だから、この船にいる俺を止める可能性を持つのは、戦闘兵科出身のシェルシンだけだろ。


しかし時間長いな……


「もう、お父さんだら」


桜?


「リジルさんはきっと平安に妹をこの世に連れて来るから。それに私たちは狙撃兵だよ!」


多分俺の焦っている顔を見て、桜は俺を慰められた。そして今気付いた、俺はどれほどパニックしてしまった事。そうだ、桜の言う通りだ。俺は狙撃兵、だから待つのだ、目標が完遂まで。


ちなみに、アースの検査科技によって、リジルの中ににいるのは女の子が確定した。


しかしこれは長すぎるだろ⁉︎陣痛が始まったからはもう半日もあったぞ!


俺がそうやって考えている最中に、レイコが出てきた俺に声をかけてくれた。


「兄さん、もう産んだよ」


え?しかしなんの声も聞こえなかったよ!赤ちゃんの泣き声は⁉︎


まさか⁉︎


「リジル!!」


俺は急いで産室に入った。


ぱっ!


大きな声が出そうとした俺に、えりなが俺の頭を叩かれた。


「しー」


そして静かにを示してくれた。い、一体⁉︎


「心配させてごめんなさい、この子と私はえりなさんとレイコさん、そして支援兵科のみんなのお陰で大丈夫になっています」


俺は赤ちゃんを抱いて病床に横になっているリジルを見て、ようやく安心できた。


「リジル」


「この子が泣かないから、最初レイコさんとえりなさんも驚きましたけど、検査の結果は健康良好のようです」


「それは……よかった。お疲れ、リジル」


そして俺は気付いた、この子もリジルと同様、巨龍の特徴は一つもない、人間の赤ちゃんと同じだ。


「それでもこの子は間違いなく巨龍だ」


消毒処置されて、レイコによって入る事が許可されたエドが言った。


「このザッドでは、子供の種族は母によって決められますので」


同じ消毒したファランディナも入った。


「リジルザックス様、おめでとう」


「リジルザックス様、おめでとうございます」


俺に説明した後、二人もちゃんとリジルと赤ちゃんに祝福を捧げた。


えっと、一応、父は俺なので、その祝福は俺に向いてもいいだろ。


「リジルさん!お疲れ様です!この子は私の妹だよね!可愛い!」


そして桜も入った。


「はい、桜さん、これからこの子の事はよろしくお願いします」


「任せて、リジルさん」


お母さんと呼んでないけど、桜は相当リジルに懐いていると見える。織姫の時はそうじゃなかった原因はやっぱり年齢か?


「リジル」

「リジルさん!」


そして次にやって来たのはえりなと織姫。


えりなはさっきまでこの産室で手伝いしたけど、どうやら一度自室に帰って洗ったからもう一度来たそうだ。


「巨龍だと分かっているけど、赤ちゃんにはどんな影響をするかもしれないから」


俺の視線を気付いたえりなはこっそり説明してくれた。それもそうだな。赤ちゃんの対抗力が成人より低いから、俺たち大人が大丈夫かもしれんが、赤ちゃんにとっては命の問題になるのも怪しくない。


「一緒に守ろう、この子を」


「はい!」

「もちろんです!」

「当然でしょう」


桜、織姫、そしてえりなは俺の話に答えてくれた。


「では、旦那様、この子の名前はお願いします」


「いや、俺は名付け事が下手だから、リジルからつけてもいい」


「もちろん巨龍としての名私は既に決めました。しかしこの子は私の子だけではなく、旦那様の子でもありますから、よかったら、アースの名前は旦那様にお願いしたいです」


これ、どうしよう?


俺はえりなに助けを求める視線を送ったけど、彼女からのは俺自身で考えなさいの視線。


「では……菫で。この子のアースでの名前は赤城菫(あかぎすみれ)と決めた」


長く考えた後、俺は決めた。


「はい!そしてこの子の巨龍の名は、リジルナッザスです」


「うわ〜」


自分の二つの名前を聞いて、菫はようやく泣き出した。しかしそれはうるさくはない、まるで歌のような泣き声だ。よかったよかった。もしそのまま泣かなくなったら、黙娘様になってしまう気がする。


ちなみに、黙娘はとある国の海の守護神「媽祖」の聖名だ。


「僭越ですが、リジルザックス様」


「はい、なんてしょう?」


「リジルナッザス様が大きくなったら、どうか成龍の儀を参加させてください」


「エド?」


いきなり変な話をリジルにかけたエドに、俺は疑問の目で彼を見た。


「何かを感じましたと言うの?」


おそらくエドの話に何かを気づいたから、リジルは心配しそうな顔でエドに質問した。


「はい、今は確定できませんが、でも母は霜白龍のあなた様ですから、その儀式に参加させる価値がありますかと」


丁寧な喋り方をしているエドも慣れないけど、それより聞きたい事があった。


「待ってよ、その成龍の儀は何物だ⁉︎」


「成龍の儀は、成年する巨龍の属性を判明するための儀式です」


ファランディナは俺の問題を答えてくれた。


その成龍は成年の巨龍の意味だそうだ。よかった、とある国の鼻が大きい芸能人じゃなくて。


「しかし巨龍の成年はいつ?」


巨龍の事だから、百年単位のも怪しくない。


「十二歳です」


え⁉︎そんなに早いのか⁉︎考えたよりずっと早いので、驚いた。


「確かに巨龍が長生きですから、精神年齢は成長し遅いと見られていますが、実は巨龍の成長が早いので、十二歳は成年龍になります」


そうか。しかしなぜ長生き種族なのに、成長が早いのは一体?


「五百年前の大戦で、巨龍の数がかなり減ってしまった。その数を補うために、巨龍の成長が早くなった」


エドもその大戦に経ったはずがないのに、何故かまるで見たような感じをしている。


「しかしそんな強力な種族がたくさん居たら、お前たちも悩むだろ?」


「確かにそうなりますね。幸い、一部の巨龍を除いて、巨龍はこの世の守護者として認知しております。それに今も神龍の約束があります、どんなに異端だとしても、神龍の約束を破れる巨龍がいません」


「ファランディナさんの言う通りです」


菫を抱きながら、リジルはファランディナの話を同意した。


「はいはい!リジルさんは巨龍だからタフだけど、それでも休みが必要なのよ!お見舞い時間が終わり!」


本当に長居してしまったのようで、レイコがやってきて、リジルと菫を除いて、俺たち全員を追い出させた。


「な、カミト、お前の妹も古代語を喋れるのか?」


タフの事だな。


「だから言ったはずだ、お前が言ったこの星の古代語というのは俺たちアースの英語って事だ」


「それ、初耳ですよ、よかったら詳しく説明いただきたいです」


俺とエドの話を聞いたファランディナは会話を参加した。


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