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カミトとレイコ

「彼女は私たちガーディアンス最大の失敗かもしれない」


え?いきなりそんな悪口なのか?北上さんは一体どういうつもりか?


「誤解しないで、失敗したのは私たち…彼女自身はとても優秀な支援兵だよ」


多分僕の表情を見たから、北上が解説してくれた。


「兄妹だからって、きっと同じ力を持っているはず…そんな考えは私たち最大の失敗であった」


そうだな、普通誰もそう思うはずだけど。


「彼女の兄、カミトは空前絶後の空間認識能力を持っている、彼の目から見た世界は座標ポイントがあるのも冗談にならない程だ」


だからカミトは正確無比な射撃をできる故なのか?


「カミトは異例すぎて、研究部門はカミトの妹なら、同じ可能性があるかもしれないだと考えた」


「だから私たちはカミトの要求を無視して、彼女を勧誘した。当然あの時、カミトのことは彼女に言ってなかった」


「多分兄妹だから、その思いも似ている。レイコは世界の為にガーディアンスに入った。狙撃兵科のレイコは、正直、悪くない。しかし、それだけだ」


「あの時私はまたガーディアンスの重病専門病院にいる。カミトと初めて会ったのは、彼が半身不随になった時」


えええ?


半身不随はかなりの重病じゃないの?彼の戦いから全然見えられないよ。


「原因は脳溢血、あの時彼が背負った圧力が重すぎて、爆発してしまった」


「自分の手で彼女を殺さなければならない、そしてずっと一緒に戦った戦友も自分の指でそのトリガーを引かなければならない。どっちも彼のせいではないが、彼の手で殺したには紛れもなく事実だ。だから彼は倒れた。脳溢血で左半身不随になった。利き手ではないが不幸中の幸が、ランクレッドとして戦うこともうないと思った」


「私は上からの直接命令で彼の主治医になったけど、彼の状況はもはや誰も何もできないところだ」


そうか、狙撃兵とは言え、彼も生と死を超えた、シンと同じ。


「えりなの介護とリハビリのおかげて、彼はやっと歩くことができた。ちょうどその時、異種から本格的な侵攻が始まった」


タイミング良すぎじゃない?


「歩くだけ全力だったカミト、戦闘自体は不可能が、そんな彼でも、精一杯PAWSのハンガーに来た。なんとかコックピットに入った彼には、奇跡があった」


ええええ?


「私たちは知らなかった。守護聖剣エクスカリバー貫雷魔剣グラムはパイロットにできる限り戦闘を続けられる為、直接死亡の場合を除いて、パイロットを治る機能を備えている。その機能でカミトの半身不随が治った」


そんな簡単でそんな重病を治るなんて…


「だからその奇跡で戦場に帰ったカミトは、私たちの予想を遥かに超えた」


え?


貫雷魔剣グラムはずっとパイロットがいなかったと言うのは、それを操縦できる人が存在しなかった、カミトが現れたまでな」


なんて?


「空間認識能力は要求すぎるから、その上で、反応速度も必要だ。同時に両方を満足できるのは彼しかいない」


流石だな。


「一機で敵を殲滅できたし、月まで射撃命中して、信じられない事実ばっかりだ」


そうね。確かに無茶苦茶な人な。


「君のご主人の資料も、私が調べた」


え?


「彼も運がいい人だな」


綾崎家と出会えたことなら、確かに。


「彼が受けた肉体改造は、とても危険なものだった」


僕はとても驚いている顔をしている。


「技術足りないか、わざとやったかのは知らないけど、本来、シンの肉体はもはや限界になったはずだ」


それはどうなるか?


「肉体から崩れることだ」


怖い。でもシンの戦い姿から見るとそんな状況はないけど。


「そこは運がいいところだ」


多分僕の目線の意味を気づいた、北上が僕に応えた。


「もし改造当初から酷使ったら、そのまま筋肉が骨から分離して、ただの骨架になってしまう」


怖い!


「でも多分そんな時で綾崎家に拾ったから、筋肉と骨の成長が合わせた、だから今全力で戦うのも問題ない」


そうか…だからシンは綾崎家に尽くすというわけか…


北上が僕に話して最中に、シンが帰って来た。


「ヴィクの検査結果は?」


「病気なしって健康な体です」


「よし、そこで座って待ってろ」


「…はい」


多分シンは北上のことをよく知っていたから、素直で指定されたところに座った。


こんなに素直なシンは初めて見た。


「あの、北上さん」


「なんてしょうか?」


「あなたが日本人だよな?」


「そうだが、そうでもない」


名前から見ると、確かに日本人だったが。


「北上さん本来の国籍はアメリカよ」


「まあ、私本当の名前はファリッド.キタガミ。北上修一はセラフィーブリンガースの兵科長たちに合わせるためにつけた名前だ」


「なんか不満そうな顔をしているような」


「そんなことはない。嫌だらすぐこの部隊から離れることになったことだ」


「そうですか」


「では兵科長はここにいる理由は?」


「若い人たちには誰が見守らなければならない」


「お兄さんたちはもう三十五だったけど?」


「あなたは私が年齢を言わせるつもりか」


はは。


「レイコ、聖女たちを見に行って」


「はい!」


レイコは出ていた。


「シン、あなたの肉体、全力は大丈夫だけど、全力を超えて出しすぎしないように。一回でもあなたが崩れるから、気を付けろ」


「はい」

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