繋いだ二人
「ラーナー政務官、あなたの結婚に祝福を」
「女王陛下のお言葉に感謝します……」
今はレカーライヴズ王宮でリリズに僕が結婚した事を報告する最中だ。
しかしどうしてこうなった⁉︎
昨日、カノン帝国のブレイド候爵が突然にやって来て、導師様に用があると言った。二人は何か話した後、導師様は僕を連れて、ブレイド候爵の転移魔法でカノン帝国のサンタルシア屋敷に到着した。その後の考えすらしなかった展開の結果、エイル王国の王女、リゼシアは僕の妻として、僕と一緒にレカーライヴズに帰る事になった。
「女王陛下、お初にお目にかかって光栄です。私はリゼシア=アウ=エイルと申し上げます。今度のお縁でラーナー様の妻になりました」
「そんな堅苦しくなくてもいいよ、これからみんなが家族なんだからな、お姉さん」
あの、リリズよ、女王のあなたにお姉さんと呼ばられたら……!
「恐縮です」
やっぱりリゼシアはカミト兄さんにお母さんと呼ばれたお母様の顔と同じだった。
あ、そうだ、今の女王はリリズだけど、お母様とお父様は健在だよ。来るべきの未来を備えるために、お母様は早めにリリズに譲位した、今はお父様と一緒に人生を謳歌している。
リリズに丸投げだと思ったけど、導師様はそれはあの二人の約束されたの休みであると言ったから仕方ない。
「では、赤城団長どうぞ」
「はい」
リリズの指令で、カミト兄さんが僕とリゼシアの側にやって来て、何か御用があるでしょうか。
「お二人の事を聞いたら、祝福をしたい人がいてな。アリス」
『ラーナー、おめでとう!私はずっと心配したよ!あなたはその辺の事はあまり関心しなかったから、本当によかった』
カミト兄さんの指令で、僕たちの前にオリヒメ姉さんの映像が写ってくれた。これはどんな魔法かよ⁉︎
「ありがとうございます、オリヒメお姉様」
「ご祝福をいただけることに感謝いたします、オリヒメ殿下」
『本当に堅苦しいですね、リリズの言う通り、これからは家族なんだから、もっと楽してね』
「はい」
カミト兄さんの妻になったから、オリヒメ姉さんはさらに美しくなってきた。それだけではなく、身長は僕より低いなのに、僕よりずっと大人っぽくと見えるようになった。
『ラーナー、おめでとう』
「ありがとう、ライド兄さん」
オリヒメ姉さんの次に、僕とリゼシアを祝福してくれたのはライド兄さん。うん、今のライド兄さんを見れば、完全にアース人に見えるようになった。カミト兄さんたち、恐るべし。
『そしてすまなかったな、リゼシア』
え?今ライド兄さんがなんて?
「ライド……」
『元婚約者からの祝福、やっぱり嫌なのか?メローも俺に注意してって言われたけど』
えええええええ⁉︎ライド兄さんとリゼシアはそんな関係だったの⁉︎冗談でしょう⁉︎聞いた事ないよ!
「それはそうですね、あなたがいきなり消えたから、私はレカーライヴズの王妃になれなかったよ」
『元々それは俺にとって荷重すぎる責任だ』
「そうなのか?私から見ると、あなたがいれば、レカーライヴズが安泰ではなくて?」
『リリズは俺よりいい王になれるよ。それより、ラーナーの事、よろしく頼む』
「わかっているわよ、エド様の条件を呑んだからね」
『ラーナー、気にするな、俺とリゼシアはもう過去の事だ』
おそらく今俺は変な表情になっているから、ライド兄さんは僕に声を掛けてくれた。しかしまさかライド兄さんとリゼシアは元婚約者だったとは……
「ライドの話に気にしていますの?」
それだけではない、リゼシアがライド兄さんと話している時、喋る方はあんな自然だったのに、今僕と話しているの喋り方、堅い。
「確かに、ライド王子に未練がないと言いましたら、それは嘘になります」
まさか僕の嫁がライド兄さんの……
「でもご安心ください、ライド王子とは婚約者でしたけど、それ以外の関係は全くありませんから」
安心できるわけがない。何せ、ライド兄さんの後ろ姿があまりにも巨大すぎて、白馬の王子様そのものだと言える人だ。今でもはっきり覚えている、ライド兄さんが巡行しに出て行った時、周りが集まって来た女の子の数量、それは衛兵たちが推して推しても、片付けられなかったの数だった。そんな人がリゼシアの元婚約者って、冗談でも程があるのよ!
「ラーナー様、ご結婚、おめでとうございます!」
リリズとの挨拶が終わった後、僕はリゼシアを王城内にある僕の住む所に連れて帰った。そこで僕とリゼシアを待っていたのは、いきなり導師様に連れられて行ったから、ついて来なかったのリーナであった。
「あら、あなたは?」
元王女だから、リーナの事を見下げるのも仕方ない。
「はい、自己紹介遅くなって申し訳ありませんでした。私はリーナ、ラーナー様の専任護衛です」
「どうしてあなたの護衛がこんな可愛い子ですの?」
え?レカーライヴズ王宮に帰った以来、初めてリゼシアから顔の変化があった。
「それは事情があって……」
「私はリリズ女王から任命いただいた、ラーナー様の護衛です!」
僕が答える前に、リーナは答えた。そう言えばそうだな、しかしどうやってそれをリゼシアに説明する方がいいのか?
「私はいい妻になりますから、どうか私を捨てないてください……お願い……」
どう言う事⁉︎いきなりリゼシアが泣きながら僕を強く抱きしめてくれた。
「あの、ラーナー様、これ、心当たりがありますか?」
突然泣き出すリゼシアに対して、リーナは僕に聞かれた。そしてその心当たりはあるかどうかと言ったら、一つだけある。
「どうやらライド兄さんがあなたの心に刻んだ傷が深過ぎだね」
「うう……」
うん、どうやら僕の考えは間違わないようだ。そしてその上、国がカノン帝国に占領してしまったから、住むところまで失った。幸い奴隷として売られた前に、ロティマスに救われた。
妹の方はともかく、今リゼシアが依頼できる者は僕しかいなさそうだ。それに今彼女の涙は僕を説得させられた、僕は彼女を抱き返した。
「本当に、私とずっと一緒にいる?」
「妻を捨てるなんて、僕がそんな事をしないよ。それにもしそうしようとしたら、導師様とカミト兄さんはきっと僕を殺されるはずだろ」
「あの二人ならきっとそうしますから、気づいてくださいね、ラーナー様。そしてご安心ください、リゼシア様」
「その通りよ、もしラーナーがそんな事をしたら、私は導師様や赤城団長より先にラーナーを処刑するよ」
リリズ……いつ来たの?そしてそんな危ない話はそうやって普通に言う事じゃないよ!
「これで安心できるだろ」
カミト兄さんも⁉︎
「もしあなたはラーナー様に虐めされたら、居候の私も看過しませんよ」
リ、リジルザックス様まで⁉︎あの、女王のリリズはともかく、救世主のカミト兄さんと霜白龍のリジルザックス様と敵対するなんて、レカーライヴズ一番の阿呆でもそれの危険さを知っている。
「大丈夫だよ、リゼシア」
さすがにみんなからの圧力が重すぎるから、僕はとても真剣な表情でリゼシアを見ている。
「本当に本当に、ずっと私と一緒にいてくれる?」
リゼシアの泣いている顔、流石に愛おしいから、僕は思わず彼女と口付けをした。
「もちろんだ、この国のためにも、僕がやらなければならない事がまた多いから、リゼシアがいないと、僕は困るのよ」
「はい……はい!」
僕の話を聞いたリゼシアは僕を強く抱きしめてくれた。しかし感じられる、今度の抱くには嬉しさがある。
正直、ラーナー兄さんとメローさんを見て、羨ましくないと言ったら嘘になる。しかしそんな行動力が持たない僕には自らでそんな対象を見つけられる可能性が低い。
だから僕からリゼシアの手を放すわけがないだろ!
「その顔を見て、もう大丈夫だろ」
「はい!」
よかった、リゼシアの表情はようやく回復した。
「では赤城団長、私に私的場合で報告したい事は?」
僕とリゼシアの事が解決できたから、リリズはカミト兄さんに向いた。しかしなぜその報告は僕の住むところで?
「はい、実は……私、できました」
え?リジルザックス様はなんと⁉︎
まさかだよね⁉︎
「ちょ、ちょっと待って、できたってどう言う事⁉︎」
リリズはちょっと飲み込めないようだが、僕は閃いた。
「そうか、これはおめでとうだな」
さらにいつのまにかやって来た導師様の言葉に、僕の考えを証明してくれた。
「ま、待って、お二人はアース人とザッドの巨龍だよね⁉︎本当に世界と種族も違う二人の間は子できるの⁉︎」
うん、僕もそれを聞きたいけど、リジルザックス様とカミト兄さんはこんな嘘を付く人じゃないから、多分本当の事だろ。
「その子はもう魂が見える程だぞ」
導師様がそこまで言ったから、リリズも信じざるを得なくなった。
「この子が生まれるまで、滞在の許可をいただきたい」
カミト兄さんのそのお願い、王弓騎士団の長には必要がないと思うけど、カミト兄さんの視線の先で気づいた。そのお願いは、王弓の長ではなく、アース人としてだ。だから話の相手はリリズではなく、導師様であった。
「それはもちろんだ。しかし、えりなさんと織姫にも報告したか?」
「この後は彼女たちに報告するつもりが、俺にはちょっと言いにくくなっている。それに桜のことも……」
「お前はちゃんと話せれば、あの二人は受け入れるはずだ」
「そうなのか?」
まさかカミト兄さんもこんな困っているような表情もするなんて……




