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ポメラニアンとご主人の奇妙な冒険  作者: クレナイ
レカーライヴズ王位選抜
122/215

シンの仕事

2021.07.02 少し誤字を修正すました。

聖女軍団長の一日は礼拝から始まる、そして礼拝で終わる。


くだらない生活だと思っていたけど、実は要求されたのもその二つの礼拝しかないので、軍団長は管理の仕事を専念できる。


朝。


「拝!」


ピラコの指令で、シンが深く伏せた。その前にあるものは、アイシュヤ様の神像。


「献上!」


そしてシンが起きて、供物を神像の前にあるテーブルに置いた。


「お祈り!」


シンが合掌して、およそ五分間ずっと何かを唸っていた。


「お疲れ様でした!」


シンが合掌を解除したら、ピラコもこの儀式の終了を宣言した。


「すまんな、ピラコ。こればっかり未だ詳しくないから」


「いいえ、軍団長は良くできています」


「ところで、この厚い書類は何だ?」


およそ三十センチ高の紙の山がシンの勤務机に置いている。


「はい!全ては代行権限で決定できない事項です」


「こんなにのかよ?」


「はい、こんなにですので、詳しくは書類で」


そしてシンがピラコとクロエの指導を受けて、デスクワークを始まった。うん、やっぱりシンと似合わないね、デスクワークは。


ちなみに、今シンが着ている服は聖殿騎士団軍団長の礼服。和歌奈お嬢様とデゥカラガン様の代表色は紫色だから、シンの服も紫色をベースにデザインしたもの。


「確かにシンと似合わないね」


え?杏?なんてここに?そして憐もいる⁉︎


「いや、シンの仕事場と聖殿を見学したいからな」


チャルナウは依然二人のガイドをしているから、僕の言葉は彼女の通訳を通って、杏たちと交流する事ができた。


「この世界の神事について、あまり知ってないけど、ああいうのは普通なの?」


「うちは百人を超える軍団です、そしてある程度以上の人事異動は軍団長自ら可決しないといけません。他の軍団も大体同じですから、これは普通だと思います」


今僕たちに説明してくれたのは、シンが杏たちのために派遣してくれた護衛担当の軍団メンバー、確かに名前はイルスだそうだ。


「しかしシンがこのザッドに長居するわけがないから、そうしたらどうする?」


「一年以上不在の軍団長は解任としますのようですから、その時は新任軍団長にやってもらいますよ」


そう言う事か。あと其れはつまりあの時から未だ一年もないって事か?


「でもシン様のように他の世界の人が軍団長に任命された事はおそらく史上最初ですから、色々を制定しなければなりませんと聞いています」


まあ、そうなるよね。


「和歌奈姉が自らシンを任命したと聞いたけど」


「和歌奈聖女聖上とはお知り合いなのですか?」


「知り合いというより、同じ仕事場の上司の娘の感じだったけど、今は頼りになる先輩お姉さんの感じかな?ガーディアンスに入るかどうかについて、色々な助言をもらったよ」


あ、あれか。確かに和歌奈お嬢様は杏とたくさんの事を話した、そしてそれは杏と憐二人がガーディアンスに入るきっかけになった。


「そうでしたんですね。正直、クロエを羨ましくないと言ったら嘘になりますね、まさかあのクロエが……」


待って、この人から

変な気持ちを感じたのは僕の気のせいか?


「それ、どう言う事?」


うん、杏の目線も厳しく鋭いになったから、どうやら僕の気のせいじゃなさそうだ。


「いいえ、それは決して悪口ではありません!同じアイシュヤ様に仕える身とは言え、クロエはあまり私たちと群れませんでした。そんな彼女はある日でレカーライヴズのエド様に選ばれて、シン様の助手になりました。そして今はシン様の奥さんだと聞きましたから、羨ましいに決まっていますと」


うん、この子は嘘をついてない、確かにクロエはそうだった。だからあの時シンに連れられてお嬢様と一緒に食事をした時、かなり緊張してた。


「あの、もし何か怒らせてしまう言葉でも言ってしまいましたら、謝りますので、どうかシン様には!」


「私に何か御用でも?」


うわ!クロエだ!どうやらこっちの話を聞かれてしまったからようだ。


「クロエ、あなたがここにいる時はよくいじめられたの?」


「それはありませんでしたが、私もあまり他人と触れていなかったから、時雨様から私に対して敵意を持つ人は少なくないと聞いた時は少し驚いた。まあ、私はシンの副官のみならず、妻までなったから、そうやってみられるのも仕方ないの事です」


そう言えば、確かにそれを言ったのは剣成だったね。


「そうか、剣成さんか」


杏も剣成の実力をわかっているから、カミトと同じさんを付けた。


「要人の前にそんな暴言を言い出した事は許されると思うのか⁉︎」


いつのまにかピラコもこっちにやって来た。


「ヒー!」


ピラコはさすが軍団長代行だな、声はあまり大きくなかったけど、それでもこの子に恐怖を感じている顔になった。


「まあまあ、ピラコ、心はもっと広くに、な」


「軍団長……しかし要人の前に軍団長の奥さんを貶めるなんて、罰を与えないと!」


シンもやって来た。


「確かにお前は未だ副官がないよな、ではこの子はお前に託す」


「軍、軍団長⁉︎」

「シン様⁉︎」


シンの命令を聞いた二人はほぼ同時に声を上げてしまった。


「お前の故郷にはお前を待っている子がいる事は知ってるから、別にそんな事まで要求するわけがない。ただ罰とは言え、それも公的に有意義な事の方がいいじゃない?」


「そう、そうですけど……」


「俺がアースに帰還する前に、この剣を持ってもう一度選抜戦を開くつもりだ」


「え⁉︎軍団長は辞めるんですか⁉︎」


「俺はお嬢様のために軍団長になっただけだ。それに俺が帰ったとしても、こんな書類は急いで処理しなければならないものばっかりではないか?」


確かにね。もし一年を待ってしまったら、タイミングが失ってしまうかもしれんね。


「し、しかし軍団長、きっと私が勝つわけがありません。この月の聖女軍団、猛者はいくらでもいます!」


「簡単さ、その時お前は今のように補佐すれば良い」


少し止めた後、シンはゆっくり言い続いた。


「しかし俺はお前の剣を信じてるぞ。この先の未来を切り開くのはきっとお前の剣だと」


え?まさかシンがそこまでピラコを褒めるなんて……?


「軍、軍団長……」


「俺はあまり賢くない、そしてエドのように人の魂を見える事ができないから、言葉よりも、俺はこの拳を通って相手を理解する方が確実だ」


あ、そういえばそうだったね。カミトと剣成もおそらくあの時で分かり合えたかな。だから今はこうやってお互いに協力できている。


「シン、なかなかできるじゃない」


この場面を見た杏はあっさりシンを褒めた。事前でここのみんなに杏の身分を知らせていたから、揉める事が免じた。


「では残ってるか書類を一気に片付くぞ!」


シンは頷くことで杏の褒める言葉に感謝を示した後、デスクワークに帰った。


うん、やっぱりシンには、デスクワークは全然似合わないよね。

イルス=ライオンバース:月の聖女軍団ではクロエの同期だが、クロエと違う、よく見回り勤務を担当していたから、知り合いが多い、なかなかの情報通である。

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