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エドの歴史

「死の領主?騎士の上だから領主か?」


「その話はおやめてください」


「エド様にとって、それは黒い歴史のような過去ですから」


「へい〜」


「カミト!ファランディナ!」


「それはエド様の逆鱗ですから、ここで止めましょう」


ファランディナの提議に、カミトは頷いた。


「ところで、ファランディナ、お前はレカーライヴズにこんなに長く泊まっても大丈夫か?カノン帝国の大公爵だろ」


「大丈夫ですよ、夫のロティヴァンは選帝侯爵ですが、私の仕事を代行できる権利を持ちます。それに本当に何か私でないと決断できない事が起こしてしまいましたら、ロティヴァンは通信魔法で私に直接連絡できます」


「高等魔法使いは本当に便利だな」


「私から見ますと、アースの科技こそ私たちの魔法以上の奇跡ですよ」


「ほう」


「本当ですよ。一人でそんな大量の敵と対抗できるゴーレム、国皇陛下まで研究しろって私を命令されましたよ」


「冗談かどうかわからないが、PAWSはお前らにとってはまた早すぎる物だ」


「確かに、そしてそれを研究できる国おそらく私がいるカノン帝国だけだと思います」


「地図でわかった、そのカノンの広さをな。しかしそれではこのザッドを統一することはできるじゃないか?」


「先代国皇はそのような考えがしましたけど、先代大公爵である私のお父様にそれはいけませんと進言しました」


「カノン帝国はこの大陸の中央にある、唯一外と接続しているのは南の山だけ」


エドはファランディナに続く説明した。


「つまり、全てを自分の管理下に置くより、他の国に外の防衛を任せた方が統治しやすい事だな」


「さすがカミト様、その通りです」


「そんな事をはっきり俺と話すのは大丈夫?」


「あなたは救世主ですから」


「一応、このザッドでの立場のために、俺はその称号を受けたけど、できればそう呼ばないてほしいな」


「承知しました、赤城様」


「お前たちは信じられないかもしれんが、俺らガーディアンスには階級制度がない、あるものは職務だけ。だから桜やロックオンたちは俺を呼ぶ時も役職だけ、様はつけてないわけだ」


「まさか、本当に信じ難いですね。でも桜さんやスタウダマイヤさんを見ればわかります、全ての(つわもの)は赤城殿を信頼していますから従えるようにしましたとは、すごくと思わずにいられませんね」





みんなさん、突然だけど、こんにちは、ヴィクです。


あの時の事に詳しくライドとロティマスの説明によると、あの時のエドは邪神ニンザスに憑依されて、「亡霊皇帝」の名を乗った。


しかしエドはレッドの生母であるメインさんの魂のお陰で、ニンザスの憑依から覚醒できた。しかし彼はこのザッドの民たちをお互い協力できるようにしたいから、エドの闇の一面が覚醒して、「死の領主」として再びこの世に立ち上がった。


闇の一面って…


「あの時のエド様を阻止したのは親父とシェルフィー様だった」


「お父さんとシェルフィー様の仲は、お母さんと出会わないと、あたしとノウ兄のお母さんになってもおかしくないほどよかったよ!」


そう言う事だったか。でも獣人と人間の間に子ができるの?


「できるのよ、同じ汎人種族だから」


そうなのか、しかしそうすると、今のチャルナウはヴァルキュリアになるじゃない?


「それもそうだよね。しかしそう考えると面倒になるよね」


そう?


「あたしはそんな大任を背負えるタイプじゃないから、今これでいいの」


本当に自由気満々だね。


「それもよくお父さんとお母さんに責められていたよ、次期族長のノウ兄を支えないとって」


「最初からそんなことを期待してねえよ。むしろなにもしないてくれ」


「はいはい」


これは放棄された事?


「そんな訳ねえだろ。万が一の時、遊撃部隊として働くもらわないと」


「はい〜」


遊撃部隊…おそらくそれは唯一チャルナウに合う仕事だろ。チャルナウの動物と交流できる能力から見れば、まさに天職と思う。


「ヴィクちゃんもそう思う?確かに森の中ならあたしは行動しやすい、いろんな助力を得ることができるけど、やっぱりそんな未来を避けたいな」


今更だけど、顔まで筋肉ばっかりのチャルノウと違う、チャルナウは普通の人類少女の顔。人類と違うところは、人類の耳を持たない、猫のような耳が頭の上にある。


つまり猫耳少女と言う姿だ。よく見ると、猫っぽい尻尾まであるよね。


「もちろん戦争等民に害があることを避けるのは王の仕事だけど、万が一の事態を備えるのも王の仕事」


それにあのさ、ライド、本当に王位を放棄するの?今の僕もそんな話を言えるあなたが放棄するなんて実に惜しいと思うになったよ。


「放棄しないと、メローの立場が危なくなるから」


「しかしそうな事より、今は至黒の塔を侵入する方法を考えないと」


え?普通に行けないのか?


「儀式のために、魔族はきっと周辺を警戒している。そしてあそこはエドお爺さんの魔力が大量残しているから、不死魔物(アンデッド)が大量発生している」


だから封鎖した故か。


「親父とシェルフィー様も逃げ出すことに大変だったようだと聞いた」


ファランディナ様のようにテレポートすれば?


「こことは違う、あの場所の魔力は汚れられたから、それは術式に邪魔になる」


天然の屏障ってことだな。


「しかし普通に行くときっと奴らに気付かれてしまう」


そして汚れ魔力のせいで、ロティマスの魔法で隠すのも無理ってことよね。


「その通りだ」


デゥカラガン様の加護を持つ僕には無事になれるかもしれないけど、ライドたちは無理だよね。


「ではその方法しかなさそうだな」


どんな方法?


「なに、こっそり潜入することは無理だとしたら、ならば正々堂々に攻めばいい」


チャルノウが言った方法は簡単だけど、むちゃくちゃ過ぎない?


「確かにそれしかなさそうだ」


「ならば装備を用意しないと」


「つまり一旦帰ろの事だね」


「むしろ赤城様に救援を頼む方が早い」


うん、他の人は知らないけど、カミトと貫雷魔剣なら、このザッドに敵なしだと思う。


「あの、役に立てるかどうかわかりませんが、私が通った道があります」


「え⁉︎」


ライドが許したあの男の妻が目覚めて、そして僕たちにとある道を教えてくれた。


「確かにあなた様の言う通り、そこは汚れられた魔力が大量ありますから、私はほんの少し触っただけで体が急に悪くなりました」


「しかしなぜ君のためにそんな道を選んだのか?元々君を生かせるつもりはなかったのはず」


「ほんの少しだけ聞きましたけど、どうやらそれはわたしの夫との契約だそうです。魔族は契約を通って行い力は絶大だと聞いております」


どうやらこの奥さんも只者ではなさそうだ。


「ああ、そこの獣人さんに勝てなかったけど、この辺で俺はそれなり有名な人だと思います。実はあのリッチ、俺の小隊は倒しそうな時、急に俺たちの後ろに転移して、妻を拉致し、人質にしてしまったんです。だから俺はあのリッチからライド様御一行を襲う仕事を受けました、本当に申し訳ありませんでした」


男はもう一度ライドに頭を下げた。


「この私は不問と決めたから、もう良い」


「ありがとうございます!ありがとうございます!」


「では早速だが、奥さんにその場所の位置を教えてもらいたい」


ロティマスはあの奥さんと位置を確認した。これで転移魔法で潜入できるようになりそうだ。






「そんなにその時の話をしたくないのか?聖女たちはお前を許したと聞いたぞ。それにあの時俺らはお互いの記憶を見たはずだ、今更」


「それはこの俺の勝手な考えにしかない。このザッドのためとか言ってたけど、結局それも俺のわがままだけだ」


「まあ、結果から見ると、お前は間違いなくこのザッドの民たちの交流を進めさせた。せめて聖女と俺はそう思う」


「それはどうかな」


エドの嘆き声、レカーライヴズ王宮の廊下に回していた。

ロティヴァン=ブレイド:

前死神軍団所属血痕騎士にして、今はカノン帝国選帝侯爵を担当している。カノン帝国での地位はレカーライヴズのエドと同じポジションだ。


ファランディナとはかつての同級生だった。何年振りの再会で、ロティヴァンは血痕騎士から目覚めて、ニンザスを倒すためにファランディナとチームを組んだ。

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