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僕の冒険

みんなさん、こんにちは、ヴィクです。


今僕はレカーライヴズ第一王子ライドと一緒に冒険している。


どうして僕は同行したいの?それはこのザッドに対しての好奇心だから。


それにライドの気持ち僕も理解できる、きっとあの時僕がトリーを救いたいと同じだろう。


だから僕が助けられる事があれば、そこから目を逸らすような真似はしたくない。


シンも理解したから僕にデゥカラガン様の加護を与えてくれた。この加護がある限り、どんな状況であっても僕は大丈夫だろ。それにしても、本人ではないのに、加護を与えて本当に大丈夫か?


「もう、ヴィクちゃん本当に可愛いだね!ねえ、うちの子になってくれない?」


お断りします。どうにがあっても僕の主はシンとお嬢様だけ。


「うう」


僕を抱いているチャルナウは少しショックしているような顔をしたけど、これは演技だろ。


「賢い子だね、ヴィクちゃんは」


え?僕の話をわかるの?


「あたし、獣使いだよ」


なにそれ?


「要するには、(とも)たちと交流できる冒険者職業の一つよ。ちなみに、ノウ兄は戦士だよ」


そしてライド王子はスカウトだよね。しかしその冒険者職業とは…


「この世界はまた沢山の未踏の地がある、そして魔物が多いから、各国は一緒に冒険者の規則を制定したのよ」


「ちなみに、あたしの獣使いやノウ兄さんの戦士、そしてライド兄のスカウト、どっちも基礎職業に過ぎないよ!」


へい~


「例えば、ライド兄のスカウトの上位職業はレンジャー、或いは狙撃者になれるよ、有名人はファランディナさまの姉、ファランシスナさまだな」


ファランシスナ、確かに何処かで聞いたような気がする…そして狙撃者もいるのか?もしカミトが冒険者になったらこれだな。でもカミトのやつならレンジャーもあるかも…


「ねえねえ、その赤城は強いの?エド導師様と共に救世主だと聞いたけど」


僕の知る限り、最強の狙撃兵だ。


「例えば?」


うん、五千メートルの距離で目標を一撃仕留めたとか、狭い間隙を通って目標を仕留めたとか、空を浮いている数十個移動目標を短時間内で全部撃ち落としたとか。


よく考えば、PAWSの力を借りなくても充分な化け物だね、カミトは。


「凄い!あたしも見たいな」


「今は赤城様の話ですか?」


ライド王子はチャルナウの話を聞いたそうだから、ちょっとこっちに近くに来た。


「そう言えばあの赤城は織姫ちゃんの旦那だよね、そうだったらライド兄はあの赤城の兄になったよね」


確かにそうなるな。


「いや、あの方を弟で呼ぶなんて…」


「どうして?」


「年の関係もあるけど、あの方は偉大すぎるから」


「おい、もうすぐ到着するぞ!そもそもお前の家へ向かうのになんて俺が馬車の操縦を取るのかよ」


「すみません、チャルノウ兄さん、あの時俺は慌てて王城からメローを連れて逃げ出したから、道はよく覚えてなかった」


「チャルノウでいい。確かに俺はお前より年上だけど、あまり差がないはずだ。それにレカーライヴズ王国の第一王子に兄と呼ばれたら、俺は慣れないし、お前も困るんだろ」


チャルノウが無駄話をしている二人を責めた。ちなみに先ずはライドとメローの家で情報を集めることを提議したのもチャルノウだ。その家の場所はエルア王国にあるのようだ。そしてそのエルア王国もカノウ帝国と同じ、昔はヘティインモクル大帝国の一部だったけど、大帝国が崩壊した時独立した。領地は小さいだけど、貿易の要にあるから、他のどの国誰も舐められなくようになった。


以上はチャルノウの説明。獣人なのによくわかってるのね。


「親父だけではなく、トクルス様やシンイン族母様も文化の事を重視しているから、我ら獣人でも学校を建てたぞ」


へい〜てっきり獣人はあまり賢くない印象だったけど。


「どこの獣人族と比べられたのは知る事じゃねえけど、まあ、とりあえず仕事を始めようか」


デゥカラガン様の加護は僕の感受性も強化したから、すぐ気持ち悪い場所を感じた。


「はや!ヴィクちゃん凄い!つまりここから逃げ出したの?」


おそらくな。とりあえずその不快な感覚とそのメローさんの匂いは同じ方向だ。


「つまりここからか」


チャルノウは背中背負っている大剣をいつでも抜刀できるように調整した。本当に歴戦の戦士っぽい雰囲気が出ていた。


「ライド兄、あたしたちは先行探査をしようか、もちろんヴィクちゃんも一緒だよ!」


チャルナウも得物の弓を背中から手にして構えながら探査を始めた。


「了解」


ライドの得物、なんと長剣と短剣の組み合わせだ。てっきりチャルナウと同じ弓だと思った、スカウトだからな。


「もちろん弓は使えるけど、あまり他人に見せられる程度ではないから」


「なんの話はわからんか、あのレカーライヴズの王子は弓の扱いが下手なんて、冗談にもほどがある」


後ろにいるチャルノウはライドの話にツッコミした。ツッコミだけど、それどう言う事?


「レカーライヴズ王国の騎士団は王弓騎士団である、そして最も敬拝している神さまはアイシュヤさま、その一番この世に知らせている形象は弓使い」


チャルナウがここまで説明してくれたらわかった。つまり王家に恥をかけられないように、第一王子のライドに厳しい訓練を施した事だよね。


「そう言う事、多分あたしより上手いのはずだと思うよ」


そうか。でもそれより僕が変な気配を感じた。


ワーッ!


僕の吠えと共に、三人が臨戦態勢に入った。


「さすがヴィクちゃんだね!そこ!」


先に攻撃したのはチャルナウ、箭が命中したところが獣の悲鳴を聞こえた。


「違うよ、それは魔獣だ」


チャルナウは僕の認識を訂正しながら、弓の射撃で前にいるライドとチャルノウを援護している。


ライドの剣技は素早い。一撃が目標に与えられるダメージが少ないけど、その連続の攻勢が敵の反撃の機会を渡さない。意外なのは左手の短剣は主に防御用に使っている。


「華麗な双剣技は導師様に教えられたけど、難しすぎて、俺に不向きだ」


引き換えて、チャルノウの大剣はちょっと緩くように見えるけど、一撃当たったら、一撃必殺の威力がある。それにチャルノウは決して適当な攻撃をしない、敵を破綻にさせたから一撃を決めるタイプだ。


僕たちに襲うをかかってくれたのは狼の群れと熊の群れだったが、どっちも僕が知っている様子と違う。


頭に二本の角を持つ熊や狼なんて、聞いた事はないよ!


「ノウ兄、どう?」


「間違いなく原生種ではない、何かの影響で角まで生まれた」


つまり元々角がないよね。


「それは過量な魔力のせいに違いない」


聞いた事ない声が出た瞬間、僕たちが再び臨戦態勢に入った。


「お久しぶりと言うべきかな、ライド、チャルノウ、チャルナウ」


「おっと、先ずはこいつらを片付けないとな。喰らえ!神雷」


あの男の周りが雷が大量発生している、襲うかかって来た狼と熊は焦がし炭ようにさせた。


これは…人類だよね、レザージャケットを着ているけど、強大な魔力を感じられる…しかも何処かで…


「その魔法の使い方、ロティマスか?」


ライドはその魔法を見たからとある名前を言った。と言う事は、そいつは知り合いなの?


「そうだ!」


「ロティマスと言えば、あのファランディナさまの息子の?」


名前を聞いたチャルノウも反応した。


「そうだ、俺こそカノン帝国大公爵ファランディナ=サンタルシアとカノン帝国選帝侯爵ロティヴァン=ブレイドの息子、ロティマス=サンタルシアである」


王子のライドに及ばないのはずなだけど、この人の家門も凄いな。


「そうか!十年振りだから、一時覚え出せなかった」


それより、まさかあのファランディナが子を持つなの!?それに父の苗字ではなく、母の苗字を取るとは。


「しかしなぜお前はこんなところに?」


冷静になったチャルノウは確認しにロティマスに声を掛けた。


「お母様からお前らに手伝いあげなさいって」


「なるほど」


知り合いだと確定したから、僕たちは構を解除した。


「そうだ!魔力と言うなら、その根源を探せば!」


ライドは興奮しているようだけど、さっきのハイテンションと違う、ロティマスは冷静にこう言った。


「いや、そう簡単にできるなら、お母様は既に解決したはずだ」


それもそうだね、あのファランディナさんならきっと。


「まあ、とりあえず参考になりそうな情報ができた、ありがとうね、ロティ兄」


「ロティ兄?」


「あたしより年上だから」


チャルナウの答えを聞いたロティマスは疑問な目でライドを見るけど、ライドは肩を聳えただけ。


「とりあえず、今俺らの行くべき先は?」


チャルノウはその狼と熊の死体を片付いた後、質問した。


今この場所は血の匂いに満たされているから、デゥカラガン様の加護があっても、僕の鼻が役に立つそうにない。


「ほんの少しだけど、ここに残留した特殊な魔力痕跡はこの方向だ」


さすがあのファランディナの息子と言うべきか?ロティマスは僕たちが行くべき方向を指した。

ロティマス=サンタルシア:ファランディナとロティヴァンの一人息子、将来は大公爵の跡継ぎになるから、苗字はサンタルシアにした。


ファランシスナ=サンタルシア:ファランディナの姉であるけど、魔法の力はファランディナに及ばないから、跡継ぎを妹に譲った。今はカノン帝国レンジャー候爵、レンジャー軍団の一軍を任されている。

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