三
「………」
歩はふてくされていた。
今日は七海と出かける日と楽しみにしてたら朝早くから湊を呼んでっと言われ歩はちょっと不機嫌になってる。
もちろん、湊以外もちゃんと居る。真矢や采明、亮平の自然合宿で行くメンバーで今日はショッピングっとなった。
歩はそれにふてくされておりさっきからずっと頬を膨らませ外方を向いてる。
「あーくん、いつまでふてくされてるの? ほら、機嫌直そ!」
「別に悪くない」
本人はそう言ってるが端から見たらどうやってもふてくされてるので七海も困ってる………………?
「あ! あーくんもしかして嫉妬してる!? 私が湊君誘ってて言うから!」
(嫉妬?………………)
確かにみぃーから湊を誘ってて言われた時はびっくりして胸がモヤモヤしたけど、これが嫉妬なのかな………。
「………………………うん。ごめん」
「謝ること無いよ! えへへ! あーくんでも嫉妬するんだね!」
七海はそっと自分の胸に歩の顔をつけるように抱き締めて。
「安心して、私はあーくん以外の男はゴミ以下だから」
「え、ゴミ以下?………………………。あ、う、うん」
七海の歩以外の男はゴミ以下扱いにびっくりして歩の嫉妬は何処かに行ってしまった。
(みぃーって、天然なのかな?)
男をゴミ扱いして涼しい顔で居るから気づかないで言ってるのか………それとも、本気で言ってるのか………………。
歩がチラッと七海を見るとニコッと笑顔をしてくれてそのまま僕の腕に引っ付いてきた。
これは、どっちなんだ?………………。
歩は多分、僕の機嫌を直そうっと思って言ってくれたみぃーの気遣いだと思いそれ以上は考えるを止めた。
「間宮君は七海の何処に惚れたの?」
「え。えっと、一途なところ?」
和泉に聞かれいきなりだったので曖昧な答えを返してしまった。
でも、嘘では……………無いはず。七海がしつこく告白して来て僕はそれに折れて結局、上手くいってるから付き合って正解だったと今の僕は思う。
「あー。確かに七海うざったい程に間宮君を呼び出してたよね」
それに苦笑いで返す和泉。
僕も同じ様に苦笑いで返した。
「あーくんはもう私のだから真矢にも渡さないからね!」
「あー。はいはい。大丈夫だよ~」
みぃーは僕の腕をぐぃっと自分の方に引っ張り僕を大事そうに抱き締めてきた。
それに対して和泉は素っ気ない返事で返していて多分、散々やってるやり取りだから呆れてるんだと思う。
かく言う僕も少し呆れてるけど、それだけみぃーが僕を好きでいてくてるってことだもんね。
歩は一度七海の手を退けて抱き締められるより七海と腕を組んだ。
僕はみぃーに向かって笑顔でニコッと笑いみぃーも笑顔で笑って返してくれて僕は更にみぃーに引っ付いた。
「なぁなぁ! 歩! あっち行こうぜ!」
そこに水を差すように湊が歩を引っ張って連れて行ってしまった。
「………………あいつ、後で絞める」
七海は冷たい声で殺気を出して湊を見ていた。
この後、湊はとあることをされ七海に対して恐怖を覚えることになるとはまだしらない………………………。
それから、 まずは男女に別れてお互いの必需品を買ってから合流してから少し皆でショッピングっとなった。
「うーん。湊、こっちとこっちどっちが良い?」
僕は湊に猫耳が付いてて猫の顔が描かれた黒色のリュックと色ちがい白のリュックを見せた。
「歩なら、こっちじゃね?」
やはり、湊も黒色の方っと言う。
普段なら僕だって黒色を選ぶけど………どっちも可愛いから悩んでしまう。
「うーん。うーん。うーん」
「あれは、何に悩んでるっすか?」
「どっちの色が良いか悩んでる。歩は昔から猫が好きだからな~」
うずくまってどっちにするかっと歩はずっと悩んでおり、それを二人は暖かい目でほのぼのっと歩を見ていた。
「よし! やっぱり黒だ!」
三十分以上悩んで結局、歩は黒色の方にした。
歩以外はもう買っていて歩待ちだったので次は三人で服を買いに行った。
「ここはもう、シャツと短パンで良いだろ」
男の子はやはりここはオシャレをしようとは考えず素朴に決めてしまう。
だが、歩はとある服でまた悩んでた。
「うぅぅ」
歩は黒猫のパジャマかチェック柄のパジャマかっと悩んでいた。
黒猫のパジャマは耳付きで猫の髭も付いてるやつで子供が着る様な服で普通ならチェック柄のパジャマにするけど、可愛いから………でも、これ着て可愛いって言われるの嫌だけど、家なら使えるから買っても………………。
歩は自分の財布を確認すると二つも買うとこれから買い物をするお金まで無くなってしまうから更に悩んだ。
ここで言うならいつも着てるパジャマを持って行けば良い話になるのだが歩の普段のパジャマは猫の絵が沢山付いた服なので持って行くのに気が引け止めた。
だとしたらチェック柄にすれば良いのに歩はどうしても猫のパジャマが買いたいみたいだ。
「あーくん! 何悩んでるの!」
後ろからみぃーが抱き付いてきて一瞬びっくりしたけど直ぐにみぃーに悩んでる理由を説明した。
歩は選択を間違えた。七海に相談したら可愛い歩が見たいために猫のパジャマにさせるに決まっている。
「なら! 猫にしなよ! あーくんが着たら絶対可愛いよ!」
案の定、七海はそう答え、歩自身は余り可愛いっと思われたく無いから嫌だったはずなのに七海に言われたら歩はこっちで良いやっと即決してしまってそのまま猫のパジャマを買って行った。
「みぃーは僕が可愛い方が良い?」
「えっと、その~、私はどっちでも大丈夫だよ?」
歩がいきなりそんな事を言うので七海は本当なら可愛い方っと言いたいけど、歩はカッコいいって思われたいっと思ってるから可愛い方とはとてもじゃないが言えない七海だった。
「そっか」
歩は七海の手を握って七海に寄り添うように引っ付いて七海もぎゅっと歩の手を握って寄り添った。
僕はカッコいいって一回も言われたこと無いから、一度でも良いから言われてみたいって思ってたけどみぃーが言うなら、
僕はもう………………………………可愛いで良いかな。
それからお昼になったので皆でファミレスに入って食事をすることになった。
「歩、お前はどうする」
「うーん。僕はミートスパで良いよ」
「よーし! なら、俺はミートスパの特盛で行くか!」
歩と湊は同じ物を頼むっと和気藹々に決めてそれに嫉妬するかの様に冷たい眼差しで湊を見てる七海。
「!?」
「ん? どうした? 湊」
ビクッ!っと体を震わせ辺りをキョロキョロっと見渡す湊を不思議に思った歩は首を傾げて湊を見ていた。
「いや、その、何か、悪寒が」
「風か? ちょっと邪魔するよ」
歩は湊のでこに自分のでこをくっつけて熱があるかみようとした。
そして、更に湊に対する七海の殺気が増してまたしてもビクっとさせて辺りを見渡す湊。
「お前、ストーカーにあってないよな?」
「いや、大丈夫だけど」
「何かあるなら言えよ? 大事な友達なんだから」
「おう! 歩と俺は固い絆で結ばれた親友だ!」
悪寒がする湊をを心配してる顔で見てる歩と湊はさぞかし仲の良い友達だと思ってしまう光景だが、それに嫉妬する七海からの殺気はずっと続いていた。
多分、歩は可愛いと言われても照れるだけだと思います。
それともう一つは歩がコスプレする時には必ず猫耳が付いてきます!(特に必要も無い情報)。
気にいって頂けたのなら感想、ポイント評価、ブックマークをしてくださると嬉しいです。